ローソク足の見方を学びチャート分析の基礎を掴める
執筆者:川原裕也
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ローソク足の見方を知っておくだけで相場の方向性が掴めるようになります。
株式投資ではチャート分析に「ローソク足」を用いることがほとんどです。
FX(外国為替証拠金取引)やその他の投資では他のチャートを使うことも多いのですが、株式投資のローソク足を学ぶとFXやその他の投資にも応用できるメリットがあります。
実際、私自身も株式投資をする時はもちろん、あらゆる投資でローソク足チャートを確認し、相場の行方を予測するための参考に使っています。
ローソク足はその「長さ」と「ヒゲ」の形から、相場の値動きが大まかに掴めます。日々の相場の動きを示しながらチャートが形成されるため、相場の強弱を判断しやすいという特徴を持っています。
ローソク足の読み方
ローソク足はまず「白」と「黒(または色付き)」の2色に分かれます。
- 白は値上がりを示し「陽線(ようせん)」と呼ぶ
- 黒は値下がりを示し「陰線(いんせん)」と呼ぶ
例えば、1本のローソクが1日の値動きを示す「日足」の場合は「その日の株価が値上がりした(値下がりした)」ことを示し、1本のローソクが5分間の値動きを示す「5分足」なら「5分前と比べて株価が値上がりした(値下がりした)」と判断できます。
これを覚えておくだけでも、チャートを見る上でとても役立ちます。なぜなら、上昇トレンドにおいては白いローソクが増加し、下落トレンドでは黒いローソクが増える特徴があるからです。
上昇トレンドでは白いローソクが目立つ
上記の画像は、日経ジャスダック平均の日足チャートです。(楽天証券のマーケットスピードのチャートを用いています)
チャートを見て気づいた方もいると思いますが、白(陽線・値上がり)と黒(陰線・値下がり)はランダムに発生するのではなく、上昇トレンド時には白いローソクが連続しやすく、下落トレンドでは黒いローソクが連続しやすいです。
また、上昇でも下落でもない横ばいの状態では、白と黒のローソク足がランダムに登場しているように見えます。
株価が上昇するということは、その銘柄が多くの人に買われていることを意味するので、必然的にローソク足も陽線(値上がり)になりやすいのです。
日経ジャスダック平均や東証マザーズ指数など、新興銘柄を含む指数はこうした傾向が特に強いです。「本当にローソク足からトレンドが判断できるのか?」と感じた人は、日経ジャスダック平均のチャートをチェックしてみることをおすすめします。
ただし、もちろん100パーセントこの限りではなく、上昇トレンド時に黒いローソクが連続することもあります。ただし、上昇トレンドでの黒いローソクは一時的となるケースが多く、トータルで見るとやはり上昇トレンドは白いローソクを付ける事が多いのです。
ヒゲを見ることで1日の値動きがわかる
ローソク足は「白」と「黒」のローソクと、その上下についている「ヒゲ」で構成されています。
ヒゲは主に値動きの結果を示しており、ローソクとヒゲによって「始値」「終値」「最高値」「最安値」の4つの株価がわかるようになっています。
白いローソクは値上がりを示すので、ローソクの下側が「始値」で上が「終値」です。黒いローソクは値下がりを示すため逆となり上が「始値」で下が「終値」です。
下記はみずほフィナンシャルグループ(8411)の日足チャートです。チャートから1日の値動きが把握できます。
わかりやすいのは、最初の黒いローソク足です。
この日の値動きは、株価165円からスタートして、一旦は150円まで下落したものの、最終的にリバウンドをして153円程度で大引けを向かえたことがわかります。始値がこの日の最高値になったため、上ヒゲはありません。
1本のローソクだけで1日の株価の値動きがストーリーとしてわかります。
続いて、2番目に赤丸で囲っている白いローソクを見てみます。
このローソクは、始値が159円であり一度は158円まで売り込まれたものの、そこからどんどん買われて169円まで上昇、しかし最終的には利益確定などの売りが入って少し戻し、株価167円で大引けを向かえた。このような流れになっていたとわかります。
もう一つケーススタディを示します。こちらは日経225の「月足」です。値動きの大きかったリーマンショック時のものを用いました。月足チャートなので、1本のローソクは1ヶ月間の株価推移を表しています。
上記のチャートのストーリーをまとめるとこのようになります。
1本目
①日経平均株価13,000円からこの月はスタート
↓
②スタート時が高値となり徹底的に売られ11,300円程度まで下落(最安値)
↓
③少し戻したが最終的に11,400円あたりで引けており、売り一色の1ヶ月だった
2本目
①前月の続きから11,400円付近からのスタート
↓
②引き続き売り一色の展開で一時は6,994円まで下落した(下ヒゲ、最安値)
↓
③しかしそこから驚異的なリバウンドで株価が持ち直し、最終的には8,500円付近で大引けとなった
ローソクの長さとヒゲの大きさは力強さを示す
ローソク足チャートのもう一つの見方として、
- ローソクの長さ
- 上ヒゲ、下ヒゲの長さ
に着目する使い方があります。
ローソクが長いということは、単純に値動きが大きかったということです。
株式取引には常に、「買い方」と「売り方」が存在します。株を買いたい人と売りたい人の圧力は拮抗していて、綱引き状態になっているのです。
この綱引きがいい勝負になっていると、どっち付かずとなり、値動きは小さくなります。逆に、一方の圧勝だと値動きは大きくなります。
下記の画像を見るとわかりますが、値動きが小さいと力強さに欠けると判断できます。一方で値動きが大きいということは「買い方の圧勝」なわけですから、力強い上昇だと判断できるわけです。
続いて、ヒゲの長さにもバリエーションを加えてみました。
①期待度 特大
大きな陽線のローソク足なので、力強い株価上昇となっています。さらに、始値からまったく値下がりせずに、最高値で終値を向かえていることから、いわゆる「棒上げ」の状態で株価が上がったことがわかります。
ここまで力強い株価の値上がりが見られると、期待度は非常に高いと考えられます。
②期待度 大
極端に長い下ヒゲがついたローソク足のパターンです。下ヒゲが付いているということは、「一旦は売られたものの最終的には再び買われてリバウンドしている」と言えます。
つまり、下ヒゲの好感度は高く、このケースも期待度の高いローソクの形です。
始値から一旦は大幅に株価が下がったものの、その後持ち直し、最終的には始値を超えて値上がりで終値を向かえたというストーリーからも、今後さらなる期待が持てるローソク足となります。
株価の下落が続いていて、反転基調が見えたタイミングや、上昇が続いている中で、まだまだ値上がりの意思が見えるタイミングでこの形が出ます。
100パーセントというわけではなくあくまでも判断材料の1つですが、このローソク足の形が出ればひとまず「買い」の判断で間違いないと思います。
相場の転換点で登場することが多いです。
③期待度 高め
相場がスタートしてから一度下落し、その後上昇。しかし最終的には少し押し戻されて大きめの陽線(値上がり)で大引けとなっています。
①と比べると強さは劣りますが、②に相当するくらいの期待度は持てると思います。
④期待度 普通
③の陽線が小さくなったものです。かろうじて陽線を引いていますが、力強さが感じられないのでこのローソク足で株価が大きく転換する可能性は低いです。
⑤期待度 低い
一般的な陰線です。③の陰線版なので期待はもてませんが、この形は上昇トレンドでも下落トレンドでも頻繁に登場します。
⑥期待度 危険
長い上ヒゲをつけているケースは危険度が高いです。なぜなら、一度は上昇したものの最終的に売り圧力が高く上昇分を帳消しにするほどの下落に見舞われているからです。
相場の転換点で登場することが多いです。
⑦期待度 最悪
最初から最後まで徹底的に売り込まれ、売り一色だったことがわかります。大きな陰線は期待度としては最も低いので、近寄らないのが正解。
ただし、下落幅が大きいほど株価も安くお得になっていますので、リバウンドの期待が持てるという側面もあります。
上記のローソク足を見て、それぞれの強弱がイメージできたら、ローソク足の読み方は完璧です。
ローソク足のパターンは大抵上記のいずれかに当てはまります。
十文字のローソク足は相場転換
上記のようなローソク足も存在します。結構特殊です。
一瞬見ると理解できないかもしれませんが、ローソク足の意味を理解していれば読み解くことができます。
十文字のローソク足は、ローソクの部分が完全に消えていて、ヒゲだけで構成されていることになります。
つまり、値上がり、値下がりなどの株価の値動きはあったものの、始値と終値の株価が同じで、最終的に株価が「変わらず」だったというストーリーです。
まさに、買い方と売り方の綱引きが、決着付かずの引き分けの状態で試合終了となったというわけです。
このローソク足の十文字は「索引同時線」と呼ばれ、相場が転換する合図だと言われています。経験上、このローソクの形をきっかけとしてトレンドが変化したことが何度かあります。
上昇トレンドの天井圏で索引同時線が登場し、そこから下落になる。一方で、下落が続いていた株が、底値圏での索引同時線をきっかけとして反転上昇に転じるといった具合です。
今日のまとめです
白いローソク足は陽線と呼ばれ、値上がりを示します。黒いローソク足は陰線と呼ばれ、値下がり時に発生します。
ローソク足の上下に付いている「ヒゲ」はその日の値動きを表し、ヒゲとローソクの形を見ることで「始値」「最高値」「最安値」「終値」が把握できます。
この4つの値段からその日の値動きをストーリーとして知ることができ、株価上昇(下落)の力強さを知るための判断材料となります。
ローソク足にはいくつかのパターンがあり、このパターンを覚えておくと相場の期待度を判断できます。最も、パターンを覚えなくても上記の「ローソク足の見方」さえ知っていれば、その形が良いのか悪いのかはすぐわかります。
十文字のローソク足である「索引同時線」が登場したら相場転換の合図となるので警戒します。
また、上昇トレンドでは陽線が連続しやすく、下落トレンドでは陰線が発生しやすいというのも、ローソク足チャートならではの特徴です。
さいごに
ローソク足チャートの見方は理解できましたか?
では最後に宿題として、下記のパターンはどう判断できるか問題を出してみたいと思います。
正解はもちろん、答えがわからないという方もお気軽にコメント欄に書き込みをしてくださいね。
次の記事は「一目均衡表の見方をわかりやすく、3分で覚えるテクニカル分析の基本」です。あわせてご覧ください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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3件のコメント
ローソク足チャートの見方答え教えてください。
宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
①は底値圏で出現すると反転の期待が持てます。一方、天井圏で出現した場合は要警戒という感じです。最終的に戻して引けているものの、場中に大きく売られているので。
②は天井圏・底値圏ともにあまり良い雰囲気ではないローソク足です。
100%正解があるわけではありませんが、私は上記のように解釈します。
問題① 底値圏でこの足が出ると、上昇の期待が持てる。
問題② 高値圏でこの足が出ると、この先、下降が予想される。