AI(人工知能)トレーディングは実現するのか?ITベンチャーが運用事業に参入

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AI(人工知能)

株式市場でもAI(人工知能)が大きなテーマ材料となっています。

一昔前は、AIと言えばSFの世界の話でした。しかし、あらゆるものがインターネットと繋がる「IoT」を通じて膨大なデータが集まり、それを人間の脳を模した「ディープラーニング」という技術で解析することによって、コンピューターが自ら学習するという仕組みが現実のものとなりつつあります。

これまで、ディープラーニングを使ったデータ解析は大規模なコンピューターパワーを必要としていましたが、これも「クラウド」と呼ばれるデータセンターのコンピューターを使う方法が普及したことにより解決しました。

AI(人工知能)が賢くなり、様々な分野に応用できるようになったとしたら…

当然考えるのが、「絶対的な賢さを持つAIに投資をさせて自動的に利益を得る」というアイデアです。

この取り組みは「AIトレーディング」と呼ばれ、すでに多くのITベンチャーが運用事業に参入しています。

AIトレーディングを開発している企業

今回は、AIトレーディングの開発に参入している企業をまとめたいと思います。

Alpaca(アルパカ)

アルパカ

AlpacaはAIと超高速データストレージを駆使して、あらゆる金融商品のプライス予測に挑戦します。

AIトレーディングの分野で特に高い注目を集めているのが、Alpaca(アルパカ)という会社です。

アルパカは、中長期の株価予測だけでなく、数分単位の値動きを予測する人工知能を開発しています。その技術は自他ともに認めるほどで、すでに多くの金融機関と提携しています。

例えば、じぶん銀行と外貨預金サポートツールの開発で強力したり、三菱東京UFJ銀行との提携でもAIトレーディングの開発を行っています。

また、「アルパカアルゴ」というプログラミングの知識がなくても、ディープラーニング技術を使って自分だけのAIトレーディングシステムを構築できるサービスも提供しています。

こうしたシステムは、従来のFXの自動売買のように近い将来、証券会社やFX業者に導入されそうです。

メタップス

メタップス

上場企業のメタップスは、データ活用を軸としたベンチャー企業で話題となっています。

メタップスは人工知能の開発にも力を入れており、お金の流れを予測する人工知能「ラプラス」を使って多くのデータをAIに学習させています。

金融業界にも積極的な進出を果たしているメタップスですが、AIトレーディングへの取り組みとして、「Trading Studio」を設立しています。

「Trading Studio」は、仮想通貨のAIトレーディングを行うサービスで、ビットコインを始めとする仮想通貨の取引を解析し、将来実用に耐えうるソフトウェアを開発しているとのこと。

AIトレーディングの実現はまだ先か

データセンター

以前から、外資系証券会社のトレーディング部門では、コンピューターのアルゴリズムを用いた高速自動売買が導入されていました。

また、コンピューターアルゴリズムを用い、高い運用成績をあげているヘッジファンドも米国では数多く存在します。

コンピューターに寄るトレーディングは以前から盛んに行われており、これが今後AIの進化によって存在感を高めていく可能性は十分考えられます。

一方で、AIトレーディングの実現はまだ先だという意見もあります。

なぜなら、株式市場や為替市場の値動きというのは人々の色々な思惑が重なり合って作られています。

著名投資家のジョージ・ソロスが「再帰性理論」を掲げているように、

  • 株式市場や為替市場は人々の思惑によって作られる
  • 人々の思惑は株式市場や為替市場の値動きによって作られる

という無限のループによって成り立っています。

仮にAIが株式市場や為替市場の値動きを捉えたとしても、その状態を踏まえた上で、人々の心理は変化し、またそれにともなって株式市場や為替市場の動きも変化していきます。

つまり、株式市場や為替市場はカオスの状態によって形成され、絶え間なく変化しているため、どのような複雑な変化にも対応できるAIが近い将来作られるというのは考えにくいということです。

昨今話題となっているロボアドバイザーのように、これまで人間の資産運用担当者が行っていたルールベースの運用をロボットに代用することは可能です。

しかし、トレーダーのような瞬間的な判断と意思決定が連続的に必要となる技術をAIで代用するのはもう少し先になるのではないでしょうか。