ソーサーボトムとソーサートップを使ったチャート分析の方法
執筆者:川原裕也 更新:
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ソーサーボトムとソーサートップは、チャート分析をする上で覚えておいて損のないテクニカルです。
テクニカル指標というよりは、形成されることの多いチャートの形のことです。
「ソーサー」は英語で「お皿」を意味します。ソーサートップ・ソーサーボトムはともに「高値圏で発生するお皿(横ばい状態)」「安値圏で発生するお皿(横ばい状態)」には注意するというものです。
私も投資をしていてソーサートップ、ソーサーボトムに出くわすことが多いのですが、特にソーサートップから売り優勢になるケースは多いと感じます。
チャートで見るソーサートップ・ソーサーボトム
上記は日経平均株価のチャートです。
ちょうどきれいなソーサートップを形成していたので参照することにしました。チャートは楽天証券のマーケットスピードのものを使っています。
ジワジワと上昇トレンドを描いていた日経平均株価は、ある地点から上昇が止まり横ばい状態が続いています。
実はこのチャートは週足チャートなので、この時の日経平均は実に4ヶ月間もトレンドが発生せず、横ばいで推移していました。
トレンドが発生しているか横ばいか
株式市場には数多くの銘柄が存在し、それぞれが独特の動きをします。しかし、大きく分けると
- トレンドが発生しているか
- 保ち合いの状態か(横ばい状態か)
の2つの動きしか存在しません。
そして、本来は動きのある「トレンドが発生している状態」でなければ利益を出すことは難しいです。(デイトレードなど短期の利ざやを稼ぐのであれば横ばいでも勝てる可能性はありますが)
保ち合い、つまり横ばい状態では利益を得るチャンスは見出しにくいのですが、保ち合いはいずれ崩れ、上か下のどちらかに再びトレンドを形成し始めます。
先ほどの日経平均株価のチャートをもう一度見てみましょう。
上昇トレンドが一旦止まり、しばらくの間保ち合いになった場合は、その後下落トレンドに転じることが多いです。
再び上昇トレンドに向かえば買いだと考えて問題ありませんが、私の過去の経験からしても下落に転じることが多く、これが「ソーサートップ」と言われている理由です。
このケースでは、水色のライン(ネックラインといいます)を下抜けたタイミングでソーサートップが形成されるので、売りシグナルとなります。
もっとも、私の場合は保ち合いがあまりに長すぎる時は一旦利益確定をして、相場から退いておくことの方が多いです。
これがソーサートップのイメージです。チャートとお皿の形をイメージしてみてください。
ソーサーボトムは判断しにくい
経験上、ソーサートップはよく見かけるのですが、ソーサーボトムは非常にわかりにくいと感じます。
上記の画像はみずほフィナンシャルグループ(8411)の週足チャートです。
株価が下落トレンドにある状態から、一旦下げ止まり、そこからダラダラと横ばい状態が続きます。その後、トレンド転換となり上昇に転じる結果となりました。
少しわかりにくいですが、お皿の形になっていることがわかるでしょうか。
ソーサーボトムがわかりにくいと私が考える理由は、下落トレンドでは一旦下げ止まった横ばいになっても、再び下落に転じる事が多いと経験上感じているからです。
上記のチャートでも、一旦下げ止まって保ち合いが続いていたものの、7月8日に下抜けしそうなシーンがあり、そこから一気に切り替えしてきています。
このケースでは、水色のライン(ネックラインといいます)を突破してきたところでソーサーボトムが完成するので「買いシグナル」と判断できます。
管理人の評価
記事の本文でもさんざん書きましたが、ソーサートップ・ソーサーボトムは覚えておいて損のないチャートの形です。
特にソーサートップを形成するシーンは多いので、上昇トレンドが止まってしまったら、一旦ポジションを減らすなどして様子見モードに入ることをおすすめします。
株式投資で勝つための基本戦略は、トレンドに上手く乗ることです。そしてそのためには、保ち合いの上放れや下放れを上手くとらえることが非常に重要。
ソーサートップ・ソーサーボトムは、保ち合いの上放れ・下放れを判断するには理想的な形だと思います。
また、テクニカル分析ではありませんが、覚えておいて損のないチャートの形として「酒田五法」があります。合わせてご参照ください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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