ギャンの価値ある28のルールまとめ、ルールを守れないなら退場するだけだ

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28のルール

投資で勝つために必要なものを1つあげるとすれば、それは「自制心」にほかなりません。

自分を律しどのような時も冷静な考えを持って、その場で最適な行動を取る。これが投資で勝つためには極めて重要なことです。

そして、陥りがちな失敗を防ぐために人は「ルールづくり」をします。

テクニカル分析とルール作りで富を気づいたカリスマ「ウィリアム・ギャン」が考案した28のルールは、「ギャン理論」と名付けられ、多くの投資家が参考にしています。

ギャン理論を編み出したウィリアム・ギャンは、1929年の世界恐慌を予測した人物としても知られています。

負けることへの恐怖こそが、負けの元凶となる。負けを背負うことに耐えられないと、結局、大きな負けを背負うことになるか、絶好のトレードチャンスを逃してしまうことになる。

トレンドが下向きなときは売るに安すぎるということは決してなく、逆にトレンドが上向きなときは買うのに高すぎるということは決してない。

ウイリアム・ギャン

目次

ギャンの価値ある28のルール

読書

ギャン理論の28のルールについて、補足を含めつつ、まとめていきたいと思います。

ギャン自身がテクニカル分析に力を入れている投資家だったため、投資の本質的なルールというよりは、テクニカルに重きをおいた内容となっています。

1.資金の1/10以上損失が出るような賭け方はしない

ギャン理論を紹介している他のページでは、「1回の取引は資産の10分の1にせよ」と書かれています。

解釈の仕方に若干の違いはありますが、「一度に大きく張りすぎるな」という点では共通しています。

同様の発言は、書籍「マーケットの魔術師」でも多くの投資家が口を酸っぱくして言っていることです。

わかっていてもルールを守れない。だからこそ難しいわけですが、とにかく焦って増やそうとせず、地道に、着実に増やしていくことを心がけることが大切だと思います。

2.毎度ストップロス・オーダーを置け

リスク管理の方法として重要なのは「ストップロス(逆指値)」注文を出しておくことです。

これは特にFX取引で言えることですが、保有資産を売りたくても売れない(注文が殺到して通らない)ことがあります。

だからこそ、最初から損失を限定しておくための「ストップロス」を入れておくことが重要になってくるのです。

3.過剰な売買をしない。資金配分を守る

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にこのような一説がありました。

投資家は勝っても勝っても賭け続ける。資産を築いた投資家にはより多くの資産を築くように仕向けることで、その投資家は永遠に現実の金を手にすることはできない。

しかし、手数料ビジネスをやっている証券会社は確実に現実の金(手数料)を手にできる。

というような内容でした。

下手な売買を繰り返すと、取引手数料の分だけが確実に減っていきますし、最初はまともだった考えも、少しずつ冷静さを欠いてくるものです。

4.トレーリングして利幅を増やす

ギャン理論の本質は「損小利大」にあります。

損は小さく、利益はできるだけ大きく伸ばす。これは勝ち続けているすべての投資家が実践していることです。

しかし、利益が乗っている状態だとどうしても利益確定したくなってしまいますよね。膨らむ含み益に耐え続けるのは簡単なことではありません。

だからこそ、トレーリングストップをおき、相場の状況次第で自動的に利益確定ができる仕組みを導入しておくのです。

5.トレンドに逆らわない

ギャンは逆張りよりも順張りの「トレンドフォロー」を推奨しています。

前述した、

トレンドが下向きなときは売るに安すぎるということは決してなく、逆にトレンドが上向きなときは買うのに高すぎるということは決してない

というギャン自身の言葉にもありましたが、相場はトレンドを形成するものです。

日経平均株価が1,000円下がったら、下がり過ぎではなくそこからさらに1,000円下がる。

こうしたトレンドフォローの考えを持つことが大切です。実際には1,000円下がると値ごろ感でリバウンドを狙いに行ってしまいがちですけどね。。。

6.迷ったらトレードしない

投資を始めるとつい、いかなる時でもどちらか一方に賭けなければならないと思ってしまいます。

しかし、これは大きな間違いです。

休むも相場」という格言があるように、投資には「上がるか・下がるか・それとも賭けないか」という3つの選択肢があることを忘れてはなりません。

世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」を創業したレイ・ダリオ氏はこのように語っています。

ブリッジウォーターは、どちらの候補が選挙に勝つのかということにも、そして勝利したトランプ氏が明るい未来をもたらすのかどうかということにも賭けないことを選んだ。未来を予想するために必要な情報が欠けていたからである。われわれはいつ賭けから手を引くべきかをわきまえることによって、自分たちが正しい決断をするオッズを上げることが出来る。それが今回のケースだったのである。

また、著名投資家のウォーレン・バフェット氏も同様の発言をしています。

ほとんどの投資家はバッターボックスに立って、良い玉が来るのを待ちきれずに悪球に手を出して失敗してしまう。投資で成功するには、良い球が来るまでひたすら待てばよいのだ。そして自分にとっての絶好球が来た時だけバットを振れば良い。

ウォーレン・バフェット

7.アクティブなマーケットでのみ取引する。揉み合いには手を出すな

投資とは「上がるか・下がるか」を予想するゲームです。

しかし、気づきにくいのですが実は「上がりも下がりもしない停滞相場(もみ合い)」パターンも存在します。

揉み合い相場では、それ専用のトレード手法を使う必要があり、トレンドフォローを重視するギャンのような投資家にとっては、上昇に賭けても下落に賭けても損をしてしまう相場でもあります。

つまり、「動いていない時、これからのマーケットがどうなるかわからない時」は手を出さないのが最良の選択肢なのです。

8.1銘柄に全力投入なんてしない。2~3銘柄でリスクを分散する

ギャン理論のルール1に近い内容です。

リスク分散のために複数の銘柄に投資をすることも重要です。1つのカゴに卵を盛るなというやつですね。

9.指値注文はせず、成行のみで取引すること

これも、勝ち続けている投資家ほどよく口にする言葉です。

多くの投資家が、自分がこの値段で買いたいという「指値買い」注文を使っています。

なぜなら、買い手としては少しでも安く買いたいし、保有株を売る時は少しでも高く売りたいと考えるのが普通だからです。

「いくらでもいいから買いたいです、いくらでもいいので売りたいです」という意味の成り行き注文では、割高な価格で取引をすることになってしまう可能性があります。

しかしここで大切なのが、本当に良い瞬間は誰もが買いたいと思っている状態だと言うことです。

押し目買いに押し目なし」という格言がありますが、本当に強い相場では誰も指値買いを出している投資家には売ってくれず、早い者勝ちだということです。

成行買いや成行売りは、「価格はいくらでもいい」というデメリットを受け入れることで「確実に取引を成立させることができる」というメリットを持っています。

ギャン理論によれば、前者(取引価格)よりも後者(確実な取引成立)の方が重要だということです。

10.充分な理由がないのに手仕舞わない

ギャンルールの4.に相当する内容です。

含み益が膨らんでくると、それを失ってしまう怖さから、なんとなく利益確定をしてしまいがちです。

しかし、利益が乗ったからといって適当に利益確定をしてしまっては「損小利大」は実現するのが難しくなります。

手仕舞う時も一定のルールに則って行動に移すべきです。

11.トレードで儲けた黒字分は別に分けて管理すること

何かの書籍に書いていたと思いますが、トレードで稼いだお金は別口座などに移して「現実の金」にすることで、実感がわくというような意見がありました。

儲けたお金は再投資に回したほうが複利効果が高まってよいという意見もあります。

難しいところですね。

12.スキャルピングはしない

スキャルピングは有効な投資手法の一つだと思いますが、ギャンのようなトレンドフォローを狙う投資家にとってはやるべきではないということなのでしょう。

特に、揉み合い相場ではスキャルピングが有効ですが、ギャンは揉み合い相場は見送るべきだと言っています。

13.ナンピンはしない

これも良く聞く話です。

ナンピンをすることで平均的な買い単価を下げることができます。その上で株価が少し回復すれば、損失と利益を相殺して逃げることもできます。

それなのに、なぜナンピン買いをする投資家が次々と退場していくのか。理由は簡単です。

1つは、ナンピンをすることでその銘柄への投資額が増えるため、そのトレードのリスク(資産に与える影響)が大きくなることです。

2つめは、ナンピンができているということは、最初に買い注文を出した時よりも株価が下がっていることになります。株価が下がっているということは、トレンドに逆らって買い注文を入れていることになります。

ギャン的に言えば、下がった銘柄はさらに下がり続けるのです。

14.耐えよ。焦るな

さまざまな解釈の仕方があると思いますが、焦って利益確定するなということだと思います。

また、相場に参戦すべきではないタイミングに、ついポジションをとってしまう「ポジポジ病」にも気をつけよということでしょうか。

15.小さな利益と大きな損失を避けよ

まさに「損小利大」を守れという意味ですね。

16.ストップロス注文を置き、これをキャンセルしない

ルール2でストップロスの重要性について書いていましたが、ここでもう一度同じ内容が出ています。

改めて「ルール2」を徹底しろという意味なのでしょう。

17.頻繁な売買は避ける

これもルール3のおさらいです。

無理な売買はせず、ここぞという時に勝負するのが投資家としての正しい行動です。

18.空売りも有効に使え

ギャンの推奨しているトレンドフォロー手法は、株価上昇の局面では買いで参戦し、揉み合い相場では様子見を徹底します。

では、株価下落時はどうすべきかということですが、決して逆張りでトレンドに逆らうリバウンド取りをするのではなく、空売りを活用することで下げのトレンドに乗る方が有効だということです。

19.値頃感で取引しない

株価が少し下がったからと言って、安いと思って買ったりナンピンするべきではないということでしょう。

もしかすると、その小さな下げが大きな下落トレンドへの入り口かもしれません。

20.ピラミッディングはレジスタンスやサポートをブレークしてからすること

ピラミッティングとは、いわゆる買い増し(増し玉)のことです。

最初から10の資産を入れるのではなく、まずは5だけを入れて打診買い、そして株価が上がれば3を買って増し玉、さらに上がれば2を追加して10にするといった具合。

買い増しのポイントとしては、一時的に株価が下がる「押し目買い」などがありますが、ギャン理論で推奨されているのはあくまでも上昇のタイミングです。

「◯◯円まで下がったら買う」ではなく「◯◯円まで上がったら買う」と考えるのが、ギャンの手法です。

21.トレンドが明確な時だけピラミッディングする

ピラミッティング(買い増し)はナンピンの逆バージョンです。やればやるほど、平均購入単価が高くなっていきます。

つまり、ピラミッティングをすると成功時の利益は倍増しますが、株価が少し下がると途端にすべての含み益がなくなってしまいます。

だからこそ、ピラミッティングは難しくリスクの高い取引なのです。

リスクが高い手法なわけですから、明確なトレンドが出ているときだけ行うようにとギャンは伝えています。

22.ヘッジの両建てはするな

買いポジションと同額の売りポジションを立ててニュートラルな状態にすることを「両建て」といいます。

どちらに動いても損益が発生しないので、本来は意味のないポジションです。

一部、両建てを活用した手法もあるのですが、原則的には両建てするなら損切りするという判断が正しいです。

23.十分な理由がなければポジションを決済してはいけない

ルール10のおさらいですね。

24.儲けた後は、取引量を減らす

普段負けているのになぜか儲かった。運良く大きく儲けることができた。

こうした時は、調子に乗らず取引量を減らすことが大切です。

儲かった時は油断しがちなので「勝って兜の緒を締めよ」の意味合いもあると思います。

武者修行中 ‏@murasy1222
レバ厨につける薬なし。
手法を変化させようが何だろうが、ハイレバレッジトレーダーはあるだけの資金を目先の投機先に突っ込む。
もはや病気であり中毒である。そしてそれは不治の病。だから、メンタル面をコントロールする薬を探すのは意味なくて、資金を減らすことしか対策はないんだと思う。

しかし、儲けたときに取引量を減らすべき理由の本質として私は「相場環境が良かったから」だと考えます。

普段負けているのに大きく勝てた、運良く大きく儲けることができたときは、相場環境が著しく良い状態(軽いバブルになっている状態)である可能性を考えます。

しかし、そうした良い状態は長くは続きませんから、大きく勝てた時こそ自分の実力ではなく「バブルの天井かもしれない」という疑いを持ち、一旦資金を引き上げる勇気が必要です。

25.相場の天井/底を推測しない

相場の天井・底は多くの投資家が予想しようとします。

そして多くの場合、底だと思ったら底なし沼、天井だと思ったら青天井ということが起こります。

しかし、プロ投資家ほどそれがいかに難しく不可能に近いことかを知っています。

プロの投資家に共通することは、自分の天井・底の予測をあてにせず、常にその場の状況に応じて的確な判断をしていることです。

26.他人の意見には従うな。自分で研究せよ

いつの時代も、株式市場ではごくわずかの投資家が勝ち続け、その裏で多くの投資家が退場に追い込まれています。

もし自分が「ごくわずかの投資家」の側になりたいと思うのであれば、投資手法は人の真似をするのではなく自分自身のオリジナルを身につけることが大切です。

27.損失が出た後は取引量を減らせ

人間は、損をしてしまうとつい取り返したくなる「サンクコスト効果」に陥りがちです。

損失を出して大切な資産を失ってしまうと、それを取り戻すためにさらにリスクの高い取引に手を出したり、さらに倍の資金を突っ込んだりします。

結局、そうした冷静さを欠いた取引はさらなる損失を呼び寄せるだけです。

うまくいかないときこそ、一度身を引いてみる勇気が必要です。

28.間違ったポジションメイク・間違った決済をしない

間違ったエントリー、間違ったイグジットをするなということです。

当たり前の内容すぎて解釈が逆に難しいのですが、エントリー・イグジットのルールを明確にしろという意味なのでしょうか。

オリジナルのルールを作ろう

運用結果

ギャン理論は時代に左右されない本質的なものが多いです。

しかし、人それぞれ性格は違うので得意な部分もあれば苦手とする部分もあります。

長く投資をしていると、失敗も数多く経験します。

経験から学び、自分のオリジナルルールを作り、そして失敗を改善した先に成功があるのだと思います。

リスク管理について学ぶ

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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5件のコメント

SNF

ギャン理論。すばらしいです。私は、このギャン理論を自分なりに改良し、絶対に相場で成功してみせます。
わかりやすい解説ありがとうございました。

らっきー

ギャン理論。管理人さんのわかりやすい解説。
良質な道具を見つけた気分です。

ねずみ賢者

ギャン理論俺のバイブル

大和田海斗

わかりやすいけど同じ事多い

aias

解説の文章が素晴らしい。

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最後まで読んでいただきありがとうございました

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