フォリオの「おまかせ投資」を評価する、ロボアドバイザーの自動運用は利回り何パーセント?
執筆者:川原裕也
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テーマ投資で知名度の高いFOLIO(フォリオ)が新しく、「おまかせ投資」をリリースしています。
フォリオのおまかせ投資は、ロボアドバイザーの一種です。ロボットが資産運用を代行してくれるので、私たちは文字通り「おまかせ」しておくだけで構いません。
投資や資産運用の知識が一切なくても、それなりの運用ができるのが「おまかせ投資」の最大のメリットです。
運用代行の手数料がかかってしまうものの、
- 資産運用の勉強をする時間がない
- もっと別の大切なことに貴重な時間を使いたい
と考えている人にとっては、ロボアドバイザーの活用は良い選択肢だと思います。
この記事では、フォリオの「おまかせ投資」のわかりやすい解説と、想定利回りが何パーセントくらい得られるか、検証してみたいと思います。
世界一かんたんな資産運用を実現
フォリオのおまかせ投資が優れているのは「使いやすさ・みやすさ・わかりやすさ」です。
もともと、ロボアドバイザーは「資産運用に詳しくない方、あまり興味が持てないので時間を使いたくない方」を対象とするサービスです。
よって、世界一かんたんな「おまかせ投資」は、フォリオの大きな強みになると思います。
従来のロボアドバイザーは「10問程度の質問に答える方式」を採用していました。しかし、初心者にとってはそうした質問すら難しいケースがあります。
一方、フォリオの「おまかせ投資」では、
- 年齢
- 年収
- 現在の預貯金
の3つを入力するだけで「最適な運用プラン」を提案してくれます。とても簡単です。
補足(ハイリスク・ハイリターンな運用を提案されやすい条件)
- 年齢が若い
- 人生に将来性が見込まれるため、現時点ではリスクを取った運用ができると判断。
- 年収が高い
- 余裕資金が多いと考えられることから、リスクを取った運用ができると判断。
- 預貯金
- 余裕資金が多いと考えられることから、リスクを取った運用ができると判断。
3つの入力項目を総合的に判断し、適切な運用方針を提案するというのが、フォリオ「おまかせ投資」の特徴です。
また、「おまかせブラザーズ」という5種類のキャラクターが、最適な運用プランを提示してくれることも、親しみを感じさせるポイントです。
なお、おまかせ投資の最低投資金額は10万円からとなります。
月々の自動積立も可能です。
現代ポートフォリオ理論でそこそこの運用
「自動運用・おまかせ運用」と聞いて、「勝手にお金が稼げるキャッシュマシーン」をイメージする方もいるかもしれません。
それは決して間違いではないのですが、フォリオのおまかせ投資でおさえておきたいポイントが2つあります。
- 大きく儲かるような商品ではない
- 安定した無難な運用を目指す方向けの商品である
おまかせ投資では、資産運用に必要な全ての作業を自動的におこなってくれます。
しかし、運用の結果として、資産が短期間に5倍・10倍になるような商品ではありません。
フォリオのおまかせ投資では、ノーベル賞を受賞した「現代ポートフォリオ理論」を使って運用します。
現代ポートフォリオ理論とは、「リスクを最小限に抑えて最大限のリターンを生み出す」運用ができる理論です。
これは単に「ローリスク・ローリターン」ということではありません。
自分が期待するリターンに対して、「無駄なリスクが一切ない状態」で運用ができるということです。
つまり、ハイリターンを目指せば当然、ハイリスクになりますが、そのハイリスクの中でも「(無駄がない)最小のリスク」で運用できるというのが、現代ポートフォリオ理論の特徴です。
- 最適なローリスク・ローリターン運用
- 最適なミドルリスク・ミドルリターン運用
- 最適なハイリスク・ハイリターン運用
というとイメージしやすいかと思います。1~3のどの道を選択するかは、私たち次第です。
つまり、現代ポートフォリオ理論を使ったフォリオのおまかせ投資は、「最適な形でそこそこの運用ができる」商品となります。
資産運用が上手な人よりも、大きく稼ぐことはできません。
しかし、(世の中に星の数ほどいる)資産運用が下手な人よりは、上手く稼げるということです。
まったく時間をかけることなく、完全放置しているだけで、それなりの運用ができる。これが「おまかせ投資」のメリットです。
「資産運用では平均点を取れれば十分だ」と考える人にとっては、とても良い商品だと思います。
おまかせ投資の利回りは?
あくまでも私の意見ですが、ロボアドバイザーの投資リターン(利回り)は長期的に、年率3%~5%程度に落ち着くと考えています。
もちろん、運用方針によっても結果は大きく変わってきます。
根拠としては、バランスの取れた運用で年率4~6%程度、これにロボアドバイザーの運用手数料を年率1%差し引いて、年率3~5%あたりに落ち着くのではないかと。
現代ポートフォリオ理論を使い、世界のETFに分散投資をするという安定的な運用で、完全おまかせでこれだけの利回りを得ることができるなら、悪くありません。
せっかくなので、フォリオ「おまかせ投資」のシミュレーションをもとに、フォリオ自身が年率何パーセントの利回りを想定しているかを確認してみました。
入力条件:35歳、年収400万、預貯金300万
ロボアドバイザー | 70%の確率 | 50%の確率 | 30%の確率 |
---|---|---|---|
マーカス(チャレンジ運用) | 3.35%以上 | 4.44%以上 | 5.54%以上 |
ジェームス(積極運用) | 2.83%以上 | 3.74%以上 | 4.67%以上 |
エリー(バランス運用) | 2.29%以上 | 3.02%以上 | 3.76%以上 |
ローレンス(堅実運用) | 1.74%以上 | 2.30%以上 | 2.89%以上 |
ピーター(安定運用) | 1.13%以上 | 1.56%以上 | 2.00%以上 |
※運用期間30年
※おまかせ投資の運用プランの結果に基づきます
※記事執筆時点(2018年11月)の情報に基づきます
上記の条件で、フォリオは
- 全体:年率1.13%~5.54%あたりのレンジを想定
- 確率50%:年率1.56%~4.44%のレンジを想定
- バランス運用:年率2.29%~3.76%のレンジを想定
していることがわかります。
私の考える、年率3%~5%程度という意見とほぼ合致していますね。
ETFが投資対象になる
フォリオのおまかせ投資が投資対象とする資産は以下の通りです。
すべて、ETF(上場投資信託)で運用するため、少額でもしっかりとした分散投資を実現できます。
- 株式
- 米国株式、先進国株式、新興国株式
- 債券
- 米国債、新興国債、ハイイールド債
- その他
- 金、不動産
特定の業者と連携しているわけではないので、中立的な立場で運用することが可能です。
多くの投資家が取引しているものと同じ、低コストなETFで運用することを、ホワイトペーパーで約束しています。
6ヶ月に1度のリバランス
リバランスとは、資産運用で必要となる「資産配分の微調整」のことです。
例えば、「株式100万円、債券100万円、合計200万円」という資産を保有しているとします。(50:50のバランスの取れたポートフォリオです)
市場はリアルタイムで価格変動が起こっていますので、数カ月後には株式が大きく値上がりし、債券が大きく値下がりしている可能性があります。
その結果、時価が「株式時価150万円、債券時価50万円、合計200万円」になっていると、当初は50:50だったものが、75:25の比率、つまり株式資産に偏ったポートフォリオになってしまいます。
こうした時に、値上がりして割高になった株式を一部売却し、そのお金を使って、値下がりして割安になった債券を買い増しし、再び適切なバランスの資産構成に戻すことを「リバランス」と言います。
フォリオのおまかせ投資では、リバランスも自動的に行なってくれます。私たちが指示を出す必要はありません。
また、リバランスにあたっての取引手数料はすべて「運用代行費用」に含まれていますので、無料です。
おまかせ投資では、リバランスの条件を以下のように定義しています。
- 6ヶ月間リバランスが行われていない場合
- 最適な資産構成から5%以上の乖離が生じた場合
上記どちらかの条件を満たした場合、自動的に資産のバランスを整える作業を行います。
運用報酬料は年率1%
フォリオのおまかせ投資で必要な運用報酬料は「運用資産に対して年率1.1%(税込)」のみとなっています。(運用資産に組み入れられたETFの時価評価額3,000万円以下の場合)
これが運用代行費用となり、かかる費用はすべて上記の運用報酬料に含まれます。
例えば、「為替手数料」や「ETF取引手数料」などもすべて含めて、年率1.1%(税込)の運用報酬料のみとなります。
なお、運用資産が3,000万円を超える場合は、超過部分に対する手数料が年率0.55%(税込)に割引されます。
資産運用業界において、ロボアドバイザーの年率1.1%(税込)の運用報酬料というのは、決して安いとは言えません。
しかし、「すべてを代行してほしい」「資産運用に時間をかけたくない」「もっと大切なことに集中したい」という人は多いと思います。(お金を稼ぐことだけが人生ではありません)
このように考える人にとって、フォリオのおまかせ投資は最適な商品になると考えます。
少なくとも、運用に興味がないことを理由に銀行預金にお金を眠らせているよりは、良い結果が得られるはずです。
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