「テーマキラー」と「FOLIO(フォリオ)」の違いは?5万円からテーマ投資
執筆者:川原裕也
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ネット証券大手のSBI証券が「テーマキラー」という新サービスをリリースしました。
テーマキラーは、いわゆる「テーマ投資」と呼ばれるサービスで、「人工知能、選挙関連銘柄、半導体関連銘柄」など数多くのテーマに沿った投資が行えます。
私たちは、気になる業界やテーマを選ぶだけで、そのテーマに属する銘柄に分散投資を行うことができます。
テーマキラーは5万円から利用できます。ミニ株(単元未満株式)を活用することで、5万円で複数の銘柄に投資できる仕組みです。
この記事ではテーマキラーの手数料や特徴をまとめるとともに、テーマ投資の同業であるFOLIO(フォリオ)とどこが違うのか、テーマキラーとの比較も行いました。
テーマキラーのはじめかた
テーマキラーは、SBI証券の総合口座を持っている人であればすぐにスタートできます。別途口座開設や手続きは不要です。
SBI証券の口座を持っていない方でも、1週間程度で無料の総合口座を開設した後に、すぐにテーマキラーを始めることが可能です。
テーマキラーは、国内株式の単元未満株式扱いとなっています。SBI証券にログインし、「取引 > テーマ投資」という順番に進むと注文画面に進みます。
サービスのスタート時点ではPC版しか提供されていませんでしたが、スマホ版やアプリもいずれ登場すると思われます。
話題のテーマと騰落率がわかる
テーマキラーのページには、すでに数多くのテーマが用意されており、それぞれのテーマの直近1年間の騰落率がわかります。
それぞれのテーマは10銘柄で構成されます。
テーマを選択すると、そのテーマを構成する銘柄の構成比率や過去のチャートを閲覧できます。今回は「有機EL・部材」というテーマを選びました。
チャートをみてもわかりますが、「有機EL・部材」は右肩上がりに伸びており、この業界全体(この業界に属する銘柄に分散投資)に投資をすることで、市場の成長の果実を得られそうな感じです。
このテーマの具体的な構成銘柄の比率は、パイチャート(円グラフ)に表示されます。
上記の画像だと「出光興産」や「住友化学」への投資で全体の50%を占めているテーマであることがわかります。
テーマキラーでは、購入コースとして
- 5万円コース
- 10万円コース
- 20万円コース
- 30万円コース
がありますが、基本的にどれを選んでも同じです。投資額は変わりますが、投資比率(銘柄の構成比率)は少し変化する程度です。
このテーマに投資をすることを決めたら、注文画面に移ります。
テーマ自体は10銘柄で構成されますが、「一部の銘柄を買わない」という選択や「銘柄の構成比率を自分好みにカスタマイズする」ことも可能です。
最終的に投資する銘柄と、購入数量が決まったら注文ボタンを押すだけです。
あとはテーマキラーが自動的に注文を出し、投資銘柄の購入手続きをおこないます。
テーマキラーは、
- 特定口座
- 一般口座
- NISA口座(一般NISA口座)
の取り扱いがあります。
NISA口座には毎年120万円の非課税枠があるので、NISA口座を使ってテーマ投資を行えば、利益については非課税となります。
これまでは、個別銘柄に分散投資をすることでポートフォリオを作っていました。
例えば、自動車と医療に投資したいと思ったら、トヨタのような自動車銘柄と、アステラス製薬のような医療銘柄を買うと言った具合です。
しかし、こうした投資方法は個別銘柄の業績の影響を多く受けてしまいますし、数銘柄の株式を購入するだけで100万円以上の資金が必要です。
テーマキラーのようなテーマ型投資を使うと、ミニ株(単元未満株式)を活用して5万円からテーマ単位で売買が行えます。
今後、自動車産業と医療産業が伸びると思えば、テーマ単位でその業界全体に投資できるのがメリットです。
資産の管理や売却も、テーマ単位で行えます。
例えば、自動車産業が伸びると思ったが、想定していた以上のリターンが得られなかったので、テーマ全体を売却するということができます。
業界単位で投資をする戦略を「セクター投資」といいますが、テーマキラーを活用することで業界単位での投資戦略が非常に行いやすくなりました。
手数料は0.5%
テーマキラーでは、売買手数料として1回あたり取引金額の0.55%(税込)が必要です。(最低手数料は55円・税込)
つまり、10万円の投資で550円(税込)の手数料が必要です。
一般的な個別株の取引手数料と比べると割高のようにも感じますが、ミニ株(単元未満株式)を10銘柄に分散投資してこの手数料だと考えると、かなり安いと思います。
また、株式投資の場合、1日で1%以上の値上がりになることも少なくないため、手数料率は気にしなくても問題ないレベルです。
手数料は「売り・買い」の時だけ発生します。
テーマ型投資信託の場合、購入時手数料の他に信託報酬などが必要となることから、テーマキラーの方がより低コストでの運用が可能であることがわかります。
テーマキラーとFOLIO(フォリオ)の比較
数万円から始められる「テーマ型投資」の分野では、実はFOLIO(フォリオ)というフィンテック企業のサービスが先行していました。
テーマキラーとFOLIO(フォリオ)を比較してみると、そのサービス内容は極めて似ています。
私は先日、FOLIOへの口座開設を完了しましたのでテーマキラーとの違いについて感じることをまとめたいと思います。
ちなみに、手数料はどちらも0.55%(税込)で同じです。
また、1万円台からスタートできるという点も同じなので、使いやすさや選べるテーマ数の多さによってどちらを使うかを決めるのが良いと思います。
同じテーマでも構成銘柄は違う
テーマの数はテーマキラーもFOLIOも、すでに十分用意されていますので選択に困ることはありません。
しかし、同じテーマでも構成銘柄の違いによってパフォーマンスも異なります。
例えば、記事執筆時点(2017年10月3日)において「人工知能(A.I.)」のテーマで比較した結果、以下のような違いが見られました。
▶人工知能テーマ 直近1年間のパフォーマンス
- テーマキラー:+16.82%
- フォリオ:+14.0%
人工知能テーマの構成銘柄の比較は以下の通りです。(左がテーマキラーの構成銘柄と構成比率、右がFOLIOの構成銘柄と構成比率)
銘柄 | 構成比率 | 銘柄 | 構成比率 |
---|---|---|---|
ソフトバンクグループ | 31.95% | ソフトバンクグループ | 21.50% |
FRONTEO | 20.28% | カドカワ | 14.47% |
NEC | 11.21% | 三菱電機 | 12.30% |
エヌ・ティ・ティ・データ | 7.51% | テクノスジャパン | 11.46% |
サイオステクノロジー | 8.88% | 小松製作所 | 11.31% |
ブレインパッド | 5.98% | さくらインターネット | 7.23% |
テクノスジャパン | 5.54% | エヌ・ティ・ティ・データ | 7.05% |
データセクション | 4.64% | オムロン | 6.74% |
ロゼッタ | 1.94% | ソニー | 4.92% |
インテリジェントウェイブ | 1.99% | ディー・エヌ・エー | 3.01% |
※数量についてはカスタマイズで変更することもできます。
構成銘柄が被っているものもありますが、構成比率は両者ともにバラバラです。
これらの銘柄はロボアドバイザーなどによって自動的に選択されているのか、それとも手動で選択されているのかはわかりませんが、構成銘柄と投資比率によって将来のパフォーマンスは大きく変化しそうです。
テーマ投資は、「テーマ型投資信託」よりも手軽に売買ができ、また手数料が低いという点も魅力です。
何かとメリットの多いテーマ投資ですが、デメリットもあります。
それは、グローバルAIファンドのような「テーマ型投資信託」の場合、プロが状況に応じて構成銘柄を変更しますが、テーマ投資ではそれができません。
テーマ自体の構成銘柄が変わる可能性はありますが、基本的には「ミニ株(単元未満株式)への分散投資」ですので、一度購入したテーマの中身が自動的に変化することはありません。
インターフェイスはフォリオに軍配
インターフェイス(見た目のデザイン性)は、FOLIO(フォリオ)の方が先進的で見やすいです。
直感的に操作できますし、ネット通販で買い物をするような感覚でテーマを選んで「カートに追加する」だけなので、資産運用が初めての方でも簡単に扱えると思います。
テーマキラーもグラフィックには力を入れていると思いますが、やや「芋っぽい」感じは否めず、見た目のデザインはスタイリッシュとは言えません。
SBI証券は、サイトのデザインや取引ツールなどを見てもスタイリッシュな雰囲気とは言い難いので、「デザインの良さ・使いやすさ」については今後もフォリオがリードしていくのではないかと考えています。
また、フォリオはすでにスマートフォン版に対応しているためスマホからでも直感的に利用できます。テーマキラーは現在PC版のみの提供ですが、いずれアプリやスマホ版のリリースも行われると思います。
一方、テーマキラーの良いところは「SBI証券の総合口座で始められる」という手軽さです。
すでにSBI証券の総合口座は400万口座を突破しており、多くの個人投資家がSBI証券の口座を使っています。
すでにSBI証券の口座をお持ちの方であれば、今日からでもすぐにテーマキラーを始められますし、まだSBI証券の口座を持っていない人でも、400万口座の実績がある証券会社の方が安心できると思います。
口座を持っている人にとっての「はじめやすさ」や、これから口座を作る人の「安心感」についてはテーマキラーが圧倒的にリードしており、この差は今後も縮まることはありません。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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