インド株に投資する方法、おすすめのETF・投資信託を比較

B! pocket

インドへの投資を考える

著しい経済成長が見込める国として、中国に続いて注目されているのが「インド」です。

今回は、高い成長が期待できるインド株への投資を考えてみます。規制によってインド株への直接投資ができないため、私たちはETFや投資信託を通じて間接的に投資することになります

まず、現在のインドの状況から簡単に説明します。

世界1位の人口になるインド

世界の人口推移1950 - 2050
世界の人口 インタラクティブ版のグラフはこちらをクリック

通常、新興国(発展途上国)は出生率が高く、人口増加率が高いのが特徴です。その後、先進国化するに連れて出生率が低下し、人口減少の道をたどる傾向にあります。

私たちの住む日本はその典型です。アメリカが現在も人口増を続けているのは、多くの移民を受け入れているからです。

上記の画像は、総務省統計局が発表した「世界の統計2018」から、日本・インド・中国・アメリカの4カ国の人口推移を表したものです。

日本の人口は減少の一途をたどりますが、最新のデータでは2050年時点でも1億人の人口を維持できるとしています。

移民を積極的に受け入れているアメリカの人口は増加し続けますが、2050年時点で4億人弱になると予測されています。

一方で、爆発的に人口が増えている中国ですが、2025年あたりをピークとして人口は減っていくと考えられています。(それでも2050年で13億人以上)

しかし、その中国をさらに上回るのが「インド」です。2050年にはインドの人口は世界1位になると予想されています。

別のデータによると2100年の時点でも世界1位を維持し、16億人規模の人口を誇っているようです。日本の人口の約16倍と考えると、その規模がいかに大きいかがわかります。

世界の人口データはこちらをクリック

高いGDP成長率が持続する

インドの実質GDP成長率

実質GDP成長率 インタラクティブ版のグラフはこちらをクリック

経済成長率は一般的に、GDP(国内総生産)の成長率で示されます。

GDP成長率は「労働時間 × 労働生産性」によって決まると言われており、労働時間の長さは「人口」に比例します。

新興国のGDP成長率は全体的に高い傾向を示しており、上記のグラフでもわかるとおり、インドや中国の実質GDP成長率は高くなっています。

直近では、中国のGDP成長率が落ち着きを見せていることからも、「(ソフトバンクのように)中国の次はインドだ」と新しい投資先を開拓する事業者も増えています。

実質GDPとは、インフレ率を考慮した上での経済成長率のことです。

GDPの詳しい話は「GDPとは何かをわかりやすく解説 世界のGDPの調べ方とGNPとの違い」をご覧ください。

実質GDP成長率データはこちらをクリック

繰り返しとなりますが、ソフトバンクなどはインドに積極的に投資をしています。(数年前は中国に積極投資をしていました)

また、以前ソフトバンク創業者の孫正義の後継者と言われていたニケシュ・アローラも、現在のグーグルCEOを務めるサンダー・ピチャイもインド人です。

最近では、インドNo.1のスマホ決済を展開する「Paytm(ペイティーエム)」に、著名投資家のウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが投資したと報じられました。

バークシャー・ハサウェイが海外の企業に投資することはめったになく、インド企業への投資はおそらく初めてだと思います。

このような状況からも、インド人、インド企業、そしてインドという国全体に注目が集まっていることに、疑いの余地はありません。

インドの株価は上がっているのか

株価上昇

人口の伸びや実質GDP成長率の高さは申し分がありません。では、インドの株価は経済成長に伴って上がっているのかどうか。

私がよく利用させていただいている「わたしのインデックス」さんより、2018年10月末時点のデータを比較してみました。

インドでは「BSE SENSEX」という株価指数が最も有名です。

インドを代表する30銘柄から構成される「NYダウのインド版」のような存在です。

BSE SENSEXの年率リターン
  • 3年:+7.5%
  • 5年:+9.4%
  • 10年:+13.0%
  • 15年:+13.6%
  • 20年:+13.1%

※配当なし、インド・ルピーベース
※2018年10月末時点

上記は「年率リターン」ですので、20年間の「年間複利利回り」が+13.1%だったことを表します。つまり、毎年毎年、投資額が13.1%ずつ増えていくということです。(もちろん、年によってデコボコはありますが)

例えば、20年前に100ルピーを投資していた場合、現在1,173ルピー(約11倍)になっている計算です。

どの時間軸で見てもプラスとなっており、チャートを見ずとも「インドの株価指数が上がり続けてきた」ことがわかります

念の為チャートをチェックしてみると、きれいな右肩上がりになっています。

インド BSE SENSEXのチャート
出典:Google
チャートはYahoo!ファイナンス(US)が見やすいのでおすすめです

ただ、この値上がりはインド・ルピーベース(現地通貨ベース)です。

一見、上がっているように見えても、為替レートの変動を考慮してグローバルで考えると、利益が出ていないということも結構あります。

この問題を解消するために、「米ドルベース」の比較を行います。

比較対象として用いたのは、下記の3つの株価指数です。

MSCIインディア
インドの株式市場の時価総額85%以上をカバー。構成銘柄数は80銘柄弱。
MSCIコクサイ
日本を除く先進国22カ国で構成。先進国の時価総額の85%以上をカバーする、先進国の代表的な株価指数。
MSCIエマージング・マーケット
インドや中国を含む新興国24カ国で構成。新興国の時価総額85%以上をカバーする、新興国全体の代表的な株価指数。

いずれも米ドルベースで10月末時点での比較を行いました。(出典は同じく、わたしのインデックスさんです)

▼インド単体と先進国・新興国の年率リターンを比較

インデックス(株価指数) 3年 5年 10年 15年
MSCIインディア +3.9% +5.9% +9.5% +10.5%
MSCIコクサイ +8.8% +7.6% +11.0% +8.1%
MSCIエマージング・マーケット +6.9% +1.1% +8.2% +8.8%

※配当込み・米ドルベース
※2018年10月末時点

米ドル換算した上で比較し直すと、興味深いデータが取れました。

全体的にみると、MSCIエマージング・マーケットよりもインド単体の方が年率リターンは高い傾向にあります

しかし、インド単体よりもMSCIコクサイの方が年率リターンは高めです。ただし、15年という長期で見た場合は、MSCIインディアの年率リターンが最も高くなっています

これはおそらく、2009年のリーマンショックによってアメリカの株価指数が大きく値下がりしたことの影響かと思います。

あくまでも私の感想ですが、地政学リスクも踏まえてこの結果を見ると、個人的にはインド単体よりも、先進国全体への投資を選択する方が、リスクを抑えて堅実なリターンが得られるのではないかと思いました。

インド株単体では、米ドルベースで見ても着実に成長していることがわかりました。

とはいえ、インドの経済成長率が高いからと言って、株価も他の指数を大きく上回るほど伸びているというわけではなさそうです。

インド株に投資できるETFと投資信託

冒頭でも述べましたが、インド株に直接投資することはできません。インドに投資する場合は、投資信託やETFを購入することになります。

インドを投資対象にしているETFや投資信託をいくつかピックアップしてみました。

インド株に投資できる国内ETF

東京証券取引所

現在、インド株のインデックスに連動する国内ETFは実質1銘柄しかありません

以前はもう1銘柄あったのですが、現在は償還されてしまい買うことができません。

ETFであれば、株式取引手数料と年率1%未満の信託報酬だけで運用できます。取引手数料の安いネット証券での売買なら、購入する価値は十分にあると思います。

証券コード ETF名 信託報酬
1678 NEXT FUNDS インド株式指数上場投信 0.95%
2046 NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN 0.85%
2047 NEXT NOTES インドNifty・ベア ETN 0.85%

※信託報酬は税抜きです

いずれも、インドの株価指数である「Nifty50」に連動するETFとなっています。

通常は「1678 NEXT FUNDS インド株式指数上場投信」を選びます。

2046は値動きが2倍になるレバレッジETN、2047は値動きが-1倍(空売り状態)になる特殊なETNですので、仕組みをよく理解してから投資判断を下すようにしてください。

インド株を投資対象にした投資信託

iTrustインド株式

インド株に投資する投資信託の商品ラインナップは豊富です。

ただし、購入時手数料や信託報酬が高いものが多いのがデメリットです。どれだけ株価上昇率が高くても、コストが高ければリターンは大きく目減りしてしまうからです。

ファンド名 購入時手数料 信託報酬 信託財産留保額
iTrustインド株式 0円 1.418%程度 なし
野村 インド株投資 3% 2.0% 0.5%
T&Dインド中小型株ファンド(愛称:ガンジス) 3% 1.94%程度 0.3%
新生UTIインドファンド 3.5% 1.788%程度 0.3%

※購入時手数料・信託報酬は税抜きです

いずれも、アクティブファンドばかりです。(おそらくインデックスファンドはありません)

また、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額のすべてが高額となっています。私の個人的な感想ですが、このコストだと投資に尻込みしてしまいますね。。。

コスト面で最も優れているのは、「iTrustインド株式」です。

購入時手数料がノーロード(0円)で、信託財産留保額もありません。しかし、信託報酬は税込みだと1.5%を超えてくるため、やはり高いと言わざるを得ないです。

iTrustシリーズについては以前記事を書いています。あわせてご覧ください。

インド株ADRを買う

ニューヨーク証券取引所

また、一部のインド企業は米国株式市場に「ADR(米国預託証券)」として上場しています。

ADRなら米ドル建てで、米国株式と同じように売買することが可能です。

楽天証券で買えるインド株ADRは以下の通りです。銘柄数は少なめです。

ティッカー 銘柄名 業種
HDB HDFCバンク 金融(銀行)
IBN ICICIバンク 金融(銀行)
INFY インフォシス・テクノロジーズ ソフトウェア・ソフトウェアサービス
RDY ドクター・レディース・ラボラトリーズ 医薬品
SIFY シフィ・テクノロジーズ ネットワーク・ネットワークセキュリティ
TTM タタ・モーターズ 自動車・自動車関連
VEDL ヴェーダーンタ その他製造
WIT ウィプロ ソフトウェア・ソフトウェアサービス
WNS WNSホールディングス 情報処理サービス

おすすめしたい海外ETF

ETF

インド株投資を最も低コストで実現できるのは、海外ETFです。

楽天証券・SBI証券ともに10銘柄程度の取り扱いがあります。

上記の中から、良さげなETFをピックアップしてみました。

iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディア・インデックス ETF
経費率は0.64%。インドの株価指数BSE SENSEXに連動する海外ETFです。香港市場に上場していますが、運用は米ドル建てで行います。
ウィズダムツリー インド株収益ファンド
経費率は0.84%。ウィズダムツリー インド アーニングス インデックスに連動する海外ETFです。米国市場に上場しています。
iシェアーズ MSCIインディアインデックス
経費率は0.91%。シンガポール市場に状況。MSCIインディア・インデックスに連動します。

経費率の低さで選ぶなら、「iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディア・インデックス ETF」がおすすめです。

ただし、香港市場に上場しており、かつ米ドル建てで運用されるため、私たち日本人は香港ドル・米ドル・インドルピーの3重の為替リスクを背負うことになります。

ウィズダムツリー インド株収益ファンド」は米国市場に上場しているため、取引の敷居は低いと思います。

しかし、連動する指数が「ウィズダムツリー インド アーニングス インデックス」という独自の指数になっており、インド株式の主要なインデックス指数ではない点に注意が必要です。

なお、「ウィズダムツリー インド アーニングス インデックス」は約425銘柄で構成される、収益性の高いインド株を集めた指数となっています。(スマートベータに近い指数ですね)

iシェアーズ MSCIインディアインデックス」はシンガポール市場に上場していますが、経費率が高めです。

この経費率であれば、(インデックス指数は違いますが)国内ETFの「1678 NEXT FUNDS インド株式指数上場投信」を選ぶ方が良いのではないかと思います。

この記事で取り上げた海外ETF3銘柄は、いずれも楽天証券・SBI証券で購入可能です。

インド株投資は難しそうだ

1億人の投資術 管理人の評価

インド株への投資について調べてきましたが、いかがだったでしょうか。

私の結論と率直な意見を言うとこのような感じです。

  1. インドの成長率は高く、インド株も大きく上昇している
  2. ただし投資のコストが高い、新興国なので地政学リスクや為替リスクも心配
  3. 魅力的な市場ではあるが、リスクを考慮すると投資するには至らない

あくまでも私の意見ですので、皆さんの受け止め方はまた違ったものになるかもしれません。

もし投資するのであれば、インドも含めた「新興国全体」へ投資をした方が、リスク・リターンの点で良いような気がしました。

また、私自身としては「先進国全体」に投資し、海外分散投資をしておけば、多少リターンが小さくなっても問題ないと考えています。

よって、iDeCoやつみたてNISAにおいても、あえて新興国に投資する必要はないと思います。

投資先が国内だけに集中するのは良くないと思いますが、かといって高いリスクを取って、より値上がりする可能性のある新興国を買うという判断にはなりません。(保守的な投資家なのでご容赦ください)

安定的な資産運用という意味では、海外投資は先進国だけに特化しても大きく失敗することはないと思います。

以上、保守的な投資家のちょっとしたつぶやきでした。(もしよろしければ、皆さんの考え・意見もコメントで聞かせてください)

次の記事は、「楽天・新興国株式インデックスファンドの評価は?利回りと信託報酬を比較」です。

中国・インドをはじめとする新興国全体に投資できるインデックスファンドを取り上げます。

また、先進国・新興国を含めた世界全体に投資できる投資信託には、SBIアセットマネジメントの「雪だるま」シリーズがおすすめです。

こちらの記事も読まれています

最後まで読んでいただきありがとうございました

0件のコメント

コメントを投稿する