お金のデザイン社が作ったロボアドバイザーTHEOの実力は本物か
執筆者:川原裕也
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ロボアドバイザーのTHEO(テオ)は「お金のデザイン」というベンチャー企業が開発するサービスで、SBIと提携するWealthNavi(ウェルスナビ)と同様に、ロボットにお金の運用を任せるタイプの投資信託です。
投資信託には信託報酬や購入時手数料などのコストが少なからずかかります。
しかし、THEOは運用担当者をロボットにすることで、従来よりも小さなコストでプロ並みの運用をすることができ、その結果パフォーマンスの向上が期待できるというもの。
もちろん、THEOのロボットは機械学習によって時間の経過とともに賢くなっていきます。現在はまだ未成熟な部分もあると思いますが、将来的にあらゆる知恵を獲得したロボットが資産を運用したら、、、想像するとワクワクしますよね。
目次
ロボアドバイザーTHEOの特徴
ロボットアドバイザーのTHEOは具体的にどのような凄さを持っているのか。その特徴やスペックをまとめてみたいと思います。
投資対象となるのは世界のETFのみ
THEO(テオ)が投資対象とするのは世界に上場するETF(上場投資信託)です。個別株式や未上場の投資信託などには投資をしません。
ETFに限定して投資を行うため、ポートフォリオを大きく毀損する確率は低く、安定した運用ができます。投資対象は株価指数の他にも金や原油などすべて含まれます。
THEO[テオ] は、世界中のさまざまなインデックス——香港の株式や、米国の債券、金や原油など——に連動するETFを組み合わせたポートフォリオを構築することで、国際分散投資を実現します。過去9年のシミュレーションによる年あたり平均リターンは5.0%と、世界の経済成長率に近い水準です。
THEO自体がロボット型の投資信託ですが、投資対象をETF(上場投資信託)に限定しているため、いわゆるファンドオブファンズの形式となります。
つまり、間接的にはETFの信託報酬もコストとしてかかるので、「THEOの手数料1%+ETFの信託報酬」が実質的に私たちが負担するコストです。
THEOとWealthNaviの比較はこちら
ウェルスナビとテオはどちらを選ぶべき?ロボアドバイザー比較のまとめ
分散投資をしっかりと行う
THEOは運用資産を2倍、3倍にするようなハイリスク・ハイリターンの投資ではなく、安定した成長が期待できる資産運用を目指すロボットアドバイザーです。
分散投資をしっかり行い、リスクを最小限にしながらパフォーマンスの最大化を目指します。
- 地理の分散
- 日本国内だけでなく東南アジアや欧米など幅広い国に分散投資します。
- アセットクラスの分散
- 株式ETFだけでなく、債券や金・原油といった商品市場、またリート(不動産)など様々な資産クラスに投資。
自分だけのポートフォリオを作ってくれる
THEOは投資一任サービスなので、いわゆる「ラップ口座」に近いスタイルの投資方法です。
一般的な投資信託は、その商品を購入したすべての人が同じポートフォリオを持つことになりますが、THEOはまず最初に5つの質問に答えることで、自分だけの最適なポートフォリオを提案してくれます。
※現在は難しい質問を一切なくし、プロフィールを入力するだけで、THEOが膨大なデータに基づいた最適な提案をしてくれる設計となりました。
THEOの提案内容に同意したら、THEOの証券口座を開設します。後はお金を入金するだけで、ETFの買付から運用まですべて自動で行ってくれます。
ラップ口座と同様に、定期的なポートフォリオの組み換えやリバランスを実施し、その内容はすべて毎月の運用報告書で通知してくれます。
THEOの手数料は安いのか?
投資信託には信託報酬をはじめとするコストがかかります。
THEOの手数料は以下のとおりです。
- 年率1.1%(預かり資産3,000万円まで)
- 年率0.55%(預かり資産が3,000万円を超える部分)
※税込です
手数料はライバルとなるウェルスナビと同じです。
この中にETFの売買手数料や口座の出金手数料などはすべて含まれているので、私たち支払うのは上記のコストのみです。
これらのコストは別途請求されるわけではなく、純資産残高から自動的に差し引かれます。
例えば、THEOが年率6%のリターンを出せば、私たちが受け取る手数料控除後のリターンは5%となります。
THEOが年間2%の損失を出してしまった場合でも、手数料は差し引かれるので実際は3%の損失を計上することになります。
資産運用業界において、年率1%の手数料は決して安くはありません。しかし、THEOと比較すべきは「ファンドラップやラップ口座」です。
THEOに支払う手数料はあくまでも「投資一任報酬」だからです。
仮にラップ口座やファンドラップとTHEOを比較した場合で考えると、コストはかなり安いと感じます。
また、ファンドラップと同等のサービスが1万円から利用できると考えると、THEOの優位性が見えてきます。
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ロボアドバイザー比較、ファンドラップより低コストで確実な資産運用を実現
テオ カラーパレットで手数料は最大35%OFFに
THEO Color Palette(テオ カラーパレット)は、年率1.1%(税込)の手数料を、取引状況に応じて割引するサービスです。
テオ カラーパレットにより、手数料は年率0.715%(税込)まで引き下げることができます。
カラー | 手数料 | カラー基準額 |
---|---|---|
ホワイト | 1.1% | 条件なし、初期ランク |
ブルー | 0.99% | 1万円以上50万円未満 |
グリーン | 0.88% | 50万円以上100万円未満 |
イエロー | 0.77% | 100万円以上1,000万円未満 |
レッド | 0.715% | 1,000万円以上 |
※手数料は年率、税込です
テオ カラーパレットの判定条件には「毎月積立の実施」が必要です。ランク制度の恩恵を受けられるのは、積立投資をしている人だけです。
カラー基準額の計算は少しややこしいのですが、ざっくりとわかりやすく言うと「運用資産」に近い金額です。
具体的な計算方法を解説すると以下のようになります。
- A:運用開始から現在までの入金総額を計算
- B:運用開始から現在までの出金総額を計算
- (A – B) ÷ 3
- 3ヶ月毎に評価する
ランクの判定は3ヶ月ごと「4~6月」、「7~9月」「10~12月」「1~3月」に行われます。
例えば、THEOの運用を開始してから、すでに入金額が計80万円に達しており、過去に出金した金額が合計10万円の場合。毎月1万円の積立をしていて、計算期間中には一度も出金していないとします。
上記の条件では、
- 4月:71万円(80 – 10 + 1)
- 5月:72万円
- 6月:73万円
となり、4~6月の基準額は「(71+72+73)÷ 3 = 72万円」になります。
よって、テオ カラーパレットの「グリーン」ランクになり、7月以降の3ヶ月間の手数料が年率0.88%(税込)に下がります。
どんな人が利用しているの?
すでに多くの投資家が愛用しているTHEO。では、THEOを利用しているのはどういう人たちなのでしょうか。
THEOを利用している人の約半数は、資産運用経験がほとんどない方です。
お金のことについてよくわからない、どうやって資産運用をすればよいかわからない人が、話題のロボアドバイザーを試してみようという気持ちでTHEOに投資をしていると推察されます。
全体の47%、30代以下の若い方の54%が投資経験がほとんどない方々です。THEOは新しい顧客層の開拓に貢献しているといえますね。
ロボットによる資産運用に抵抗がないのか、30代の投資家が全体の43%となっており、20代・30代が全体の57%を占めます。(2016年8月時点の情報に基づきます)
「投資」や「資産運用」というと40代以上のご年配の方がやっているイメージですが、THEOに関しては20代・30代の若い方が多いです。
理由として考えられるのは、THEOは少ない金額から手軽に始められるメリットがあるということ。もう一つは、20代や30代の方は仕事やプライベートを含めて一番充実している年代ですから、そもそも投資について学ぶ時間もない。
そういった状況のなかでロボットが代わりに資産運用をしてくれるという選択肢が、しっくりくるのでしょう。
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THEOの評判は?
丸投げ投資THEO。アウチな展開があっても(笑)つけて話せる程度にしておくのだ。50万入れてた時は毎日ログインして一喜一憂してたもんね。精神衛生上良くない。みずほ銀行と楽天?もロボアドやってるっけ。同じ金額ずつ任せて比較したい気もする。
— MOCO (@nagism) 2016年8月4日
THEOの時価評価額が1ヶ月以上ぶりにプラスに( ^ω^ )初めての投資だから見送ったけど、やはりBrexit直後に追加で資本投下しておくべきだったかな…まあ上がっても下がっても勉強代だと思って。
海外の株式や債券、投資信託、不動産などへの投資する『海外資産運用』は、これまでは、機関投資家や富裕層が証券会社やプライベートバンクなどを通して行うことが多かったんですが、これをフィンテックの力で誰でも行えるようにしたのが、株式会社お金のデザインが運営するTHEOです。(続)
— 津田大介 日本にプラス+ (@tvasahi_n_plus) 2016年7月6日
THEOの投資結果がひどいな今のとこ。マイナスしすぎとかはいいんだけど、わたしゃ世の中の動向を見て、機敏に売り買いしながらポートフォリオを買えるのかと思ってた固定じゃねぇか的な。。。
だったら普通に投資した方が儲かる論
何か大きな買い物でもしたと思ってドン!お金のデザインtheoなるものを始めてみた。資産運用に興味はあったけど何年もウジウジ動けなかった私にピッタリの、完全な丸投げ投資。スタートから躓いていて出鼻挫かれまくりだけど見守らねば。いや、あんま見ないほうが精神衛生上良いのかも。
— MOCO (@nagism) 2016年6月6日
theoというロボット投資サービスにお金預けてから約10日。
上がったり下がったりぐにゃぐにゃしながら今0.8%の含み益がでてる— ふくふくKnowers (@fookoofookoo) 2016年5月27日
theoでAI任せの投資することにした
— SMZGNT (@ryahoo_kage) 2016年4月17日
ロボットが自分の代わりに投資してくれるTHEOにお金突っ込んできた⊂((・x・))⊃ 自分よりもロボットの方が投資効率よかったら泣く⊂((・x・))⊃
— らーら【ノマドワーク実践中】 (@rara_bass) 2016年4月14日
THEOによる投資はいきなりの爆損、慌ててポートフォリオを検証すると40銘柄近い分散投資を行っているがほぼ海外の株や債券ばかりと判明。これではわずかな円高だけでも即死級ダメージ。撤退は10%損失と決め円相場の回復を待つ。(死亡フラグ
— ba20090112 (@BA20090112) 2016年4月7日
現在公表されているTHEOのパフォーマンス(2007年7月~2015年6月)は期待リターン5%となっています。
ただしこれは、配当再投資、運用報酬控除前、税金・取引手数料等控除前の数値なので、実際の期待リターンはそこまで良いとは言えません。
THEOは安定した資産運用を目指すファンドなので、あくまでもインデックス通りの成長を目指す方針であることを考えると、5%でも妥当なリターンと言えるのでしょう。
筆者の視点
THEO(テオ)のようなロボアドバイザーを利用する最大のメリットは「資産運用におけるすべてを完全に任せられる」ことに尽きます。
これまでにも、こうしたお任せサービスは「ファンドラップ」などの商品で販売されていました。
しかし、ファンドラップやラップ口座は手数料があまりに高すぎることが問題視されていたのも事実です。
そのような中で、運用を自動化することによって「運用お任せサービスの低コスト化」を実現したのが、THEOのようなロボアドバイザーの存在です。
運用コストが大きく下がったとは言え、年率1%を超える手数料は、資産運用業界では決して安いとは言えません。
投資信託や資産運用について自分自身で勉強をすれば、THEOを使わなくても正しい商品を選び、運用を行うことができます。自分でやった方がさらに運用コストを低くできるのは言うまでもありません。
しかし世の中には「資産運用について勉強する時間がもったいない。もっと自分にとって大事なことに時間を使いたい」と考える方も大勢います。
そのような方にとって、THEOのような「運用について勉強したり、時間を一切かけなくても完全お任せできるサービス」は非常におすすめです。
手数料がかさむ分、得られるリターンは小さくなりますが、もともと資産運用に時間を割きたくない人にとっては、THEOに任せることで資産を少しでも増やせるだけで、大きな利用メリットがあります。
実際、THEOで運用した場合、得られるリターンは年率3%~5%程度だと考えています。(手数料を差し引いた最終リターン)
自分で運用すればさらにリターンは高められます。しかし、一切時間をかけず、完全おまかせで上記のリターンが得られるのであれば、THEOを選ぶ価値は十分あると言えるでしょう。
スマホがあればすぐに口座開設できます
THEO(テオ)は、まず最初に5つの質問(プロフィール入力などの簡単な質問)に回答することで、自分に最適なポートフォリオを提案してくれます。ここまでは口座開設をしなくてもお試しできるので安心です。
その結果と期待収益率を見たうえで、THEOで運用しても良いと判断したら、口座開設を行います。
THEOの口座開設は簡単です。必要事項をフォームに入力して送信し、その後本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)を携帯カメラで撮影して、そのままアップするだけです。
スマホがあれば誰でもその場ですぐに口座開設の申込ができます。(口座開設は無料です)
その後、最短2営業日で口座開設が完了します。
現在、証券口座の開設にはマイナンバー登録が必要なので、オンラインでマイナンバーを登録し、あとは口座にお金を入金すれば、その後の運用はすべてTHEOが自動で行ってくれます。
早速、口座開設してみました
本当に期待利回りが得られるのかな、、、と不安になりつつも早速口座開設してみました。
まずは、無料診断で9つの質問に答えます。質問内容は誰が何回やっても同じです。質問内容に従って項目を埋めていきます。
※現在は質問数がさらに減り、質問内容もより簡単になりました。
項目をすべて埋めると、診断結果が表示されます。
私がやってみたところ、THEOに「配当・利息重視」と診断されました。債券などのインカム系の商品を中心に投資した方が良いとのこと。
具体的なアセットクラスと国分散のデータが表示されます。先進国株式の大型株を持つのが良いみたいです。
過去のシミュレーションと未来のリターン予想も表示されます。この運用方法で過去を遡ると、期待収益率は3.6%となりました。債券中心の運用でこの利回りならまずまずでしょうか。
また、THEOに100万円投資した場合、5年で約133万円になるとのシミュレーションが出ました。もちろん将来のリターンを保証するものではないので、77万~218万円というレンジで示されています。
診断は無料なのですが、せっかくなので口座開設をしてみました。メールアドレスを登録します。
届いたメールのURLをクリックし、必要事項を入力します。最後に、本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)を携帯のカメラで撮影してアップロードします。
アップロードが完了したら口座開設申込は完了。ここまでの所要時間は5分ぐらいでしょうか。
審査が完了し、最短2営業日、平均3営業日で審査結果が届きます。
私の場合は、木曜日に申込を完了し、土曜日に口座開設の通知書(住所確認)が届き、翌月曜日には口座開設が完了しました。
休日を挟んでいましたが、3営業日で口座開設ができるというのは本当です。
その後、マイナンバーのアップロードを行い、口座にお金を入金すればTHEOでの運用開始です。
THEOの運用状況を報告します
2016年8月17日
マイナンバーの手続きでトラブルがあったものの、本日ようやくTHEOによる運用を開始することができました。運用結果については随時報告していきたいと思います。
運用状況や保有銘柄、カテゴリごとの収益率など、グラフィカルで見やすいです。
カテゴリごとの収益率。
保有銘柄(こちらをクリックしてください)
2016年10月12日
THEOでの運用を開始してからもうすぐ2ヶ月が経ちます。
一時期はマイナス圏で推移していましたが、再び浮上して1.61%のリターン。インデックスファンドでの運用となるので、数ヶ月~数年単位の長い目でみることが大切だと思います。
2016年12月1日
トランプ相場の恩恵も受け、トータルリターンは8%を超えました。ポートフォリオを見てみると、グロースが12%のリターンを出しており、インカム・インフレが3%程度のリターンとなっています。
2016年12月31日
年納めということで、THEOの運用報告です。すでに14%のリターンが出ている状態です。2017年にも期待したいです。
それではまた、気が向いたら報告します。
2019年11月20日
久々の更新です。当初THEOに預けた10万円の資産は、現在122,969円になっています。トータルリターンは22.9%、複利ベースの年率リターンは6.55%とまずまずの結果です。
ロボアドバイザーについてもっと詳しく
最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
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P さんがコメントしました - 2023年12月18日
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No Name さんがコメントしました - 2023年10月8日
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2件のコメント
はじめまして。テオの資産運用。
2019年20日以降、現在に至るまで、
どうなりましたでしょうか?
もし、よければ教えて頂けないでしょうか?
テオにお金を、預けるか
ずっと、迷っています。
>松本秀代さん
先ほど見てみましたところ、現在は124,427円となっていました。
新型コロナの影響で一時は大きく下がりましたが、その後大きく戻し、2019年11月20日の報告時よりも若干増えています。
トータルリターンは24.4%、複利ベースの年率リターンだと年5.21%になります。
もちろん、株式市場が下がればTHEOも影響を受けますが、長期的な視点で運用すれば、年率3~5%程度での運用ができると考えています。
目先の利益よりも、長期的な目線で考えるのがTHEOでの運用を成功させる秘訣だと思います。