ロボアドバイザーのダイワファンドラップオンラインを投資家目線で評価

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ダイワファンドラップオンライン

ファンドラップというサービスを日本に普及させたのは、大和証券の「ダイワファンドラップ」です。

現在は業界大手の野村證券にその座を譲っているものの、ダイワファンドラップの運用残高は長らくNo.1となっており、「ダイワファンドラップ」ブランドを確立しています。

ファンドラップは、証券会社が複数の投資信託を組み合わせて自動的に運用を行うサービスです。

「投資一任口座」なので、時には保有中の投資信託の売却や新規買付も自動で行い、私たち投資家は資産運用の方向性を示すだけで、プロと同等の運用が行えます。

資産運用がよくわからない方や、忙しくて時間が取れない方に、すべての運用をお任せできることが、ファンドラップのメリットです。

ファンドラップの問題点

注意

しかし、ファンドラップには以前から指摘されている問題があります。

それは、手数料が高いことです。

ファンドラップの場合、「保有する投資信託の手数料となる信託報酬(年率)」、アドバイスや資産管理をするための「投資顧問料・運用管理手数料(年率)」がダブルで発生します。

その結果、手数料が年率3%を超える場合もあり、実態としては手数料の高い投資信託を買っているようなものだと投信ブロガーなどは指摘しています。

ロボアドバイザーの登場による低コスト化

そこに登場したのが、最近話題となっているロボアドバイザーの登場です。

実は、

  • どのような投資信託を組み入れるのか?
  • 自動売買による資産バランスの調整

などは計算によって算出できます。
よって、アドバイスや資産管理のための「投資顧問料・運用管理手数料(年率)」の部分は、ロボットで代用することで低コスト化が可能となっています。

そして、大和証券が「ロボアドバイザー+ファンドラップ」として新しく始めたサービスが「ダイワファンドラップオンライン」です。

ダイワファンドラップオンラインの特徴

ダイワファンドラップオンラインの診断結果

ダイワファンドラップオンラインは、これまでのダイワファンドラップと違い低コストで運用できるため、より幅広い人が利用できます。

まず、運用をスタートするための最低資産は300万円から1万円に大きく引き下げられました

また、証券会社の窓口で申込をしなくても、ダイワファンドラップオンラインであれば完全WEB完結で申込から運用までを行えます。

ダイワファンドラップオンラインの最大のメリットは、前述の「投資顧問料・運用管理手数料(年率)」が年率1.4%から年率1.0%に下がったことです。

投資先となる投資信託の種類も、通常のダイワファンドラップとは異なり、ダイワファンドラップオンライン専用のファンドが用意されています。

特別な理由がない限りは、ロボアドバイザーのダイワファンドラップオンラインを選択することをおすすめします。

ちなみに、ファンドラップは特定口座で運用することが可能です。

資産運用の流れ

ダイワファンドラップオンラインの運用手順を簡単にまとめます。

まず最初に、資産プランニング(無料診断)を行い、資産運用の方向性を決定します。無料診断はWEBから誰でも利用できます。

診断の結果をロボアドバイザーが示してくれます。シミュレーションどおりになるとは限りませんが、将来の運用シミュレーションや、おすすめの資産構成比率を提案してくれます。

その後、大和証券に口座開設をすることでダイワファンドラップオンラインが利用できます。

ロボアドバイザーが上記の提案内容を元にして、複数の投資信託を自動的に買い付けます。

運用を続けていると、大きく値上がりする投資信託もあれば、値下がりする投資信託もあり、当初設定していた資産構成比率が崩れてきます。

資産のバランスが崩れてきたら、値上がりした投資信託を売却して利益確定し、値上がりして安くなった投資信託を買い増すことによって資産バランスを保ちます。

こうした売買も、ロボアドバイザーがすべて自動的にやってくれます。

投資家が行うのは、最初に無料診断をしてロボアドバイザーが提案した運用プランに同意するだけです。もちろん、途中で運用方針を変更し、診断をやり直すこともできます。

ダイワファンドラップオンラインの手数料

ファンドラップ オンライン・フィー(投資顧問料・運用管理手数料)として、年率1.1%(税込)がかかります。

この費用は、他のロボアドバイザー系サービスと同水準であり、高くも安くもないといったところ。

ただし、ファンドラップは投資顧問料・運用管理手数料に加えて、投資先となる投資信託の手数料(信託報酬)がダブルで発生します。

どのような投資信託が買付対象になるのかまで、チェックしておく必要があります。

続いて、ダイワファンドラップオンラインで選ばれる投資信託「ダイワファンドラップオンライン インデックス・シリーズ」について、投資家目線で評価してみたいと思います。

ダイワファンドラップオンライン インデックス・シリーズ

値上がり

下記の投資信託が、2019年9月時点のダイワファンドラップオンライン専用の投資信託です。

下記の投資信託がロボアドバイザーによって自動的に選定され、買付・売却が行われます。すべて購入時手数料は0円の「ノーロード」です。

商品名 信託報酬
FWO TOPIXインデックス 0.231%
FWO 外国株式インデックス
(為替ヘッジあり)
0.3355%
FWO 外国株式インデックスEM+
(為替ヘッジなし)
0.3465%
FWO 日本債券インデックス 0.2255%
FWO 外国債券インデックス
(為替ヘッジあり)
0.264%
FWO 外国債券インデックスEM+
(為替ヘッジなし)
0.275%
FWO J-REITインデックス 0.231%
FWO 外国REITインデックス
(為替ヘッジあり)
0.3245%
FWO 外国REITインデックス
(為替ヘッジなし)
0.3245%

※信託報酬は税込です

「EM+」というのは「エマージングプラス」の略称で、先進国株式・債券に投資するタイプの投資信託に、新興国株式・債券などをミックスしたものです。

上記のラインナップを見ての私の評価としては「信託報酬がダントツ低いとは言えないが、そこそこ競争力がある」という印象です。

手数料は最大でどれくらいになるか

比較

上記の投資信託の信託報酬(最大で年率0.315%)に加えて、投資顧問料・運用管理手数料である年率1%がかかるので、ダイワファンドラップオンラインの手数料は最大で年率1.4465%(税込)となります。

ロボアドバイザーといえばウェルスナビやTHEOが有名ですが、これらのロボアドバイザーは投資先を米国ETFに限定しているため、ダイワファンドラップオンラインとの比較は難しいと思います。

一方で、比較対象としやすいのが楽天証券の展開している「楽ラップ」です。

楽ラップは、トータル手数料を年率1%以下に抑えているロボアドバイザーを活用したファンドラップです。

楽ラップの商品と、ダイワファンドラップオンラインを比較すると以下のようになります。

投資顧問料・運用管理手数料の比較

証券会社 楽天証券 大和証券
投資顧問料・運用管理手数料 0.715% 1.1%

※税込です

投資信託ラインナップの信託報酬を比較

商品 楽天証券 大和証券
TOPIXインデックス 0.187% 0.231%
先進国株式
(為替ヘッジあり)
0.22% 0.3355%
国内債券 0.143% 0.22%
先進国債券
(為替ヘッジあり)
0.22% 0.264%
国内リート 0.2805% 0.231%
外国リート 0.33% 0.3245%

※信託報酬は税込です
※楽ラップの場合、信託財産留保額(解約手数料)が最大で0.3%かかります。

両者を比較してみると、楽天証券の楽ラップの方がより低コストで運用できるのではないかと思います。

投信商品での比較は一長一短と見ることもできますが、投資顧問料・運用管理手数料の部分で、楽ラップのコストはダイワファンドラップオンラインを大きく下回っています。

この部分が、ネット証券と業界大手証券会社の違いになのだと思います。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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