出来高は嘘をつかない、ボリュームレシオの正しい使い方と計算方法

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ボリュームレシオ

株式投資の世界では「出来高は嘘をつかない」と言われます。

なぜこのように言われるのかというと、投資の世界では「騙し」が少なくないからです。

例えば、買う気がないのに大きな買い注文を出す「見せ板(見せ玉)」や、売り注文が少ない板を狙って強引に買い上げて値上がりを演出する人もいます。

投資の世界には、実際にこういう人が存在します。

彼らは短期の利ざやを得ることが目的なので、ごく短期間の需給を操作し売り抜けてしまいます。

一方で、本当の値上がりというのは、大口投資家が市場に売られている株式を大量に買うことで、市場の売り注文が吸収されることによって生まれます。

需要と供給について考えてみてほしいのですが、大きな需要があって供給されている商品が品薄になると、その商品の価格は上がります。これが、通常の株価上昇要因です。

そして、大口投資家は多くの売り注文を安値で買い集める必要があります。

(先ほどの短期で売り抜ける騙しの世界とは違い)彼らは自らの買い注文が株価に影響を与えないように、市場の売り注文を少しずつ吸収するため、多くの投資家はそれに気づきません。

しかし、たとえ株価の動きがなかったとしても、大口投資家が買っていることは「出来高(ボリューム)」に表れます。

前置きが長くなりましたが、今回紹介する「ボリュームレシオ」は、出来高と株価の動きを考慮したテクニカル分析です。

ボリュームレシオの使い方

チャート

前述のように、出来高は株価に先行して膨らむと言われます。出来高が増えると株価が上がり、出来高が細ると株価が下落する、そしてこれは嘘偽りのない値動きです。

「出来高が膨らんだ」ということは、大口投資家の参入や、なんらかの材料によってその銘柄の注目度が高まり、買い注文が多く入るようになったことを表します。

逆に上昇後に「出来高が細ってきた」場合は、これまで買っていた勢力が一旦買いをやめたことになります。これが株価下落要因になります。

ボリュームレシオの見方は簡単で、

  • 450%以上:買われすぎ
  • 150%程度:適正
  • 70%以下:売られすぎ

と判断します。

ポイントとしては、ボリュームレシオの値だけを見て判断せず、株価の動きと合わせて見ることです。

パラボリックのような、その他のトレンド系のテクニカル分析と合わせて使うことで、売買シグナルをより正確に判断することが可能です。

下記の画像は、コロプラ(3668)の日足チャートです。チャートの下部分がボリュームレシオとなります。
ボリュームレシオのチャート

株価の下落とともにボリュームレシオが底値圏に到達し、そこからボリュームレシオの反転にやや遅れて株価も再び上昇し始めます

先ほど、ボリュームレシオが70%以下で売られすぎと言いましたが、この時のボリュームレシオの最安値は15%でした。

ボリュームレシオが70%以下だからといって安易に判断していると大やけどを負っていたわけです。

その後、ボリュームレシオが再び下がり始めたところで、やや遅れて株価も下がりはじめています

いずれのケースでも、株価よりもやや先行してボリュームレシオが反応していることがわかります。

計算方法

計算する女性

ボリュームレシオの計算式は以下の通りです。

「期間内」は投資家が自由に設定できますが、通常は「25日間」を用います。

ボリュームレシオ = (期間内株価上昇日の出来高合計 + 期間内の株価が前日比変わらずの日の出来高合計 ÷ 2) ÷ (期間内株価下落日の出来高合計 + 期間内の株価が前日比変わらずの日の出来高合計 ÷ 2) × 100

また、今回のチャートとして用いた楽天証券のマーケットスピードで利用できる「ボリュームレシオ2」は、以下の計算式となります。(個人的にはボリュームレシオ2の方が好みです)

ボリュームレシオ = (期間内株価上昇日の出来高合計 + 期間内の株価が前日比変わらずの日の出来高合計 ÷ 2) ÷ (期間内株価上昇日の出来高合計 + 期間内株価下落日の出来高合計 + 期間内の株価が前日比変わらずの日の出来高合計 ÷ 2) × 100

管理人の評価

管理人の評価

「出来高は嘘をつかない」とは言われるものの、私の個人的な意見ではボリュームレシオの信頼性は薄いです。

正確には、ボリュームレシオだけで売買判断をおこなうのは危険だと思っています。

ボリュームレシオは他のテクニカルと合わせて使うことで威力を発揮します。

まず、他のテクニカル分析で売買判断を行い、そしてサブ的な意味合いでボリュームレシオでその判断の確度を高めるというような使い方がおすすめです。

私も愛用している楽天証券では、一般的に利用される「ボリュームレシオ1」と独自方式の「ボリュームレシオ2」が使えますが、私は「ボリュームレシオ2」を参考にすることが多いです。

日中の値動きに限定されますが、大口の買い注文を把握したい場合は「VWAP(ブイワップ)」も覚えておくと良いかと思います。

次の記事:酒田五法の見方 1兆円を稼いだ普遍的なチャート分析のパターン

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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