ボリンジャーバンドの見方と使い方、順張り・逆張りで力を発揮するテクニカル分析

株式投資の虎

ボリンジャーバンド

株式投資やFXのテクニカル分析の中でも特に人気が高いのが「ボリンジャーバンド」です。

ボリンジャーバンドは、統計学に基いて作られた指標です。「統計学」というと難しい感じがしますが、株式投資の初心者でも簡単に使いこなせるテクニカル分析なので安心です。

今回は、ボリンジャーバンドの見方や使い方についてわかりやすく解説します。

ボリンジャーバンドの見方

プレミアムウォーターホールディングスのチャート

※チャート画像は楽天証券のマーケットスピードを利用

上記の図がボリンジャーバンドの描画イメージです。

パッと見た感じは複雑そうに見えますが、下記のような構成になっています。

—– +2σ —–

—– +1σ —–

***** 移動平均線 *****

—– -1σ —–

—– -2σ —–

移動平均線を中心に、その上下に2本のラインが引かれているのがボリンジャーバンドの特徴です。

移動平均線の見方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、移動平均線が何かわからない方は参照ください。

移動平均線の上下に描かれている「+2σ、+1σ、-1σ、-2σ」は統計学の標準偏差でよく使われる指標です。

「σ」は「シグマ」と読みます。数式では「Σ」と大文字で表されることが多いのですが、統計学では主に小文字で「σ」と表記することが多いようです。

ボリンジャーバンドの名前の由来

移動平均線を含めた5つのラインが「帯状」になっていることが、ボリンジャーバンドと呼ばれる由来です。ちなみに、ボリンジャーバンドを開発したのは、アメリカのジョン・ボリンジャーという人物です。

ボリンジャー氏が開発した帯状のチャートから「ボリンジャーバンド」と呼ばれているわけですね。

約95%の確率で±2σに収まる

統計学

ボリンジャーバンドは統計学の標準偏差を元にして開発されたテクニカル分析です。

標準偏差は正規分布の場合、統計的に下記の確率に収まります。

  • ±1σの範囲に収まる確率:約68%
  • ±2σの範囲に収まる確率:約95%
  • ±3σの範囲に収まる確率:約99%

統計的にみると、株価チャートがボリンジャーバンドの±1σの範囲に収まる確率は約68%です。

そして、それを逸脱した場合でも、±2σの範囲に収まる確率は約95%です。

チャートツールの中には、ボリンジャーバンドを±3σまで表示するものもあります。ボリンジャーバンドの±3σはその範囲に株価が収まる確率が約99%であることを示します。

つまり、株価がボリンジャーバンドを逸脱するということは、異常である(大きな変化が起こった可能性が高い)と判断する材料になります。

ボリンジャーバンドの使い方

ボリンジャーバンドには大きく3つの使い方があります。

逆張り」として使う方法、「順張り」として使う方法、そして「帯の広がりと収束具合を見る方法」です。

逆張り手法

三井住友フィナンシャルグループのチャート
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ボリンジャーバンドの使い方として代表的なものは「逆張り手法」です。

上記のチャートは、リーマンショック時の三井住友フィナンシャルグループ(8316)の日足チャートです。

2008年7月~11月の4ヶ月間で株価が8,950円から2,685円まで70%も下落したという歴史的に見ても恐ろしいチャートです。。。

このチャートはボリンジャーバンドの解説にとても役立つと思ったので今回採用しました。

まず、最初の赤い2本の矢印に注目してください。

いずれも、ボリンジャーバンドの-2σを超えて売られているため、「売られすぎ」と判断して逆張りの反発狙いができるタイミングです。

なぜなら、ボリンジャーバンドの-2σを超えて売られるということは統計的には約95%の確率を逸脱して売り込まれていることになりますから「短期的には売られすぎなので反発する、ただし異常値が発生している(大きな変化が起こった可能性が高い)ため、長期的にはトレンドが変わった可能性がある」と考えることができます。

実際に、最初の2本の赤矢印では、翌日は株価が大きく反発するという結果になっています。

ボリンジャーバンド-2σで逆張りで購入し、翌日または翌々日に短期的に売り抜ければ利益が出せたということです。

しかし、ボリンジャーバンドを使った逆張り手法は絶対に成功するとは限りません

逆張りは落ちるナイフを掴むようなものであり、赤矢印の3本目に関しては、-2σを超えてからさらに3日連続で大きなマイナスとなっています。

実際、ここまで売り込まれることは本当に珍しく、これがリーマンショックのピーク時の恐ろしさでもあるわけですが、統計的に-2σ(約95%)だろうと-3σ(約99%)だろうと、それを超えて売り込まれる可能性はゼロではないということです。

実際、このチャートを見るとその後も半値しかリバウンドしていませんので、-2σのタイミングで逆張りをしても報われることはありません。(損切りの重要さを教えてくれる良い例です)

また、青矢印のように反発が弱くズルズルと下がるケースも見受けられます。

上記のチャートで、逆張りの成功例と失敗例を紹介しましたが、両者の違いは「帯が広がっているかどうか」です。

ボリンジャーバンドにおける逆張りの成功率を上げるためには、「帯の広がりと収束を確認する」ことも重要です。

・帯が収束している時、-2σを超えて売り込まれた株価は短期的に反発する可能性が高い(逆張りが成功しやすい)

・帯が広がっている時、-2σを超えて売り込まれた株価は、反発せずにズルズルと下がる可能性が高い(逆張りが失敗しやすい)

ちなみに、こちらがリーマンショックの同じ日の日経平均株価の動きです。

リーマン・ショック時の日経平均株価のチャート
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順張り手法

プレミアムウォーターホールディングスのチャート
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ボリンジャーバンドは「順張り」手法としても使えます。

上記はプレミアムウォーターホールディングス(2588)の日足チャートです。

逆張り手法の考え方とは逆になるのですが、ボリンジャーバンドの+2σを超えた株価は一時的に元に押し戻されています。(オレンジの矢印)

しかし、その後は「+1σ」が支持線として機能し(赤矢印)、右肩上がりの+1σのラインに沿って「+2σを越える、+1σまで押し戻される」ということを繰り返しながら株価が上昇していきます。

このような状態を、ボリンジャーバンドの用語で「バンドウォーク」といいます。

ボリンジャーバンドが+2σを超えて買われるということは、統計的には約95%の確率を逸脱して買われていることになります。

これは、「短期的には買われすぎなので押し戻されるが、異常値が発生している(大きな変化が起こった可能性が高い)ため、長期的にはトレンドが変わった可能性がある」と考えることができます。

つまり、順張りで攻めたい場合は、ボリンジャーバンドの+2σを超えた銘柄が、一時的に売られて押し目となったところで買うことで、長期の上昇トレンドに上手く乗れる可能性があります。

帯の広がりと収束を見る方法

帯の広がり
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ボリンジャーバンドのもう一つの見方として、帯全体の広がりと収束を見る方法があります。

▶帯が収束している状態(スクイーズ)
「ボリンジャーバンドのスクイーズ」と呼びます。

ボリンジャーバンドの帯が収束している場合は、株価はそのパワーを溜め込んでいる状態です。明確なトレンドが発生していないことから、ボリンジャーバンドの±2σの範囲に株価が収まる可能性が高くなります。

ボックス圏の売買手法(+2σで空売り、-2σで買い)が機能しやすい状態です。

また、-2σを超えて売り込まれた場合も、元の位置(移動平均線)に戻ろうとする力が働きやすいので、逆張りの成功率も高くなります。(先ほどの三井住友フィナンシャルグループのチャート)

▶帯が広がっている状態(エクスパンション)
「ボリンジャーバンドのエクスパンション」は、収束状態から帯が一気に広がりを見せ、溜め込んだパワーを解放している状態です。

明確なトレンドが発生しており、±2σを逸脱することも多く、またバンドウォーク(ボリンジャーバンドの1、2σに沿って株価が上昇、下落する)に移行しやすいです。

このような状況では、逆張り手法は失敗しやすいため、バンドウォークを狙った順張り手法がおすすめです。

また、広がっていた帯が再び収束し始める場合、解放したパワーを使い果たし再び「収束状態」に戻ろうとしている、つまりトレンドが弱まってきていると判断できます。

他のテクニカル分析と合わせて使う

1億人の投資術 管理人の評価

ボリンジャーバンドは統計学に基づいて「売られすぎ」「買われすぎ」を測る指標です。

しかし、私がこれまで相場を見てきた経験からすると、「95%(±2σ)」だろうと「99%(±3σ)」だろうと、発生することは意外と多いという事実です。

株価が下落し続けているにもかかわらず、「ボリンジャーバンドが±3σを超えているから99%の確率で戻るはずだ」と思ってしまうのは危険なので、思い通りにならなければ損切りをして撤退することも重要です。

また、ボリンジャーバンドの順張り・逆張り手法の成功率を上げる方法としては、「帯の広がり」を見るのも良い方法です。

直近の帯が収束状態にある場合は、逆張りが機能しやすいです。(短期的に株価は反発、長期的にはトレンドが変化)

一方で、直近の帯が広がっている場合は、逆張りは失敗することも多いので、素直に順張り戦略で波に乗ることを考えた方が良いと思います。(バンドウォークの状態)

ちなみに、開発者であるジョン・ボリンジャー自身は、順張りのテクニカル指標としてボリンジャーバンドを作ったとのこと。

また、ボリンジャーバンドの信頼性をさらに高めるために、1つのテクニカル分析だけで判断せず、RSIやADXといった他のテクニカル指標と組み合わせてつかうこともおすすめです。

次の記事は「売買トレンドがわかるテクニカル「パラボリック」の使い方と意味まとめ」です。