あなたは5年先、10年先を見て投資をしているか?仕事も人生も資産運用も、種をまき育てることが大切
執筆者:川原裕也
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今日は、とても大切なことだけど、つい忘れてしまいがちな考え方についてお話をします。
記事のタイトル通り「5年先、10年先を見て投資をしよう。」ということです。
私たちはつい、目の前の出来事に目を奪われがちです。(これは人間の特性です)
- 今すぐやりたい
- 今すぐ欲しい
- すぐに結果がほしい
- ブームに乗りたい
こうした「すぐ何かをしたい」と考えるのは、人間の基本的な欲求の1つなのでしょう。
しかし仕事、人生、資産運用で大きな結果を出すには「すぐ」を我慢して「長期的な視点」で取り組む必要があります。
大きな成果を出す人は常に、5年先、10年先をみた上で、今やるべきことを決めています。
だからこそ、5年先、10年先に皆が驚くような成果を生み出すのです。
目の前のことしか見ていない人にとっては、彼らなぜ大きな成果を生み出すのか、全く理解できません。
ただただ驚き、そしてまた「彼らのようになりたい。」と考えて短期的な結果を求めます。
しかし、大きな成果を生み出す人は、「以前」から準備をしてきたからこそ、今大きな果実を得ることができているのです。
そして、目の前だけを見ている人が注目しはじめる頃には、大きな成果を出す人は次の5年、10年を見据えて、(短期的な思考を持つ)周りの人とは違うことをやっているのです。
5年先、10年先を見据えて動く
ソフトバンクグループの孫正義社長が、2016年に半導体設計会社のARM(アーム)を買収した際の話です。(ARMの買収は結果的に上手く行かなかったとの報道もありますが、この話は参考になります)
「通信会社であるソフトバンクが、一見すると直接事業と無関係な半導体設計会社を買収する理由は?」という記者の質問に対し、孫社長はこのように答えていました。
「オセロの四つ角の1つを取った。」
オセロゲームをやったことがある人ならわかると思いますが、「四つ角」はひっくり返されることのない強い手です。
「四つ角」を取る手は、白黒を反転させるものではないため、四つ角の重要性を知らない人からすると「理解できない謎の行動(意味のない行動)」のように映ります。
しかし、オセロでは四つ角を取ることが、その後のゲーム展開において、大きな影響を及ぼします。
将棋も同じで、目の前の手だけではなく、数手先を読んで行動します。
実は人生も、ビジネス(仕事やスキル)も、投資も同じで、5年先、10年先を考えて投資をする(自分の時間、お金、労力を投じる)ことが大切です。
しかし多くの人は短期的な視点で「今」を求めてしまうのです。
短期的な視点を持つ人々
数年前の話ですが、ブログで稼ぐことがブームになっているとき、多くの人が「ブログを書いてノマド的な自由な働き方が自分の理想である。」と考えていました。
ブログを書くことを長年の仕事にしていた私の元には、「本気だからブログで稼ぐ方法を教えてほしい」という話がたくさんきました。
しかしそのとき既に、私自身は「ブログのブームはもうすぐ終わりそう。次の5年、10年を考える時期だ。」と思っていました。(結局、私は株式投資を本格的にやるということを決めました)
その後どうなったかというと、ブログブームは下火となって、今ではブログで稼ぐことはとても難しい状況になっています。
一方、次のブームとしてやってきたのは、動画配信(You Tube)で稼ぐという方法です。
この記事を書いている時点では、多くの人が「ユーチューバーになりたい。」と言っています。
私に「本気でブログをやりたいから稼ぎ方を教えてくれ。」と言っていた人々は、果たして今でもブログで生計を立てたいと思っているでしょうか?
また、仮に当時彼らに「ブログでの稼ぎ方」を教えたとして、彼らは今、ブログで稼ぐことができているでしょうか?
最近では、芸能人のYou Tube参入が目立ちます。
You Tube業界もレッドオーシャンになりつつあると感じますが、それでも今「ユーチューバーになるための学校」に行く人が増えているそうです。
「ユーチューバーになるための学校」に行く人たちは果たして、5年後、10年後に、ユーチューバーとして稼ぎ、これからもユーチューバーとしてやっていきたいと考えているでしょうか?
別の事例をあげます。
2017年に仮想通貨バブルが起こったときの話です。
当時は、ビットコインをはじめ、さまざまな仮想通貨が異常な値上がりを見せ、多くの人が仮想通貨への投資を行っていました。
近所のカフェに行っても、隣の席から仮想通貨の話や、ビットコインにまつわる怪しい投資の勧誘などがよく聞こえてきたことを覚えています。
そうした話の中で、1人の女性が「私は本気で仮想通貨で1億円稼ぎたいんです!教えてください!」と、仮想通貨に詳しい男性に熱弁していました。
2017年の、仮想通貨バブルの真っ只中の話です。
私はもちろん、その女性のことはまったく知りませんが、今現在、その女性はまだ、仮想通貨をやっているでしょうか?
仮想通貨について詳しく勉強し、仮想通貨に投資するために一生懸命働いて、お金を貯めているでしょうか?
おそらく、当時の女性の熱い気持ちは本物です。
自分は本気で仮想通貨について学び、1億円を稼ぎたい。これに人生をかけたいと考えていたことでしょう。
しかし「今」を求める多くの人は、周りのブームに乗っているだけで、ブームが過ぎ去れば、嘘のようにその熱気は冷めてしまいます。
そして次の「今」を求めて旅立つのです。
大きな成果は一夜にして得られない
書籍「7つの習慣」から、印象に残った言葉を引用します。
農場に一夜漬けは通用しない。春に種まきを忘れ、夏は遊びたいだけ遊び、秋になってから収穫のために一夜漬けで頑張る。そんなことはありえない。
農場は自然のシステムで動いている。必要な務めを果たし、定まった手順を踏まなければならない。
種をまいたものしか刈り取れない。そこに近道はないのだ。
出典:7つの習慣
大きな成果を得るためには、それなりの時間とお金と労力を投資しなければなりません。
そして、まいた種が実って果実を得るまでには、長い年月が必要です。(もちろん、まいたすべての種が実るわけではありません)
であれば、
- 5年先、10年先に求められるスキル
- 長期的に通用するスキル
に対して投資をするほうが良いと私は考えます。
つまり、「5年先、10年先を見据えて、良いと思える種を見極めてまく」ということです。
例えば、「動画配信(You Tube)の次にはVR(バーチャルリアリティ)が来るから、今はまったく流行っていないVRの編集技術について、今から徹底的に学ぼう」という具合です。
私が過去に「投資しておけばよかったな」と思うのは、マイクロソフトのOffice(エクセルやワード、パワーポイント)のスキルです。
エクセル、ワード、パワーポイントは昔も今も、おそらくこれからも当面はビジネスにおけるスタンダードになるでしょう。
仮に2000年の時点でエクセル、ワード、パワーポイントのスキルをしっかりと身につけておけば、その後20年は就職にも役に立ったことはもちろん、年収にも大きく響いていたはずです。
株式投資における考え方
そしてこの考え方は、株式投資においても使えます。
今、盛り上がっている企業に投資するよりも、今は誰も見向きをしていないが、5年後、10年後に確実に結果を生み出してくれる会社に投資し、長期的に保有することが、大きなリターンに繋がります。
株式投資では、
- 現時点で誰も見向きもしていない
- しかし、将来「確実に」良い結果を生み出す
という会社に投資するのがポイントです。
金融資産への投資では「確実に」という視点が非常に重要です。
「今は赤字だけど、なんとなく将来すごいことをやってくれそう。」とか、「この会社は多分すごいことになるだろう。」と言った「不確実」な投資は、実らないことが多いです。
「5年後、10年後に確実に結果を生み出してくれる会社」の一例を、著名投資家ウォーレン・バフェットのコカ・コーラへの投資から紹介します。
バフェットの考え方はこうです。
- コカ・コーラは1886年から存在する(記事執筆時点で134年)
- 世界中で飲まれている
- 18億人分のコーラが毎日売れている
- 値段を1セント上げたら毎日180億、年間6兆570億ドルの売上アップになる
- 人々はコカ・コーラが1セント高くなったからといって他社のコーラを飲もうとは考えない
だから、5年後も10年後もコカ・コーラの成長は「確実」だという考え方です。
一方、「5年先、10年先を見て投資する。」と言って多くの人が考えるのが、「メルカリの海外事業が成功し、世界でアプリが使われるだろう。」というような「不確実な期待」です。
確実に訪れる「実現するべくして実現する未来」と、「自分の期待や願望、展望」を一緒にしてはなりません。(両者は混同しがちです)
5年先、10年先を見て投資をすることは大切ですが、金融資産への投資ではさらに「確実性」が伴わなければならないことは頭に入れておいてください。
優先度の高い目標に時間とお金を投じる
自分の描く理想の人生を築くためには「優先度の高い目標に時間とお金を投じる」ことが大切です。
たとえば、このサイトを見ている多くの人は「資産運用に興味があり、お金持ちになりたい。将来に備えて資産を蓄えたい」と考えているかと思います。
しかし、「お金持ちになりたい。」「将来に備えて資産を蓄えたい。」という優先度の高い目標に反して、
- 不必要なことにお金を使っている
- 飲み会、ゲームなどの課金、その他の娯楽など
- 優先度の低いこと時間を使っている
- 無駄な長電話、SNS、スマホで芸能ニュースをチェックなど
- 優先度の高い目標に対しては、時間もお金も使えていない
- 投資するためのお金を貯めていない、投資について学ぶ時間がほとんどない
という人は意外と多いのではないでしょうか。
私自身、常々「優先度の高い目標に時間とお金を投じる」ということを意識しておかなければ、優先度の低いことに時間や労力を使ってしまいます。
そうならないために、毎週末に「自分の目標に対して正しく行動できているかの確認作業」をしています。そうしなければ、すぐ目標は忘れてしまい、棚上げになってしまうからです。
例えば、投資に興味があって「お金持ちになりたい。」「将来に備えて資産を蓄えたい。」と考えている人なら、「投資の原資をきちんと貯めておいたか?」「投資について少しでも学んだか?」ということを定期的に確認します。
地図ではなくコンパスを手に入れよう
書籍「7つの習慣」にこのような言葉があります。
人生に必要なのは詳細な地図ではなく大まかな方向を指し示すコンパスである。
出典:7つの習慣
5年先、10年先を考え、遠い遠い目的地へと向かうとき、地図だけをじっと見ていては、逆に道に迷ってしまいます。
地図は行き先までの道のりを示すものなのに、目の前だけを見ていると目的地を見失ってしまうのです。
一方、コンパスは遠い目的地へ向かうときに役立ちます。
目的地までの道のりがわからなくても、「北の方角に目的地がある」という大まかな方向さえわかっていれば、あとはコンパスを頼りに「正しい目的地(北の方角)に向かっているか」を確認できます。
目的地までの細かな道のりは臨機応変に、自分の定めた最終目標とその方向性だけは常に確認しながら進むというのが、目標を達成するコツです。
明確なゴールがない状態は、あてもなく漂流している、さまよっているようなもの。
まずはコンパスを手に入れ、自分がそのゴールの方向に向かって正しく進んでいるかを確認することをおすすめします。
目標は、5年・10年くらいで達成できるように設定するのがおすすめです。(7年ぐらいが良いらしい)
- 人生の目標(大目標)
- 7年ぐらいで達成したい目標
- 今後1年で達成したい目標
というように、大きな目標から小さな(目先の)目標へと落とし込んでいきます。
人は、1年以内にできることを過大に見積もる一方、10年でできることを過小に見積もるのだそうです。
「人生の目標(大目標)」は非現実的でも良いので、極めて大きいものを定める。
「7年ぐらいで達成したい目標」は、今の自分からは考えられないぐらい高い目標だが、達成は不可能ではないというものを定める。
「今後1年で達成したい目標」は、(過大評価しすぎることなく)地道にやれば確実に達成できそうなものを設定する。(ここ、すごく重要です)
目標を定めたら「自分の方向性は正しいか?正しく目標に向かっているか?」を問いながら、目標達成のために時間と資金、そして労力を惜しみなく投じます。
今流行っていることではなく、今は誰も見向きもしていないけど、5年後、10年後に皆が注目しだすことを考え、そこに種をまきましょう。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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