Jリートの分配金利回りはなぜ株式配当金よりも高いのか

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高利回り

リーマン・ショック時は利回り10%超えのJリートが続出したこともありました。

Jリートに投資すると決算期ごとに「分配金」がもらえます(年2回であることが多いです)

この「分配金」は株式投資で言う「配当金」と同じようなもので、Jリートが保有している不動産の賃料収入から生まれた利益を、投資家に支払う仕組みです。

Jリートの分配金は一般的に株の配当金よりも利回りが高いです。ただ、利回りが高いからと言って、ハイリスクであるということはありません。

ここでは、Jリートの分配金利回りがなぜ高いのか、その理由をまとめます。

特別に法人税の支払いを免除されている

法人税を免除

Jリートが高い分配金利回りを出せる最大の理由が「法人税の支払いを免除されている」からです。

当期利益の90%以上を投資家に分配することを条件に法人税が免除されます。これは投資法人であるリートならではの強みです。

まず、Jリートは保有不動産から賃料収入を得ます。この収入のうち、資産運用会社や資産管理会社などに支払う委託手数料、物件の修繕費用、そして金融機関に支払う利息などを差し引いて残ったものが「当期利益」です。

この「当期利益」を決算ごとにほぼ全額、投資家に配当します。不動産から収入を得て、残った利益は常に(ほぼ)全額吐き出して次の期を迎えるということを繰り返しているのが、Jリートの特徴です。

一方で、一般的な事業会社は当期利益のうち一定額を内部留保(企業の中に貯めこむ)します。これは、内部留保した資金を新規事業などに投資し、次の成長資金に使う必要があるからです。

その代わり、事業会社は当期利益に法人税がかかります。

次の成長のために資金を貯めこむ必要がある事業会社と、保有済みの不動産から賃料収入が入ってくるので成長のための資金を貯めこむ必要がないJリート(投資法人)との大きな違いがここにあります。

金融機関から低金利で資金調達できる

資金調達

Jリートは不動産の賃貸事業に特化しており、新規事業の開発やベンチャー企業への出資、M&Aといった一般的な事業会社が行うようなビジネスをおこないません。

不動産の賃貸事業は安定性が高いビジネスなので、金融機関からも低金利で融資を受けることができます。不動産投資において金融機関からの借入利率は利益に直結する重要なポイントです。

しかし、Jリートは資金調達を低金利で行うことができるので、不動産投資の中でも当期利益を最大化することができます。

借入金の固定比率でリスクがわかる

銀行

Jリートの銘柄を選ぶときに、借入金でチェックしておきたい項目があります。

それは、「借入金の固定費率」です。

借入金の固定費率は、Jリートの決算説明資料などに記載されています。

借入金のうち、何パーセントが「変動金利」で、何パーセントが「固定金利」かということです。

一般的に、変動金利は低利であるが、将来的に市場金利が上昇するとコスト負担(支払利息)が増加する特徴を持っています。

一方で、固定金利はやや高めの金利で借りることになりますが、将来市場金利が上がっても、既に借りたお金については金利が固定されているため、支払利息は変化しません。

つまり、変動比率(変動金利の割合)が高いJリートの場合、現時点では他のJリートよりもコスト優位があるため、その分、投資家に多くの分配金を出すことができます。

しかし、金利が上昇すると支払利息の負担が利益を圧迫するので、投資家が受け取れる分配金も目減りする可能性があります。

このような理由から、借入金の変動比率(変動金利の割合)が高い銘柄はややリスクが高いと考えることができます。

分配金は安定している

安定

上記の理由から、ハイリスクではないが利回りが高くなるJリートならではの魅力がわかりました。

また、Jリートは原則として不動産資産にしか投資しません。

不動産の賃料収入は安定性が高いですし、Jリートは複数の不動産に分散投資をしていることがほとんどなので、分配金の安定性は非常に高いです。(たまに主要テナントが抜けて分配金が落ちることもありますが…)

一方で、一般的な株式会社の場合は新規事業への投資などを積極的に行います。一応、業績予想などは発表している会社が多いのですが、

  • 儲かるはずだった新規事業がまったく期待はずれだった
  • 原油価格の下落・高騰の影響
  • 為替市場の急激な変動などの影響

といった様々な理由で業績が予想を大きく下回り、場合によっては突然の「無配当の発表」ということも珍しくありません。

こうした違いを踏まえると、Jリートは業績・分配金ともに安定性が高いというメリットがあります。

Jリートと株式の配当利回りを比較するには

Jリートの平均分配金利回りと株式の配当金利回りを比較するには、以下のページがおすすめです。

国内の株式指標(日本経済新聞)
平均配当利回り(東証一部全銘柄)を参照。
東証一部に上場している株式銘柄の平均利回りがわかります。

利回り一覧(JAPAN-REIT.COM)
平均分配金利回りを参照。
東証REIT市場に上場にしているJリートの平均利回りがわかります。

また、基本的に配当金利回り(分配金利回り)は10年国債利回りとの差を見るのが普通です。(配当利回りと10年国債利回りのスプレッド)

10年国債利回りはブルームバーグのこちらのページで見ることができるので、合わせてチェックしておきましょう。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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1件のコメント

中原

個人で国道沿いに不動産あり、毎月賃料があるか、テナントが出て行く
リスク、修繕費、メンテ費あり、建物が陳腐化、老朽化するリスクある
複数テナントの一斉退去による建て替えは非常に難しく70台の高齢では
投下資金の回収も難しい。テナント居る間は、現状維持し、その後は
売却し毎月分配型投信で運用することがベストかな。

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