ポンジ・スキームとは?投資詐欺で使われる典型的な仕組みを理解する

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ポンジ・スキーム

詐欺には色々な手口がありますが、そのロジックはだいたい似ています。

詐欺の手口の中でも最も有名なのが「ポンジ・スキーム」という方法です。ひとことで言ってしまえば「自転車操業的な詐欺の手口」です。

例えば、「利回り50%、2年で投資額が2倍になる」と言われれば、(普通の人は明らかに詐欺だと見抜きますが)怪しいと思いつつも利回り50%なら「リスクの高い投資案件」と割り切れば魅力的に見えるかもしれません。

信用は連鎖的に大きくなるものなので、怪しいと思いつつも1人が出資、誰かが出資したという話を信じて2人目が出資・・・という形で少しずつお金は集まっていくものなのです。

先ほどの条件に下記の追加条件を付けてみるとどうでしょうか。

利回り50%、2年で投資額が2倍になる、10万人が出資し100億円の運用額があり、芸能人の◯◯も出資している

このような条件が追加されると、もはやこの投資案件は信用に値するものであり、多くの人が儲け話に乗ってしまうのではないでしょうか。

実際、破綻したワインファンドには多くの経営者や投資業界の有名人が出資していたと聞きます。

しかし、詐欺師というのはいきなりお金を奪うわけではありません。転がして転がして大きく膨らませた後に突然消えてしまうのが、詐欺師の手口です。

そして「利回り50%」のようなあり得ない話を、事実のように見せるために考え出されたのが「ポンジ・スキーム」という手口です。

ポンジ・スキームとは

バケツリレー

ポンジ・スキームとは、「利回り50%」という非現実的なリターンを、出資者から集めたお金そのもので作り出すことです。

Wikipediaにはこのように記載されています。

ポンジ・スキームとは、詐欺の一種で、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、謳っていることとは異なって実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(やはり運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うもののこと。

本来なら運用益で利回り50%の配当を出すのは不可能に近い話なのですが、集めたお金をそのまま配当に回してしまえば「(見かけ上の)利回り50%」は実現可能です。

◆健全な運用
1.出資者からお金を集める

2.集めたお金を投資や事業で運用する

3.利益の一部を配当する(普通に考えて50%の利回りを出すのは不可能に近いのでこうしたビジネスは成り立たない)

◆ポンジ・スキームによる運用
1.出資者からお金を集める

2.運用しているように見せかけて実際は何もしていない

3.集めたお金を利益のように見せかけて配当する(集めたお金を横流ししているだけなので利回り50%が実現できる)

4.「利回り50%」という脅威の配当実績を元に、さらに多くのお金を集める

5.しかし、集めたお金の半分(利回り50%の配当分)は流出し続けるので、いずれ資金ショートして破綻する

「利回り50%」と聞けば誰もが怪しむので、もし出資したとしても最初はリスクを考えて少額の出資にとどめるでしょう。

しかし、出資したお金はきちんと「利回り50%」で配当され、2年で2倍になっていくのです。

その実績をみた出資者は「この投資案件は素晴らしい」と信じ込み、より多くの追加出資を行います。ポンジ・スキームはこうした人間の欲を上手く引き出す手口なのです。

ポンジ・スキームという名前の由来は、1920年ごろにこの手口を使って詐欺を働いた「チャールズ・ポンジ」というアメリカ人の名前から来ています。

ねずみ講とポンジ・スキームは違う

ねずみ講

ポンジ・スキームを「ねずみ講」と同じだと言う人が少なくないのですが、ねずみ講とは構造がまったく違います

ねずみ講は、紹介制度などを通じてピラミッド型に裾野が広がっていく仕組みなので、一番最初に始めた人やピラミッドの上位にいる人たちは儲かります。

最終的に行き着くところまで行き着いたら、ピラミッドの下位層の人たちのお金が上位層に吸い上げられる形になりますが、消費財などを販売するなどしてピラミッドの下位層の人たちが納得する形でお金を支払っていれば、その経済は成り立ちます。

ちなみに、ねずみ講は「ピラミッドスキーム」と言われています。

いわゆる「マルチ」と呼ばれるものは「ねずみ講」に近い構造です。(あまり詳しくは知らないのですが、ねずみ講は犯罪ですが、仕組みそのものがねずみ講でも商品流通があれば犯罪にはならないようです)

一方で、ポンジ・スキームは出資したお金が増えた状態で出資者の手元に戻るというのが大前提となるため、新しい出資者が見つからなければすぐに破綻してしまいます

どれだけ大きくなろうと、最終的には必ず破綻してしまうのが、ポンジ・スキームとねずみ講の違いです。

2008年12月29日の日本経済新聞は、ポンジ・スキームについてこのように説明しています。

 「ねずみ講」に似た詐欺の一種。高配当をうたって投資家から集めた資金を原資に、利益分配を繰り返す仕組みを指す。資金流入が止まれば、途端に立ち行かなくなる。

もし、投資詐欺に勧誘されているかも?と思ったら下記の記事を確認してください。

代表的な投資詐欺の手口を紹介するとともに、もし被害にあってしまった場合の相談窓口も案内しています。

ナスダックの会長が史上最大の詐欺事件を起こした

ナスダック

冒頭で紹介した、

利回り50%、2年で投資額が2倍になる、10万人が出資し100億円の運用額があり、芸能人の◯◯も出資している

という儲け話。賢いあなたなら当然、こんな話には乗らないと思います。

では、このように前提に変えた場合はどうでしょうか?

利回り年10%、運用金額は5兆円、多くの富豪や俳優、セレブたち、そして金融のプロである野村證券やあおぞら銀行も出資している、運用しているのは輝かしい経歴を持つ元ナスダック会長

こんな条件だったら、誰もが疑いなく出資しているでしょう。

でもこれ、実際にあった巨額詐欺事件です。

アメリカの証券取引所であるナスダックで会長を務めた経験を持つ、バーナード・L・マドフは30年以上も投資家を欺き続け、個人としては史上最大の詐欺事件を起こした人物として知られています。

あの野村證券やあおぞら銀行まで騙されたというこの事件、本当に恐ろしい話ですよね。

タコ足配当とポンジ・スキーム

投信販売

あまり大きな声では言えませんが、実はこの詐欺の代名詞のような「ポンジ・スキーム」は、一般の投資家の身近な場所にもあります。

自分は詐欺にはひっかからない」と多くの人が思っていると思いますが、実は多くの投資家が「ポンジ・スキーム」に近いかたちで餌食になっています。

それは「毎月分配型投資信託」といって大手証券会社であたりまえのように販売されている商品です。

毎月分配型投信とは、その名の通り投資信託の一種で、毎月配当金がもらえるため、定年退職後の資産運用のひとつとして人気です。特に日本人はこの毎月分配型投信が大好きです。

毎月分配型投信の中には、年率10%を超える高配当の投資信託があります。こうした投資信託はたいてい手数料が高く、販売する証券会社にとって旨みのある商品です。

一方で、投資家にとっても年率10%以上の利回りは魅力的に見えるため、老後の年金の足しにしたり、不労所得に憧れる投資家が購入します。

しかし、年10%以上の高い利回りはいったいどこから生み出されているのでしょうか?

実は、大手証券会社で普通に販売されている投資信託の中にも、利回りが年20%以上のものが存在します

しかし、利回りが20%を超える「LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)」というファンドも、意図的に高利回りを作り出す(ポンジ・スキームに似ている)テクニックを使っているという驚くべき事実があります。

利回りを強制的に高める方法

注意

ポンジ・スキームはお金を横流ししているだけなので、実際に運用をしていなくてもお金さえ集まれば驚くような利回りを実現できます。

しかし、大手の資産運用会社がポンジ・スキームのような詐欺をするわけにはいきませんので、彼らは合法的に利回りを高めています。

例えば、投資信託に「レバレッジ」をかけたり「オプション取引」を絡めてみたり、「通貨選択型」といってインフレで金利の高い新興国通貨建てにしてみたり・・・

このような方法で、高い利回りはいくらでも作り出せてしまいます。

実際に不正は行っていないのですが、顧客資産にレバレッジやオプション、新興国通貨での運用を加えるとリターンとともにリスクが大きく膨らみます

しかし、リスクは利回りのように数値化されているものではないので、投資家は何も知らずに高い利回りだけを見て毎月分配型投資信託を買ってしまうのです。

知らないと大損してしまいます

【理想】
投資信託で安定運用し、老後の生活費をまなかう

【現実】
大切な投資資金(退職金など)がハイリスク・ハイリターンな投資に晒されている

毎月分配型投資信託は、景気が上向いているときは問題なく機能しますが、他の投資信託に比べて値上がり率は低いです。

例えば、日経平均株価が上がっているのに、なぜか日本株に投資する毎月分配型投信の基準価格は横ばい状態で上がる気配がない。場合によっては基準価格が下がっていることすらある。

これはなぜかというと、値上がり分をすべて分配金として吐き出しているからです。

そして場合によっては、預かった顧客資産を削ってでも高い分配金を維持することがあります。

このような仕組みは当然、景気が悪くなると破綻し、それは「基準価格の下落 = 顧客の損失」という形で表れます。

しかし、上記で述べたように「こうした投資信託はたいてい手数料が高く、販売する証券会社にとって旨みのある商品」なので、資産運用会社や証券会社にとっては、顧客が儲かろうが損しようが関係なく、毎年安定した手数料収入を得ることができるのです。

このような方法を、投資業界では「タコ足配当(通称:タコ配)」と読んでいます。

驚くことに高利回りを謳う毎月分配型投信は、投資信託販売ランキング上位であることが多いです。日本の多くの個人投資家が何も知らずに「タコ配投信」を買っているという事実、あなたはどう思いますか?

タコ足配当に関する詳しい情報は、「60歳以下の投資家に毎月分配型ファンドをおすすめしない理由」にて解説しています。

また、最近話題のビットコインについても、その多くは詐欺に近いものとなっています。

ビットコインを生み出す技術については私自身も素晴らしいものであると考えているのですが、世の中には「ビットコイン・仮想通貨」というキーワードを引っさげて、多くの投資家を欺きお金をだまし取ろうとする動きも増えています。

ビットコインや仮想通貨の取引で注意すべき点については「ビットコイン投資詐欺が流行っているので気をつけたい手口」にて詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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