MYDCをiDeCo(個人型確定拠出年金)に選ぶのはお得?メリットとデメリット

ローリスクde資産運用

MYDC

ロボアドバイザーによる資産運用が注目されています。

この分野で代表的なのは「THEO(テオ)」と「Wealthnavi(ウェルスナビ)」の2社です。

このうち、お金のデザイン社が運営するTHEO(テオ)をiDeCo(個人型確定拠出年金)で利用することができるのが新しくスタートして「MYDC」です。

MYDCはテオを運営するお金のデザイン社の子会社ですが、伊藤忠商事や福利厚生サービスで有名なベネフィット・ワンなどがパートナーとして参加しています。

ロボアドバイザーを使ってiDeCoでの資産運用ができるMYDC(マイディーシー)、本当に使えるサービスなのか、そのメリットとデメリットを明らかにします。

MYDCの特徴

MYDCは、特にこれまで資産運用の経験がない方や、iDeCoをお手軽に運用して節税メリットを享受したい方に向いています。

運用商品の選択は、ロボアドバイザーのTHEOがサポートしてくれるので安心です。

10分で申し込み手続きが完了

スマホを見る女性

MYDCは申し込み手続きがとても簡単に行えるよう設計されています。

これまで、「iDeCoは資料請求から申込までの手続きが面倒だ」という指摘がありました。

しかし、MYDCはこの問題を解決しスマートフォン・パソコンを使って10分で申込を完了することができます。

申込完了後、印刷した書類に印鑑を押して返送するだけで、すぐにMYDCによるiDeCoでの資産運用が開始できます。(加入審査があるため、運用を開始できるのは申込から1~2ヶ月程度かかります)

ロボアドバイザーTHEOを使った運用商品

ロボアドバイザーでの資産管理

現在、MYDCで用意されている運用商品は4つです。

THEOグロース・ファンド
世界の株式に投資する商品です。インフレ対策にも効果的な世界分散投資がこれ1本で完結します。

THEOインカム・ファンド
世界の債券に投資する商品です。安定的な運用が可能となっています。

THEOリアルアセット・ファンド
不動産やエネルギー、コモディティなど、世界の実物資産(商品)に対して投資する商品です。

上記3つの投資信託に加えて、元本確保型商品「イオン銀行DC定期預金(5年)」があります。

信託報酬は3種類ともすべて年率0.4%+税です。

ただし、THEOは世界のETFを投資対象としている「ファンド・オブ・ファンズ」なので、0.4%の信託報酬に加えて、実質的にはETFの信託報酬が間接的にかかることになります。

最適な運用商品選びをロボアドがサポート

分散投資

投資経験者であれば、MYDCの商品ラインナップを見てある程度理解できると思います。

しかし、投資未経験の方にとっては、MYDCの4つの商品からどれをどれくらい組み合わせて運用すればよいかわからないと思います。

MYDCでは、簡単な質問に答えるだけでロボアドバイザーのTHEOが理想的なポートフォリオを提案してくれます。

iDeCoでの資産運用の方針を「安定」、「標準」、「積極」などのわかりやすい項目の中から選ぶだけでOKなので、初めての方でも使いやすい設計になっています。

MYDCのデメリット

続いてMYDCのデメリットについて考えてみます。

やはり、他社のiDeCoと比較して、運用商品の少なさや手数料の高さが気になるところです。

口座管理手数料がかかる

考える女性

MYDCを利用する最大のデメリットは「口座管理手数料がかかる」ことです。

iDeCoには「加入時に必要な初期費用」、そして「掛金拠出時に毎月必要な費用」の2つがあります。

どちらも、どの金融機関で運用しても一律に発生するものなのですが、iDeCoではこれらの手数料を考えても節税効果が大きいので気にはなりません。

一方で、金融機関ごとに差があるのが「口座管理手数料」の存在です。

口座管理手数料は条件次第で0円となる金融機関がある一方で、毎月500円(年間6,000円)もかかる金融機関もあります

どの金融機関を選ぶかだけで、毎年6,000円の差が付いてしまうというのは大きいですよね。

特にiDeCoは運用期間が最大40年にもおよびます。これを踏まえると、金融機関選びを間違えると手数料だけで最大24万円の差がついてしまうことになります。

MYDCの口座管理手数料は毎月270円+税(年間3,240円+税)となっており、これは他のiDeCo金融機関と比較すると、平均よりは低いです。

しかし、iDeCo金融機関で人気のSBI証券や楽天証券と比べるとMYDCの口座管理手数料は決して安いとは言えません。

なぜなら、SBI証券や楽天証券には「一定条件を満たすと口座管理手数料が0円になる」というサービスがあるからです。

金融機関 口座管理手数料 無料条件
楽天証券 210円+税 iDeCo資産残高が10万円以上で無料
SBI証券 300円+税 iDeCo資産残高が50万円以上で無料
スルガ銀行 250円+税 iDeCo資産残高が50万円以上で無料
MYDC 270円+税
野村證券 317円+税
りそな銀行 293円+税

特に楽天証券は、iDeCo資産残高が10万円を超えた時点で口座管理手数料が無料となります。

仮にiDeCoの掛金の最低金額である5,000円を毎月積み立てても、1年8ヶ月で口座管理手数料は無料となります。

楽天証券のiDeCo利用者は1年9ヶ月目から30年以上ずっと無料なのに、他の金融機関を使っている人はその間ずっと口座管理手数料を払い続けなければなりません。

MYDCも野村證券やりそな銀行と比較すると毎月の口座管理手数料は安いのですが、無料条件がないため楽天証券やSBI証券と比べるとコストは高くなってしまいます。

商品ラインナップが少ない

少ない

すでに「今後商品ラインナップを拡充する」というアナウンスが出ているものの、投信3本、定期預金1本のラインナップだと少し寂しいです。

他社と比べると、記事執筆時点でSBI証券は59本、楽天証券には28本の品揃えがあります。

商品数が少ないということだけがデメリットではありません。

例えば、SBI証券や楽天証券であれば国内債券インデックスファンド、外国債券インデックスファンドが別々に用意されています。

一方で、THEOの債券ファンドである「THEOインカム・ファンド」は世界の債券に投資を行い、その債券の中にはリスクの高い新興国のハイイールド債券も組み込まれています

ぜんぶTHEOにおまかせという意味ではわかりやすくて良いのですが、リスクの観点から考えると、「債券せんぶ入りファンド」に投資するのは決して良い選択とは言えません。

信託報酬が高い

資産運用

また、MYDCで用意されているTHEOの投資信託はいずれも、信託報酬が高めの印象です。

信託報酬とは、資産運用会社に支払う手数料のことで運用残高に対して年率で差し引かれます。

信託報酬が年率1%違うと運用結果に大きな差が出ます。
100万円を3%の複利で30年間運用した場合、信託報酬0.5%の方は210万円となり、信託報酬1.5%の運用では156万円となりました。運用資産が100万円でも、運用結果に50万円以上の差がつくのです。
信託報酬による運用結果の差

上記を見てもわかるように、投資信託を選ぶには信託報酬が0.1%でも低いものを選択すべきであるという意見は、投信ブロガーの間でも定説となっています。

では、iDeCoで定評のあるSBI証券と楽天証券のラインナップと比較した場合、どれくらい信託報酬が違うのでしょうか?

ファンド分類 SBI証券 楽天証券 MYDC
国内株式 0.19% 0.19% 0.4%
外国株式 0.21% 0.225% 0.4%
国内債券 0.12% 0.15% 0.4%
外国債券 0.21% 0.21% 0.4%
国内リート(不動産) 0.25% 0.26% 0.4%
外国リート(不動産) 0.3% 0.3% 0.4%

※信託報酬は税抜
※THEOの場合、国内株式・外国株式は「THEOグロース・ファンド」、国内債券、外国債券は「THEOインカム・ファンド」、国内リート、外国リートは「THEOリアルアセット・ファンド」が投資対象

上記に加えて、THEOの場合はETFの信託報酬も間接的に追加されるので実質コストはさらに高くなります。

THEOは世界分散投資が基本となるため、国内株式と外国株式が1本の投資信託になっています。国内債券と外国債券も同じです。

このように考えると、30年以上の長期運用においてはMYDCよりも業界大手のSBI証券や楽天証券を選んでおいた方が良いというのが私の意見です。(ちなみに私はSBI証券のiDeCoを利用しています)

次の記事は、楽天証券とSBI証券のiDeCo比較、手数料が低いのはどっち?です。