ウェルスナビとテオはどちらを選ぶべき?ロボアドバイザー比較のまとめ

カメでもわかる投資塾

ロボアドバイザーでの資産管理

ロボアドバイザーによる資産運用をはじめる人が増えています。

昨今、証券会社がこぞってロボアドバイザーを提供していますが、その中でも特に注目度の高い2大業者が「THEO(テオ)」と「WealthNavi(ウェルスナビ)」です。

多くのロボアドバイザーは、いくつかの質問に答えることでおすすめの資産運用方針を診断結果として提示し、それに基づいた運用が行える投資信託を紹介するというものです。

しかし、テオとウェルスナビはいずれも、ロボアドバイザーがポートフォリオの提案・構築・売買による最適化をすべて自動的に行なってくれるという完全おまかせ型のサービスです。

今回は、ウェルスナビとテオについてその違いを比較してみました。

ロボアドバイザー全般の比較は下記の記事をご参照ください。

テオとウェルスナビの顧客ターゲット

富裕層

まず最初に、テオとウェルスナビの決定的な違いを言うと、「ターゲットとしている顧客が違う」ことがあげられます。

ロボアドバイザーの「テオ」は、最低金額1万円からのスタートできるという敷居の低さがあります。

また、「THEOを利用している人の約半数は、資産運用経験がほとんどない方」という情報があり、テオははじめて資産運用をする人をターゲットにしていることがわかります。

それに対してロボアドバイザーの「ウェルスナビ」は、最低金額30万円からのスタートと敷居が高いです。

そして、「利用者の投資経験率が90%」という情報からも、すでにある程度の資産運用経験がある人をターゲットにしていることがわかります。

運用できる資産が限られている人は、必然的に最低金額1万円のテオを選択することになります。(運用資産10万円程度であれば、他にも楽天証券の楽ラップなどの選択肢もあります。)

資産に余裕がある方は、ウェルスナビも検討の対象に入れることが可能です。

ポートフォリオが全然ちがう

ニューヨーク証券取引所

私自身、ウェルスナビとTHEOを両方使っています。

両者のポートフォリオを見比べてみてわかったのが「ポートフォリオの中身が全然違う」ということです。

これは現時点でロボアドバイザーを比較する上でも非常に興味深い内容です。

◆テオのポートフォリオ
グロース
VBR(米国の小型の割安株)
VOE(米国の中型の割安株)
VTV(米国の大型の割安株)
VPL(アジア太平洋地域の先進国の大型・中型株)
EWT(台湾の大型株・中型株)
EWG(ドイツの大型・中型株)

インカム
TLT(残存期間20年超の米国債)
LQD(米ドル建ての投資適格の社債)
HYG(米ドル建てのハイイールド社債)
IHY(米国を除く世界各国の企業のハイイールド社債)

インフレヘッジ
RWX(米国を除く世界各国のリート・不動産株)
EMLC(現地通貨建ての新興国債券)
DBC(コモディティの先物)
IAU(金(現物))
SLV(銀(現物))

◆気づいた特徴
テオの方が保有銘柄数は圧倒的に多い。(分散投資に積極的)
選択しているETFの中身もややマイナーなものが多く、きめ細かくポートフォリオを設計している印象がある。

◆ウェルスナビのポートフォリオ
VTI(米国株式全体に投資)
VEA(米国を除く先進国株式全体に投資)
AGG(米国の債券を投資対象としたETF)
GLD(金(現物))
IYR(米国リート市場を投資対象としたETF)
現金(少しだけ)

◆気づいた特徴
分散している銘柄数が少ない。
選択しているETFが定番のものが多く、比較的ベーシックなポートフォリオを設計している印象がある。

ポートフォリオは上記のように大きく違っています。

ちなみに、現時点では円ベースではテオの方がパフォーマンスが高いのですが、ドルベースではウェルスナビの方がパフォーマンスは高くなっています。

パフォーマンスの高さは一時的なものであり、数年単位で見ていかなければ明確な差はつかないと思うので参考程度ですが。

ウェルスナビのデタックスによる節税効果

税金

ウェルスナビには「デタックス」という独自の節税機能が組み込まれています。

投資における税金は「利益を確定した時に発生する」のが基本です。

よって、保有資産の売却によって確定利益が出てしまった場合は、それを相殺する形で、現在損を抱えている資産も一旦売却して、確定損益を「プラマイゼロ」にします。

発生した利益を損失で打ち消すことによって、税金によって資産の一部が外部に流出してしまうことを防ぎます。

税金の支払いを先送りすることによって、複利効果を享受できるため投資効率をより高めることができます。

テオには現在こうした機能はありませんが、テオも定期的にアップデートされていくと思いますので、いずれ類似の機能がつくのではないかと予想しています。

SBI証券が認めたウェルスナビとテオ

金の卵

個人的に大きな評価だと思っているのが、ウェルスナビとテオはネット証券業界No.1のSBI証券とタッグを組んでいるという事実です。

先に提携を開始したSBI証券の北尾社長は、ウェルスナビについて以下のように回答しています。

■SBI北尾氏が見つけた「金の卵」
SBIホールディングスは国産ロボアドバイザー技術を持つウェルスナビに出資した。

「北米を含めて数々のロボアドバイザーを手掛けるスタートアップを精査してきたが、最も卓越した技術を持つ企業を日本で見つけられた」(北尾社長)。

2016/11/2 日本経済新聞

SBIホールディングスはタッグを組めるロボアドバイザーを探していたようです。

SBI証券は当初、ウェルスナビとの連携を開始しましたが、テオにも2017年にSBIインベストメントが出資をし、連携を開始しています。

ロボアドバイザーの手数料は意外と安い

コストが低い

まず手数料による比較ですが、ウェルスナビもテオも手数料は同じです。

「投資一任報酬」として運用資産残高の1%が毎年手数料として発生します。

この1%の手数料には株式の売買手数料や為替手数料がすべて含まれているので、投資家である私たちが拠出するのは口座への入出金手数料のみとなります。

毎年1%の手数料がかかると考えると、少し投資をかじったことがある人からするとコストが高いと思うかもしれません。

しかし、計算してみると、ロボアドバイザーの手数料は意外と安い事実に気づきます。

まず、テオ・ウェルスナビともに投資対象としているのは米国市場に上場している「ETF」となります。

ETFを通じて世界に分散投資ができるわけですが、仮に自分で海外ETFを買い付けるとなると、

  • 1回ごとに売買手数料がかかる
  • 為替手数料がかかる
  • 自分で1銘柄買付しなければならない
  • 自分でポートフォリオを管理しなければならない

といったコスト・時間の両方がかかってきます。
ロボアドバイザーであればETFの買付やポートフォリオの管理も自動ですので、これらがすべて含まれて1%の手数料となります。

仮に、ネット証券大手のSBI証券で、ロボアドバイザーと同じように手動で海外ETFを買った場合を考えてみます。

手動で海外ETFを買った場合

  • 売買手数料は約定代金の0.45%(片道・税抜)
  • 最低手数料は5ドル
  • 上限手数料は20ドル
  • 米ドル円の為替手数料は25銭(片道)
  • 1回の売買代金が1,200ドル(約13万円)の場合、「取引手数料0.45%、為替手数料0.25%」あわせて片道0.7%の手数料となります。

    年1回、回転売買をすると考えた場合、さらに0.7%の取引手数料が発生するため、往復で1.4%の手数料となりロボアドバイザーよりも割高です。

    ちなみに、SBI証券の場合、最低手数料が5ドルと定められているので、1回の売買代金が1,200ドルよりも少ない場合、手数料率は1.4%よりもさらに大きくなります。

    特に積立で毎月コツコツとETFを買う場合、1ヶ月に1,200ドル以上の買付をするかどうか考えてみてください。

    ただし、ロボアドバイザーは保有期間中も毎年1%の手数料がかかるのに対して、手動でETFを購入した場合は保有期間中は手数料はかかりません。回転売買の頻度によっても、ロボアドバイザーと手動買い付けの手数料の差は変わってきます。

    ※上記はSBI証券の手数料体系を用いた計算ですが、他の証券会社も米国株投資の手数料は概ね同じです。

    手数料の実費だけでなく、売買や管理にかかる手間を考えると、ロボアドバイザーの手数料は決して高くないことがわかります。

取引状況にもよりますが、場合によってはロボアドバイザーの方が手数料が安くなることも十分ありえるということです。

ちなみに、両者ともに運用資産残高が3,000万円を超える分については、手数料を半額の年率0.5%にするとしています。

ウェルスナビは一部の銀行からのクイック入金(振込手数料無料)に対応しているので、振込手数料に関しては、ウェルスナビの方が一歩リードと言ったところ。なお、ウェルスナビ、テオともに自動積立については引き落としや入金の手数料はかかりません。

まとめ

現時点でどちらの方がロボアドバイザーとして優れているかは判断が難しいところですが、テオとウェルスナビを比較してみると、いろいろわかってきたこともありました。

運用資産30万円以下ならテオ
ウェルスナビは資産30万円からしか始めることができないため敷居は高いです。一方で、テオは1万円からスタートできます。

ポートフォリオの中身は違う
テオはしっかりと分散し、マイナーなETF投資。ウェルスナビは定番の数銘柄に投資。ただし、どちらが良いとは一概には言えない。

節税機能による投資効率の強化
利益と損失を自動的に相殺して節税する機能を持つウェルスナビ。この機能で税金による資産の外部流出を防ぎ、投資効率を高めることができる。

初期投資額がある程度用意できる方はウェルスナビ、1万円からロボアドバイザーを体験したい方はテオという使い分けになりそうです。

ウェルスナビの公式サイトはこちら

THEO(テオ)の公式サイトはこちら