資産運用の相談はどこにすればいい?無料のアドバイスに注意して
執筆者:川原裕也
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将来のために資産運用をはじめたいと考えている。しかし、何から手を付けてよいかまったくわからない。
資産運用のことをどこに相談して良いのか、また誰に聞けばいいのかわからない。
しかし、「大手銀行」や「大手証券会社」の無料のアドバイスには注意が必要です。
また、「資産運用の相談会(無料)」といった類のセミナーも、初心者を勧誘する目的で行われることが多いため、気をつける必要があります。
目次
資産運用の相談ができる場所
資産運用の相談先として考えられる場所には、以下のようなものがあります。
- 銀行
- 証券会社
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
- 資産運用の相談窓口
- 投資関係のセミナーや相談会
- 詳しい人に聞く
- Udemyで学ぶ
- 質問サイトで聞く
銀行や証券会社は、資産運用の相談窓口としては最も有名ですね。
銀行・証券会社
アメリカの心理学者「ロバート・チャルディーニ」はこのように言っています。
人は確信がないとき、自分のなかに答えを探そうとはしない。あいまいさと自信のなさしかないからだ。
その代わりに、彼らは自分の外に確信のなさを補うための情報源を探す。このとき、最初に目を向けるのが、権威なのである。
多くの人が、よくわからないことに対しては「権威」に安心を覚え、「大手銀行」や「大手証券会社」に相談してしまうのが現状です。
銀行や証券会社では、無料で資産運用の相談ができます。
しかしこれは、言い換えると「自ら営業されに行くようなもの」であり、個人的におすすめできるものではありません。
なぜ、銀行や証券会社で勤務する人の年収が高いのか考えてみてください。無料ほど怖いものはありません。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、簡単にいうと資産運用に強みを持っているファイナンシャルプランナー(FP)のことです。
特定の金融機関に属していない、資産運用の専門家に話が聞けるのがメリットです。
大手銀行や証券会社に属している専門家は、やはり自社の商品しかおすすめできない事情があります。
例えば、りそな銀行の資産運用アドバイザーが、みずほ銀行の投資信託を紹介することはないでしょう。
しかし、IFAは特定の金融機関に属していないため、中立的な立場で様々な商品をおすすめできます。また、資産運用の専門家なので知識も豊富です。
ただし、IFAを信頼して良いかというと決してそうとは言い切れません。
なぜなら、IFAは銀行や証券会社の商品を販売することで手数料を得ているので、どうしても手数料収入が大きい商品を勧めてしまうことがあるからです。
IFAが悪いというわけではなく、IFAへの相談は「担当者の人間性によって良し悪しが変わる」ということです。
顧客本位の中立的なアドバイスを心がけているIFAもいれば、少しでもたくさんの手数料を稼ぎたいIFAもいるかもしれません。
このような理由から、資産運用の専門家とはいえ、全幅の信頼をおいてしまうのは避けるべきです。
IFAの相談料は基本的に無料です。興味のある方は話を聞いてみても良いでしょう。
ちなみに、アメリカのIFAは相談料を有料にしている事が多いようです。
相談料を有料にする代わりに、顧客本位の中立的なアドバイスができる仕組みが整っています。
しかし、日本ではまだまだお金を払ってまで資産運用のアドバイスをしてもらいたいと考える人は少ないです。
よって、どうしても手数料収入が得られる銀行・証券会社の方向を向いてしまいがちです。
資産運用の相談窓口
最近は、資産運用を始めたいという方が増えていることから、資産運用の相談に特化した店舗も増えています。
その代表例が、SBI証券や住信SBIネット銀行などで有名なSBIグループの「SBIマネープラザ」です。
SBIマネープラザは、相談料0円で
- 住宅ローン
- 保険
- 資産運用
- 相続
- 税金相談
などについて、わからないことが聞けます。
最近、保険の相談窓口として「保険ショップ」と呼ばれるお店が増えました。
SBIマネープラザは「お金に関する総合的な内容を扱う保険ショップ」だと考えるとわかりやすいと思います。
ただし、SBIマネープラザは決して中立的な立場でアドバイスをしてくれる場所ではありません。やはり、提案商品はSBIグループが取り扱っているものの中から選ばれがちです。
しかし、SBIグループの商品はいずれも競争力が高いので、結果的に顧客本位のアドバイスを受けやすいというメリットがあります。
例えば、住宅ローンを例にあげてみると、大手銀行の住宅ローンよりも、住信SBIネット銀行の住宅ローンの方が低金利で保障も手厚いです。
SBIマネープラザは当然、住信SBIネット銀行の住宅ローンをおすすめしますが、そのスペックが高いため、大手銀行に相談するのと違って、顧客が著しく不利になることはありません。
相談は無料なので、どのような商品を提案してもらえるのか話を聞いてみるだけでも、価値はあると思います。
投資関係のセミナーや相談会
ここ数年、資産運用のセミナーが増えています。
「お金の知識について学ぶ学校」のように、習い事やスクールの形式を取っていることもあります。
こうした投資関係のセミナーは、有料・無料のどちらも存在します。
私自身は足を運んだことがないので実態はわかりませんが、中には中立的な立場で資産運用に関する勉強をさせてくれる教室もあると思います。
しかし、無料の資産運用セミナーは、ほぼ間違いなく「何らかの商品を販売する目的」であることが多いです。
大手銀行・証券会社の窓口に相談に行くのと同じで、「自ら営業されに行くようなもの」だと思います。
個人がやっているものや、名前も聞いたことがないような会社が開催しているセミナー・教室は、場合によっては悪質な投資商品を勧める詐欺的なものもあると聞きます。
こうした理由から、確固たる信頼が得られない資産運用セミナーには、足を運ぶべきではないと考えます。
資産運用の知識を持たない人にとって、この手のセミナーには最初から近寄らないようにするのが得策だと思います。
▼投資セミナーについて、私が信頼できる講演者だと考える3名を取り上げた記事です。
詳しい人に聞く
すでに資産運用をやっている人や、詳しい人に話を聞くのも良い方法だと思います。
しかし、特定の個人に話を聞く場合、その人の知識や考え方によって、良いアドバイスにも悪いアドバイスにもなりえます。
資産形成の正しい知識を持っている人なら良いアドバイスをくれるでしょう。
しかし、投機性の高いFX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨の取引をしている人に話を聞くと、どうしてもそうした投資商品をおすすめされてしまいがちです。
また、親しい間柄の友人ならともかく、知り合ってまもない方や関係の浅い人に話を聞く場合、注意してください。
事実、悪質な投資商品を勧めるため、詐欺的な目的で資産運用に興味のある初心者に近づく人もいるからです。
以前、私がカフェで本を読んでいた時の話です。
怪しい男性が、資産運用に興味のある若い女性にお金に関するアドバイスをしていました。
そこでおすすめしていた商品は、明らかに詐欺の要素がある内容のものでした。
その女性は資産運用の知識がありませんから、ただ「詳しい人」の言われるがままに商品を買うしか選択肢がないのです。
Udemy(ユーデミー)で学ぶ
Udemy(ユーデミー)は、オンライン学習サイトです。
プログラミングやフォトショップの使い方、上手な写真の撮り方など、その分野に精通している人が講師となり、動画で解説してくれます。
アメリカのベンチャー企業が運営しているサービスですが、国内では進研ゼミで有名なベネッセと提携して運営しているので安心です。(もちろん日本語対応です)
動画を用いたオンライン学習サービスは、ここ数年で爆発的に伸びています。
ユーデミーでは、学びたい内容が「1つのレッスン」として複数の動画でまとめられています。
いずれのレッスンも有料ですが、1レッスンにつき3,000円以下で購入できることがほとんどです。(支払いは一度だけの買い切りです)
1つのレッスンは、一度購入するだけで永久的に視聴できますので、時間のある時に自分のタイミングで学ぶことができます。
資産運用に関するレッスンも豊富で、基礎知識から難しい内容まで数多くのレッスンが提供されています。
auカブコム証券の「【1日でマスター!】今日からはじめる資産形成」は、1万人以上の方が受講している人気コースです。
1時間のオンデマンドビデオですが、資産運用の基礎知識が理解できます。
ユーデミーの動画はいずれも有料なので、特定の商品を勧めたりしない、中立的なレッスンが受講できます。
スマホでも閲覧できるので、通勤・通学の時間などに見るのもおすすめです。
デメリットは、
- 自分で学ばなければならないこと
- 学ぶのに少なからず時間がかかること
- その場で質問ができないこと
- 有料で動画を買わなくてはならないこと
などです。(受講中の質問や疑問は、講師が後日回答してくれることもあります。)
「相談」からは少し離れてしまいますが、資産運用について正しい知識を身につけたい方にはおすすめです。私自身も、プログラミングの学習などで活用しています。
質問サイトを利用する
質問サイトとは、いわゆる
などのことです。(Q&Aサイトとも呼ばれています)
質問サイトの仕組みはとても素晴らしいと私は考えています。
人によって知識のある分野、知識のない分野が異なります。
こうした知識を補完する形で、金銭的なインセンティブなしにお互いの疑問を解決し合う仕組みが、質問サイトの良いところです。
Yahoo!知恵袋やおしえてgooの利用は無料です。質問をすれば、資産運用に関することでも、中立的な回答が得られるでしょう。
個人的には、これまで紹介した中では最もおすすめの相談場所であると思っています。
ただし、質問サイトの利用には注意点もあります。
1つは、回答者によって知識レベルがバラバラだということです。
その分野のプロのような素晴らしい回答者がいる一方で、その分野の初心者が回答してくることもあります。
2つめは、質問内容がインターネット上に掲載されるため、個人情報を含む内容は聞きにくいということです。
どうしても個人情報を含めなければ聞けない内容は、金融機関の相談窓口やIFAの方が秘密保持の部分で信頼できます。
最も、質問する時に自分自身で「うまくボカして」質問できれば、質問サイトを利用するデメリットはほとんどないと思います。
当サイトでも気軽に質問してください
当サイト「1億人の投資術」でも、「投資の知恵袋」という掲示板ページを開設しています。
ぜひご利用ください。
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3件のコメント
初めてコメントさせていただきます。とても個人的な質問で恐縮ですが…資産運用に関しての質問です。
いまのところ資産運用に充てられそうな資金が500万ほどありますが、今後月々の収入が減るためこの資金のみで、どのように運用すべきか悩んでいます。
投資信託については書籍等で少々知識を入れたところで、一気に投資につぎ込むのは危険だと思うので分散投資を考えており、NISAか積み立てNISAを検討しています。少しずつ切り崩して積み立てNISAにするべきか、月10万ずつくらい、5年かけてNISAにするべきか、それとも、NISAは使わずに特定口座で早めに全ての資金を投資してしまった方がよいか…答えが出ず行き詰まっています。
長々と申し訳ありませんが、参考までにご意見いただけると助かります。よろしくお願い致します。
>投資信託初心者さん
ご質問ありがとうございます。
今回のケースでは、手元資金の500万円をどのように活用するのか?が重要になってくると思います。
月々の収入が減ってくる中で、投資資金500万円を使ってすぐにキャシュフローを得たいということであれば、J-REIT(不動産投資信託)などの、分配金が出るものが良いと思います。
J-REITで利回り年4%で運用したとすると、税引前で年間20万円、税引き後で約16万円、月あたり1.3万円程度のキャシュフローが見込めます。
しかし、J-REIT(不動産)のような安定性の高い資産や、多くの分配金を配当する投資先だと、長期投資しても資産の増加はさほど見込めません。
一方、つみたてNISAを活用し、インデックスファンドで運用すると、長期的には資産の増加が見込めますが、長期運用が前提となるため、「短期的には解約しない」「分配金が得られなくても良い」という覚悟が必要です。
現在の500万円を使って「将来の果実」を取るなら、分配金が出ないインデックスファンドでの長期運用、今すぐ生活資金のあてになるように活用するなら、J-REIT等が良いと思います。
投資先の分散と、投資タイミングの分散には賛成です。NISA(またはつみたてNISA口座)を優先的に使い、枠を使い切ったら特定口座を使っていくという形で良いと思います。
最近は株式市場も不動産マーケットも、決して安い状況にはないと思うので、投資は少し待つか、資金を入れるペースはゆっくりでも良いと思います。
川原裕也さん
早速のご回答ありがとうございます!
こちらの資金については、将来のため、分配金なしで長期運用するつもりでおりました。
長期運用なら早めにと、少し焦っていましたが、タイミングをみてゆっくりの方が良いのですね。
大変参考になりました。
ありがとうございました。