ピラミッティング(増し玉)のやり方3つ、投資で巨万の富を築く最強の手法

※記事内に広告を含む場合があります

当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。

※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

ピラミッド

投資にはいろいろなスタイル、手法がありますが、ピラミッティング(増し玉)ほど有効な投資法はありません。

ピラミッティングは難易度が高い投資法で高いリスクが伴いますが、もし身につけることができれば、投資で大成功を収めるための近道となります。

この記事では、ピラミッティングとナンピンの違い。増し玉によって成功したジェシー・リバモアや個人投資家のcisさんの話も交えつつ、ピラミッティングの3つのやり方を解説します。

ピラミッティングとは?

積立投資

ピラミッティングや増し玉は、わかりやすく言うと「複数回に分けて買う手法」のことです。

普通の発想だと、とある1つの銘柄に100万円を投資する場合、一度に100万円の資金を投じてしまいます

また、「リスク分散」というと100万円の資金を20万円 × 5銘柄といった具合に、いくつかの銘柄に分散して投資することを指します。

しかし、「リスク分散」の中には、1つの銘柄に少しずつ資金を入れていく「投資回数の分散(時間軸の分散)」もあるはずです。1つの銘柄を20万円 × 5回に分けて買うのです。

これが、増し玉やピラミッティングに近い考え方となります。ピラミッティング手法はよく、ナンピン買いと間違われるのですが、似ているようで違います。

ピラミッティングや増し玉の特徴は、「2回目、3回目の資金投入を状況に応じて決めることができる」ことです。

自分にとって有利な状況だけ2回目の資金投入を行い、そうでなければ2回目の資金投入を行わないという選択ができるのが、ピラミッティングの大きなメリットです。

こうすることで、もし自分の投資判断が間違っていた場合でも、通常より少ない資金量しか投じていないため、軽傷で撤退することができます。

順ピラミッティング

順ピラミッティング

順ピラミッティングは、この手法の中でも最も定番のやり方です。

株式投資の書籍としては圧倒的な知名度を誇る「マーケットの魔術師」でも、ピラミッティングによって成功した投資家が紹介されていました。

また、ピラミッティングとは少し違いますが「多くの投資家は一度にたくさんの資金量を入れすぎる、最初は買いたいと思う金額の半分以下の資金だけを買うべきだ」といったアドバイスも、マーケットの魔術師の記述にありました。

マーケットの魔術師は、資金管理に関する重要な視点が学べる良い本なので、機会があれば一度手にとってみることをおすすめします。

順ピラミッティングは、例えば特定の銘柄の株を1,200株買いたいと思った場合、

  • 1回目:600株
  • 2回目:400株
  • 3回目:200株

と複数回に分けて購入し、回数を経るごとに購入数量を減らしながら、当初目的としていた購入数量に近づけていく方法です。

購入数量を徐々に減らしていくことが「ピラミッドの三角形」に似ていることから、ピラミッティングと呼ばれています。

1,200株買いたいと思っても、まず最初は600株の購入にとどめます。

1回目の買付は「打診買い」、つまり探りを入れる段階です。自分の投資判断が本当に正しいかどうか、株価の値上がりをもって確認するのが目的です。

もしここで株価が下がってしまったら、買い増しはせずに保有している600株を損切りして撤退します

この場合、当初予定していた1,200株のリスクを負わず、その半分(600株)のリスクで撤退できるわけですから、小さな損失で逃げることができます。

打診買いのあと、株価が順調に上がったタイミングで、増し玉や買い増しと呼ばれる2回目の買付を行います。

2回目は1回目よりも少ない400株を購入し、合計保有数量は1,000株となります。これでもまだ当初予定していた購入株数である1,200株には到達していません。

2回目の買付を行った時点で、すでに最初に購入した600株は含み益をもたらしてくれています。この時点で損失の可能性は低くなります。

しかし、2回目の買付を行ってから、思ったよりも株価が上昇せずに下落した場合、これまで築いてきた含み益はすぐになくなってしまいます。この場合も、快く撤退をします。

600株の含み益と400株の含み損が相殺され、プラマイゼロの状態で逃げます。

もし、2回目の買付を行ってからさらに株価が上昇した場合、自分の投資判断は正しかったことを確信し、3回目の買付として200株の増し玉を行い、当初予定していた1,200株を保有します。

もしトレンドが変わってしまったら同様に早期撤退が必要となりますが、この時点で「1回目、2回目、3回目」という流れを経ているので、上昇トレンドに乗っている状態となります。

株価が調子よく上昇し、さらに増し玉ができそうなら追加の購入も検討できます。

トレンドが終了し、株価が下がり始めたら保有しているすべての株を一気に売却します。この時、手にする利益は非常に大きいものになっているはずです。

ピラミッティングは、デイトレードはもちろんスイングトレードや長期投資にも使えます。

スイング売買の心得」という書籍では以下のような一節があります。

株価が一定のレベルに達すると、あなたはストップ注文を付けながら慎重に増し玉をする。ただし、相場の風向きが良くないときは絶対にしない。増し玉をするのは、相場が自分にとって有利に動いているときだけだ。

今回は3回に分けて購入する事例を説明しましたが、もちろん4回、5回に分けて買い進めても構いません。

また、トレンドに上手く乗る方法として、一目均衡表のようなトレンド系のテクニカル分析を組み合わせるのもおすすめです。

ジェシー・リバモアの投資手法

ジェシー・リバモア

ピラミッティング(増し玉)によって大きな成功を納めた投資家として最も有名なのは、ジェシー・リバモアです。

ジェシー・リバモアは、いわゆる三角形のピラミッティングを行っていくというよりも、その時の状況に応じて購入数量を調整するタイプの増し玉をおこなっていたようです。

4度の破産、そして最終的には自ら命を絶ってしまうという悲しい人生を歩んでしまいましたが、その投資手法や成功物語は多くの投資家をひきつけるものがあり、ジェシー・リバモアに関する書籍は何冊も出版されています。

ジェシー・リバモアの投資手法については、「世紀の相場師ジェシー・リバモア」という本がおすすめです。

また、「現代の投機王」として有名な「ジョージ・ソロス」も増し玉の手法を使っています。

まず最初は小さく買い進め、自分の判断が間違っているかどうかを確認するのだそうです。そして、確信が持てるに従って建玉を増やし、最終的にはレバレッジ(借入)も使って大きな勝負を仕掛ける。

このような記述を随所で見かけます。

もしかすると、ジョージ・ソロスの手法は後述する「逆ピラミッティング」に近いやり方かもしれません。

逆ピラミッティング

逆ピラミッティング

逆ピラミッティングは、先ほどのピラミッティングを逆三角形にしたものです。

1,200株を購入したいと思った場合に、

  • 1回目:200株
  • 2回目:400株
  • 3回目:600株

と逆三角形型で買い進めていく方法です。

逆ピラミッティングはあまり一般的な手法ではありません。

なぜなら、1回目の「打診買い」のリスクが極めて小さい一方で、1回目・2回目の成功を3回目でチャラにしてしまうケースが往々にしてあるからです。

この方法は上手く実行できればとても合理的ですが、投資手法としての難易度は精神的にもかなり高くおすすめはできません。

私の知る限り、逆ピラミッティングによって大きな成功を収めた人は1人もいません。

先ほど、ジョージ・ソロスがこの手法で投資をしているかもしれないと書きましたが、大成功を収めた現代の投機王であるジョージ・ソロス自身も、これまで何度も大敗を経験し、破産の一歩手前まで行ったことがあると言及しています。

ピラミッティング(増し玉)は投資の世界で多くの成功者を輩出する優れた手法であり、最強の手法と言っても間違いではありません。

しかし、プロ中のプロを破産させてしまうほどの毒薬でもある、リスクの高い投資法であることは肝に銘じておくべきでしょう。

長方形

長方形手法

長方形は、順ピラミッティングと逆ピラミッティングの中間に位置する投資手法です。

購入予定株数が1,200株だった場合、

  • 1回目:400株
  • 2回目:400株
  • 3回目:400株

毎回同じ株数を購入していきます
順ピラミッティングよりもリスクは高いやり方ですが、購入回数が増えれば増えるほど含み益が積み上がっていくので、必然的にリスクも小さくなっていきます。

投資家の中には、長方形による増し玉で無限に買い増しをし、上がり続ける限り保有株数を増やしていくという方もいます。

しかし、無限に買い増しを続ける方法は、トレンドが変わって株価が下がり始めたタイミングをいち早く察知し、売り抜けることができてはじめて威力を発揮します。

個人投資家cisさんの手法

アイデア

長方形型ピラミッティングは、個人投資家のcisさんが使っている手法として有名です。

cisさんは、日本の株式市場から200億円以上の利益をあげ、掲示板「2ちゃんねる」やTwitterでも有名な存在で、主にデイトレードで稼いでいる人物です。(間違いなく日本を代表するトレーダーの一人です)

cisさんは、掲示板2ちゃんねるや投資系の雑誌で、これまで自身の投資手法について語っています。

長方形型ピラミッティングは、順ピラミッティングに比べると知名度の低い手法ですが、

  • 順ピラミッティングよりもリスクが高く(より稼ぎやすく)
  • 逆ピラミッティングよりもリスクが低い

ため、いいとこ取りの手法と言えます。

また、毎回同じ数量だけを購入していくため、単純にわかりやすいという利点もあります。

余談ですが、個人投資家のcisさんが「特定口座 源泉徴収あり」を選択しているという記事を以前に書いています。

ピラミッティングのデメリットとリスク

リスクマネジメント

ピラミッティングは、数多くの投資本で推奨されている投資手法です。

そして、ジェシー・リバモアや個人投資家のcisさんのように、ピラミッティングを活用して巨万の富を築いた人が何人もいます。

しかし、この手法は身につけることがとても難しく、多くの人がピラミッティングを上手く活用できずにいるのも事実です。

その理由は「資金管理の難しさ」と「精神的なつらさ」にあります。

資金管理が難しい

撤退

ピラミッティングを上手く使いこなすためには「リスクコントロール」が不可欠です。

例え、築き上げた含み益が消えてしまっても、株価が下がったら損切りをして撤退する勇気、そして株価が順調に上がるのであれば、恐れることなく買い増しを続ける勇気です。

こうしたリスクコントロールの問題は、言葉で説明するのは簡単ですが、実際に相場を張ってみると精神的にかなりしんどく実行が難しいです。

ジェシー・リバモアや個人投資家のcisさんのような、成功をおさめるプロ投資家は、機械的にリスクコントロールをおこない、どのような場面においても「合理性」を崩すことなく判断できます。

逆に、多くの投資家は精神的な問題によって「非合理的な行動」をとってしまうのが常であることは、「プロスペクト理論」や「サンクコスト効果」の記事でも取り上げたとおりです。

また、後述する「ピラミッティングとナンピン買いの違い」で詳しく解説しますが、ピラミッティングは当初から「トータルでどの程度の資金を投資するか」ということが計画されています。

つまり、「その銘柄に投入する予算」をしっかりと決めているのも、ピラミッティングを成功させる秘訣です。

1勝9敗なので精神的につらい

投資の苦労

実際にピラミッティングをやってみるとわかるのですが、ピラミッティングは別名「逆ナンピン」と呼べる手法です。

ナンピン買いは多くの負け組投資家が実践する手法であり、逆ナンピン(ピラミッティング)は成功する投資家が実践する投資方法です。

これはどういうことか。

ナンピン買いは基本的に、「株価が下がったら買う、下がったら買う」ことで増し玉をしていく方法です。

ナンピン買いをするたびに平均購入単価が下がるため、株価が少しリバウンドして元に戻れば、損益がプラスになります。

なぜナンピン買いが「負け組投資家の手法」と呼ばれるのかというと、ナンピンによって平均購入単価は下がるものの、保有数量が増えることでリスクが高くなるからです。

株価が下がっている銘柄の保有数量を増やすことは合理的な考え方とは言えません。株価が少しリバウンドすれば逃げられますが、株価がもとに戻らなかった時に大損してしまうのが、ナンピン買いの怖いところです。

それとは逆に、ピラミッティングの場合は株価が上がるごとに買い進めるため、平均購入単価が上がります

平均購入単価が上がるということは、上がっている株価が少し下がるとすぐにプラスだった損益がゼロまたはマイナスとなり、撤退を要求されることになります。

私たちにとって、一度得た含み益が幻のように消えていくのは、精神的にとてもつらいことですが、ピラミッティングではこうした状況が頻繁におこります。

一方で、ピラミッティングは増し玉によって保有数量を増やしても、さらに株価が上昇し続けた時に驚くほどの利益をもたらしてくれます

ピラミッティングとナンピンの違い

学ぶ

ナンピン買いとピラミッティング手法の違いをわかりやすく表現すると、

ナンピン買い
9勝1敗の手法。1敗の損失がとても大きい。精神的に楽。
ピラミッティング
1勝9敗の手法。1勝の利益がとても大きい。精神的につらい。

といえるでしょう。

ピラミッティングがナンピン買いと大きく異なるのは、株価が上がらなければそれ以上のリスクを取らず、最小のリスクで逃げられるため、とても合理的な考え方に基づく投資方法だということです。

また、ピラミッティングは最初から購入予定の株数がある程度決まっており、それを複数回に分けて買っていくため、戦略的な投資方法です。

逆にナンピン買いは、自分の意図に反して株価が下がってしまったが、割安になったので追加で(予定外に)増し玉をした。というケースが大半だと思います。

結果的に、当初は1,000株しか買うつもりがなかったのに、ナンピン買いを続けた結果、いつの間にか3,000株も保有してしまい、自分のリスク許容度をオーバーしてしまう。というのも、初心者がやってしまいがちな失敗です。

次の記事は「ギャンの価値ある28のルールまとめ、ルールを守れないなら退場するだけだ」です。損切りの重要性や投資の本質が学べる「ギャンのルール」をまとめました。

また、損切りが苦手という方には「生き残ることが一番の投資法、損切りの目安を学んで勝てる投資家になる」という記事がおすすめです。損切りのタイミングとして設定できるポイントを4つ紹介しています。

株式投資の手法を解説

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

「株式投資の虎」の記事をもっと読む

3件のコメント

bohemianboy

ありがとうございます!
スライドが綺麗で説明もとても分かりやすく大変勉強になりました!
資金管理が難しいということにとても同感です

コウタロウ

「ピラミッティング(増し玉)のやり方3つ」
上記の記事を拝読し、何度も納得しました。
そこで一つお教えください。
株数をピラミッドのように分割して購入する意味や方法は判りました。
ところで資金管理の点からいうと、それはピラミッド型ではなく長方形のイメージに近いのでしょうか?
あくまでも「イメージ」で結構ですのでご教示下さるととても嬉しく思います。

川原裕也

>コウタロウさん
記事でも触れていますが、

・順ピラミッド:リスク小、リターン小
・長方形:リスク中、リターン中
・逆ピラミッド:リスク大、リターン大

ということですね。
どれを選択するかは投資家自身が自分の運用方針に従って決めることになります。

質問・コメントはこちら

最後まで読んでいただきありがとうございました

こちらの記事にコメントが投稿されました

人気のカテゴリ