DMIを使ったテクニカル分析、チャートをフル活用する方法

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DMI

テクニカル分析には大きく分けて、「トレンド系(トレンドを知る)」と「オシレーター系(売られすぎ・買われすぎを測る)」の2つがあります。

今回紹介するDMIは、上昇トレンド・下落トレンドを見極める際に役立つ「トレンド系のテクニカル指標」に近いものとなります。

「近いもの」と表現した理由は、DMIがトレンドの有無、強弱を見つけることに特化した特別なテクニカル指標だからです。(DMIをオシレーター系指標に分類する人もいます)

株式市場や為替市場はランダムに動いているわけではなく、一定のトレンドを形成することで動いています。トレンドの始まりと終わりを知り、上手く波に乗ることが順張り戦略で勝つための基本です。

DMIはJ.W.ワイルダー氏というトレーダーが開発したテクニカル指標です。

J.W.ワイルダー氏と言えば、パラボリックやRSIを開発した人物としても有名で、DMIもこうした指標との組み合わせによって威力を発揮します

ちなみに、DMI(ディーエムアイ)は、Directional Movement Indexの略称です。トレンドを見つけるための指標なので「方向性指数」と呼ばれることもあります。

DMIの見方と計算方法

計算

DMIで使う指数は3つです。

  • +DI(プラスの方向性指数)
  • -DI(マイナスの方向性指数)
  • ADX(トレンドの強弱を測る指数)

これら3つの指数を組み合わせて、トレンドの強弱や有無を判断します。

指数の計算に使う日数は任意で設定可能ですが、一般的には2週間(14日間)の値動きからDMIを計算することが多いです。

+DI

+DIは上昇トレンドである可能性を判断する際に用いる指標です。

上昇トレンドでは、株価は上下動を繰り返しながらジワジワと上がっていきます。

なぜこのようになるかというと、単純に前日の高値よりも当日の高値の方がさらに高くなることが多いからです。

例えば、2週間の値動きを記録したとして、前日高値よりも当日高値の方が高くなる日数が少なければ、株価は下がっていきます。これが下落トレンドを形成します。

逆に、前日高値よりも当日高値の方が高くなる日数が多ければ、株価は上がり、その動きが上昇トレンドを形成します。

+DIの計算方法は、「前日高値と当日高値の差(上昇分)をTRという指数で割ったもの」です。

+DIの算出方法
+DI = +DM ÷ TR

+DM = 当日の高値 – 前日の高値

TR =
・当日の高値 – 当日の安値
・当日の高値 – 前日の終値
・前日の終値 – 当日の安値
の中から最大となるものを使う。

-DI

-DIは+DIとは対象的に、下落トレンドである可能性を判断するための指数です。

計算方法は+DIの逆となり、前日安値と当日安値を使います。

-DIは、「前日安値と当日安値の差(下落分)をTRという指数で割ったもの」です。

-DIの算出方法
-DI = -DM ÷ TR

-DM = 前日の安値 – 当日の安値

TR =
・当日の高値 – 当日の安値
・当日の高値 – 前日の終値
・前日の終値 – 当日の安値
の中から最大となるものを使う。

ADX

ADXはトレンドの強弱を知るための指数です。

ADXの算出方法
ADX = DXの平均値

DX = {(+DI)-(-DI)} ÷ DIの合計

※ADXの計算期間が14日の場合は、14日分のDXを足して14で割る

DMIの使い方

DMIのテクニカル分析

上昇トレンドと下落トレンドを見極める場合は「+DIと-DIの2本の線」を使います。

+DIが-DIを下から上に上抜いたら買いシグナル、逆に+DIが-DIを上から下に下抜いたら売りシグナルとなります。

そして、両者の幅が大きいほどトレンドが強いことを示しています。つまり、+DIが最高値にあり-DIが最低値にある時は、非常に強い上昇トレンドであると判断できます。

上記チャートはソフトバンクグループ(9984)の週足チャートです。チャートソフトは楽天証券のマーケットスピードを使っています。

青丸の部分が売りシグナル、赤丸の部分が買いシグナルとなります。

+DIと-DIによる買いシグナルが出てから、やや遅れて「ADX」が上昇し始めます。ADXが上がり始めると、上昇トレンドの信頼度がより高まります。(ADXについては後述)

上手くいくときもあれば失敗することもありますが、DMIを活用して長期的な波に乗れた時は、大きな利益を得られます。

使い方は簡単なので、一度見方を覚えてしまえば、すぐに取引に活用できます。

ADXを使って信頼度を上げる

ADX

上記の+DIと-DIの組み合わせで買いシグナル・売りシグナルを判断するのがDMIの基本的な使い方です。

しかし、3本目の指数であるADXを用いることでさらに信頼度を向上できます。

買いシグナル(信頼度:高
+DIが-DIを下から上に上抜く状態(買いシグナル)のときにADXも上昇している

買いシグナル(信頼度:低)
+DIが-DIを下から上に上抜く状態(買いシグナル)のときにADXが下落している

売りシグナル(信頼度:高
+DIが-DIを上から下に下抜く状態(売りシグナル)のときにADXも下落している

売りシグナル(信頼度:低)
+DIが-DIを上から下に下抜く状態(売りシグナル)のときにADXが下落している

基本的には、+DIとADXがともに上昇している状態で波に乗るのがポイントです。

DMIとRSIを組み合わせて使う

DMIを開発したJ.W.ワイルダー氏の代表的なテクニカル指標に「RSI」があります。

DMIとRSIは非常に相性がよく、組み合わせて使うとより効果的です。

RSIは「売られすぎ・買われすぎ」を測る指標ですが、トレンドが発生しない横ばいの状態では利益を出すことはできません

そこで、トレンドの発生・強弱を知ることができる「DMI」と、売られすぎ・買われすぎがわかる「RSI」の2つを使うことで、売買シグナルの正確性をより高めることができます。

続いては、「ストキャスティクスの正しい使い方、買いシグナルを見つける参考になります」です。

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執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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