スマホだけで1,000円から投資、PayPay証券のおすすめ度は?
執筆者:川原裕也
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社名に「証券」がつかない証券会社として話題を呼んでいるPayPay証券では、スマホだけで手軽に株式取引が行えます。
PayPay証券が対象するのは日本株・米国株です。
トヨタ自動車や任天堂をはじめ、フェイスブックやツイッター、スターバックスやアップル、アマゾンなど、世界的に有名な名だたる企業の株を簡単に買うことができます。
これまでになかった目線で株式取引ができるため、PayPay証券が気になっている方も多います。PayPay証券で取引するメリットはあるのか、今回はそのカラクリに迫ります。
毎月1,000円などの積立投資に強い証券会社、少額取引をするならPayPay証券はお得。
目次
91銘柄以上の米国株が1,000円で取引できる
PayPay証券の最大の特徴を2つ紹介すると、
- スマホで簡単に株式の売買ができる
- 厳選91銘柄以上が1,000円から取引できる
となります。
つまり、PayPay証券は初めて株式取引をする人や、ライトユーザー向けのサービスです。
株式投資をはじめるには、最低でも数十万円~数百万円くらいは用意した方が良いとよく言われていますが、PayPay証券であれば1万円あれば複数の銘柄を保有し、資産運用することができます。
PayPay証券が取引対象するのは、厳選された91銘柄以上の米国株式です。どの銘柄も1,000円から1,000円単位で購入・売却ができます。
取引できる銘柄が限定されているというのは、私たちユーザーからするとデメリットになりますが、これは1,000円という低コストで株式取引ができる、PayPay証券ならではの仕組みを実現するための措置なのだそうです。
PayPay証券では、ニューヨーク証券取引所などから買付した株式を独自に小分けにし、再販することで仕組みを実現しています。(これはPayPay証券の社長がインタビューで語っていました)
つまり、顧客がフェイスブックの株を保有すれば、PayPay証券自身もその一部を保有することになるので、フェイスブックの株価が下がれば顧客はもちろん、PayPay証券自身も少なからず損失を被ることになります。
こうしたリスクの観点から、取引できる銘柄を限定しているということです。
なお、詳しくは後述しますが日本株は130銘柄以上を取り扱っています。
PayPay証券の手数料
PayPay証券(米国株)で取引をする上で必要となる手数料は3つあります。
- 取引手数料(スプレッド)
- 為替手数料(スプレッド)
- 入出金手数料
PayPay証券では、手数料体系もシンプルにしており、いわゆる「取引手数料」はかかりません。
その代わり、FXや外国為替取引などと同じような「スプレッド」が存在し、これが実質的な取引手数料となります。
スプレッドとは、株式の買付価格・売却価格に対して常に一定の差が設けられている仕組みです。
PayPay証券では、
- 買付:市場価格の+0.5%
- 売却:市場価格の-0.5%
のスプレッドが設けられており、トータルで約1%の手数料がかかります。(一部時間帯はスプレッドが0.7%に拡大します)
例えば、フェイスブックの現在の株価が10ドルだった場合、PayPay証券を通じて購入する場合は10.05ドルで買う必要があり、売却時は9.95ドルでしか売れません。
つまり、購入後すぐに売却すると、10セント(株価10ドルに対して1%)の損失が出る計算になります。よって、購入時点より株価が1%以上あがった状態で売却すれば利益になります。
また、外国株を扱うため外国為替手数料として別途、
- 買付:取引レートの+0.35%(35銭)
- 売却:取引レートの-0.35%(35銭)
が必要です。
結論から言うと、PayPay証券の手数料は安いとは言えません。
以前は米国株の少額取引に対して優位性がありましたが、SBI証券などの大手証券会社が米国株の取引手数料を引き下げたため、現在は手数料面での優位性はなくなりました。
例えば、ネット証券業界大手のSBI証券の米国株式手数料は、取引金額の0.495%(税込)です。ただし、上限手数料を22ドル(税込)としています。
これらの手数料は片道なので、往復では2倍の手数料がかかります。
つまり、SBI証券で米国株式取引をすると、往復手数料は取引金額の0.99%(税込)、上限手数料は44ドル(税込)となります。
一方で、PayPay証券は片道0.5%の手数料がかかるので往復では1%の金額が必要です。
このように、取引手数料ではわずかにSBI証券の方が有利です。
また、為替手数料で比較すると、SBI証券は片道25銭、PayPay証券は往復35銭です。PayPay証券の方が、為替手数料は若干高いです。
手軽にサクサク取引できるという点では、PayPay証券は優れていますが、コスト優位性では業界大手のSBI証券に軍配があがります。
最も、SBI証券では米国株のミニ株は取り扱っていませんので、米国株の中には1,000円で購入できない銘柄もあります。
一方で、PayPay証券であれば取り扱いのあるすべての銘柄が、1,000円で買えるため、少額取引においてもPayPay証券に優位性があります。
PayPay証券への入出金は、専用のみずほ銀行口座を通じて行います。
入金の際は、ソニー銀行などのネット銀行を使えば、他行あて振込手数料を無料にできるので、振込手数料の少ない銀行から振り込むことをおすすめします。
出金時はみずほ銀行あて(3万円以上220円、3万円未満110円)、みずほ銀行以外(3万円以上385円、3万円未満275円)が手数料として必要です。(いずれも税込)
PayPay証券日本株がついに始動
以前から期待の声が大きかった、PayPay証券による日本株取引がついにスタートしました。
前述の米国株取引と同様に、日本株も厳選された130銘柄を1,000円単位で購入することができます。(銀行においたまま買付の場合は10,000円単位での売買)
PayPay証券が厳選した130銘柄の中には、スーパーマリオで有名な「任天堂」もあります。
任天堂と言えば、通常は購入するために最低でも420万円程度の資金が必要な銘柄です。(2019年11月時点の株価)
しかし、PayPay証券なら、任天堂やトヨタ、ソニーの株などもすべて1,000円で購入可能です。
また、PayPay証券では初めて投資をする人のための「学べるコンテンツ」として、投資のイロハを解説した「マンガ」もアプリ内で提供しています。
日本株の取引手数料は、売買金額の0.5%です。(税込)
【国外上場有価証券】
「基準価格」に0.5%を乗じた価格:日本時間 23:30 ~ 6:00 (夏時間:22:30 ~ 5:00)その他時間帯は「基準価格」に0.7%を乗じた価格とします。
【国内上場有価証券】
東京証券取引所の立会時間内:「基準価格」に0.5%を乗じた価格。※午前立会(前場)は午前9時から午前11時30分まで、午後立会(後場)は午後0時30分から午後3時。その他時間帯は「基準価格」に1.0%を乗じた価格とします。
つまり、(その他の銘柄も同じですが)任天堂株を1,000円分買った時の手数料はたったの5円となります。
SBI証券やauカブコム証券などのネット証券も、最低単元株が購入できる「ミニ株」というサービスを提供しています。
しかし、1,000円分の株式を購入した場合にかかる取引手数料は、ネット証券でも0.55%(税込)です。
よって、わずかではありますが、PayPay証券では業界最低水準の手数料体系で少額投資(ミニ株投資)を実現できます。
日本株ETF「まるごと日本株」
PayPay証券の「まるごと日本株」という3種類の日本株ETFのサービスは、どの銘柄を買ってよいかわからない方や、長期投資で資産運用をしたい方に適したサービスです。
ETFとは株式市場に上場する投資信託のことで「上場投資信託」と呼ばれています。株式と同じように、投資信託を市場で自由に売買することができ、また運用コストが低いのが特徴です。
PayPay証券が提供する「まるごと日本株」は、日本株ETFを3タップで手軽に購入でき、さらに取引コストは0.5%となっています。
まるごと日本株は、初めて投資をする人にもわかりやすい設計となっていて、3種類のETFは「牛・水牛・熊」から選ぶ仕組みです。
投資の世界では、通常の買い手のことを「ブル(牛)」と言い、株価が下がると儲かる「空売り」に賭けることを「ベア(熊)」と呼んでいます。
牛(ブル)
証券コード1321の「日経225連動投信」を購入します。日経平均株価に連動し、株価が上昇すれば儲かる一般的なETFです。
水牛(ブル×2)
証券コード1570の「NF日経レバレッジETF」を購入します。牛がパワーアップして水牛になっています。
「日経225連動投信」と同じく日経平均株価に連動して動くETFなのですが、2倍のレバレッジをかけているため、上昇も2倍、下落も2倍の動きとなります。
つまり、ハイリスク・ハイリターンな取引ということです。
熊(ベア)
証券コード1571の「NF日経インバースETF」を購入します。
日経平均株価を逆の動きをするETFで、日経平均株価が下がると儲かり、上がると損失になります。
「これから景気は悪くなるので日経は下がる」と思うような局面で利益を出すことができるETFです。
これらのETFはすべて1,000円から取引できるので、練習用にももってこいのサービス、アイデアのあるPayPay証券らしいサービスだと思います。
業界初の「銀行においたまま買付」
これまで、株式取引をおこなうためにはまず最初に「銀行から証券口座への入金」が必要でした。
上記でも述べたように、PayPay証券でも最初に証券口座への入金を済ませなくては取引をスタートできません。
この面倒くささを解消したのが、業界初の「銀行においたまま買付」という新サービスです。
「銀行においたまま買付」はみずほ銀行との連携サービスで、証券口座の残高が0円の状態でも、PayPay証券から取引注文を出すと自動的にみずほ銀行口座から資金が移動し、指定した株が買えるというもの。
1回あたり110円(税込)の手数料がかかりますが、「銀行においたまま買付」を使えば、手動での資金移動を必要とせず、必要な分だけを証券口座に移動させることができます。
※2万円以上の場合は手数料0円です
特定口座の利用ができるので安心
PayPay証券は「特定口座」の利用ができるので安心です。
PayPay証券での取引で発生した利益については、他の株式取引と同様に20.315%(所得税15.315%・住民税5%)の税金が課せされます。
通常であれば、「損益を計算して、税金を計算して、確定申告して納税…」という流れになるのですが、特定口座を使えばこれらの作業を証券会社がすべておこなってくれるメリットがあります。
特定口座の場合、利益が発生すると、その都度口座から自動的に税金が差し引かれ、逆に損した場合は一度差し引かれた税金が自動的に還付されます。
つまり、確定申告が原則不要で、手続きも簡単なので、ほとんどの人が特定口座を選択してます。(確定申告した方がよいケースもあるので、特定口座の詳細についてはこちらのページを参照)
配当金も受け取れます
保有株に配当金が出た場合も、保有数量に応じて配当金額がPayPay証券の口座に振り込まれます。
特に米国株は配当利回りが高い銘柄も多いので、投資によって新たな収入の柱を1つ作ることができます。
PayPay証券の口コミ・評判
PayPay証券の個人投資家の口コミを調査しました。
PayPay証券の特定口座を申し込んだ。スマホを使って1000円単位でアメリカ株を買えるのは魅力的で楽しみ。
— オハラ (@akio415) 2017年8月1日
ちなみに、PayPay証券から他の証券会社への移管や、その逆は残念ながら出来ない様です。なので、PayPay証券で貯めて、良さそうな米国株が他に有ったら買い換えると言う感じになるかと思います。
— きょう (@Rat_Kyo3) 2017年7月29日
50万を越えるとSBIやマネックスの方が得な様なので、PayPay証券で貯めて、他に買い換えたいと思います。(PayPay証券は移管が出来ないのが難点です。)
— きょう (@Rat_Kyo3) 2017年7月29日
現在は、SBI証券で、インデックスのETFを買っていますが、米国株を少額から買いたいと思い、PayPay証券を申込みました。
— きょう (@Rat_Kyo3) 2017年7月28日
PayPay証券は 非常に魅力的だね。
分かりやすいし 1000円から投資出来るし。— Xx_そうた@_xX (@WLREXVSOTRIG) 2017年7月26日
個人投資家の意見を見てみると、PayPay証券の大きなメリットは、
- とにかくわかりやすい
- 少額から始められる
- 少額取引なら手数料が安い
の3つです。
取引金額が一定規模になると、通常の証券会社で売買をしたほうが安くなりますが、小さな金額で取引するならPayPay証券が優位になることもあります。
また、1,000円から気軽に始められることや、わかりやすい設計になっていることも、同社の強みです。
初めて投資をする方や、米国株投資を始めてみたい人にとっても、使いやすいです。
一方、PayPay証券のデメリットとしてあがっていた口コミとしては、保有株を他の証券会社に移管することができない点です。
購入した株式をPayPay証券で保有し続ける分には問題はありませんが、もし他の証券会社に移管したくなった場合は、PayPay証券での保有株を売却し、新しい証券会社でその銘柄を新規買付する必要があります。
また、コスト優位性も以前に比べて薄くなっています。
口座開設に年齢制限なし
PayPay証券の口座開設に年齢制限はありません。(実取引は15歳から可能)
フェイスブックやアップルなどの有名な企業の株を取引することを通じて、経済や金融の勉強にも繋がると思いますので、お子様と一緒に口座開設をして、一緒に学んでいくという楽しみも考えられると思います。
PayPay証券であれば、1万円程度の予算があれば十分、実践を通じた株式取引が可能となります。もちろん、投資した1万円はすぐに0円になるわけではなく、儲かることもありますし、損失が出ても数千円というレベルなので安心です。
仮に利益が出ても、特定口座であれば税金は自動納付されるので確定申告の心配もありません。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
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8件のコメント
始めで、どのように、すると、始められるのですか?
7月24日より日本株も米国株同様に30銘柄取り扱い開始されましたな。
どうせなら他社の単元未満株との対抗上、1株の価格自体が高く、それ以上の分割が困難な銘柄中心にしてくれるとここの制度からするろありがたかったですが(1株35,000円前後の任天堂や33,000円程度のファーストステイリングなどが今は取扱銘柄にあるけど)。
あと米国株なら、バフェットの会社であるバークシャー・ハサウェイか米国のETFも期待したい所。日本株は日経225とブル・ベア(インバース型)ETFがあるんだから。
本当に1000円で株を買えるのですか?初心者ですので、本当にに千円で株を買えるのかなと思いまして。
それがワンタップバイの良いところですね。
私も試していますが、購入した銘柄のニュースなども配信してくれるので、勉強にもなって良いと思いますよ。
楽天のNISA口座を持ってますが
ワンタップバイはNISAとは違うのでしょうか?
コメントいただきありがとうございます。
まず、「ワンタップバイ」はサービスの名称です。
一方で、「NISA(またはつみたてNISA)」は口座の種類のことで、他に「特定口座」や「一般口座」などと呼ばれる種類があります。
ワンタップバイは2018年1月時点で、NISA口座には対応していません。
よって、ワンタップバイでは「特定口座」または「一般口座」を選択することになります。(個人投資家の場合、たいていは「特定口座(源泉徴収あり)」の選択をおすすめします)
特定口座・一般口座については、投資利益に対して約20%の税金がかかります。
日本株での日経225に続き、遂に米国株でS&P500のETFにも対応しました。
ただ売買手数料がかかる点、そしてNISAやつみたてNISAに対応していない点で、積立投資にはさほど向いていないように思えます。
前は米国株インデックス投信の信託報酬はETFより格段に高かったのですが、今は楽天全米株式や大和iFreeS&P500など低い商品が数多く登場しています。
日経225に至っては、ここのETFより信託報酬の低い投信も有ります。
少額投資の観点でも、上にあげたインデックス投信は今は100円以上1円単位での売買が可能になっています。
リアルタイムで売買できる点のみがメリットということになるのでしょうか?
コメントありがとうございます。おっしゃる通りですね。
ワンタップバイは当初、少額から投資できるというところが大きな優位性でしたが、その後各社が続いて投資信託やETFの最低投資額を引き下げたため、以前よりも優位性は小さくなっていると思います。
ただ、ワンタップバイの動きを見る限り、「初心者が手軽に投資できて楽しみながら株式投資の良さを学ぶことができる」という点に力を入れているように感じます。