一目均衡表の見方をわかりやすく、3分で覚えるテクニカル分析の基本
執筆者:川原裕也
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テクニカル分析の中でも、特別難しく感じるのが「一目均衡表(いちもくきんこうひょう)」です。
一目均衡表には数多くの見方があります。しかし、全て覚えなくても基本的な見方を身につけるだけで役立つテクニカル指標です。
この記事では、一目均衡表を一度も使ったことがない方でも簡単に理解できるよう、基本的な分析方法をわかりやすく解説します。
目次
5本の線で成り立つテクニカル指標
一目均衡表は主に「トレンド」と売買タイミングを知りたい時に使えるテクニカル指標です。
一見して複雑そうに見えますが、5本の線で成り立っています。
- 基準線(赤)
- 一目均衡表の基準となる線
- 転換線(紫)
- 最も注目する線
- 先行スパン1
- 先行して動く、一目均衡表の「雲」を形成する
- 先行スパン2
- 先行して動く、一目均衡表の「雲」を形成する
- 遅行スパン(緑)
- 最も遅れて動く、信頼度を担う線
楽天証券のマーケットスピードで見ると、このように表示されます。
「先行スパン1」と「先行スパン2」はラインで見るよりも「網掛け部分のエリア」に注目します。
一目均衡表では、先行スパン1と先行スパン2によって形成されている部分を「雲」と呼びます。(上記の図で網掛けの部分です)
一目均衡表は最強のトレンドを教えてくれる
まず最初に、簡単かつ最強の一目均衡表の見方を紹介します。
それは、「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」の5本の線すべてが、重なり合わずに並行に上昇している状態に売ってはいけないということです。
上記の画像の状態がまさにそうなのですが、この状態では株価は上昇し続けます。
いずれかの線がクロスしない限り、この状態は最も良い状態なのでトレンドが続くまで株式を保有し続け、利益を最大まで伸ばすことが重要です。
ある程度株価が上昇し利益が乗ってくると、そろそろ下がるのではないか?と思って適当に利益確定をしてしまいがちです。
しかし、一目均衡表を見ればトレンドがまだ終わりそうにないことを教えてくれるのです。
一目均衡表の売買ポイント
基準線、転換線、雲(先行スパン1、2)、遅行スパンを使って、一目均衡表のエントリーポイントを探っていきます。
遅行スパンが雲を抜ける
一目均衡表の中でも、最も遅れて動き、信頼度の高い線となるのが「遅行スパン」です。
遅行スパンが雲を抜けた状態が、買いシグナルです。
上記図のチャートでは、緑色の遅行スパンがずっと雲の中に隠れていましたが、途中から「雲抜け」の状態となっています。
そして、遅行スパンが雲から完全に抜けると、株価は上昇トレンドに入り右肩上がりの状態になっています。
基準線や転換線を使った買いシグナルは後述しますが、最も信頼性の高い遅行スパンが動いてから買っても、長期のトレンドが続くのであれば決して遅くはありません。
基準線と転換線のゴールデンクロス
グランビルの法則でもゴールデンクロスについて言及しましたが、転換線(紫)が基準線(赤)を下から上に上抜いたら「買いシグナル」(ゴールデンクロス)、逆に上から下に下抜いたら「売りシグナル」(デッドクロス)となります。
この、ゴールデンクロス・デッドクロスの見方はMACDなどのその他のテクニカル分析でもよく用いられる一般的なもので、一目均衡表にもその法則は当てはまります。
ただし、基準線と転換線は「短期的な値動き」を反映するため、ダマシも多いです。
上記の図でも、1つめのゴールデンクロスは完全に「ダマシ」の状態ですぐにデッドクロス入りしています。その後、株価も一時的に下落しています。
数日程度の短期の取引であればこのシグナルは活用できますが、信頼性においては高いとは言えません。
雲抜けと雲入り
先行スパン1と先行スパン2という2本のラインで形成されるエリアを「雲」といいます。
一目均衡表のもう一つの見方として、「ローソク足が雲入りすると売りシグナル、雲抜けすると買いシグナル」という見方があります。
ここでは、基準線・転換線・遅行スパンは使いません。
あくまでも「雲」と「ローソク足チャート」に注目します。
上記図では、上がっていたローソク足が雲に入ったところから、しばらく下落に転じています。(青丸から青矢印のあたり)
下落した株価が再び元に戻り、雲抜けしたあたりから再び上昇トレンド入りしていることがわかります。(赤丸から赤矢印のあたり)
雲はどちらかというと一目均衡表において「ネガティブな印象」を与える存在です。
雲の切れ目
先行スパン1と先行スパン2がクロスする部分は、見た目が「雲の切れ目」となります。
雲の切れ目では、大きな変化が起こりやすいと言われており、一時的な株価下落や保ち合いに入りやすいのが特徴です。
上記図では、最初の雲の切れ目の部分から株価が大きく反発しており、「変化」の兆しであったことが伺えます。
また、先行スパンは現在の株価に先行して動くため、チャート画像のとおり、すでに未来の「雲」も形成されています。
上記図の2つめの青丸も雲の切れ目ですが、現時点ではまだ「現在の株価」が切れ目に達していません。
おそらく、株価(ローソク足)は1週間後に雲の切れ目に突入するため、このあたりでは一時的な下落や保ち合いが生じる可能性があります。
この部分で転換線と基準線のデッドクロスが生じるようであれば、上昇トレンドは一旦終わりと見て利益確定をしておくのが無難です。
初心者でも使いこなせる指標
今回は一目均衡表を活用した5つの売買ポイントを解説しました。
一目均衡表は難しそうに見えて、株式投資の初心者でもすぐに使いこなせる優れたテクニカル指標です。
中でも、すべての線が上昇している時に売ってはいけないというのは、「ギャンの価値ある28のルール」で示した通り、投資で勝つための鉄則「損小利大」には必要不可欠な考え方です。
同じトレンド系のテクニカル指標である「パラボリック」などと組み合わせることで、より精度を高められます。
複数のテクニカルを組み合わせることでより確実な取引ができますが、それでも上手くいかないことは多々あるのも事実です。おかしいと思ったらすぐに損切りし、次のチャンスを待つことも重要です。
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1件のコメント
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