株初心者でも使いやすい、手数料の安いおすすめのネット証券8社
執筆者:川原裕也 更新:
株式投資や投資信託での資産運用を始めるには、証券会社への口座開設が必要です。
最近は多くの方がネット証券を使うようになっています。
ネット証券の場合、口座管理手数料・維持手数料は無料です。大手証券会社では、未だに外国株などで口座管理料が発生することがあります。
また、ネット証券は総じて株式取引手数料が安いです。投資信託のラインナップも充実しており、大手証券会社よりも低コストなファンドが豊富です。
この記事では、資産運用の初心者にもおすすめできるネット証券8社を、各社の特徴を交えながら解説したいと思います。
証券口座を開設する時は「特定口座(源泉徴収あり)」の選択がおすすめです。
証券会社が損益を自動計算し、税金の納付・還付まで代行してくれるので、確定申告が不要となります。
DMM株
DMM株は最後発のネット証券ですが、株式取引手数料の安さには特に力を入れています。
取引金額に応じて手数料が決まる仕組みです。5万円以下なら55円、10万円以下なら88円、上限金額は880円なので、1回あたりの手数料が880円を超えることはありません。(いずれも税込)
また、取引手数料の1%がポイント還元されるため、実質取引手数料はさらに安くなります。
貯まったポイントはキャッシュバックするか、取引手数料への充当で消化することが可能です。
■DMM株の株式取引手数料 例
取引手数料の安さは申し分ありません。
小口の取引をする初心者の方も、1回あたり300万円以上の金額を取引する方も、満足できる手数料体系かと思います。
- 10万円:88円 / 回
- 100万円:374円 / 回
- 300万円以上:880円 / 回
※税込です
また、DMM株はスマホアプリ・PC用取引ツールの使いやすさにも定評があります。どちらも利用料は無料です。
スマホアプリは使ってみるとわかりますが、デザイン・使いやすさともに高い完成度となっています。
DMM株のアプリは、「かんたんモード」と「ノーマルモード」の2種類が切り替えられるようになっています。
「かんたんモード」では、テーマを選ぶだけで「そのテーマに関連する銘柄」をすぐに見つけることができます。
また、購入に必要な最低取引金額や配当利回りがひと目で確認できる設計で、初心者の方にも扱いやすいです。
「ノーマルモード」は、株価チャートや銘柄分析が詳しくできるのが特徴です。また、スマホアプリで会社四季報を見ることもできます。
株主優待検索は、「権利確定月」、「もらえる優待内容」、「購入に必要な金額」から絞り込み検索ができます。
自分が欲しい株主優待をすぐに見つけられるので、個人的にもおすすめしたい機能です。
取引手数料の安さとアプリ・ツールの使いやすさでに優れるDMM株ですが、一方で投資信託・IPOの取り扱いは行っていないというデメリットもあります。
コストの安さ・使いやすさ重視で選ぶ方はDMM株で十分、満足できると思います。
取り扱い商品の豊富さやサービスの充実度を重視したい方は、他のネット証券を選ぶのがおすすめです。
楽天証券
株式取引手数料:★★★★★
投資信託の種類:★★★★★
IPO銘柄の取扱数:★
コメント:クレジットカード「楽天カード」を使って投資信託が買える。最強の取引ツール「マーケットスピード2」がついに誕生。
楽天証券は、私がはじめて口座を作った証券会社です。
取扱商品が豊富なので、株式取引の他にも、米国株や中国株、投資信託や債券、そして金・プラチナへの投資なども楽天証券だけで実現できます。
株式取引手数料は最安水準を誇っており、一般投資家はもちろん、デイトレーダーを目指す方にも適しています。
■楽天証券の株式取引手数料(超割コース) 例
超割コースは取引金額に応じて、売買が1回成立するごとに手数料が発生するプランです。
手数料の1%が楽天ポイントで還元されるのが特徴です。最高でも1回あたり973円しか手数料がかかりません。
- 10万円:99円 / 回
- 100万円:535円 / 回
- 3,000万円以上:1,070円 / 回
※税込です
■楽天証券の株式取引手数料(いちにち定額コース) 例
いちにち定額コースは、1日の取引金額の合計で手数料が決まるプランです。
デイトレーダーのように積極的な売買をする方におすすめです。(なお、デイトレの場合は片道取引が無料扱いになります)
- 50万円まで:無料
- 100万円:943円 / 日
- 300万円:3,300円 / 日
※税込です
楽天証券では、投資信託の取扱数は常時2,000本以上となっており、業界でもトップクラスの品揃えを誇ります。
また、クレジットカードの「楽天カード」を使って投資信託を買うと、購入金額の1%の楽天ポイントが還元されます。
さらに、投資信託の保有期間中ずっと、保有残高に対して年0.048%(10万円につき4ポイント)の楽天ポイントを還元してくれるので、他の証券会社で投資信託を買うよりもお得です。
多くの個人投資家が楽天証券を支持している理由に、取引ツール「マーケットスピード」が使えることがあげられます。
その使いやすさ・みやすさは個人投資家から高い評価を得ており、数百億円の資産を持つ個人投資家の「BNF」さんや「cis」さんが使っていることでも有名です。
最近フルリニューアルされ、最新の技術を駆使した「マーケットスピード2」が誕生し、ますます盛り上がりを見せています。
マーケットスピード2は、リアルタイムの株価情報や会社四季報、ニュースなどの投資情報と、高速取引を可能にした様々な発注が1つにまとめられているツールです。
また、マーケットスピード2では新しく「アルゴ注文」が搭載され、プロ投資家と同様の情報量と発注機能でマーケットに挑むことができます。
楽天証券のデメリットは、IPO銘柄の取扱いが少ないことです。
低リスクで大きなリターンが得られるIPO投資は、個人投資家に特に人気があります。しかし、楽天証券ではほとんど取扱がありません。
SBI証券
SBI証券は、楽天証券と並んで知名度の高いネット証券です。
商品ラインナップに優れており、外国株からFXに至るまで、あらゆる商品がSBI証券を通じて取引できます。
株式取引手数料は楽天証券とほぼ横並びです。
■SBI証券の株式取引手数料(スタンダードプラン) 例
1注文あたりの取引代金で手数料が決まるプランです。(取引が成立しなかった場合は課金されません)
- 10万円:99円 / 回
- 100万円:535円 / 回
- 3,000万円以上:1,078円 / 回
※税込です
■SBI証券の株式取引手数料(アクティブプラン) 例
アクティブプランは、1日の取引金額の合計で手数料が決まるプランです。
- 10万円:無料
- 100万円:838円 / 日
- 300万円:1,718円 / 日
※税込です
取引1回ごとに手数料が発生する「スタンダードプラン」は楽天証券と横並びですが、1日の取引金額で手数料が決まる「アクティブプラン」はSBI証券の方が少し安いです。
SBI証券も投資信託の品揃えには力を入れています。低コストなインデックスファンドから、人気のアクティブファンドまでを網羅的に販売しています。
特におすすめしたいのが、SBI証券の「投信マイレージサービス」です。
これは、投資信託の保有期間中、継続して「保有残高に対して年率でTポイントがもらえる」という仕組みです。
商品によってはポイントがつかないファンドもありますが、最大で年率0.2%のポイント還元が受けられるため、実質的な信託報酬(投資信託のコスト)の引き下げにつながります。
また、SBI証券が支持される大きな理由に「IPO銘柄」の取扱が多いことがあげられます。(おそらくどの証券会社よりも多い)
SBI証券のIPOは抽選にはずれると「IPOチャレンジポイント」が蓄積され、次回以降の抽選で優遇されるという面白い仕組みを採用しています。
つまり、IPO銘柄への申込みにハズれるほど当たりやすくなるため、いずれ必ず当たるということです。
ただ、個人的な感想ですが、取引システムの使いやすさは楽天証券の「マーケットスピード」に軍配が上がると感じています。
もちろん、SBI証券が提供する取引ツール「HYPER SBI」が使いやすいという個人投資家も多いです。
GMOクリック証券
株式取引手数料:★★★★★
投資信託の種類:★
IPO銘柄の取扱数:★
コメント:株式取引手数料の安さはNO.1。人気のFXやソーシャルレンディングのmaneoを取り扱う。銀行連携で高金利の運用が可能。
GMOクリック証券は、GMOインターネットグループの証券会社として、以前から業界では「中堅」という位置づけです。
FX取引では知名度が高いのですが、株式取引においても業界最安水準の手数料で評判です。
IPOや投資信託のラインナップに関しては弱さが目立ちますが、その代わり手数料の安さで勝負している証券会社という印象があります。
■GMOクリック証券の株式取引手数料(1約定ごとプラン) 例
1取引ごとに手数料が発生するプランです。(取引が成立しなかった場合は課金されません)
- 10万円:96円 / 回
- 100万円:478円 / 回
- 3,000万円以上:977円 / 回
※税込です
■GMOクリック証券の株式取引手数料(1日定額プラン) 例
1日の取引金額の合計で手数料が決まるプランです。デイトレーダーに人気の手数料体系となっています。
- 10万円:234円 / 日
- 100万円:875円 / 日
- 300万円:1,690円 / 日
※税込です
1日定額プランに「無料」条件が設定されていないのが残念ですが、どちらの手数料プランでも、楽天証券・SBI証券と比較して少し安いです。
また、GMOクリック証券は信用取引手数料や信用取引の金利も他社より低く設定しているため、特にデイトレーダーに人気があります。
GMOクリック証券の隠れた強みに「ネット銀行との連携」があります。
GMOインターネットグループは2018年に新しく「GMOあおぞらネット銀行」をスタートしました。
GMOあおぞらネット銀行とGMOクリック証券を連携することで、資金移動がスムーズにできるようになります。(どちらも口座開設手数料や管理手数料は無料です)
また、銀行口座と証券口座の連携により「証券コネクト口座」が利用できるようになり、普通預金金利が大幅に優遇されます。
証券コネクト口座の金利が業界でも圧倒的に高く設定されていることから、銀行メインで利用したい方が合わせてGMOクリック証券の口座を持つことも多いです。
なお、GMOクリック証券では外国株の取扱はありません。米国株や中国株の取引に興味がある方は、GMOクリック証券と他の証券会社の使い分けを考える必要があります。
マネックス証券
マネックス証券は、楽天証券やSBI証券に次ぐ業界大手のネット証券です。
ただし昔から、株式取引手数料が高いので顧客層が限定されている印象があります。おそらく、デイトレーダーでマネックス証券を利用している人はほとんどいないと思います。
一方、口座開設者限定の「投資情報」や「オンラインセミナー」、そして「独自のツール」の提供に力を入れており、しっかりと銘柄分析をして株を買いたいという方にはおすすめできる証券会社です。
資産形成アドバイスツールの「MONEX VISION」や、他の証券会社では見れないデータまで分析できる「銘柄スカウター」などは、マネックス証券ならではの役立つツールだと思います。(個人的にもおすすめのツールが多いです)
口座開設にかかる費用・維持手数料などは無料なので、情報収集を目的とした利用でも、十分価値のある証券会社です。
また、マネックス証券はIPOの当選確率が高いというのが個人的な感想です。
IPOの取扱数はSBI証券には劣るものの、そこそこあります。一方、SBI証券に比べてIPO抽選に応募するライバルが少ないので、結果的にマネックス証券の方がIPOの抽選に当たりやすい状況にあるのです。
私自身、これまで何度もIPO銘柄の抽選に応募していますが、当選回数で言うとSBI証券よりもマネックス証券の方が多くなっています。
株式取引手数料は以下の通りです。(手数料はやはり高いです)
■マネックス証券の株式取引手数料(取引毎手数料コース) 例
1取引ごとに手数料が発生します。(取引が成立しなかった場合は課金されません)
マネックス証券の手数料でややこしいのは、「指値」と「成行」、「PC経由」と「モバイル経由」で手数料が異なる場合があることです。
正直、この点についてはもう少しわかりやすく改善して欲しいですね。
また、手数料に上限が設けられていないため、取引金額が100万円超になる場合は、成行またはモバイル経由なら0.1%、PC経由での指値注文は0.15%の手数料がかかります。
- 10万円:110円 / 回
- 100万円:成行なら1,100円 / 回(指値は1,650円。モバイル経由は取引金額の0.1%)
- 3,000万円:33,000円 / 回(指値は49,500円。モバイル経由は0.1%)
※税込です
■マネックス証券の株式取引手数料(1日定額手数料コース) 例
1日の取引金額の合計で手数料が決まるプランです。
マネックス証券では、1日の取引金額が300万円になるごとに2,750円の定額制となっています。(取引金額が増えると割引があります)
※税込です
松井証券
東証一部上場企業のネット証券である松井証券は、大正7年に創業した歴史を持つ老舗です。
歴史のある証券会社ではありますが、現在はネット専業として、ユニークなサービスや使いやすい取引ツールを提供しています。
■松井証券の株式取引手数料 例
松井証券は1日の取引金額の合計に対して課金する手数料プランのみとなります。1日10万円以下の取引なら、手数料は無料です。
- 10万円:無料 / 日
- 100万円:1,100円 / 日
- 300万円:3,300円 / 日
※税込です
松井証券は投資信託の取扱数こそ少ないものの、良い商品を厳選して取り揃えています。
また、購入前の投資信託えらびと、購入後のモニタリングを自動化できるロボアドバイザー「投信工房」が利用できるので、初心者の方でもアドバイスに基づいた運用が行えます。
40代以上の顧客が全体の7割を占めており、ご年配の方の支持率が高い証券会社です。
auカブコム証券
三菱UFJフィナンシャル・グループの証券会社として安心感の大きいauカブコム証券。東証一部にも上場しているネット証券です。
株式取引手数料はやや高めです。シニア割・女子割などの手数料割引はありますが、定額プランがないので、小口のデイトレーダーにとっては使いにくいかもしれません。
■auカブコム証券の株式取引手数料 例
取引1回ごとに手数料が発生します。(取引が成立しなかった場合は課金されません)
- 10万円:99円 / 回
- 100万円:1,089円 / 回
- 400万円以上:4,059円 / 回
※税込です
auカブコム証券の取引ツール「kabuステーション」は情報量が豊富で、かつ様々な機能を使うことができます。
個人投資家にも愛用者が多く、マーケットスピードやHYPER SBIに次いで人気の取引ツールです。
auカブコム証券は、億単位の取引をする大口投資家になると、手数料が大きく優遇されます。
SBIネオトレード証券
SBIネオトレード証券は、「ひふみ投信」で有名なレオス・キャピタルワークスの親会社「ISホールディングス」の証券会社です。
ISホールディングスはその他にも、FX業者の「外為オンライン」や「ひまわり証券」などを運営しています。
SBIネオトレード証券は、DMM株と同じく株式取引手数料に力を入れており、業界最安の手数料で取引ができます。
■SBIネオトレード証券の株式取引手数料 例
取引1回ごとに手数料が発生します。(取引が成立しなかった場合は課金されません)
- 10万円:88円 / 回
- 100万円:374円 / 回
- 300万円以上:880円 / 回
※税込です
以前から手数料が安い証券会社として知名度が高かったので、最安水準の手数料体系は今後も継続すると思われます。
また、SBIネオトレード証券が特に力を入れているのが「IPO(新規公開株)」です。
取扱数は多くないのですが「前受金不要」、「完全平等抽選」の採用で個人投資家から高い評価を得ています。
「前受金不要」ということは、SBIネオトレード証券の口座に資金がなくても、IPOの抽選に申し込みできるということです。
IPO株に当選した後に入金し、購入できるという仕組みは資産が少ない投資家にとって大きなメリットになると思います。
投資信託は、同じグループであるレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」及び「ひふみワールドプラス」を取り扱っています。「ひふみプラス」及び「ひふみワールドプラス」の購入時手数料が無料であることも、SBIネオトレード証券の強みの1つです。
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