例えばワインファンドのような怪しい投資話には乗らないようにしよう
執筆者:川原裕也
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投資を始めると、これまでは気にならなかった「投資話」に目が行くようになります。
「高い利回り」や「必ず儲かる」、「有名人の◯◯さんが推奨」など、甘い言葉で巧みに勧誘を行う怪しい投資話は数知れません。
怪しい投資話を避ける方法は2つあります。
- 美味しい儲け話は存在しないことを知る
- 大手証券会社など信頼できる筋を通じて投資する
この2つを徹底しておけば、ほとんどの詐欺には引っかからないと思います。
最近では、ワインファンドのヴァンネットが破綻したことが話題となりました。
ワインファンドの破綻
「確実な投資話」と言われ、多くの人が騙されたワインファンドのヴァンネットが2016年に破綻したお話をします。
ワインは生産してから数年間熟成させることで価値が高まります。一般的に年数が経っている古いワインの方が高額取引されているのが特徴です。(ヴィンテージという価値が存在する商品ですよね)
そこで、投資家からお金を集めて、新しく生産されたワインを大量に買付け、それを熟成させて価値が上がったところで売却して利益を得ようと考えられたのが、ワインファンドです。
ワインはもし価値が上がらなくても、資産価値が0になることはありません。よって、安全性においても間違いがないという完璧な仕組みのファンドのように見えました。
ヴァンネットは、著名投資家の内藤忍さんという方が推奨していたことで有名です。(この方はワインファンドに関する本まで書いていました)また、上場企業の元取締役や大物投資家など、このファンドに出資していた人達はそれなりに地位のある人だったとのこと。
個人投資家の中にも、内藤忍さんのファンは多いですし地位のある人がこぞって投資しているファンドだと知って、「有名人の◯◯さんも投資している」と飛びついてしまった人も多いと思います。
しかし、ここで投資家としての真価が問われるわけです。しっかりと自分の考えをもって投資判断を下せるか。
結局、この投資ファンドは約520人の出資者に対して約36億円を償還できずに破綻、負債総額も40億円にのぼりました。
運用利回りは当初200%を超えていたようですが、実はこれも「自転車操業」によって成り立っており、新しい出資者から得たお金を、既存の出資者に対する配当金に回す、いわゆるポンジ・スキームだったことがわかっています。
その他にも、牧場で毎年生まれる子牛を売却して利益を得るファンドや、ラブホテルに投資するファンドなど、過去には様々な投資詐欺事件がありました。
このような話はほんの一例で、大きなニュースにはならない数多くの詐欺話が問題となっていることは言うまでもありません。
詐欺投資にひっかからないために
前述のとおり、怪しい投資話を避ける方法としては
- 美味しい儲け話は存在しないことを知る
- 大手証券会社など信頼できる筋を通じて投資する
を守ることが一番です。
「信頼できる筋」という意味では上記のワインファンドなどは信頼できる筋だったかもしれませんが、ワインファンドが野村證券や大和証券から売り出されることはありません。
また、大手証券会社が未公開株を販売することもありません。
ですので、投資をする時は必ず「大手証券会社」や「東証などのマーケット」から買うことを前提とするだけでも、投資の安全性が担保できます。
バフェットですら年利20%のリターンしか出せない
また、投資詐欺は高利回りを謳い文句にしていることが多いです。1年で2倍、利回り月利30%など、通常ではありえないほどのリターンで投資家を誘います。
投資初心者の方は、「月間利回り30%」「1年で2倍」などと言われても、それがどれくらい一般の利回りとはかけ離れた数字なのか、わからないと思います。
そこで覚えていて欲しいのが下記です。
世界一の大富豪である著名投資家のウォーレン・バフェット氏ですら年利20%のリターンしか出せないというのが投資の世界です。(年利20%は私たちでも普通に出せますが、それを何年も続けることは至難の業です)
株式投資であれば、配当込みで8%程度(値上がり6%、配当2%程度)が通常のリターンです。
もし、もちかけられた投資ファンドの利回りが、年利20%を超える話であるならば、それはあのウォーレン・バフェットの投資リターンを超えることになり、世界中の人がこぞって出資してもおかしくない案件です。
それほど美味しい案件への出資話が世の中に知られていない段階で、あなたの元に舞い込むというのはどう考えてもおかしいでしょう。
高い利回りには高いリスクが付きものです。上記の利回りを参考に、大きすぎる利回りには隠れたリスクがあると疑いの目をもちましょう。
もちろん、未公開株に投資して上場時のリターンを得るという投資もありますが、これらは自分自身でファンドを運営できるほどの知識がなければ、手を出すべきではない案件です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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