百戦錬磨の経営者が騙される「M資金」詐欺の全貌

投資詐欺から身を守る方法

M資金

詐欺師は言葉巧みにあなたに近づきお金をだまし取ろうとします。

あなたがもし、「詐欺師 = 怪しい人」と考えているのであれば、それは要注意です。詐欺師はあなたが何十年も前から深くお付き合いをしている、信頼のおける人物である可能性すらあります

詐欺の手口は本当に様々ですが、その中でもとりわけ巨額の資金が動く詐欺の手法に「M資金詐欺」というものがあります。

M資金詐欺は何十年も前からある手口なのですが、百戦錬磨の大手企業の経営者から、最近では元朝青龍関なども騙されたと言われています。

なぜこれだけ有名な詐欺であり、しかも似たような手口であるにもかかわらず、多くの人は騙されてしまうのでしょうか。

M資金とは

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M資金」とは、GHQが戦後に敗戦国である日本から押収した財産を原資とし、秘密裏に運用されている莫大な資金のことです。

M資金の「M」は、マッカーサーの「M」や、当時、GHQ経済科学局の第2代局長であったウィリアム・マーカット少将の「M」であると言われています。

わかりやすく言うと、徳川幕府が隠したと言われている「徳川埋蔵金」のようなものですね。

M資金という言葉そのものは、Wikipediaにも掲載されているのですが、実はこの「M資金」、過去の歴史で一度も存在は確認されていない幻の資金なのです。

言い換えるなら、ツチノコやかっぱ、天狗のようなもので、古くから多くの人に知られてはいるものの、その存在は確認されていないというもので、実際に存在するかどうかは誰にもわかりません。(ちなみに私自身は、M資金は存在しないと思っています)

この隠された巨額資産「M資金」をテーマとして、様々なストーリーを創作してお金をだまし取るのが「M資金詐欺」の手口です。

細かいストーリーは時代とともに変化しているようですが、「M資金を使った融資をするために、前もって手数料が必要」と言って手数料だけを奪い取って消えてしまうというのが大まかな流れとなっています。

M資金詐欺の手口

握手

M資金はそのお金が莫大であるために、詐欺のターゲットは会社経営者や政治家、芸能人、富裕層などに限定されることが多いです。

彼らはいずれも、事業や権力、知名度を維持するために巨額のお金を必要としている人たちです。

特に、1978年に自ら命を絶った俳優の田宮二郎さんは、M資金に騙されて巨額の借金を負ってしまったことが自殺の原因ではないかと言われています。

また、経営者では当時のANAや東急電鉄の経営者が詐欺被害者として有名です。

日本の超優良企業を育て上げ、トップの座を譲ったあとも絶対的な存在として君臨してきたA氏が、九四年、突如として会長を辞任し、相談役に退いてその後はばったりと公の席に姿を見せなくなった。捜査関係資料を入手したと称する雑誌『選択』(九八年二月号)によると、その理由は、A氏が架空の融資話に乗って多額の金を騙し取られたからだという。M資金詐欺である。A氏は二十年前からM資金詐欺グループと接触を持ちつづけてきたという。しかも、相談役に退いた九四年には、詐欺グループから財産を身ぐるみ剝がされてしまったとされる

M資金の被害者は、功なり名を遂げた老経営者が多い。彼らは人生の移行期にあって、会社では絶対的権力をふるっている。しかし、心の世界では孤独にさいなまれ、あるいは痴呆が進行していたかもしれないのである

M資金詐欺の手口をまとめるとこのようになります。

提供するメリット
低金利で、億単位、場合によっては数兆円規模の融資を行うことができる。
そのお金の出どころは政府の一部の人だけが知っている、いわゆる「M資金」である。

なぜなら、あなたの事業が国家にとって大きな価値のある事業だからだ。
なぜなら、あなたのような国民的スターが今の日本には必要だからだ。

などと言い、「あなただけの特別融資」であることを付け加える。

こうした巨額の融資話は、事業家やタレント、政治家など、巨額のお金が必要な人にとっては願ってもない話です。

その代わりに・・・
その融資を引き出すために手数料が必要。
融資までの期間を少しでも短くするために政治家に働きかけをするお金が必要

などの理由で、実際に融資を行う前にまず最初にターゲットとなる相手にお金を出させる。

結局
ターゲットからお金を奪ったら、そのまま音信不通となり消えてしまう。(もちろん融資はおこなわれない)

ちなみに、M資金詐欺の被害者だと言われている元朝青龍関には「母国、モンゴルの開発に1兆円の融資がしたい」と声をかけたそうです。

母国を想う元朝青龍関にとっては、1兆円もの融資は願ってもないチャンスだと思えたことでしょう。

ローソン元会長の玉塚元一氏もM資金の被害者に?

2017年4月27日に発売された週刊新潮によると、ローソン元会長の玉塚元一氏もM資金の被害にあいかけたと言われています。

玉塚氏と言われれば、文句のつけようがない経歴を持っており、ユニクロを展開するファーストリテイリングの元社長でもあります。

先日、ローソン会長を退任しましたが、その裏でM資金の問題があったと報じられているわけです。

週刊新潮では、玉塚氏の直筆の「確約書」を入手しており、書類も本物だったと本人が認めています。

〈ペーパーに書かれたサインは確かに自分のもので、捺印も私個人のものです。きっかけは、今から1年半ほど前、2人の知り合いから連絡を受けたことでした。1人は経営者、もう1人は大学関係者です。それによると、環境問題や社会貢献の活動に資金を出してくれる篤志家がいるという。彼らはその金を使いたいのだが、資金の受け皿は非営利団体とし、代表は一部上場企業の社長でなくてはいけない条件だった。そこで私の名前を貸してくれと言うのです〉

〈そこで、私が相手と交渉することになったのですが、最初に守秘義務を理由にいろんな書類にサインをさせられました。ペーパーの文面がそれです。その後、相手とは何度か会いましたが、だんだん眉唾モノだと感じて手を引くことにしたのです。相手の電話番号も通じなくなっていました〉

〈ところが、しばらくして知らない人から頻繁に連絡が来るようになり、“ある資金があるのだが、引き受けないか”と勧誘された。それも断っていたら、ミニコミ情報紙が届けられた。そこには、何枚かに分けて書いたはずのサインが切り貼りされて一枚になったペーパーの写真が掲載されていました〉

〈甘かったと言われればその通りです。でも、金額の話はしていないし、半年以上前から、ミニコミ情報紙や勧誘はこなくなりました。私が関わったことによる被害者も出ていない。また、この一件は、今回の私の会長退任とは、まったく関係ありません〉

実際には詐欺にはあっておらず、直前で回避したこと、またローソン会長退任とM資金の話は別問題だということで、この話は決着したようです。

友人・知人を通じて上手く取り込み、様々な書類に直筆のサインをさせて逃げられないように固めていくという手口は、考えてみると恐ろしいですよね。

バカみたいな話に騙される理由

破産

上記の手口を見てもわかるとおり、詐欺の手口そのものはバカみたいな話で、とうてい騙されるとは思えないような内容だと感じた人が多いと思います。

しかし、人は「自分が置かれている立場(巨額の資金が喉から手が出るほど欲しいなど)」と「相手への信頼」でコロッと騙されてしまう生き物です。

例えば、詐欺の中でも「結婚詐欺」は非常に有名です。結婚詐欺は「いい人を見つけて早く結婚したい」という女性の立場と「好きな恋人への信頼」によってターゲットをワナに嵌めてしまいます。

手口そのものは、「事業に失敗してお金がかかる」とか「ヤクザの車を傷つけてしまい修理費を要求されている」とか「親の病気の治療費が必要」といったありきたりな嘘です。

詐欺師は20年前から近づいていたという事実や、小学校・中学校の同級生だったという話が少なくありません。

例えば、小学校の同級生であるA君が大人になってから詐欺師となるということも考えられます。

A君は詐欺のターゲットを見つけるうえで、まず同級生でお金を持っている人がいないかどうかを探します。その中で、同級生どうしのつながりであなたが投資で成功しているという話を耳にする。

それを知ったA君は、小学校の同級生という信頼関係を武器に、自然な再会を装ってあなたに近づきます。

そして、再会してから10年間、一緒に遊んだり飲みにいったり、怪しい行動など何一つなくあなたと一緒に過ごし、信頼関係を築くのです。

そして信頼関係を完全に築きあげ、あなたが10年前にA君と再会したことなど忘れてしまったようなタイミングで、あなたが喉から手が出るほど欲しがっているものを提供できるという話を持ちかけます。

考えただけでも恐ろしいですね。。。

お金が目的か騙すのが目的か

詐欺師

本当かどうかわかりませんが、M資金詐欺を語る人たちは都内だけで20万人~30万人はいるのだとか。(本当にそんなにたくさんいるのか疑問ですが)

M資金なんて、被害者も儲け話に乗っているわけですからね。
被害者も悪いのよ、欲があるから。騙している奴は、ここら(六本木・旧全日空ホテル)の一流ホテルのロビーを使うけど、ほんとはホテル代どころか、コーヒー代もない連中なんだから。

こういった所でたむろしてる連中は、後ろの席にいる奴が喋っていることを聞いて、そのまま相手にしゃべるです。

昔だったら京王プラザホテルとかプリンスホテルあたりの喫茶店は、そんなのばっかりでしたから。5、6人で集まって、みんなで何百億円の話をしているんだけど、最後は誰も伝票を取らない。

M資金詐欺で有名な人物に、竹ノ下秋道という人がいます。現在は他界していますが、彼はM資金詐欺のターゲットを信じ込ませるために、高級ホテルに住み、高級車に乗るような生活をしていたのだとか。

しかし、死亡が確認された時にはすべてのお金を使い果たし、生活保護を受けていたと言われています。

百戦錬磨の事業家を騙すためには、相手を信じ込ませるためにコストもかかります。

詐欺師は相手から巨額のお金を奪い取り、そして(お金持ちに見えるように)派手な生活をする必要がありますが、そうした生活には維持費がかかるため、最後には破綻してしまう例もよく耳にします。

最初はお金欲しさに人を騙すのかもしれませんが、そのうち人を騙すことが目的となり、お金に関係なく詐欺をやめるにやめられない病気のようなものになってしまうのかもしれませんね。