りそなファンドラップは選ぶべきか、手数料や評判を中立的に分析

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りそな銀行が展開する「りそなファンドラップ」は、60種類以上の運用パターンの中から、それぞれの方針に合うものが選べるオーダーメイド型の運用サービスです。

事前のヒアリング(アンケート)を元に投資方針を決定し、あとはその方針に従って複数の投資信託を自動的に買付、運用してくれます。

定期的な資産の見直しなども行ってくれるため、資産運用の知識がない方でも、プロに運用をお任せできるのが特徴です。

昨今、多くの銀行や証券会社がファンドラップを販売していますが、他社と比較してどうなのか、今回はりそなファンドラップを中立的な視点で分析したいと思います。

3種類のりそなファンドラップ

3つ

りそなファンドラップには大きく分けて3つの種類があります。

りそなファンドラップ(スタンダードコース) ← おすすめ
最低投資金額300万円から。
インデックスファンドを中心とした構成で、ファンドラップ専用投資信託で運用。オプションとして、オルタナティブ投資や新興国投資も可能。

りそなファンドラップ(プレミアムコース)
最低投資金額500万円から。
アクティブファンドを中心とした構成で、ファンドラップ専用投資信託で利益を追求。オプションとして、オルタナティブ投資、新興国投資の他にヘッジファンド投資が選択可能。

りそなラップ型ファンド
最低投資金額1万円前後から。
「ラップ」と名前が付いているが、3種類の運用方針から1種類を選択できる一般的な投資信託。厳密にはファンドラップではない。

※オルタナティブ投資 = 不動産・原油・商品など株式・債券以外の資産クラスに投資する
※ヘッジファンド投資 = デリバティブ・空売り・レバレッジなどを駆使し徹底して利益を追求する

上記のうちどれを選べば良いのか?ということですが、「りそなラップ型ファンド」はいわゆるファンドラップではないため、今回は除外します。

スタンダードコースとプレミアムコースの場合、個人的にはスタンダードコースの方がおすすめです。

りそなファンドラップの公式サイトでは、プレミアムコースの説明として「スタンダードコースよりも高い収益が期待されます」とあります。

しかし、高い収益が期待できるということは、「より高いリスク・より高いコストがかかる」ことの裏返しでもあります。

また、運用オプションとして設定されている「オルタナティブ投資・新興国投資・ヘッジファンド投資」ですが、個人的にはこれらのオプションも不要であると考えています。

プロフィットロックとロスカット

チャート

りそなファンドラップでは、

  • プロフィットロック
  • ロスカット

の設定ができます。

プロフィットロックとは、利益が一定水準に達した段階でファンドラップを一旦解約し、利益確定するという仕組みです。

ロスカットはその逆で、損失が一定水準に達した時点でファンドラップを解約し、損失を確定する仕組みとなります。

しかし、私の個人的な意見ではこれらのサービスも特に設定する必要はないと思います。

ファンドラップは短期的な利益を追求する商品としては高コストですし、本来は長期の資産形成のために、「長期運用・積立運用」を行う人が多いと思うからです。

また、あまり知られていませんが、ファンドラップの場合、利益確定をすると、確定した利益に対して課税されます。

つまり、利益確定をしてしまうと、その利益を全額再投資に回すことができないため、複利運用の観点から見て不利になります。

長期での資産形成を考えているのであれば、できる限り利益は確定させず、含み益のまま運用することをおすすめします。なぜなら、含み益がどれだけ大きくなっても、含み益の状態であれば一切課税されないからです。

プロフィットロック・ロスカットの機能を使うとするならば、例えば運用資産が1,000万円あったとして、「どんなことがあっても500万円は残したい」という意向がある場合に、ロスカットを設定する価値はあると思います。

また、最初から「資産運用では◯◯万円の利益が出たらスパッと辞める」という意向がある場合において、プロフィットロックを設定するケースが考えられます。

ファンドラップではどのような運用をしてくれるのか

資産運用を考える夫婦

りそなファンドラップは、資産運用が初めての方や、忙しく資産運用の時間が取れない方におすすめの商品です。

知識がなくても、銀行のコンサルタントのアンケートに答えるだけで、理想的な投資方針を決定することができます。

りそなファンドラップには特定口座が利用できますので、利益が出ても確定申告の必要はありません。

投資方針の決定

りそな銀行(埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行)のコンサルタントのアンケートに従って、ライフプランにそった投資方針を決定します。

例えば、定年退職を目前としていて、現在の資産を減らすことなく運用をしたい方はリスクを抑えた投資方針になります。

また、若年層でこれからまだまだ年収が増えそうな場合は、リスクを取っても積極的な運用を目指す方が良いかもしれません。

このように、それぞれのニーズに沿った投資方針を、60種類の運用パターンから決定するのが、アンケートの目的です。

運用の開始

投資方針が決まったら、どのような資産をどの程度組み入れるかが確定します。

あとは、私たち投資家がやることはなく、すべてプロにお任せできます。

投資方針に従ってそれぞれの資産(投資信託)を買付し、運用を行います。

定期的な運用報告がレポート(年4回)で行われますので、現在の運用状況がうまくいっているかどうかを随時確認します。

運用の見直し

資産運用を続けていると、当初設定した資産構成比率が崩れてきます。

例えば、最初に株式100万円、債券100万円という50%ずつの資産構成を作っていたとします。

しかし、1年経って株式が値上がりし150万円になる一方、債券が値下がりし50万円になったとします。

すると、最初は50%ずつだった資産構成比率が崩れてしまい、株式が中心の構成になってしまいます。

そこで、「リバランス」という調整を行い、株式の一部を売却して利益確定し、その利益を債券の追加購入に回すことで バランスを保ちます。

また、当初想定していた運用パフォーマンスを見ながら、より適切な資産構成に組み換えをするための「リアロケーション」も行います。

りそなファンドラップでは、リバランスやリアロケーションといった作業はすべて、自動的に行われるので、私たちはただ定期レポートをチェックするだけで構いません。

投資方針の見直し

もし、りそなファンドラップの運用状況が著しくなければ、戦略を変更することもできます。

つまり、もう一度コンサルティングを受けなおして、最初に決定した投資方針の見直しを行います。

ファンドラップは基本的に「すべてお任せするサービス」ですが、リセットボタンは何度でも自分で押すことができます。

りそなファンドラップの手数料

財布を持つ女性

りそなファンドラップで支払う手数料をまとめると下記のようになります。

投資顧問報酬・運用管理手数料
コンサルティングやレポートの発行、リバランスやリアロケーションといったファンドラップのサービスに係る手数料です。
年率で発生し、支払先はりそな銀行(埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行)となります。

りそなファンドラップでは「固定報酬型」と「成功報酬併用型」の2種類の手数料体系があります。

投資信託の信託報酬
買付をおこなう投資信託の運用者に支払う手数料で、年率で発生します。報酬の支払先はりそなアセットマネジメント(資産運用会社)です。

信託報酬は、

  • スタンダードコース:年率0.25%~0.6%
  • プレミアムコース:年率0.3%~1.51%

※いずれも税抜

となります。

固定報酬型か成功報酬併用型か

比較

「投資顧問報酬・運用管理手数料」にあたる部分では、

  • 固定報酬型
  • 成功報酬併用型

の2種類からどちらかを選択します。

固定報酬型の手数料体系は、運用資産残高から一律の手数料が差し引かれます。

りそなファンドラップの場合、手数料は年率0.87%+税または年率1.2%+税です。

ファンドラップの運用スタイルに「慎重型」と「慎重型以外」があり、慎重型を選んだ場合にのみ年率0.87%の手数料が適用されます。

運用資産が2,000万円を越えた部分については、段階的に手数料率が低くなる仕組みです。

成功報酬併用型は、基本手数料が固定報酬型よりも抑えられています。

基本報酬は運用資産残高に対して年率0.77%+税または年率0.11%+税となっています。

同じく「慎重型」の場合は年率0.77%+税が適用され、2,000万円を越えた部分から段階的に手数料率が下がります。

固定報酬型に対して、成功報酬併用型の基本報酬は0.1%安くなっていることがわかります。

その代わり、増えた資産残高(利益)に対して10%+税の成果報酬が発生します。

運用資産が減った場合は成果報酬は発生せず、基本報酬のみの徴収となります。

固定報酬型と成果報酬併用型では、どちらがお得とは言い切れないのですが、個人的には手数料体系が明確でわかりやすい「固定報酬型」の方をおすすめします。

投資信託の信託報酬

信託報酬

続いて、りそなファンドラップの第2の手数料である、投資信託の信託報酬についてまとめます。信託報酬は年率で発生し、0.1%の差が大きな意味を持ちます

例えば運用資産が300万円の場合、信託報酬0.5%の商品と0.4%の商品を比較すると以下のようになります。

  • 信託報酬0.5%:年間15,000円の手数料
  • 信託報酬0.4%:年間12,000円の手数料

信託報酬が0.1%違うだけで毎年3,000円の手数料差が生じることがわかります。

ちなみに、運用資産を10倍の3,000万円にすると、信託報酬が0.1%違うだけで、毎年3万円の手数料差が生じます。

りそなファンドラップには「スタンダードコース」と「プレミアムコース」がありますが、両者の違いを一言で言うと、

信託報酬が低いインデックスファンド中心のスタンダードコースか、信託報酬が高いアクティブファンド中心のプレミアムコースか

ということになります。

アクティブファンドはより高いパフォーマンスを追求する投資信託ですが、長期的なパフォーマンスを比較すると、多くのアクティブファンドがインデックスファンド以下の結果しか残せていないという現実があります。

パフォーマンスが同じ(またはそれ以下)なのであれば、確実に発生するコストの部分を0.1%でも下げる努力をする方が合理的な選択です。

これが、私が「スタンダードコース」をおすすめする理由です。

スタンダードコースとプレミアムコースのラインナップを比較

考える女性

下記の表は、りそなファンドラップのスタンダードコースとプレミアムコースのラインナップの比較です。

りそなファンドラップ(スタンダードコース)

カテゴリ 商品 信託報酬
国内株式 FWりそな国内株式インデックスファンド 0.3%
国内債券 FWりそな国内債券インデックスファンド 0.25%
先進国株式 FWりそな先進国株式インデックスファンド 0.4%
新興国株式 FWりそな新興国株式インデックスファンド 0.6%
先進国債券 FWりそな先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジなし) 0.35%
先進国債券 FWりそな先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジあり) 0.35%
新興国債券 FWりそな新興国債券インデックスファンド 0.55%
国内不動産 FWりそな国内リートインデックスファンド 0.3%
海外不動産 FWりそな先進国リートインデックスファンド 0.4%

※信託報酬は税抜です

りそなファンドラップ(プレミアムコース)

カテゴリ 商品 信託報酬
国内株式 FWりそな国内株式アクティブファンド 0.9334%
国内債券 FWりそな円建債券アクティブファンド 0.6325%~0.6575%
先進国株式 FWりそな先進国株式アクティブファンド 1.0684%
新興国株式 FWりそな先進国+新興国株式アクティブファンド 1.143%
先進国債券 FWりそな先進国債券アクティブファンド 0.7934%
新興国債券 FWりそな先進国+新興国債券アクティブファンド 0.938%
国内不動産 FWりそな国内リートインデックスオープン 0.3%
海外不動産 FWりそな先進国リートインデックスオープン 0.4%
その他 FWりそな絶対収益型アクティブファンド 0.77%

※信託報酬は税抜です

プレミアムコース(アクティブファンド)とスタンダードコース(インデックスファンド)を比較してみると、信託報酬の差は歴然としています。

例えば、国内株式を投資対象としたファンドを見ても、手数料(信託報酬)は3倍の差がついています。

トータルコストで比較

資産運用

投資顧問報酬・運用管理手数料」と「投資信託の信託報酬」の2つの手数料を合計し、トータルコストを比較します。

トータルコストの比較

りそなファンドラップ(スタンダードコース)
最大:年率1.8%(1.2%+0.6%)
平均:年率1.589%(1.2%+0.389%)

りそなファンドラップ(プレミアムコース)
最大:年率2.343%(1.2%+1.143%)
平均:年率1.975%(1.2%+0.775%)

※投資顧問報酬・運用管理手数料は1.2%(慎重型以外を選んだ場合)としています
※税抜きです

上記2つのプランだけだとお得かどうかわかりにくいので、競合他社のファンドラップも合わせて比較してみます。

ファンドラップにおいては、楽天証券の「楽ラップ」が最も競争力があり人気です。

楽ラップの場合、トータルコストが最大0.917%+税となっており、実はりそなファンドラップ(スタンダードコース)の半分程度のコストで運用することが可能です。

運用資産1,000万円を年率5%の利回りで15年間、複利運用した場合、上記3つの運用パフォーマンスは下記のようになります。

りそなファンドラップと楽ラップの比較

アクティブファンド中心の構成となるりそなファンドラップ(プレミアムコース)のパフォーマンスが特別高くなるのであれば、プレミアムコースを選択する価値はあります。

しかし、多くのアクティブファンドが良い結果を残していないことは歴史が証明しており、またアクティブファンドが将来良い結果を残すかどうかは誰にもわからない不確実性のあるものです。

一方で、コストは確実に発生するものとして計算できます。もしすべてのファンドラップのパフォーマンスが同じなら、上記のような結果となります。

楽ラップとりそなファンドラップの差は200万円以上に相当し、数パーセントのコストの差がいかに大きな影響を及ぼすのかを物語っています。

「ネット証券よりもりそな銀行の方が安心できる」、「銀行とのお付き合いの関係上」、「対面で相談に乗ってくれる部分に安心を感じる」など、りそなファンドラップのメリットもたくさんあります。

しかし、結果重視で運用するのであれば楽天証券の楽ラップを選択することが最も合理的な判断だと私は思います。

楽ラップの公式サイトはこちら