つみたてNISA(積立NISA)と現行NISAの違い、フル活用する5つの方法

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つみたてNISA

投資によって得た利益が5年間(最大10年間)非課税となるNISA(少額投資非課税制度)がスタートしてから数年が経過しました。

NISAは仕組みが少しわかりにくいのがデメリットですが、毎年、年間120万円までの投資が非課税となるお得な制度です。

平均的な年収のサラリーマンの方が毎年120万円を投資に回すのは難しいと思いますので、わかりやすく言えば「投資で儲かっても税金がかからない、政府が後押ししている制度」となります。

政府では、NISAをさらに普及させるために2018年から新制度「つみたてNISA(積立NISA)」をスタートします

今回は、積立NISAのメリット・デメリットや現行NISAやジュニアNISAとの違いについてもまとめます。

つみたてNISAは2018年1月スタートです。2017年10月より受付が開始されます。

積立NISAおさえておくべき4つのポイント

つみたてNISAを理解する

政府は当初、NISA一本で行く予定だったようですが、前述のとおりNISAは仕組みが少しわかりにくいという問題があったため、あたらしく積立NISAを創設しました。

また、積立NISAは毎月の積立が中心となるので、少額からでも積立・分散投資ができる若年層向けの制度として設計されているのも大きなポイントです。

積立NISAと現行NISAの違い

制度 現行NISA 積立NISA
年間投資枠 120万円 40万円
非課税期間 5年間(最大10年間) 20年間
実施期間 2023年まで 2037年まで
取り扱い商品 株式・投資信託 投資信託のみ

積立NISAの特徴は大きく4つあります。現行NISAと比較することで、制度の違いがわかると思います。

ちなみに、重要なポイントを最初に述べておくと、積立NISAは現行NISAに置き換わるものではなく、現行NISAもそのまま継続されます。私たち投資家はどちらか一方を選択することができる仕組みとなっています。

まず、毎年設定される「非課税投資枠」ですが、現行NISAが120万円であるのに対して、積立NISAは40万円となっています。

1年間の非課税投資枠が減額されることで、これまで120万円の投資枠をフル活用していた人にとってはデメリットですが、平均的な年収のサラリーマンにとっては大きな問題にはならないと思います。

月単位で割り算すると、毎月33,000円の積立をすると年間投資額が40万円近くになるので、つみたてNISAの年間投資枠をフル稼働させつつ、非課税制度の恩恵が受けられます。

続いて2つめのポイント。

現行NISAで購入した株式・投資信託などは5年以内に売却することを条件に非課税となります。(ロールオーバーを使うことで最大10年まで延長可能)

一方で、積立NISAは非課税保有期間が20年間と大きく拡大しており、より長期目線での投資を考えた設計になっていることがわかります。

つまり、購入した投資信託が多少値下がりしても気にせず保有し続けられるということです。買ってから20年以内に一度でも値上がりし、利益が出せる状態になれば、誰でも儲けを出せるチャンスが得られます。

もちろん、売却はいつでも自由に行えるので、大きく値上がりして換金したいときは「売る」という判断もできます。

3つめのポイントは、制度自体の実施期間です。

現行NISAは2014年から2023年までの期間限定で行われますが、積立NISAは2018年~2037年までの20年間の実施を予定しています。

現行NISAが2023年で終了するのか、延長されるのかは現時点ではわかりません。2023年以降は現行NISAが終了し、積立NISAに一本化される可能性もあります。

つみたてNISAは20年 × 20年

2018年に購入した投資信託 → 2038年までの売却で利益が非課税に
2019年に購入した投資信託 → 2039年までの売却で利益が非課税に
2020年に購入した投資信託 → 2040年までの売却で利益が非課税に

これが20年間続く

2037年(最終年度)に購入した投資信託 → 2057年までの売却で利益が非課税に

◆言い換えるならば…
2018年に20歳でつみたてNISAをスタートした場合、40歳になるまで毎年積立を行うことができる。(売りたくなった場合はいつでも売却可能)

40歳からは、2018年購入分の非課税期間が終了となるため、随時売却の必要性が出てくる。

40歳の時点で積立期間は終了し、その後は売却のみが行われ60歳の時点でつみたてNISAで購入した投資信託をすべて売却することになる。

つまり、「つみたてNISA」は現役世代にとってほぼ一生ものの投資優遇制度として設計されている。

そして最後のポイントは、現行NISAは株式・投資信託が対象となっていましたが、つみたてNISAで扱えるのは投資信託のみ(ETF含む)ということです。

投資信託を購入することで、運用をプロに任せることができるのはメリットですが、個別株に投資ができないため、株主優待や配当金という楽しみが得られないのは、つみたてNISAのデメリットです。

個別株への投資に興味がある方は、非課税口座ではない通常の口座などで取引するか、現行NISAを選択する必要があります。

現行NISA、つみたてNISAともに国内在住の20歳以上の方が対象となります。

NISAには「ジュニアNISA」という制度もあります。

ジュニアNISAは0歳~19歳までの未成年が対象となるので、主に未成年のお子様を抱えている親御さんが子供名義で申し込むものです。(名義は本人、実際の申込・取引は親権者が行う)

ジュニアNISAについては下記の記事で解説していますので合わせてご覧ください。

選べる商品が安全なものに限定されている

グラフ

つみたてNISAは金融庁主導で設計されています。金融庁は、証券会社や銀行などに対して、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)に則った顧客本位の商品のみを扱うことを強く指導しています。

これまで銀行や証券会社でおすすめされている投資信託は、販売側にとって手数料(信託報酬)の旨味がある商品ばかりで、私たち投資家が儲からないという結果になっていたのは事実です。

売れ筋投資信託の日米比較
出所:金融庁

上記の資料が何を示しているのは以下の3つです。

  • 日本の投信販売手数料はアメリカの5倍も高い
  • 日本の投資信託の信託報酬も同じく5倍も高い
  • 手数料が高すぎる結果、投資リターンも過去10年でマイナス

つまり、アメリカ人の感覚で言えば「投資をする = 儲かる」となっていますが、日本人は「投資をする = 損する」という感覚になっています。

なぜそうなっているのかというと、投資信託を販売している銀行や証券会社が高い手数料を得て利益を得る一方で、投資信託を購入した投資家は高い手数料によって本来得られるはずのリターンが得られなかったからです

これが金融庁が調査した結果わかった事実です。

そこで、金融庁はつみたてNISAので扱う商品(インデックスファンド、アクティブファンド、ETFに厳格なルールを設けました。

インデックスファンドとアクティブファンドの違いは下記の画像を参考にしてください。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い

◆インデックスファンドの要件

  • 販売手数料:0円(ノーロード)
  • 国内資産を対象とする商品は、信託報酬は0.5%以下(税抜)
  • 海外資産を対象とする商品は、信託報酬は0.75%以下(税抜)

※重要なポイントのみ抜粋

◆アクティブファンドの要件

  • 販売手数料:0円(ノーロード)
  • 信託設定以降5年以上経過(それなりの運用実績がある)
  • 国内資産を対象とする商品は、信託報酬は1.0%以下(税抜)
  • 海外資産を対象とする商品は、信託報酬は1.5%以下(税抜)

※重要なポイントのみ抜粋

◆ETF(上場投資信託)の要件

  • 販売手数料:1.25%以下
  • 最低取引単位が1,000円以下
  • 国内資産を対象とする商品は、信託報酬は0.25%以下(税抜)
  • 海外資産を対象とする商品は、信託報酬は0.25%以下(税抜)

※重要なポイントのみ抜粋

つまり、上記の要件を満たさない投資信託(例えば販売手数料が有料のものや、信託報酬が高いものなど)は、つみたてNISAの商品としては扱えないようになっています。

資産運用が初めての人や知識がない人は、どの投資信託を購入してよいかわからないと思います。

そして、知識のない方は証券会社や銀行の営業マンがおすすめする(手数料の高い)投資信託を買わされてしまうという非常に残念な結果になってしまう可能性があります。(正しい投資信託の選び方は、初心者におすすめ、投資信託の選び方がわからない時のヒントという記事を参照ください)

しかし、金融庁が下したこのルールによって、資産運用が初めての方でもつみたてNISAでは安心して安全な商品を選べる制度設計になっているのです。

つみたてNISAは儲かるの?

財布を持つ女性

つみたてNISAは本当に儲かるのかどうか。

あくまでも投資なのでリスクが伴いますし、最悪の場合、元本割れの可能性もあることは事実です。

しかし、「つみたてNISAは儲かる制度」だという認識のもと、金融庁・政府はこの制度を設計していることが下記の資料から伺えます。

金融庁の資料には、

  • 安定した資産形成を行うには、長期の積立・分散投資が有効
  • 投資対象を世界に分散させることで、世界経済の成長を果実として得られる
  • 投資時期の分散(積立投資)により、高値づかみのリスク軽減につながる
  • 長期で保有することによって投資リターンの安定化が可能

※一部要約

と書かれています。
つまり、「長期間にわたって一定の期間で世界に分散投資(積立)をし、長期保有する」ことが有効であると考えているのです。

長期積立分散投資の効果
出所:金融庁

上記の資料は、1995年から毎年同額を投資した場合の累積リターン・年率リターンを商品別に比較したものです。

短期間ではリターンがマイナスに落ち込むこともあるが、積立期間が長期になるほど大きな利益となっていく」ことが示されています。

商品別にわかりやすくまとめると下記のようになります。

◆国内・先進国・新興国の株式、債券(計6資産)に均等投資
1995年から2015年の20年間の累積リターンは79.9%になった。(年平均では4.0%のリターン)

◆国内の株、債券に均等投資
投資対象を国内に限定すると、一時的にリターンがマイナスとなっている部分もある。しかし、長期積立投資を続けることで20年間の累計では38%のリターンとなった。(年平均では1.9%のリターン)

◆定期預金で運用
元本保証なのでマイナスになることはないが、国内の低金利が続いていることから、累計リターンは1.32%にとどまる。(年平均では0.1%のリターン)

◆まとめると…
長期積立の世界分散投資をすると定期預金の40倍の利回りで運用することが可能

つみたてNISAの「年間投資額40万円」に基いて、毎月33,000円を積立てた場合、

世界分散投資:1,210万円になる(うち利益は418万円
国内投資:962万円になる(うち利益は170万円)
定期預金:799万円になる(うち利益は7.9万円)

という結果になる。

※後述する積立シミュレーションで試算することが可能です。

長期積立分散投資による投資収益率
出所:金融庁

上記の資料は、1985年以降に「国内株式・国内債券・海外株式・海外債券」に分散投資をし長期で毎月同額の積立を行った場合、

  • 保有期間が5年間(短期間)だとリターンにバラツキがある
  • 保有期間が20年間(長期間)だとリターンにバラツキが少なく投資収益率は年率2%~8%になる

ことを示した図表です。

あくまでもシミュレーションの値なので上記の結果を保証するわけではありませんが、「つみたてNISA」の制度を活用して投資をすると、年率2%~8%のリターンが得られるという試算となっています。

こちらの積立シミュレーションを使って、「利回り:2%~8%」、「毎月の積立金額:3.3万円以下」、「運用期間:20年」で、どの程度のリターンが得られるか試算できます。

積立シミュレーター

毎月の積立額万円

利回り(年率)%

積立期間

ヶ月間

計算結果(グラフ)

計算結果(表)

つみたてNISAのおすすめ投資信託

1億人の投資術 管理人の評価

1億人の投資術は「正しい投資の知識」を身につけてもらうことを目的としています。

ここでは、管理人の「つみたてNISAで購入できるおすすめ投資信託」を紹介します。

詳細は、2018年1月につみたてNISA制度がスタートしてから改めてこのページを更新しますので今しばらくお待ちください。

つみたてNISAの受付は2017年10月より各証券会社でスタートします。口座開設にかかる費用は無料で、個人的にはネット証券の「SBI証券」または「楽天証券」がおすすめです。

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