リバランスとは?効果とやり方をわかりやすく解説

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リバランス

ロボアドバイザーや投資信託では、定期的に「リバランス(資産配分の調整)」が行われます。

リバランスによって定期的な資産構成比率の調整をすることで、当初設定していた投資戦略を維持できます。

株式や債券は常に値上がり・値下がりをするため、保有を継続すると当初のバランスが崩れます。それを調整するのが「リバランス」という作業です。

資産配分が崩れるってどういうこと?

リバランスの説明1

例えば、株式に50%、債券に50%を投資して資産運用をするという戦略を取っていたとします。

この場合、グラフで表すと上記のようなグラフになります。

株式、債券にそれぞれ毎月100円ずつ積み立てた場合でも、同額を積立していけばバランスがくずれることはありません。

6ヶ月後、総資産は3,200円に膨らみましたが、資産構成比率は50%ずつと同じです。この時点ではリバランスは必要ありません。
リバランスの説明2

しかし、現実には株価、債券価格は値上がりしたり値下がりしたりします

価格が変わると、投資額が同じでも「時価(評価額ベース)」の資産構成比率に変化が生じます。(時価ベースという点がとても大切です

例えば、下記の図では当初1,600円だった株式が2,500円に値上がりした一方で、同じく1,600円だった債券は1,000円に値下がりしています。

株式の値上がりが大きかったので、総資産は3,500円と増加していますが、資産構成比率は大きく変化しています。
リバランスの説明2

資産構成比率が崩れると以下のような問題が生じます。

当初の戦略では、株式50%、債券50%というバランスの取れた資産構成だったが、現時点ではそうなっていない。

また、リスクの高い株式の比率が高まっているため、当初に比べてハイリスク・ハイリターンなポートフォリオになっている

株価が上がって資産が増えるのは、もちろん嬉しいです。

しかし、資産全体のバランスが崩れてしまい、資産全体に占める株式の比率が高くなると、気づかないうちに株式中心のハイリスク・ハイリターンな資産構成となってしまうのです

そこで、当初の戦略通り「株式50%、債券50%」という資産構成比率に戻す作業が、リバランスです。
リバランス後のポートフォリオ

これで、全体的な資産は増加しつつも、当初と同じリスク・リターンでポートフォリオを維持できます。

リバランスのやり方

分析

資産構成比率を元に戻すためには、基本的に

  • 値上がりして割高となった資産を一部売却する
  • 売却で得た資金を使って、値下がりして割安となっている資産を買い増す

という戦略を行います。

つまり、高いもの(割高となった資産)を売って、その資金で安くなったもの(割安な資産)を買うということですね。このように考えると、リバランスはとても合理的な方法です。

その他の方法として、松井証券の投信工房が採用する「リバランス積立」があります。

リバランス積立とは、資産の売却や買い増しを行わずに、毎月の積立金額に変更を加えることで当初の資産構成比率を維持する方法です。

つまり、資産が全体的に株式に偏ってきたら、毎月の積立金額(上記の例では月200円)を債券中心の積立に変更するということです。

リアロケーションとは

リバランスは当初設定した資産構成比率を維持するための調整作業です。

似たような用語として、リアロケーションというものがあります。

リアロケーションは、資産構成比率自体を変更することをいいます。つまり投資戦略の見直しを図ることを意味します。

ウェルスナビなどのロボアドバイザーでは、診断をやり直すことで運用中のリアロケーションが簡単に行えます。

リバランスのデメリット

考える女性

リバランスの最大のデメリットは、資産の売却・買い増しをする時に手数料がかかることです。

当然ですが、売却・買い増しをすると売買手数料がかかりますので、リバランスを頻繁に行うほどコストが高くなります。

こうした売買手数料は、投資信託などでは「年次報告書」で閲覧できます。

リバランスによってリスクを調整できるメリットを考えると、売買コストが少しかかるくらいであれば大きなデメリットにはなりません。

ただ、リバランスは1年に1回、6ヶ月に1回、3ヶ月に1回など定期的に行われるケースが多いです。

リバランスを簡単に行う3つの方法

長期の資産運用では、定期的なリバランスは必須です。

買ったまま放置をしていると、想像以上に資産のバランスが崩れており、戦略もなにもなくなってしまうからです。

リバランスのやり方は上記で説明した通りですので、自分で実践することもできます。しかし、定期的に資産状況をチェックし、数ヶ月に一度のリバランスを継続し続けるのは、忙しい方にとっては面倒です。

現在は、投資信託のバランス型投信やロボアドバイザーを活用することで、このようなリバランスも自動化できるようになりました。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、簡単な項目を入力するだけで最適な資産構成比率(ポートフォリオ)を提案してくれます。

あとは、その提案を承諾するだけで、提案した内容に沿ってロボットが自動的に資産を買付してくれます。

資産状況もロボットが継続的に監視し、必要に応じて定期的なリバランスも行うので、常に当初の戦略通りのポートフォリオを維持することが可能です。

テオやウェルスナビといったロボアドバイザーは、特定の証券会社に依存することがないため、投資する資産も低コストなETFに限定し、中立的な立場で運用してもらえるのが特徴です。

また、ロボアドバイザーは「年率1.1%(税込)」の手数料の中に売買手数料が含まれています。つまり、リバランス時に発生する売買手数料も無料となります。

ロボアドバイザーはウェルスナビとTHEO(テオ)が有名ですが、両者はリバランスの頻度が違います

▶ウェルスナビ
最長6ヶ月に一度のタイミングでリバランスを行う。
その他には「資産構成比率が当初設定から5%以上変化した時(資産評価額50万円以上の場合)」と入出金のタイミングでリバランスを行う。

▶THEO(テオ)
毎月自動的にリバランスを行う。入出金のタイミングでリバランスを行う。

どちらが良いとは一概には言えません。
資産構成に対して毎月細かく修正を加えていくのが、THEO(テオ)の特徴で、必要最小限のリバランスで手数料を抑えるのがウェルスナビの特徴と言えます。

ロボアドバイザーは自動積立も簡単に行えますので、リバランスを含めた資産運用をお任せしたい人にとって新たな選択肢になるでしょう。

バランス型投信

バランス型投資信託

バランス型投信というのは、主に「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」の4つの資産にバランス良く投資をするタイプの投資信託です。

4つの資産に均等に投資するバランス型ファンドもありますが、株式の組み入れ比率を高めたものや、債券の組み入れ比率を高めたものなど、数多くの中から選択できます。

また、8資産バランスという8つの資産に均等に投資をするタイプのバランス型投信も存在します。

8資産バランス投信は投信ブロガーの方にも人気が高く、このタイプの投信を1本購入するだけで、

  • 国内株式
  • 先進国株式
  • 新興国株式
  • 国内債券
  • 先進国債券
  • 新興国債券
  • 国内リート(不動産)
  • 海外リート(不動産)

の8つの資産にバランス良く投資できます。

バランス型投信はいずれも、当初決められた資産構成比率を維持した運用を行いますので、定期的に自動でリバランスを行います。

松井証券の投信工房

投信工房

松井証券は、投信工房という投資信託のサービスを提供しています。

松井証券で購入できる投資信託にロボアドバイザーの機能を加えたようなもので、100円から積立できるのが最大のメリットです。

投信工房の投資先は、松井証券が取り扱う投資信託なので、自分自身で自由度の高い資産構成を作り上げることができます。

もちろん、初心者の方でも投信工房のロボアドバイザーが最適な資産構成を提案してくれるので安心です。

投信工房では「リバランス積立」という方法を採用しています。

これは前述のとおり、保有資産を売却・買い増しすることでリバランス調整をするのではなく、毎月積立時の投資比率を調整することでリバランスしながら資産を増やしていくというやり方です。

例えば、保有資産全体のうち、株式の比率が高まってきたら、株式ファンドへの積立を一時的に減額し、その分、債券ファンドへの積立金額を増額して、当初設定した資産構成比率に近づけていくというユニークな方法です。

松井証券は、購入時手数料無料の「ノーロード投信」が多いですが、この方法を使うことで投資信託の売買手数料(または信託財産留保額)を最小限に抑えることができるため、コストを抑えながらバランスの取れた積立を実現できます。

▼投信工房の詳細はこちら

次の記事は「iDeCoで選べるおすすめのバランスファンド」です。

個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)でも、業界トップクラスの低コストファンドを選ぶことが可能です。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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