J-REITのETF全銘柄を徹底比較、毎月分配金を受け取るポートフォリオの構築も

Jリートの王様

ETF

J-REIT(上場不動産投資信託)は、株式と同じように売買することができ、また分配金が高いことから安定的なインカム収益を求める投資家に好まれます。

分配金の原資となるのが、不動産(オフィスビルや商業施設など)からの賃料収入なので、少ない資金でも間接的に不動産投資が実現できるという点に魅力を感じている方も多いようです。

J-REITには「日本ビルファンド投資法人」のような個別銘柄がある一方で、上場している複数のJ-REIT銘柄に対して投資する上場不動産投資信託(ETF)が存在します。

今回はJ-REIT ETFの銘柄が持つ特徴をまとめたいと思います。

J-REIT ETFの比較

投資家

記事執筆時点(2017年7月)で東証REIT指数に連動するETFは7銘柄あります。

基本的に「東証REIT指数」に連動するという点では同じですが、信託報酬や運用会社に違いがありますので、その点も含めてまとめます。

NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)

野村アセットマネジメント

野村アセットマネジメントが運用する国内リートインデックスファンドです。

J-REIT ETFの中では純資産残高が最も大きいETFとなっており、どれを選べばよいか迷ったら一番最初に検討したいJ-REIT ETFです。

信託報酬は年0.32%+税。

分配金の基準日は、2月、5月、8月、11月(いずれも10日)の年4回となっています。

上場インデックスファンドJリート隔月分配型(1345)

日興アセットマネジメント

日興アセットマネジメントが運用する国内リートインデックスファンドです。通称「上場Jリート」。

野村アセットマネジメントのNEXT FUNDSに続く純資産残高を誇っています。上場Jリートは分配金が隔月で支払われるため、年6回の分配金を受け取ることができます。

ただし、100株単位での売買となるため、購入に必要な資金が他のETFよりも多めです。(NEXT FUNDSなど多くのJ-REIT ETFは10株単位の売買が可能)

信託報酬は年0.3%+税。NEXT FUNDSと比較してやや低め。

分配金の基準日は、1月、3月、5月、7月、9月、11月(いずれも8日)の年6回となっています。

NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)

農林中金全共連アセットマネジメント

資産運用会社は、農林中金全共連アセットマネジメントです。

信託報酬が年0.248%+税と極めて低く、NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)と比較すると年0.072%の差が生じます。

これは、運用資産が1,000万円だった場合、手数料だけで毎年7,200円の差になることを意味します。

信託報酬は年0.248%+税。

分配金の基準日は、1月、4月、7月、10月(いずれも15日)の年4回となっています。

MAXIS Jリート上場投信(1597)

三菱UFJ国際投信

資産運用会社は、三菱UFJ国際投信です。低コストなインデックスファンドで評価の高いeMAXISシリーズのETF。

信託報酬もNZAM 上場投信 東証REIT指数と比較して遜色なく、低コストなJ-REIT投信としておすすめできます。

信託報酬は年0.25%+税。

分配金の基準日は、3月、6月、9月、12月(いずれも8日)の年4回となっています。

SMAM 東証REIT指数上場投信(1398)

三井住友アセットマネジメント

三井住友アセットマネジメントの運用するJ-REITインデックスファンドです。

信託報酬が低い魅力的なETFですが、

信託報酬は年0.22%+税。このあたりになると純資産が小さい銘柄となるため、運用資産が大きい人にとっては意図した価格で売買できない場合があります。

ETFは投資信託と違い市場で売買を行うため、売り手がいなければ買えない、買い手がいなければ売れないという流動性リスクと戦う必要があります。

資産規模が大きい方や自分で売り買いするのが面倒だという方は、信託報酬は若干高くなってしまいますが、ETFではなくJ-REITを投資対象とした投資信託を選択するのも良いと思います。

分配金の基準日は、3月、6月、9月、12月(いずれも8日)の年4回となっています。

iシェアーズ JリートETF(1476)

ブラックロック

ブラックロックが運用するi sharesシリーズのETFです。ブラックロックは世界最大級の資産運用会社です。(このETFを運用しているのはブラックロックの日本法人です)

iシェアーズ JリートETFの最大の特徴は、1株単位で売買ができることです。

一般的なJ-REIT ETFは10株単位、前述の「上場インデックスファンドJリート隔月分配型(1345)」に関しては100株単位での売買となるため、最低投資価格がやや大きいです。

しかし、1株単位の売買ができるJ-REIT ETFであれば、数千円程度から購入できるため、投資未経験者の方や少ない資金で運用してみたい方でも気軽に購入できます。

ちなみに、記事執筆時点の情報ですと、1,710円あれば購入でき、年間の分配金が約50円であり、利回りは約3%程度となっています。銀行の定期預金と比較しても圧倒的な利率で運用できることがわかります。

仮に銀行の定期預金金利を0.1%とすると、年間50円の利息を得るためには5万円の預金が必要です。

これならば、長期での運用を考えている人であれば、1,700円程度のリスクをとって5万円分の定期預金相当の分配金を得るというのも、悪くない判断だと思います。

信託報酬は年0.16%+税。

純資産の規模は小さいものの、信託報酬がかなり低くおすすめです。

分配金の基準日は、2月、5月、8月、11月(いずれも9日)の年4回となっています。

ダイワ上場投信-東証REIT指数(1476)

大和証券投資信託委託

資産運用会社は、大和証券投資信託委託です。

信託報酬は年0.155%+税。J-REIT ETFの中では最も信託報酬が低いのがこのファンドです。純資産が小さくなるほど、ETFの信託報酬も低くなっていることがわかります。

分配金の基準日は、3月、6月、9月、12月(いずれも4日)の年4回となっています。

その他のリートETF

A-REIT

東証REIT指数に連動するETFは上記の7つですべてとなります。

その他、米国不動産や豪州不動産を投資対象としたETFも2銘柄ほど存在するので下記にまとめます。

上場インデックスファンド豪州リート(1555)
通称「上場Aリート」、日興アセットマネジメントが運営、信託報酬は年0.45%+税。

「S&P/ASX200 A-REIT」という指数に連動します。S&P/ASX200 A-REITは、オーストラリアのREIT指数です。

分配金の基準日は、1月、3月、5月、7月、9月、11月(いずれも10日)の年6回となっています。

iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF(1590)
ブラックロックが運営、信託報酬は年0.46%+税。

ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動するETFとなります。ダウ・ジョーンズ米国不動産指数はその名の通り、米国の不動産セクターの指数です。

このETFは株価は高いものの、1株単位で売買できるのも特徴の一つです。

分配金の基準日は、3月、6月、9月、12月(各設定日)の年4回となっています。

毎月分配金を得るJ-REIT ETFの組み合わせ

パズル

J-REIT ETFを比較してみると、分配金の基準日や年間の支払い回数が異なっていることがわかります。

この違いを利用して、J-REIT ETFを複数銘柄組み合わせて保有することでJ-REITから分配金を得ることが可能となります。

毎月分配金を得るためのポートフォリオ構築法

積立

J-REIT ETFから毎月分配金を得るためには、分配金基準日が

  • 1月・4月・7月・10月 の銘柄
  • 2月・5月・8月・11月 の銘柄
  • 3月・6月・9月・12月 の銘柄

をそれぞれ1銘柄ずつ、合計3銘柄保有すればOKです。

では、それぞれの対象となるのはどのETFなのか改めてまとめてみたいと思います。

分配金基準日「1月・4月・7月・10月」

  • NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)

分配金基準日が「1月・4月・7月・10月」なのは、農林中金全共連アセットマネジメントが運用する「NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)」のみとなっています。

つまり、J-REIT ETFで毎月分配金ポートフォリオを構築するためには、この銘柄は組み入れ必須となります。

分配金基準日「2月・5月・8月・11月」

  • NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)
  • iシェアーズ JリートETF(1476)

分配金基準日が「2月・5月・8月・11月」のETFは2銘柄です。

どちらを選択しても良いのですが、「iシェアーズ JリートETF(1476)」の方が信託報酬が低いのでおすすめです。

分配金基準日「3月・6月・9月・12月」

  • MAXIS Jリート上場投信(1597)
  • SMAM 東証REIT指数上場投信(1398)

分配金基準日が「3月・6月・9月・12月」のETFは2銘柄です。

どちらを選んでも問題ありませんが、日興アセットマネジメントの「SMAM 東証REIT指数上場投信(1398)」が信託報酬では一歩リードしています。

J-REITで毎月分配金を得る方法は他にも存在します。詳しい情報は下記の記事で解説しています。

信託報酬についての考察

信託報酬

ETFは販売会社へ支払う手数料が不要であるため、投資信託と比較して信託報酬は低めに設定されています。

しかし、信託報酬は年率で発生する手数料であり、長期的にみると0.1%の信託報酬の差がパフォーマンスに大きな影響を与えます

J-REIT ETFの場合、純資産残高が小さい銘柄ほど信託報酬が低くなる傾向にありました。(これは、後発のETFが純資産を獲得するために信託報酬を下げて投資家を呼び込もうとしているからだと思います)

純資産が小さくなると流動性が低下するため、資産規模が大きい場合は不利ですが、一般の投資家であればさほど気にする必要もないかと思いますので、やはり信託報酬が少しでも低いETFを選択することを個人的にはおすすめしたいです。

今回紹介したJ-REIT ETFの中で、最も信託報酬が高い銘柄と低い銘柄を比較すると、

  • NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343) 年0.32%+税
  • ダイワ上場投信-東証REIT指数(1476) 年0.155%+税

となっており、その差は実に0.165%となります。

つまり、「ダイワ上場投信-東証REIT指数」を選択した場合、「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」の半分以下のコストで運用できる計算となります。

積立シミュレーターを活用し、その差がどの程度になるのか実感してみてください。

◆前提条件
・毎月の積立金額を5万円
・運用期間は20年間の複利運用
・運用利回りは年間5% - 信託報酬

つまり、「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」の運用利回りは年率4.68%、「ダイワ上場投信-東証REIT指数」の運用利回りは年率4.845%にし、その他の条件はすべて同じ。

積立シミュレーター

毎月の積立額万円

利回り(年率)%

積立期間

ヶ月間

計算結果(グラフ)
計算結果(表)

上記の条件でシミュレーションすると、「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)」は1,980万円となり、「ダイワ上場投信-東証REIT指数」は2,018万円という結果になります。

たった年0.165%の信託報酬の差が、将来のリターンに38万円の差をもたらした結果となります。

ちなみに、運用期間を40年間に設定するとその差は306万円に膨れ上がります。