売買トレンドがわかるテクニカル「パラボリック」の使い方と意味まとめ
執筆者:川原裕也
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テクニカル分析のひとつ「パラボリック」は、投資の売買トレンドを判断する上で使える手法です。
株式投資やFXなど、需給で動くものはいずれも「上昇トレンド・下落トレンド」のいずれかを形成します。(トレンドが形成されない横ばいの局面もあります)
投資では、上昇トレンドや下落トレンドが発生した時に、その波に上手く乗る「順張り」をすることが勝つための常套手段です。しかし、トレンドがいつ発生し、いつ終わるのかを見極めるのは難しいもの。
こうしたときに、パラボリックのようなトレンド系のテクニカル指標が使えます。
使い方はとても簡単なので、上昇トレンドに突入したのか、それともまだもう少し待ったほうが良いのか、迷った時の判断材料として活用することが可能です。
パラボリックの意味
パラボリック(Parabolic)は日本語で「放射状の」という意味があります。
株式投資で用いられるローソク足チャートの周りを、円が放射状にサポートすることからこのように呼ばれます。
パラボリックを開発したのは、J.W.ワイルダーという人です。この人はかの有名なテクニカル「RSI」などを開発していることでも知られる有名なテクニカルトレーダーです。
計算式
パラボリックの計算式は以下の通りです。
SAR = ストップアンドリバースポイント(パラボリックが描くラインのこと)
SAR =(EP − 前日のSAR)× AF + 前日のSAR
EP(極大値):SARが買いシグナルを示している期間は、その期間の最高値。SARが売りシグナルを示している期間は、その期間の最安値。
AF(加速因子):一般的に用いられるのは(0.02 ≦ AF ≦ 0.20)
計算方法がわからなくても使い方は簡単なので安心です。続いて、パラボリックの具体的な利用方法をまとめます。
パラボリックの使い方
パラボリックの使い方は簡単です。株式投資初心者の方でもすぐにテクニカル分析に取り入れることができます。
上記は、キヤノン(7751)の日足チャートです。使っているのは楽天証券のマーケットスピードです。
赤い丸:上昇トレンド
青い丸:下降トレンド
使い方はたったこれだけです。パラボリックが赤丸(上昇トレンド)を示している時に買い、パラボリックの丸とローソク足チャートがぶつかったポイントで、パラボリックが青丸に変わります。
青丸に変わると今度は下落トレンドに突入します。
例えば、上記の画像の場合、最安値を付けた日に株価は大きく下げていますが、パラボリックは赤丸(上昇トレンド)に転換しています。
この時にキヤノンの株式を購入し、赤丸が青丸に変わるまで持ち続けていたとすると、大きく利益を出すことができました。
パラボリックが赤から青丸に変わった時点で、まだ上がりそうだと思っても一旦利益確定をしておきます。
青丸のポイントでは空売りをしかけることも可能ですが、週足や月足といった長期チャートで見て上昇トレンドなら、基本は「赤丸で買い、青丸では空売りをせずに利益確定する」という「順張り」戦略で挑む方が良いと思います。
キヤノンの株は一時的に下落し、再びパラボリックの赤丸が点灯したところで買いに転じます。しかし、今度は短期間で赤丸が青丸に変わってしまい、ほとんど利益が出ませんでした。
このように、トレンドがすぐに終わってしまうことも少なくありません。
しかし、3回目のパラボリックの買いシグナルでは、再び大きな上昇トレンドを描いており、一定の利益を上げる事ができています。適当に拾ったチャートだったのですが、理想的な上昇トレンドですね。
パラボリックのデメリット
パラボリックを使う上で忘れてはいけないのが「デメリット」の存在です。
パラボリックは上記チャート画像のようなトレンド発生時には活躍しますが、どっちつかずでトレンドが発生しない「横ばい状態」の相場では機能しません。
横ばい状態の時にパラボリックを使うと、赤と青が短期間で変化してしまい、また利幅もほとんど取れないため、小さな損失が積み重なってしまうことになります。
こうした局面では、他のテクニカル指標を組み合わせて総合的に判断していくことで、パラボリックのデメリットを補います。
続いては、「ストキャスティクスの使い方」です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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