eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの利回りは?iDeCo(イデコ)で買う方法
執筆者:川原裕也
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eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、業界トップクラスの低コストを追求した投資信託です。
日本を除く先進国22カ国に分散投資を行い、この投資信託を1本買うだけで、世界経済の成長や、世界企業が生み出した利益を取り込むことができます。
また、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは年率0.10989%(税込)という常識をくつがえす低コストを実現する、優良な投資信託です。
もちろん、販売手数料0円のノーロードファンドです。
このような顧客本位の姿勢が評価され、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは個人投資家や投信ブロガーの間でも評判です。
今回は、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの特徴と管理人の評価、そして「想定利回り」についても試算してみます。
目次
世界22カ国への分散投資を実現
冒頭でもお伝えしましたが、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは日本を除く「先進国22カ国に分散投資する投資信託」です。
もう少し具体的に解説します。
先進国22カ国を投資対象とし、各国の時価総額の8割をカバーする「MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)」というインデックス指数があります。
インデックス指数とは、「日経平均株価」、「NYダウ」、「TOPIX(東証株価指数)」のような特定の市場の平均価格を示す指数のことです。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、この「MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)」という指数に連動するタイプの投資信託となります。
ただ適当に投資をするのではなく、MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)をベンチマークとし、その指数に連動する成果を目指すのが、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの特徴です。
正確には、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスのベンチマークとなる「MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)」は、日本を投資対象としていません。
MSCIが定めている先進国は23カ国ありますが、日本を除外しているため、実質的な投資対象は22カ国となっています。
また、時価総額の大きいものほど投資比率が高くなるため、約60%が米国に偏っています。(22カ国に均等分散するわけではないことに注意です)
また、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、約1,300銘柄に分散投資しています。
ちなみに、MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)に連動する投資信託には、
- たわらノーロード 先進国株式
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- iFree 外国株式インデックス
などがあります。
これらの投資信託はいずれも、同じ指数に連動するため、どれを買っても基本的には同じです。
あえて違う点をあげると、
- 信託報酬(保有中、継続して発生するコスト)
- 実質コスト(信託報酬以外の費用を含めたコスト)
- 指数との乖離(ほぼ無視できる)
などがありますが、いずれも微々たるものですので、自分の気に入ったものを選んで問題ありません。
しかし、少しでも信託報酬が低いファンドを選ぶ方が有利であることは事実です。
なぜなら、同じ指数に連動する以上、運用結果も同じであり、あとはコスト差だけの勝負になるからです。
たわらノーロード先進国株式を下回るコスト
前述のように、投資対象(連動する指数)が同じなら、「コスト」こそが重要なポイントとなります。
投資信託のコストを比較する上では「信託報酬」「実質コスト」の2つを見ることが多いです。
しかし、実質コストを知るには「年次報告書(運用報告書)」を確認しなければならないため、初心者にとって敷居が高いです。
また、年次報告書は1年に一度の発行となっており、過去の結果を後追いで知ることになるので、速報性に欠けるというデメリットがあります。
てっとり早い方法で投資信託を比較するには「信託報酬の低さ」に目を向けるのがおすすめです。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、たわらノーロード先進国株式などの低コストファンドと比較しても、最も低コストな投資信託で人気があります。
人気のファンドを比較した結果、信託報酬は以下のようになりました。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.10989% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.10989% |
iFree 外国株式インデックス | 0.209% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.10989% |
Smart-i 先進国株式 | 0.22 |
※信託報酬は税込
※記事更新時点(2019年11月15日)の情報です
これらの商品は、いずれもつみたてNISA対象の優良ファンドです。
その中でも、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは業界最安水準の低コストだとわかります。
また、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは「他の投資信託と積極的に競争する」意向を見せており、今後さらに低コストのファンドが登場しても、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスはそれに追従する可能性が高いです。
今回取り上げたインデックスファンドは、いずれも優良な投資信託ばかりです。
投資信託は売却すると利益に税金がかかるため、可能な限り長期保有し、複利効果を最大化することをおすすめします。
複利効果(雪だるま式にお金が増える効果)を大きくするには、コストが低いからといって無理に別のファンドへ乗り換えすぎないことです。
信託報酬の差が0.3%程度なら、現在保有中のファンドは引き続き持っていても良いでしょう。(明確な基準はありませんが)
現在の含み益(未確定利益)が大きいほど、利益確定した時に、税金によって失うお金も大きいです。
現在、ある程度利益が乗っている状態の方は、無理に投資信託の乗り換えを検討する必要はないと思います。
私がおすすめしたい方法は、現在保有中のファンドは売却せず、その時もっとも低コストなファンドを「新規つみたて」していくというやり方です。
最も、現在保有しているファンドのコストがかなり高い場合、積極的に低コストなファンドへの乗り換えを検討します。ただし、これは現在保有中のファンドでほとんど利益が出ていない(または損失になっている)場合に限ります。(売却しても税金を気にする必要がないため)
低コストなインデックスファンドに関する詳細は下記の記事をご覧ください。
あわせて読みたい:
信託報酬が安いと評判の投資信託5選!低コストなインデックスファンドは?
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの利回りは9%程度
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスに長期投資した場合、利回りは5.5%~9%程度に落ち着くと思われます。
もちろん、未来のことは誰にもわかりませんので、この結果を保証するわけではありません。
しかし、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスのベンチマーク「MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)」の長期リターンが、その根拠を示しています。
▼MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース)の長期リターン
- 3年間:4.6%
- 5年間:14.6%
- 10年間:7.2%
- 15年間:9.4%
- 20年間:5.5%
- 30年間:9.0%
※2018年2月末時点の結果
※年率リターンです(トータルリターンではありません)
資産運用は「短期的に見るほどランダムな結果となり、長期的に見るほど結果が安定する」と言われています。
上記の結果から、30年間の長期リターンを見ると、年率9.0%の利回りが期待できることがわかります。
最も数値が低いのは投資期間が15年間だった場合です。この期間では利回りは年5.5%となっています。(リーマンショックによる株価暴落が大きく影響)
この数値が示すことは、
- リーマンショック級の不況がきても長期的にはプラスを維持している
- 30年という長い期間ではリーマンショックが気にならないほどの結果が得られている
ということです。
このように、10年~30年の期間でみると、リーマンショックのような大不況を考慮しても、年率リターンが5.5%~9.4%の範囲に収まっていることがわかります。
▼100万円を30年間、年率9.0%で運用した場合は?
1,327万円になります。
▼0円からスタートして毎月3.3万円のつみたて。年率9.0%で20年間運用すると?
2,204万円になります。
※つみたてNISAは、毎月の積立上限が3.3万円、最長20年間非課税で運用できます。上記2つめの試算は「つみたてNISA」での運用を想定しています。
eMAXIS Slimシリーズのその他の商品はこちらの記事で取り上げています。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスをiDeCoで買う
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」でも購入できます。
しかし、iDeCoは申込をした金融機関(銀行・証券会社)によって、取り扱う投資信託の種類が異なります。
例えば大手銀行や証券会社でiDeCoに申し込むと、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスのような低コストの商品を買うことはできません。
記事更新時点(2019年11月15日)で、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスをiDeCoで扱う金融機関は以下の通りです。
- マネックス証券のiDeCo
- SBI証券のiDeCo(セレクトプラン)
- 松井証券のiDeCo
マネックス証券、SBI証券、松井証券は、いずれも低コストな投資信託をラインナップに加えている良い金融機関です。
マネックス証券はeMAXIS Slimシリーズを多く揃えており、口座管理手数料も0円なので、現時点で最強のiDeCo金融機関だと思います。
※SBI証券のiDeCo(セレクトプラン)や松井証券のiDeCoも同様です
「マネックス証券のiDeCo」で選べるおすすめ商品は、下記の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
あわせて読みたい:
2018年最新版!マネックス証券のiDeCoで選ぶおすすめの投資信託を解説
→SBI証券のiDeCo(セレクトプラン)で選ぶべき商品は?
つみたてNISAで買うには?
つみたてNISAで買う場合、投資信託の取扱本数が多いネット証券がおすすめです。
例えば、業界大手の楽天証券・SBI証券の場合、最低100円~つみたて可能です。
他の証券会社の多くは、最低1,000円~の資金が必要ですが、楽天証券とSBI証券は100円から、つみたてNISAによる資産運用を実現できます。
また、楽天証券は「楽天ポイントを使って投信が買える」のも特徴です。獲得したポイントの余りでeMAXIS Slim 先進国株式インデックスを購入し、長期運用で資産を増やしていくのも良いでしょう。
仮につみたてNISAで、毎月3.3万円を積み立てながら年率9%で運用すると、20年後には2,204万円になっています。
投資資金に余裕のある人は、iDeCo(イデコ)とあわせて、つみたてNISAでの購入もおすすめです。
楽天証券で取り扱いのある「つみたてNISA対象の投資信託」の中から、低コストなファンドを厳選した記事はこちら。
あわせて読みたい:
楽天証券で買えるつみたてNISA対象のおすすめ投資信託5選、ファンドの選び方
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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ゆずっこ さんがコメントしました - 2024年12月2日
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3件のコメント
投資知識の無い者です。利回りのところで質問があります。
長期リターンとは、年利回りのことなのですか?30年で9%となっていますが、これは年率9%が30年続いたという解釈なのでしょうか?
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ここで言う長期リターンとは、年率9%の利回りが30年間続いた場合という考え方で問題ありません。(もちろん、年によってマイナスになったり9%以上のプラスになる「ブレ」はあります)
ただし、注意するポイントが1つあります。
ここに書かれている内容は「複利利回り(複利リターン)」だということです。
一般的に、「利回り」というと「単利利回り」のことを指しており、単年度の投資収益率を図る指標に使います。
しかし、株式や投資信託の世界では、基本的に「複利利回り」を使います。
「利回り」という言葉が出てきた時に、それが単利利回りのことを指しているのか、複利利回りのことを指しているのか、気にしてみてください。
複利の説明はこちらの記事で解説しています。
https://oneinvest.jp/fukuri-kouka/
単利と複利の投資結果の違いはこちらのシミュレーションで確認できます。
https://oneinvest.jp/fukuri/
なるほどわかりました。ありがとうございます。
しかし、30年と20年の差はスゴイですね。
成長が鈍っているということですかね。
あまり多くを求めず、インデックスで堅実に行ければ良いと思っています。