長期投資はリスクが大きい?短期投資のメリット・デメリット
執筆者:川原裕也
※記事内に広告を含む場合があります
当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。
※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
投資をする時に「時間軸」を考えることは非常に大切です。
- 長期保有していたのに少し値上がりしたところですぐに売ってしまった。(その後株価は何倍にも上昇した)
- 短期トレードで売るつもりだったのに長期保有してしまった。(損切りできずに売るに売れなかった)
いずれも、よくある投資の失敗パターンですよね。
長期投資と短期投資にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
著名投資家のウォーレン・バフェットは長期投資で成功した代表例ですが、同じく知名度の高い投資家のジョージ・ソロスはどちらかと言うと「投機」に近い短期トレーディングをメインにしています。
また、日本でもデイトレーダーのBNFさんやcisさんは、短期投資で巨額の財を築き上げた人物として知られています。
今回は、デイトレードやスイングトレードといった「短期投資」にフォーカスしてメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
目次
短期投資のメリット
業績ではなく値動きに投資できる
よく「投資」か「投機」かという点で議論されますが、長期投資が企業の業績に投資するものだと考えるならば、短期投資は株価の値動きに投資すると考えるのが正しいと思います。
どれだけ業績の良い株でも、日経平均株価が暴落すれば足を引っ張られて株価が下がります。
また、どれだけ業績が良い株でも、すでに株価が上がりすぎていれば決算発表時に投資家の期待に応えられず、株価が暴落する可能性は十分あります。
つまり、業績が良い株は必ず上がるわけではなく、あくまでも株価は「美人投票」によって形成されるので「みんなが株買うが上がる」というのが正しいです。
「値動きに投資する」メリットは大きく2つあります。
1つめは事前のリサーチがいらないことです。
もちろん、前日の値上がりランキングや企業の決算発表など「値動きが大きくなりそうな銘柄」にアテを付ける程度のリサーチは必要です。
しかし、決算書を読みこんだり、企業のIRに問い合わせたりして時間をかけてリサーチすることは、短期投資には必要ありません。
2つめは値動きさえあればいつでも利益のチャンスが得られることです。
長期投資は日経平均株価が暴落している過程では利益が出しにくいですが、短期投資であれば短期間のリバウンド狙いをしたり、空売りを利用して稼ぐことができます。
株価の動きがどうであれ、大きな値動きさえあれば利益が出せるのは、大きなメリットです。
資金効率が良いため資産増加スピードが速い
上手なデイトレーダーは常に値動きが大きい銘柄に資金を投入します。短期トレーダーにとって、値動きこそが利益の源泉になりますから、トヨタやみずほフィナンシャルグループのような大型株よりも、マザーズやジャスダックに上場している新興企業の株式の方が、短期向けの銘柄と言えます。
常に値動きの大きい銘柄に資金を入れ、短期間で資金を他の銘柄に移していくことで、資金効率が大きく上がります。
例えば、一つの銘柄が寄り付きから大引けまでずっと、大きく動いているというのは珍しいです。
しかし、最初は午前中発表の決算銘柄、次に午後に発表される決算銘柄、そして大引け直前に決算発表する銘柄と乗り換えていくことで、常に大きな値動きの中に自分の資金を投入できます。(決算が発表されると株価は一時的に大きく動きます)
また、株価が午前中に2倍に急騰して、午後に急落して元の値段に戻るというような光景もたまに見かけます。
このような時、最初は「買い」で利益を出して、急落の過程では「空売り」で利益を出せば、往復で利益を取ることができます。
短期投資はこのような形で資金効率をどんどん高められるので、上手くやれば資産の増加スピードは非常に速いです。
ウォーレン・バフェットは年率20%以上のリターンを何年も継続して巨額の富を築きました。
しかし、短期投資であれば、1日で20%のリターンを得ることも十分可能で、実際に1年で資産を2倍、10倍にした投資家もたくさん存在します。
暴落や決算発表のリスクを受けない
私が、短期投資の最大の利点だと思っているのが、前日のNYダウの暴落など、不確実性の高いリスクを回避できる点です。
東証がクローズしてから、夜中にはNYダウが動き出し、翌日の日本市場に影響を与えます。しかし、当日のNYダウが上昇するのか下落するのかは、誰にも予想できません。
このような、予想できない不確定要素というのがマーケットにはたくさん存在します。そして、こうした不確定なリスクはできることなら避けたいものです。
特にデイトレードのような短期投資は、東証が開いている間だけ株式の売買を繰り返し、東証の引け前にすべての保有株を売却して現金化します。
株式を一切保有していない状態でNYダウの寄り付きを迎えるため、前日のNYダウが急騰しても暴落しても、一切のダメージを受けません。
また、予想が難しい決算についても、発表前に株を売却して現金化しておけば、影響は受けません。決算発表後に株価が上がれば再び買い、株価が下がれば逆に空売りで参戦することもできます。
長期投資の場合は、NYダウの暴落や、大きなネガティブ材料の影響もすべて食らってしまいます。
株価が上がっても下がっても持ち続けるというのがウォーレン・バフェットの考え方ですが、心理的にはできることなら値下がりの影響は受けたくないというのが本音でしょう。
短期投資にはこういったリスクを回避できるメリットがあります。
短期投資のデメリット
取引のリスクが高い
短期投資の利益の源泉は「値動き」です。常に値動きが大きい銘柄を取引することが利益を最大化する秘訣なのですが、これは一方で「損失を最大化する原因」にもなります。
リスクが大きい短期投資では、短期間で財産を築くことができる一方で、短期間で資産の大半を失ってしまうこともあります。
短期投資のイメージとしては、火事場からお宝をゲットしてくるようなもので、一歩間違えればお宝がゲットできないだけでなく、大やけどを被ってしまいかねません。
損切りは絶対に必要な技術
大やけどを負わないための必須の技術として「損切り」があります。
短期投資をするにあたって、「損切り」の技術は必須です。
冒頭で説明した「時間軸」の話に戻りますが、短期投資で利益をあげるつもりだったのに、自分の意図に反して株価が値下がりしてしまい、損切りができずに長期投資になってしまうというのも、初心者に多い失敗例です。
仮に利益が出ていればすぐに利益確定し、損が出れば長期保有していまう。これは、投資の負けパターン「損大利小」の典型です。
また、デイトレードは「1日ですべての取引を完結する」手法です。
取引を1日単位で見ることで、NYダウの暴落などを回避できるだけでなく、その日の自分の投資結果を評価をすることができ、速いスピードで技術を改善していくことができます。
よって、どれだけ損失が出ていようとも、デイトレードをやっている以上は大引けまでにすべての持ち株を売却する必要があります。
利益を得るたびに税金がかかる
短期投資は資金効率を高められる一方で、税の観点で見ると非常にデメリットが大きいです。
以前、複利効果を最大限にする方法!投資家ウォーレン・バフェットが成功した理由という記事で書きましたが、ウォーレン・バフェットが長期投資で成功した要因に、「長期投資は利益確定するまでに一切の税金を支払う必要がないので複利効果を最大化できる」というものがありました。
株式投資の利益に対する税金は、利益確定時に発生します。
よって、株の売買を短期間で繰り返すと、特定口座(源泉徴収あり)の場合、利益を出す度に利益の支払い義務が発生するので、お金は貯まりにくいです。(しかし、値動きがそれを上回る資金効率をもたらすので、トータルでは資産の増加スピードは短期投資の方が速いです)
このデメリットを少しでも回避するために、短期トレーダーの中には「特定口座 源泉徴収なし(または一般口座)」を選ぶ人もいます。
「源泉徴収なし」の口座を選択することで、自分で確定申告をする必要が出てくるのですが、翌年の確定申告時期まで税金の納付を遅らせることができます。
期間中はどれだけ利益を出しても税金を取られないので、短期投資の資金効率をより良くすることが可能です。
自分の得意な方法で投資する
今回は、ウォーレン・バフェットの投資とは正反対の短期投資について書きました。短期投資のメリットは長期投資のデメリットであり、逆もしかり。
1億人の投資術の管理人としては、長期か短期か、どちらか一方に特化するのが良いと思いますが、投資家の中には長期投資・短期投資の両方で良い結果を生み出す器用な方もいます。
続いては、「配当利回りが高すぎる銘柄に投資すると失敗するのはなぜか?」です。
短期投資で人気の「IPO株」に興味のある方は「株初心者が知っておきたいIPO投資のリスク、初値売りは正解か」もあわせてご覧ください。
こちらの記事も読まれています
最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
-
P さんがコメントしました - 2023年12月18日
決算書の「百万円」や「千円」の単位を素早く読む方法 -
No Name さんがコメントしました - 2023年10月8日
プロスペクト理論とは?投資に活かす方法、あなたの知らない心理学の世界 -
DCF法くん さんがコメントしました - 2023年8月21日
DCF法の世界一わかりやすい解説、割引率の決め方やエクセルでの計算方法 -
No Name さんがコメントしました - 2023年8月19日
DCF法シミュレーター -
にゃん太郎は長生き さんがコメントしました - 2023年6月19日
証券マンがおすすめするファンドラップの評判を信じて買って良いのか
0件のコメント