ホテル資産に投資するJリートが持つ変動収益リスク

Jリートの王様

ビジネスホテル

昨今のインバウンド需要により、外国人観光客を中心としたホテルへの宿泊客が増えています。

今日は、ホテル特化型リートが持つリスクについてまとめます。

収益の変動が大きい

急上昇

ホテルリートで最も注目しなくてはならないのが、収益変動リスクです。

ホテルは稼働率が上がると客室単価の引き上げを行います。旅行などに行く方はご存知だと思いますが、土日の宿泊料が高かったり、シーズンごとに料金が変わるのは、このためです。

ホテルの需要が大きく客室単価が上がっている時は、マーケットでも評価されやすくなりますし、分配金も向上しやすいです。しかし、外国人観光客の数が減少するなどの影響でホテルの需要が少なくなると、分配金の減少に直結する可能性があります。

Jリートは安定的に推移し、安定した分配金を支払うことが求められる商品なので、ホテルリートはJリートの中でもリスクは高めの位置づけです。

固定賃料契約によってリスクを軽減している

契約

上記のような理由から、ホテルリートはテナントと「固定賃料契約」を結び、リート収益の安定化を図っています。

固定賃料契約を結んでおけば、需要が増えた時に恩恵が受けられない変わりに、需要が減少しても賃料は変わらずに得られます。

ホテル特化型リートはリスクはやや高めであるものの、原則的には固定賃料契約を結んでいるのが普通です。リスクを考えながら変動賃料の割合を機動的に変化させています。

同じホテル特化型リートによっても運用方針が違うのですが、変動賃料は保有物件全体の収益のうち15%~40%に設定しています。

賃料形態としては、1物件ごとに100%「固定賃料」または「変動賃料」と決めてしまっているケース、そして1物件に対し「固定賃料+変動賃料」を設定する「利益連動」の契約を結んでいるケースがあります。

鑑定評価額が上がりやすい

不動産の鑑定評価

ホテルの稼働率が上がると、客室単価が向上しホテルの収益性(インカム部分)が高まります。

客室単価が上がると、それに合わせて不動産物件事態の鑑定評価額(キャピタル部分)も上がるため、分配金利回りが高く保有物件の含み損益率も高くなり、一件すごく良いリートに見えてしまいます。

分配金利回りと含み損益率(鑑定評価額の高騰)はホテル型リートの株価(投資口価格)の上昇に繋がります。

実際に、インバウンド需要によりジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)の保有物件の含み損益率が短期間で大きく改善した過去があります。

下記は、ジャパン・ホテル・リート投資法人の第15期(2014年12月末)と第16期(2015年12月末)の保有物件の鑑定評価額の変化です。

物件名 鑑定評価額(15期) 鑑定評価額(16期) 増加率
オリエンタルホテル東京ベイ 277億円 326億円 +17.6%
なんばオリエンタルホテル 192億円 270億円 +40.6%
ホテルサンルート新橋 63.6億円 74.2億円 +16.6%
博多中洲ワシントンホテルプラザ 27.8億円 36.8億円 +32.3%

1年で鑑定評価額が40%も上昇しているホテルもあり、驚きです。。。

しかし、大きく上昇するということは大きく下落する可能性もあるということ。インバウンド需要が縮小するなど客室単価が下落すると、収益性の悪化に合わせて鑑定評価額も著しく下がる可能性があり、それは株価の急落を招くリスクがあります。

こういった背景もあり、ホテル型リートは「変動が大きくリスクがやや高めのJリート」であると考えるのが良いと思います。