SBIのつみたてNISA対応ファンド「雪だるま」の信託報酬が低すぎる

カメでもわかる投資塾

雪だるまシリーズ

SBIアセットマネジメントが展開しているつみたてNISA対応ファンドに「雪だるまシリーズ」が登場しました。(旧名:EXE-i つみたてシリーズ)

iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAのスタートに伴い、インデックスファンドのコスト引き下げ競争が激化しています。

実はこの投資信託、かなり凄いことになっています。

楽天バンガードファンドに対抗

バンガード

SBI・雪だるまシリーズは、楽天バンガード投信に対抗してリリースした商品であると考えられます。

以前から、国内株式・国内債券に投資するインデックスファンドは信託報酬がかなり下がっていました。

しかし、外国株式を投資対象としたインデックスファンドのコストは、まだまだ高めの設定となっていました。

そこに一石を投じたのが楽天投信の「楽天バンガードファンド」です。

楽天バンガードファンドとは?

楽天投信投資顧問が、超低コストインデックスファンドとして世界的に有名な「バンガードETF」とタッグを組んで販売する商品。

バンガードETFを買付するだけの単純なものだが、バンガードETFのコストがあまりに低すぎるため、「これまでになかった外国株投信」として話題となった。

この商品は私も購入している商品です。

楽天バンガードファンドの詳細はこちらの記事で解説しています。

楽天バンガードファンドが低コスト化を実現したことで、他社も追従をはじめました。

信託報酬を比較

比較

記事執筆時点(2017年12月)の各社の状況は下記の通りです。(いずれも税抜、購入時手数料0円のノーロードファンド)

外国株式インデックスファンド

SBI・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:雪だるま(全世界株式)>
信託報酬:実質0.139% ← 最強
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.109% ← 最強
ベンチマーク:FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド
信託報酬:実質0.222%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.192%
ベンチマーク:FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)

eMAXIS Slim先進国株式インデックス
信託報酬:実質0.109%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.079%
ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)

ニッセイ外国株式インデックスファンド
信託報酬:実質0.189%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.139%
ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)

「SBI・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:雪だるま(全世界株式)>」と「楽天・全世界株式インデックスファンド」はベンチマークがまったく同じです。

同じ外国株式ファンドでも、eMAXIS Slimなどとはベンチマークが異なります。

ちなみに、「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス」は中国・インドといった新興国を含む全世界を投資対象にしている指数です。

一方で、「MSCIコクサイ・インデックス」は先進国のみが投資対象となっているため、中国やインド株には投資を行いません。

続いて、価格破壊を起こしたとも言える「新興国株式ファンド」を比較します。

新興国株式インデックスファンド

SBI・新興国株式インデックス・ファンド<愛称:雪だるま(新興国株式)>
信託報酬:実質0.180% ← 最強
投信マイレージ還元率:0.00%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.180%
ベンチマーク:FTSE エマージング・インデックス(円換算ベース)

楽天・新興国株式インデックス・ファンド
信託報酬:実質0.250%
投信マイレージ還元率:0.03%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.220%
ベンチマーク:、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)

eMAXIS Slim新興国株式インデックス
信託報酬:実質0.190%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.140% ← 最強
ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)

ニッセイ新興国株式インデックスファンド
信託報酬:実質0.339%
投信マイレージ還元率:0.05%
投信マイレージ考慮後のコスト:0.289%
ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)

こちらもベンチマークが微妙に異なっています。

ベンチマークの違いは以下の通りです。

▶FTSE エマージング・インデックス
大型株、中型株に投資、韓国を除外している(韓国は先進国扱いのため)、中国A株を対象としている

▶FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)
大型株、中型株、小型株に投資、韓国を除外している(韓国は先進国扱いのため)、中国A株を対象としている

▶MSCIエマージング・マーケット・インデックス
大型株、中型株に投資、、韓国を含めている、2018年から中国A株への組入をスタート

「FTSE エマージング・インデックス」は小型株に投資をしません。「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)」は小型株も投資対象です。

これら2つの指数の違いは、小型株を投資対象とするかどうかです。

MSCIインデックスとFTSEインデックスの違いは、「バンガードのETFを徹底比較、VT・VTI・VWO・VYMの違いと利回り」という記事で詳しく解説しています。

上記を比較してみると、SBI証券での投信マイレージを無視した場合、「雪だるまシリーズ」が最強であることがわかります。

中でも、先進国株式ファンドは「雪だるま」の圧勝です。

しかし、新興国株式ファンドについては、投信マイレージ考慮後のeMAXIS Slimが最強という結果に。この点には注意が必要ですね。

ちなみに、SBI証券の「投信マイレージサービス」は(つみたてNISAを含む)NISA口座で購入した投資信託も対象となっています。

もちろん、現在手数料の引き下げ競争が激化しているため、今後さらに他社が追従する可能性もあります。

SBI証券の投信マイレージがついに0%に

泣く女性

SBI証券は「投信マイレージサービス」を展開しています。

これは、投資信託の保有残高に対して「年率」で毎年SBIポイントを付与するサービスです。

SBIポイントは1ポイント=1円の価値がありますから、投信マイレージサービスの料率分だけ、実質的な信託報酬をさらに引き下げる効果がありました。

つまり、同じ投資信託を保有するにしても、他の証券会社で購入するよりSBI証券で買った方がお得になるという評判のサービスでした。

しかし、投資信託(特にインデックスファンド)の手数料引き下げによって利幅が低下する中で、付与される料率も下がりつつあります。

投信マイレージの付与率

▼通常のファンド

  • 投信残高合計が1,000万円未満:年率0.1%の還元
  • 投信残高合計が1,000万円以上:年率0.2%の還元

▼低コストなインデックスファンド

  • 投信残高に関係なく:一律で年率0.05%の還元

▼さらに低コストなインデックスファンド

  • 投信残高に関係なく:一律で年率0.03%の還元

※楽天バンガード投信など一部の投資信託

▼SBI 雪だるまシリーズ

  • 投信残高に関係なく:0.00%の還元 ← NEW

※SBI・新興国株式インデックス・ファンドの付与率は0.00%

SBI・新興国株式インデックス・ファンドでは驚くことに、投信マイレージのポイント付与率が0%になるという異例の事態が起こりました。

これは私たちにとって残念なことではありますが、逆に考えると「SBI証券が利幅ギリギリで販売する渾身の超低コスト投資信託」とも言えるのです。

しかし、新興国株式ファンドについては、eMAXIS Slimの投信マイレージサービス付与率が0.05%であることから、トータルではeMAXIS Slimの方が低コストな投資信託となっています。

▼投信マイレージサービスの詳細はこちら

SBI 雪だるまシリーズの評価

管理人の評価

結論からいうと、

  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド
  • SBI・新興国株式インデックス・ファンド

の2つはかなりおすすめできる商品です。

雪だるまシリーズは一般的な投資信託ではなく、複数のETFに投資するファンド・オブ・ファンズです。参考までに各社の違いをまとめます。

雪だるま
複数のETFに投資するファンド・オブ・ファンズ
楽天バンガードファンド
バンガードETF1本に投資するファンド・オブ・ファンズ
eMAXIS Slim・ニッセイ
株式に直接投資して運用するタイプの投資信託

これが、ベンチマークとしている指数や実質コスト面でどのように出てくるのかは、運用結果をしばらく見てみないことにはわかりません。

しかし、未来の運用結果はともかく「コスト」の低さだけは間違いありません

雪だるまシリーズは、「つみたてNISA」対象商品として販売されていますが、一般販売も行われています

同じくSBIアセットマネジメントが展開している

  • EXE-i グローバル中小型株式ファンド
  • EXE-i 新興国株式ファンド

といった「つみたてNISA対応商品ではないファンド」は、選ぶメリットが薄くなってくると思います。

積極的な乗り換えは推奨しません

注意

つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の登場によって、投資信託業界のコストが次々と引き下げられている状況です。

特にインデックスファンドは元々低コストだったものを筆頭に、資産運用会社の利幅は小さくなるばかりで、「これ以上下げることができるのか?」といつも驚いています。

信託報酬が下がることは、私たち個人投資家にとっては嬉しい限りです。

しかし、すでにコストは下がりきっているのも事実。

信託報酬に0.1%以上の差があるのであれば、現在保有している投資信託を売却して、同じ指数をベンチマークとしている新しい投信に乗り換えるのも良いと思います。

しかし信託報酬が0.01%違うからと言って乗り換えをするのは「やりすぎ」の状態です。

投資信託は解約した時点で「投資利益に対する税金」がかかります

この税金が無視できない金額であり、税金を支払うことによって大切な「複利効果」が失われてしまうのです。

長期の資産形成を考えている場合は、複利効果を最大化するためにも、より低コストな投信が出てきた場合は、「現在保有中の投資信託はそのまま保有したまま、新規により低コストな投信を買付する」ことをおすすめします。

あくまでも以前から持っていたファンドの保有を継続したまま、新しいファンドに乗り換えていくというスタンスです。

SBI 雪だるまシリーズの登場で、少なからずこの商品を購入する人もいるでしょう。

しかし、今後楽天バンガード投信やニッセイ・eMAXIS Slimなどがさらにコストを引き下げてくる可能性も十分考えられます。

つみたてNISAで購入できるおすすめの投資信託は、「2018年スタート!つみたてNISA対象商品でおすすめの投資信託を厳選」の記事で案内しています。

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)に関する記事は、「ローリスクde資産運用」のカテゴリで解説しています。

本記事でも取り上げた、eMAXIS Slimについても過去記事で解説していますので、あわせてご覧ください。