SBI FXトレードを評価する。積立FXのメリット・デメリット、SBI証券との違い
執筆者:川原裕也
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SBI FXトレードは、金融大手のSBIグループが運営するFX業者です。
FX業界では後発となりましたが、高スワップポイント、低スプレッド、そしてツールの使いやすさやシステムの安定性などが高く評価されています。
私自身もSBIFXトレードを使っていますが、取引ツールが見やすく、スペック面についても申し分がないと感じています。
SBI FXトレードには、短期トレード向けの「FX」と、長期投資向けの「積立FX」の2つのサービスがあります。
この記事では、積立FXとの違いや、グループ企業のSBI証券のFXとの比較を行います。
目次
取引アプリの使いやすさが評判
SBI FXトレードは、取引アプリが使いやすいと口コミでも評判です。
取引ツールは以下の4種類です。いずれも、SBI FXトレードへの口座開設済みの方は無料で利用可能です。
- リッチクライアント(PCにインストールして使う)
- WEB NEXT(ログインして使う、インストール不要)
- スマートフォンアプリ(新型)
- スマートフォンアプリ(旧型)
本格的なFXトレーディングをしたい方は、最も高機能な「リッチクライアント」がおすすめです。
PCにインストールして使う必要がありますが、テクニカルチャートや発注機能、建玉の管理なども含め、一つの画面ですべての情報を把握できます。
私はいつも「リッチクライアント」の取引ツールを使っていますが、やはり評判どおり「使いやすい」と感じます。
「WEB NEXT」は、インストール不要で使えるPCアプリです。
SBI FXトレードにログインするだけですぐに使えるのがメリットです。また、タブレット端末にも対応しています。
機能は「リッチクライアント」に劣りますが、シンプルな画面ですぐに使いたい方におすすめです。詳細なチャート分析などが不要であれば、「WEB NEXT」だけでも十分、FXトレーディングができます。
外出先でリアルタイムの為替レートを見たい場合や、現在の損益を確認したい時は、モバイルアプリを使います。
モバイルアプリには「旧型」「新型」の2種類が用意されていますが、より使いやすいのは「新型」です。
スマホアプリでも高機能なチャート分析や発注機能が搭載されており、初心者の方でも安心して使えます。
また、SBI FXトレードのアプリはニュース速報も充実していますので、外出先でも現在のマーケットの情報を収集できます。
SBI FXトレードのロスカット計算方法
FXでは、保有する通貨の損失が拡大すると「ロスカット(強制決済)」されることがあります。
ロスカットを防ぐためには、一定の証拠金維持率を保つことが必要です。
ロスカットの計算方法を頭に入れておくことで、どれくらいまで損失が拡大すると円高になるのかがわかります。
SBI FXトレードのレバレッジ・ロスカット条件は以下の通りです。
- SBI FX TRADE
- 最大レバレッジ25倍。証拠金維持率が50%を下回るとロスカット(口座全体での計算・通貨ペアごとの計算は任意で選択可能)
- 積立FX
- レバレッジ1~3倍。証拠金維持率が30%を下回るとロスカット
※個人口座の場合。法人口座は条件が異なる場合があります
※積立FXの「中国元・南アフリカランド・トルコリラ・香港ドル」は最大レバレッジが2倍に制限されます
続いて、順を追いながら「ロスカット・証拠金維持率の計算方法」を解説します。
レバレッジ倍率で投資可能額を計算する
投資可能金額の計算方法は以下の通りです。レバレッジを高めるほど、投資可能金額が増えます。
※1ドル=100円、投資額5万円の場合
- レバレッジ1倍
- 50,000 ÷ 100 = 500ドルが購入可能額(為替が1ドル逆に動くと500円の損失)
- レバレッジ3倍
- 50,000 × 3 ÷ 100 = 1,500ドルが購入可能額(為替が1ドル逆に動くと1,500円の損失)
ロスカットが発動する損失額を計算する
ロスカットが行われる証拠金残高(口座残高)は以下のように計算します。
- 証拠金維持率50%でロスカットの場合
- 50,000 × 0.5 = 口座残高25,000円でロスカット(つまり、25,000円の損失でロスカット)
- 証拠金維持率30%でロスカットの場合
- 50,000 × 0.3 = 口座残高15,000円でロスカット(つまり、35,000円の損失でロスカット)
あとは、耐えられる損失額と、為替が1ドル逆に動いた時に生じる損失を計算することで、「現在より○○円の円高になるとロスカットされる」ということがわかります。
例えば、「レバレッジ3倍・証拠金維持率30%でロスカット」の場合、35,000 ÷ 1,500 = 23.33円の円高でロスカットされる計算になります。
低スプレッドでコスト効率が高い
SBI FXトレードは26種類の通貨ペアを取り扱います。
多くのFX業者では、1万通貨単位・1,000通貨単位での取引しか受け付けていません。
しかし、SBI FXトレードでは26種類の通貨ペアすべてを1通貨単位で売買できます。小さな金額からFX取引をはじめてみたい方にとっては、これは大きなメリットです。
また、スプレッドの狭さにも定評があります。代表的なスプレッドは、
- 米ドル/円:0.09銭~
- ユーロ/円:0.30銭~
- ポンド/円:0.70銭~
- 豪ドル/円:0.40銭~
となっており、短期トレードでも十分な利ざやを狙えるだけの低スプレッドで取引可能です。
相場急変時に一時的なスプレッドの拡大はあるものの、原則固定スプレッドを提供しています。また、「ストップ刈りは行わない」と公式に宣言している点も好感が持てます。
なお、スプレッドが0.09銭ということは、1万円あたり9円のコストになるということです。(1ドル=100円の場合、100通貨)
SBI FXトレードは取引手数料が無料ですが、スプレッドが事実上の取引コストになります。
取引コストが小さいほど、利益が得られる可能性は高くなるため、少しでもスプレッドの狭い業者を選択することは、勝つための鉄則です。
SBI FXトレードは業界でも最も狭い水準のスプレッドを採用しており、多くのトレーダーから愛用されている業者です。
なお、通常の「FX」と「積立FX」では、異なるスプレッドが採用されています。
積立FXのスプレッドについては、後ほど詳しく解説します。
積立FXのメリット・デメリット
SBI FXトレードの提供する「積立FX」は、長期投資に向いているサービスです。
FXは高レバレッジで勝負するイメージがありますが、最近はレバレッジを抑えて「資産形成を目的としてFXを活用する」投資家も増えています。
積立FXでは、レバレッジを1倍~3倍に抑え、定期的に自動購入することで、資産形成を行います。
「レバレッジ1倍」というのは、レバレッジがまったくかかっていない、事実上の現金取引と同じです。
レバレッジ3倍になると、リスクは高まりますが、よほどのことがない限りロスカットはされません。一方で、獲得できるスワップポイントは3倍になります。
積立FXは、一度設定をしておくだけで、あとはSBI FXトレードが自動的にコツコツと外貨積立を行ってくれます。(購入タイミングは、毎日・毎週・毎月で設定可能)
また、1通貨単位(米ドルなら1ドルから)積立できることも、SBI FXトレード「積立FX」のメリットです。
少額からコツコツ積立ができるので、はじめて資産運用をする方にもおすすめです。
なお、長期投資向けの「積立FX」と短期トレード向けの「FX」は併用できます。
どちらか一方のみを利用しても良いですし、両方利用することも可能です。
9種類の通貨が選べる
SBI FXトレードの「積立FX」では9種類の通貨が選択できます。
▼積立FXの取扱通貨とスプレッド
米ドル(5銭) | 豪ドル(20銭) | 英ポンド(30銭) |
NZドル(30銭) | カナダドル(30銭) | 中国元(10銭) |
南アフリカランド(5銭) | トルコリラ(40銭) | 香港ドル(5銭) |
※カッコ内はスプレッド
※すべて円建て
一般的な銀行の外貨預金では取り扱っていないような、新興国通貨にも投資できるのがメリットです。
繰り返しとなりますが、上記の通貨すべてにおいて「1通貨単位」での取引が可能です。
最低入金額にも制限が設けられていませんので、積立FXは少額からでも始められます。
積立FXのデメリット
外貨積立のような感覚で「自動買付」ができること、そして「最大3倍までのレバレッジ」がかけられることは、積立FXのメリットです。
しかし、積立FXにはスプレッドがやや広めというデメリットも存在します。
米ドルや南アフリカランドといった一部の通貨のスプレッドはかなり狭くなっています。
一方、カナダドルや豪ドルなどの一部の通貨に関しては、スプレッドは狭いとは言い難い内容です。
事実上の取引コストに相当する「スプレッド」は、外貨の保有期間が長くなるほど無視できます。
とはいえ、コストは小さいに越したことはありませんから、スプレッド(コスト面)も考慮した上で、積立FXを活用するメリットが大きいのか、他の業者を選択した方が良いのかを検討するのがおすすめです。
積立FXの隠れたメリットに、「通常のFXよりも証拠金維持率が緩和されている」というものがあります。
元々、最大レバレッジ3倍の商品なのですが、積立FXはさらにロスカットに到達しにくい設計となっているのが特徴です。
詳しくは、前述の「ロスカットの計算方法」をご覧ください。
入金・出金手数料は実質無料
SBI FXトレードでの入金・出金には「クイック入金」がおすすめです。
クイック入金とは、普段お使いの銀行から、SBI FXトレードのFX口座への入金を「即時かつ手数料無料で行う」サービスです。
振込手続きを終えてから、入金が反映されるまでに待つ必要はありません。また、クイック入金を使うことで、振込手数料を気にする必要もなくなります。
ただし、クイック入金は最低1,000円からの利用となります。
1,000円未満の資金を入金する場合は、通常振込をする必要がありますので、振込手数料は自己負担です。
スワップのみの出金も可能
SBI FXトレードでは、通貨を保有したまま、スワップポイントのみの出金も可能です。
また、記事執筆時点(2018年)において、SBI FXトレードでは、スワップポイントのみを出金した場合、税金はかかりません。(建玉決済時に課税される)
FX口座からの出金は、原則4営業日以内に行われます。
基本的には、当日の取引時間内に出金依頼をすれば、翌営業日に振込が行われます。
ただし、土日・祝日は営業日ではありません。
FXの為替レートは日本の祝日にも動いていますので、取引することは可能です。ただし、日本の祝日を挟む場合は、出金までの日数に少し時間がかかる場合があります。
出金先は、口座開設時に登録した銀行口座となります。
出金手数料は完全無料です。
また、現在「即時出金」サービスも開発中との公式アナウンスがあります。
出金依頼から振込までの日数が早いことも、SBI FXトレードのメリットです。
SBI証券との違い
SBIグループは、SBI証券でもFX事業を展開しています。
SBI証券のFXでは、28種類の通貨ペアが取引できるのがメリットです。
しかし、最低取引単位が1万通貨もしくは1,000通貨となっているため、少額での取引を希望する方は、SBI FXトレードの方がおすすめです。
また、FXサービスを専門としているSBI FXトレードの方が、取引ツールの使いやすさ・機能は優れていると思います。
SBI証券のFXが持つ強みとしては、「株券担保サービス」などがあります。こちらは、SBI証券で保有している株式を担保にして、FXの証拠金に充当できるサービスです。
資金効率を高めることができますが、損失が拡大すると、保有中の株式まで売却されてしまう恐れがあるので注意しましょう。
SBI証券とSBI FXトレードは別会社ですので、現在SBI証券の口座を持っている方でも、SBI FXトレードで取引を始めるためには、新規口座開設が必要となります。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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