ロボアドバイザー4社の9ヶ月間の運用実績を比較しました

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ロボアドバイザー投資

ロボアドバイザーが注目されてから、私も興味を持っていくつかのロボアドバイザーに投資をしています。

ロボアドバイザーは、投資のすべてをお任せできるファンドラップの利便性に「自動化+低コストな商品選び」という機能を加えたサービスです。

投資方針を決定するだけで、ロボアドバイザーが自動的に最適なポートフォリオを提案し、投資信託(またはETF)の買付を行います。

そして、運用開始後も定期的に資産構成を見直して調整を加える「リバランス」といった作業や、節税効果を最大にするための「損出し」も行ってくれます。

これらすべての作業が人の手を介さず、ロボットによる自動化を実現しているため、きめ細かな運用を低コストで実現できるようになったのがロボアドバイザーの利用メリットです。

これが、ロボアドバイザーが今注目されている理由です。

私が現在投資しているロボアドバイザーは4社です。

  • THEO(テオ)
  • ウェルスナビ
  • 楽ラップ
  • MSV LIFE

このうち、ロボアドバイザーのTHEO(テオ)が最も運用期間が長く、記事執筆時点で運用開始から9ヶ月目となります。

また、投資金額が最も大きいのはウェルスナビです。最低投資金額が高めに設定されていたのが理由です。

ロボアドバイザーの運用実績まとめ

運用期間が若干前後しますが、現在の損益状況やポートフォリオの内訳といった運用実績を公開したいと思います。

調査してみると、ロボアドバイザー各社の性格の違いがわかってきました。

ロボアドバイザー選びの参考になれば幸いです。

THEO(テオ)

THEO(テオ)

運用実績:10万円 → 11.3万円(+13.49%)

私がロボアドバイザーに興味を持ってから、一番最初に手を出したのがTHEO(テオ)です。

運用開始は2016年8月です。

テオは10万円からスタートできるロボアドバイザーなので、手軽に始めることができたというのが大きいです。

トータルリターンが13%となっていてまずまずの運用実績ですが、米ドルベースだと+5%程度なので為替の影響による利益が大きいのかなと感じます。

保有銘柄は以下の通りです。

組入銘柄数:15銘柄
平均経費率(加重平均):0.25%

略称 銘柄名 経費率
VOT バンガード・ミッドキャップ・グロースETF 0.07%
VOE バンガード・ミッドキャップ・バリューETF 0.07%
VTV バンガード・バリューETF 0.06%
VPL バンガード・FTSE・パシフィックETF 0.10%
EWY iシェアーズMSCI韓国キャップトETF 0.62%
EWG iシェアーズMSCIドイツETF 0.48%
LQD iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF 0.15%
MBB iシェアーズ 米国 MBS ETF 0.29%
IEF iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF 0.15%
IHY ヴァンエック・ベクトル国際ハイ・イールド債ETF 0.40%
DBC パワーシェアーズ DB コモディティ トラッキング 0.89%
IGF iシェアーズ グローバル・インフラ 0.47%
IAU iシェアーズ ゴールド・トラスト 0.25%
DBA パワーシェアーズ DB アグリカルチャー 0.89%
SLV iシェアーズ シルバー・トラスト 0.50

THEOはとにかく分散投資が好きなロボアドバイザーなので、あらゆる資産クラスに分散投資を行います。

低コストなETFで有名なバンガードETFを取ってみても、定番のVTI(米国の投資可能な銘柄のほぼ100%に投資するETF)を組み入れるのではなく、3つのETFに分けて投資を行っています。

ここにTHEOらしい性格が出ていると思います。

これだけ分散投資をしても平均経費率は0.25%となっており、THEOの手数料1%を含めると、トータルコストは年率1.25%となります。

トータルコストが年率1.25%というのは決して低いわけではないのですが、ロボアドバイザーに「すべてをおまかせできる機能」や、為替手数料、取引手数料などがすべて含まれていることを考えると、良心的な手数料だと思います。

これだけ分散投資をすると、想定できるリターンはざっくりと4%~5%程度かなと思うので、上記の経費を差し引いた最終リターンは、年率3%~4%程度に落ち着くのではないかと。(ざっくりとしたイメージです)

あまり知られていませんが、テオは丸井グループと提携しており、資産運用を始めたばかりの人でも手が出しやすいロボアドバイザーを目指しているのかな?と感じました。

THEOを運営するお金のデザイン社は、ロボアドバイザーを活用して個人型確定拠出年金(iDeCo)を運用する「MYDC」というサービスも展開しています。

ウェルスナビ

ウェルスナビ

運用実績:100万円 → 113.3万円(+13.31%)

運用開始は2016年11月です。

トータルリターンは13%とTHEOとほぼ同じですが、米ドルベースで見るとウェルスナビのリターンは+9.42%となっています。

先ほど、THEOの米ドルベースでの評価が+5%程度だったので、現在のリターンはウェルスナビの方が優秀と言えます。

ウェルスナビは当初、富裕層向けの運用サービスを提供するという売出し方をしていて、最低金額100万円からの受付となっていました。

しかし現在は30万円からスタートできるようになっており、ウェルスナビ for SBI証券というSBI証券経由でも申込ができるようになったため、敷居は下がってきています。

ロボアドバイザーといえば、THEOとウェルスナビが2強ですが、プレスリリースを見る限り、預り資産ではSBI証券と提携したウェルスナビの方がリードしていると見て取れます。

ウェルスナビの保有銘柄は以下の通りです。

組入銘柄数:6銘柄+現金
平均経費率(加重平均):0.11%

略称 銘柄名 経費率
VTI バンガード・トータル・ストック・マーケット 0.04%
VEA バンガード・FTSE先進国市場(除く米国) 0.07%
VWO バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ 0.14%
AGG iシェアーズ・コア 米国総合債券ETF 0.07%
GLD SPDR ゴールド・シェア 0.40%
IYR iシェアーズ 米国リー卜・不動産株ETF 0.43%

※現金が資産全体の1%残っていました

ウェルスナビはTHEOに比べてあまり分散投資をせずに、男気溢れるポートフォリオというイメージです。

というのも、ETFは1銘柄ですでに数多くの銘柄に分散投資されています。例えば、米国市場のほぼ100%の銘柄に分散されているETFなら「VTI」を1銘柄買っておけば十分だろうという考え方なのだと思います。

また、THEOはコモディティや銀などの商品にも投資をしていましたが、私のウェルスナビは「株式・債券・金・不動産」の4つの資産クラスにのみ投資をしています。

どちらかと言うと私の個人的な考え方に近い投資方針です。

株式中心(VTIとVEAの比率が高い)のポートフォリオですが、平均経費率は0.11%とTHEOの半分以下となっています。

ウェルスナビの手数料も年率1%なので、トータルコストは年率1.11%です。為替手数料や売買手数料などはすべてこの中に含まれます。

楽ラップ

楽ラップ

運用実績:10万円 → 10.6万円(+6.78%)

THEOとウェルスナビはロボアドバイザー専門の事業者ですが、ネット証券大手の楽天証券もロボアドバイザーを使った「楽ラップ」というサービスを展開しています。

楽ラップは名前の通り「ファンドラップ+ロボアドバイザー」のイメージで、投資対象を投資信託に絞っている点で、前述の2社と異なります。(THEOとウェルスナビはETFに投資)

通常、金融機関を通じて販売される投資信託は、販売会社手数料が存在するため、経費率(信託報酬)はETFと比較して高いです。

しかし、楽ラップは「ETFの方がインデックスファンドよりコストが低いという概念を覆します。」というメッセージを掲げ、徹底した低コストインデックスファンドを投資対象としてラインナップしている点で好感が持てます。

投資信託の信託報酬を平均0.25%程度にとどめ、楽ラップの手数料を年率0.7%程度に設定、トータルコストを最大年率0.99%(税込)としています。

先ほど、THEOとウェルスナビの運用実績を報告しましたが、「ETFの方がインデックスファンドよりコストが低いという概念を覆します。」という楽ラップのメッセージの通り、トータルコストでは楽ラップの方が低くなっている点に注目です。

運用開始は2016年11月です。

楽ラップの保有銘柄は以下の通りです。

組入銘柄数:13銘柄+現金
平均経費率(加重平均):0.22%

ファンド名 経費率
ステート・ストリート日本株式インデックス・オープン 0.17%
たわらノーロード 新興国株式 0.35%
ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン 0.2%
ステート・ストリート先進国株式インデックス・オープン(為替ヘッジあり) 0.22%
ステート・ストリート新興国株式インデックス・オープン 0.29%
ステート・ストリート日本債券インデックス・オープン 0.13%
ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン 0.17%
ステート・ストリート先進国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり) 0.2%
ステート・ストリート新興国債券インデックス・オープン 0.63%
ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン 0.27%
ステート・ストリート米国社債インデックス・オープン(為替ヘッジあり) 0.29%
たわらノーロード 国内リート 0.255%
たわらノーロード 先進国リート 0.3%

※現金が資産全体の3.1%残っていました
※すべて楽ラップ専用ファンドです(経費率が少し低い)
※経費率は税抜です

「国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券・新興国株式・新興国債券・国内リート・海外リート」のいわゆる「8資産分散投資」が行われていることがわかります。

経費率は0.22%となっており、THEOよりもやや低くウェルスナビよりは高めです。

ただし、楽ラップはロボアドバイザーの利用手数料が年率0.65%(税抜)と非常に低いので、トータルコストは0.87%となっています。

ではなぜ、THEOやウェルスナビと比較して運用結果がふるわないのかというと、

  • THEO・ウェルスナビ:米国・世界中心の投資(日本国内にはほとんど投資していない)
  • 楽ラップ:国内株式・債券にも積極的に投資

という投資方針の違いがあるからです。
これは、世界メインで投資していくか、国内にもしっかりと投資をするのかという方針の違いなので、どちらが優れているとは言い切れません。

経費率で比較すると楽ラップは最も良いので、私の見解としては「パフォーマンスはいまいちだけどロボアドバイザー商品としては優秀」という意見です。

注意点としては、楽ラップの投資信託には信託財産留保額(解約手数料)が含まれていることです。

楽ラップの投資対象となるファンドは最大で0.3%の解約手数料がかかります。

ロボアドバイザーの場合、資産構成の調整などで自動的に投資信託が売却されることがあるため、信託財産留保額がどの程度影響しているのかは少し気になるところです。

過去の取引履歴を探ってみましたが、ポートフォリオの一部が自動的に売却されていました。

ロボアドバイザーによって定期的に「売却 → 新規買付」が繰り返されることになると思いますが、その度に「信託財産留保額」が発生するのは正直痛いです。

商品内容はすごく良いのに、ここに楽ラップのワナがあるように思えます。

とは言っても、トータルコストが年率0.87%なので、仮にリバランスが年1回行われるとして、その際に信託財産留保額を最大料率である0.3%支払ったとしても、トータルコストは年率1.17%なんですよね。

つまり、信託財産留保額を加味してもウェルスナビのトータルコストとほぼ変わらない状態となります。

MSV LIFE

MSV LIFE

運用実績:10万円 → 10.1万円(+1.4%)

MSVとは「マネックス・セゾン・バンガード」の略称です。

バンガードETFがTHEOやウェルスナビにも積極的に組み入れられるほどの優秀なETFであることは前述の通りですが、MSV LIFEはそのバンガード社が組成に関わっているロボアドバイザーです。

MSV LIFEはマネックス証券のロボアドバイザーで、「マネラップ」と呼ばれることもあります。

運用開始は2016年12月です。

今のところ私のMSV LIFEはほとんど利益が出ていない状態です。

MSV LIFEも投資対象をETFに限定しているロボアドバイザーなのですが、海外ETFだけでなく国内ETFも投資対象にしている点がTHEOやウェルスナビと異なります。

どちらかと言うと、楽ラップと競合する商品なのかな?という印象。

MSV LIFEでとても残念なところは、自分が現在保有している組入銘柄数が一部見れないことです。

私のロボアドバイザーでは、組入銘柄は18銘柄なのですが、管理画面で閲覧できるのは上位10銘柄のみ、あとはどのような銘柄に投資しているのかわからない状態です。

保有銘柄は以下の通りです。(上位10銘柄)

組入銘柄数:18銘柄(実際に見れるのは上位10銘柄のみ)
平均経費率(加重平均):0.09%

略称 銘柄名 経費率
BNDX バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF 0.12%
VEA バンガード・FTSE先進国市場(除く米国) 0.07%
1306 TOPIX連動型上場投資信託 0.11%
SCHB シュワブ U.S. ブロード マーケットETF 0.03%
VNQ バンガードREIT ETF 0.12%
AGG iシェアーズ・コア 米国総合債券ETF 0.07%
BND バンガード・トータル債券市場ETF 0.05%
VOO バンガード・S&P500ETF 0.04%
SCHZ シュワブ U.S. アグリゲート ボンドETF 0.04%
1308 上場インデックスファンドTOPIX 0.088%

上位10銘柄でポートフォリオ全体の88%を占めています。

私のロボアドバイザーの診断が違ったのか、債券中心のポートフォリオとなっており、そのためリターンは小さく防御力は高めになっていると思います。

平均経費率は0.09%と非常に優秀です。

これとは別にMSV LIFEの利用料(運営管理コスト0.6+信託報酬0.225)が年率0.825%(税抜)かかるので、トータルコストは年率0.915%となります。

楽ラップよりは若干高いですが、楽ラップの信託財産留保額を含めると最も低コストなロボアドバイザーと言えます。

まとめ

管理人の評価

THEO
組入銘柄数が多い、積極的な分散投資を行う。
平均経費率は0.25%と優れているが、今回調査対象としたロボアドバイザーの中では最も高かった。

1%のロボアドバイザー利用料を含めると、トータルコストは年率1.25%。
公式サイト

ウェルスナビ
組入銘柄数が少ない、そもそもETF自体が世界分散投資されているという考えからか、ウェルスナビ自体では資産クラスの分散投資のみを行う。
平均経費率は0.11%とTHEOの半分以下、現時点で最もパフォーマンスが高い。

1%のロボアドバイザー利用料を含めると、トータルコストは年率1.11%。
公式サイト

楽ラップ
組入銘柄数は多い、ETFではなく低コストな投資信託を投資対象とするロボアドバイザー。
いわゆる「8資産分散投資」を行う。国内株式・債券にも積極的に投資。(THEO・ウェルスナビは国内への投資はほとんどしない)

平均経費率は0.22%、ロボアドバイザー利用手数料は0.65%なので、トータルコストは年率0.87%と今回の調査では最も低コストだった。

しかし、投資信託によっては自動売却時に信託財産留保額が最大0.3%かかってしまうため、これを考慮すると年率1.17%程度を見積もっておいたほうが良い。
公式サイト

MSV LIFE
組入銘柄数が多い、積極的な分散投資を行うが、上位10位までしかポートフォリオが見れない。
国内ETFにも積極的に投資、(おそらく私の診断結果が影響しているが)債券中心のポートフォリオ。

平均経費率は0.09%と今回の調査では最も低かった。ロボアドバイザー利用料は0.825%なのでトータルコストは年率0.915%となる。
公式サイト

※リターンや組入内容・経費率は診断結果によって異なります

運用リターンが今後どうなっていくかは長い目で見ないと判断は難しいと思います。

ただ、今回の調査でそれぞれのロボアドバイザーの特性が見えたような気がしました。

ロボアドバイザーは今後どんどん改良されるでしょうし、現時点ではどれを選んでも正解・不正解はないと思います。

ただ、実際に使ってみた感じとしては、扱いやすさと合理性で考えると、個人的には「ウェルスナビが1番」、「楽ラップが2番」だと感じました。

THEOは分散投資がしっかりしているので、柔軟性には富んでいますが、分散し過ぎで経費率が高くなってしまっていると思います。

THEOが積極的に組み入れているコモディティ系ETFは総じて経費率が高くなっており、これが平均コストを押し上げています。

ウェルスナビは真逆で、柔軟とは言い難いですが、ETFの合理性を最大限に活用することでポートフォリオを作っている印象です。

その結果、経費率が極めて低く抑えられています。

楽ラップは国内株式・債券も含めた8資産バランスを軸として構成比率を調整する仕組みのように思えます。

ごく一般的な投資戦略で面白みには欠けますが、低コストで運用できるのがメリットです。ただ、不明瞭な信託財産留保額はどうにかしてほしいですね。

MSV LIFEは債券中心の資産構成になっていて、診断が上手くいっていないようなので、時間のある時に再診断しようと思います。

今回の調査では、MSV LIFEは何を基準に銘柄選択しているのかわかりませんでしたが、管理画面で平均経費率を表示しているのはMSV LIFEだけなので、経費率を最も意識してポートフォリオを作っているのかな?と思いました。

相場環境が良かったことも影響していると思いますが、今のところ4社ともすべて損益がプラスとなっていて良かったです。

ウェルスナビの公式サイトはこちら