エイト証券のロボアドバイザー「クロエ」が1万円からお任せ資産運用を実現
執筆者:川原裕也
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ロボアドバイザーの中でも、最も少ない金額から始められるのが、エイト証券の「クロエ」です。
これまでのロボアドバイザーを見てみると、ウェルスナビが10万円から、ダイワファンドラップが50万円から、そして楽ラップは10万円からのスタートでした。
しかし、これまで一度も資産運用の経験がない人にとっては、最初から10万円の資金を投じるのは少しハードルが高く感じると思います。
クロエなら、スマホアプリだけで1万円で世界分散投資が可能です。
2018年:エイト証券は野村アセットマネジメントに買収されました。よって、エイト証券は野村グループの証券会社となります。
また、買収後に動きがなくなったため、この記事は記事執筆時点(2017年2月)の状態から更新を停止しています。
これまでなかったロボアド クロエの実力
ロボアドバイザーのクロエのスペックを見てみると、「これまでにありそうでなかったロボアドバイザー」であることがわかります。
1万円からスタートできて競争力も高いクロエの特徴をまとめてみました。
投資対象を東証のETFに限定
クロエが投資対象としているのは、東京証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)のみです。
例えば、ウェルスナビやTHEO(テオ)といった業界でも人気のロボアドバイザーは、海外のETFのみを投資対象としています。
これらのロボアドは、投資対象を海外ETFにすることで、世界共通通貨である「米ドルベース」での資産運用ができる特徴があります。
また、海外のETFは国内のETFに比べて驚くほど低コストの銘柄が多いので、「1%の運用手数料+海外ETFの低コスト信託報酬」というトータルコストで競争力があります。
しかし、米ドルベースで資産運用をするということは、逆に言うと「為替リスクを負っている」ことにもなり、円高になると為替差損の分、運用パフォーマンスが下がってしまいます。
エイト証券のクロエが投資するのはすべて東証に上場しているETFなので、円ベースでの投資ができます。
円ベースで投資すると言っても、東証に上場しているETFには「世界を投資対象としたETF」というのがたくさん存在するので、世界分散投資ができるという点では同じです。
エイト証券では、クロエで投資できるのは「50カ国・4,324銘柄・37業種」であるとしています。
ウェルスナビ・テオ・クロエの違い
ウェルスナビ・テオ・クロエの違いをまとめると、以下のようになります。
ウェルスナビ・テオ
ドルベースで世界分散投資。
海外ETFに投資するので信託報酬は安い。
その代わり、運用手数料はクロエよりも少し高い。
クロエ
円ベースで世界分散投資。
東証に上場しているETFに投資するので信託報酬は少し高い。
その代わり、運用手数料はウェルスナビ・テオよりも安い。
では、ウェルスナビとテオの戦略である「運用手数料1.0%+海外ETFの信託報酬」と、クロエの戦略である「運用手数料0.88%+東証に上場しているETFの信託報酬」では、どちらの方がトータルコストが安いのでしょうか。
これは、選ぶ銘柄によって異なってくるのですが、おそらくウェルスナビ・テオの「運用手数料1.0%+海外ETFの信託報酬」の方がトータルコストは安くなると思います。
しかし、前述のとおりドル建てで海外ETFに投資をすると「為替リスク」を背負うことになるため、為替リスクを取ってでも低コストを追求するか、多少コストが高くても円建てで為替リスクを避けるかの最終判断は、投資家に委ねられると思います。
あわせて読みたい:
ウェルスナビとテオはどちらを選ぶべき?ロボアドバイザー比較のまとめ
業界最安水準の運用手数料を実現
東証に上場しているETFよりも、海外に上場しているETFの方が信託報酬が安いものが多いです。
だとすれば、東証のETFのみを投資対象としたクロエは、ウェルスナビやテオに比べて高コストになってしまうことが予測できます。
しかし、クロエはその対抗として「運用手数料を低く設定している」のが特徴です。つまり、エイト証券自身が受取る報酬を少なくする代わりに、投資先のETFの信託報酬が少し高いというデメリットをカバーしているのです。
クロエの運用手数料は0.968%(税込)と業界最安水準です。比較対象となるウェルスナビ・テオはともに1.1%(税込)なので、0.132%ほど安いです。
この0.88%の手数料の中に、銘柄の購入・売却手数料も含まれます。また、解約手数料なども不要なので、私たちが支払うのは「年率0.88%の信託報酬 + 投資先ETFの信託報酬」のみとなります。
目標を設定した後はお任せ
クロエでは、まず最初に「年齢・年収・目標・投資金額」の4つの項目を設定します。
資産運用の目標は人それぞれ違います。
留学のお金を貯めたい人もいれば、マイホームを購入したいという目標を持っている人、退職後や老後に備えて資金を作りたい人など。
目標が違えば必要なお金も、資産運用で取るべきリスクも違ってきます。
クロエを使って、あなたの資産運用の目標を入力するだけで「どれくらいのリスクを取り、そのリスク水準に最適なポートフォリオはどういう構成か?」はすべてクロエが自動的に判定してくれます。
目標を実現するために最適な運用方法をクロエが提案してきたら、あとはそれを承認するだけでロボアドバイザーが自動的に売買をおこなってくれます。
資産運用をしていると、市況の変化によってポートフォリオのバランスが崩れてきます。
例えば、最初は株式と債券を50%ずつ買っていたとします。しかし、株式が驚くほど値上がりをすると、ポートフォリオ全体に占めるバランスが、いつの間にか株式80%、債券20%といった具合に崩れてしまうのです。
これを定期的に調整する作業を「リバランス」と言い、リバランスの際には保有しているETFを一部売却したり、浮いたお金で新しいETFを追加購入する必要があります。
これらのリバランスの判断や、リバランス作業に伴う売買もクロエが全自動で行ってくれます。
もちろん、売買時に発生する取引手数料は年率0.88%の運用手数料に組み込まれているので、追加費用はかかりません。
▼リバランスの詳しい解説はこちら
あわせて読みたい:
リバランスとは?効果とやり方をわかりやすく解説
野村グループに入ってさらなる飛躍に期待
クロエは、年率0.968%(税込)という業界最低水準の低コストと、東証に上場しているETFのみを使って世界分散投資を行うというこれまでになかったロボアドバイザーです。
また、あらかじめ目標を設定し、その目標に従ってそれぞれに最適な運用方法を提案する「ゴールベース方式」を採用している点でも魅力です。
また、1万円からスタートできるというスペックを見ても、革新的なロボアドバイザーだと言えます。
ただし、テオやウェルスナビといった業界で人気のロボアドバイザーに比べると、トータルコストではやや劣るのではないかと私は考えています。
というのも、海外ETFは東証のETFと比べて圧倒的に信託報酬が安いからです。
とはいえ、海外ETFへの投資は米ドル建てになるため為替リスクが発生します。為替リスクを取ることなく、低コストで安定した運用を行いたい場合は、エイト証券のクロエも非常に使えるロボアドバイザーになると思います。
すでに、大和証券はダイワファンドラップオンラインというロボアドバイザーを使ったラップサービスを展開しています。
エイト証券が野村グループの傘下に入ったことで、野村証券グループもロボアドバイザーサービスの強化に動くと思われます。
次の記事は「2018年最新版!マネックス証券のiDeCoで選ぶおすすめの投資信託を解説」です。
マネックス証券のiDeCoでは、投信選びにロボアドバイザーを利用することが可能です。
また、私が実際のロボアドバイザーを実践した結果を、下記の記事で取り上げています。参考になるかわかりませんが、興味のある方は一読ください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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1件のコメント
エイト証券のクロエですが、自動積み立て機能もなし、親会社が中華系で怪しい、アプリはエラー多発。。。経営も外国株扱い終了で結構やばいかも? これ以上サービスの向上は見込めないですし、タイミングを見てさっさと解約ですね。東証ETFを扱っているロボアドは他にもありますし、そもそも東証ETFだと為替の影響を受けないなんてことはないですから。。