東証の値幅制限をわかりやすく解説、ストップ高・ストップ安になる条件

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ストップ高

証券取引所では、日々多くの上場企業の株式が取引されており、リアルタイムで価格が変動しています。

株価は時として大きく値上がり・値下がりすることもあり、またその値動きがさらなる値上がり・値下がりを呼び込むことも少なくありません。(買いが買いを呼ぶ、売りが売りを呼ぶというやつです)

株価が大暴落を引き起こすと「売りのパニック」が起きますが、逆に大きく上昇した株に対しても「買いのパニック」が起きます。(最近は、イナゴトレードという業界用語も定着しつつあります)

こうした一時的な過熱感を抑制するため、証券取引所は1日あたりの値幅制限を設けており、この上限価格(下限価格)に達することを

  • ストップ高
  • ストップ安

と言います。

この記事では、値幅制限表を示すとともに、ストップ高・ストップ安で知っておきたいことを解説します。また、先物取引のサーキットブレーカー制度についても触れています。

値幅制限表

グラフ

要点を後述していますので、表は読み飛ばしてもらって構いません。

基準株価 値幅 騰落率
1円以上 ~ 100円未満 30円 3,000%~30.3%
100円以上 ~ 200円未満 50円 50.0%~25.1%
200円以上 ~ 500円未満 80円 40.0%~16.0%
500円以上 ~ 700円未満 100円 20.0%~14.3%
700円以上 ~ 1,000円未満 150円 21.4%~15.0%
1,000円以上 ~ 1,500円未満 300円 30.0%~20.0%
1,500円以上 ~ 2,000円未満 400円 26.7%~20.0%
2,000円以上 ~ 3,000円未満 500円 25.0%~16.7%
3,000円以上 ~ 5,000円未満 700円 23.3%~14.0%
5,000円以上 ~ 7,000円未満 1,000円 20.0%~14.3%
7,000円以上 ~ 1万円未満 1,500円 21.4%~15.0%
1万円以上 ~ 1.5万円未満 3,000円 30.0%~20.0%
1.5万円以上 ~ 2万円未満 4,000円 26.7%~20.0%
2万円以上 ~ 3万円未満 5,000円 25.0%~16.7%
3万円以上 ~ 5万円未満 7,000円 23.3%~14.0%
5万円以上 ~ 7万円未満 1万円 20.0%~14.3%
7万円以上 ~ 10万円未満 1.5万円 21.4%~15.0%
10万円以上 ~ 15万円未満 3万円 30.0%~20.0%
15万円以上 ~ 20万円未満 4万円 26.7%~20.0%
20万円以上 ~ 30万円未満 5万円 25.0%~16.7%
30万円以上 ~ 50万円未満 7万円 23.3%~14.0%
50万円以上 ~ 70万円未満 10万円 20.0%~14.3%
70万円以上 ~ 100万円未満 15万円 21.4%~15.0%
100万円以上 ~ 150万円未満 30万円 30.0%~20.0%
150万円以上 ~ 200万円未満 40万円 26.7%~20.0%
200万円以上 ~ 300万円未満 50万円 25.0%~16.7%
300万円以上 ~ 500万円未満 70万円 23.3%~14.0%
500万円以上 ~ 700万円未満 100万円 20.0%~14.3%
700万円以上 ~ 1,000万円未満 150万円 21.4%~15.0%
1,000万円以上 ~ 1,500万円未満 300万円 30.0%~20.0%
1,500万円以上 ~ 2,000万円未満 400万円 26.7%~20.0%
2,000万円以上 ~ 3,000万円未満 500万円 25.0%~16.7%
3,000万円以上 ~ 5,000万円未満 700万円 23.3%~14.0%
5,000万円以上 1,000万円 20.0%

かなり長くなってしまうので、上記のポイントを簡単にまとめておきます。

  • 騰落率が特に大きいのは株価265円以下の低位株
  • 記事執筆時点(2018年11月27日)で最も価格が高い上場株は74.3万円

株価が265円以下の低位株は、ストップ高までの値上がり率が大きいため、ハイリスク・ハイリターンです。

中でも、株価1円の株が30円のストップ高になった場合、1日の値上がり率は最大3,000%になります。

株価が265円を上回ると、株価の高さに比例してストップ高までの「絶対額」は大きくなりますが、値幅制限によって1日あたりの値上がり率は14%~30%に調整されています。(株価がいくらになってもこの範囲に収まります)

つまり、通常の価格帯の株で1日に稼げる利益は最大30%になります。

もちろん、信用取引でレバレッジをかけたり、1日の中で株価がストップ安からストップ高まで駆け上がった事例もあり、場合によってはより多くの利益が得られる可能性があることが、株式投資の面白いところです。

値幅制限表は最大で株価5,000万円以上まで設定されていますが、現時点で株価が最も高い銘柄は「ケネディクスオフィス投資法人(8972)」の74.3万円となっています。

つまり、それ以上の値幅制限表も存在するものの、使う機会はないということです。

近年、東京証券取引所は

  • 売買単位を100株に統一する
  • 株式の最低購入価格を5万円以上50万円未満にする

という意向を示しており、ほぼすべての上場株は株価10万円以内に設定されています。

株価が高い個別銘柄(J-REIT除く)を示しておくと、

  • 4628 エスケー化研 52,600円
  • 9983 ファーストリテイリング 57,060円
  • 6861 キーエンス 61,040円
  • 8421 信金中央金庫 239,500円

などがあります。(いずれも2018年11月27日時点の株価)

信金中央金庫は特殊な株ですが、その他の銘柄はいずれ、株式分割などによって適正な株価になると思われます。

値幅制限の拡大条件

株価下落

通常は、上記の値幅制限表に合わせて、1日の値上がり・値下がり幅は決まっています。

しかし、特別な条件が発生した場合は値幅制限が拡大します。

「特別な条件」と書いていますが、値幅制限の拡大は意外と起こりやすい出来事です。

値幅制限 拡大の条件

出来高なしの状態で3日連続のストップ高(またはストップ安)になった場合(ただし、大引けで出来高があっても、日中の出来高がなく、ストップ高またはストップ安で終了し、かつその価格に注文が残っている場合もカウントする)

上記の条件を満たした場合に、値幅制限が2倍に拡大します。

いわゆる「寄らずのストップ高(ストップ安)」が3日連続で続いた場合、ということです。

大引けで出来高があっても、日中の出来高がゼロで、ストップ高(ストップ安)の価格にまだ注文が残っている時は、それも値幅制限拡大の条件を満たしていることになります。

ただし、ストップ高が連続した場合は「上限値幅のみが拡大され、下限の値幅は通常通り」です。ストップ安が連続する場合はその逆となります。

その後は、拡大した側のストップ高(またはストップ安)以外の値段で価格が成立した時点で、その翌営業日から通常の値幅制限が適用されます。

値幅制限を簡単に確認する方法

女性投資家

取引銘柄の値幅制限(ストップ高・ストップ安)をかんたんに確認する方法があります。

それは、各証券会社が提供している取引ツールなどの「注文画面(発注画面)」を見ることです。

楽天証券のマーケットスピード
マーケットスピードの発注画面

楽天証券のマーケットスピード2
マーケットスピード2の発注画面

SBI証券 株アプリ
SBI証券 株アプリの発注画面

SBI証券 WEB
SBI証券の発注画面

GMOクリック証券 WEB
GMOクリック証券の発注画面

大きく値上がり・値下がりしそうな銘柄があれば、発注画面を立ち上げることで「本日のストップ高・ストップ安の価格」がすぐにわかります

サーキットブレーカー制度とは

ブレーカー

サーキットブレーカー制度は、主に株価指数先物取引で導入されている仕組みです。

日本の場合、日経225先物・オプション取引やTOPIX先物・オプション取引、そして債券先物取引などの「株価指数先物取引」があります。

日本だけでなく、世界の株式市場もサーキットブレーカー制度を取り入れており、急激な暴騰・暴落が起こると取引が一時停止されます。

サーキットブレーカーは、いわゆる「電気のブレーカーを落とす」という意味です。

ブレーカーを落とす(取引を中断する)ことで、「焦らず、一旦休止して冷静になりましょう」というメッセージを投資家に送るということですね。

業界用語では、転換社債のことを「CB」と言いますが、サーキットブレーカーのことを「CB」と表すこともあります

サーキットブレーカー制度は、前述の値幅制限とは違い「一定の発動条件に達した場合に、一定の時間取引が中断される」という特徴をもっています。

なお、日本の株式市場では

  • 先物取引:サーキットブレーカー制度
  • 現物取引:値幅制限(ストップ高・ストップ安)

が設けられているため、先物がサーキットブレーカーによって一時停止しても、個別株は動き続けます

なお、日経225先物やTOPIX先物は、日経225構成株や東証一部に上場している個別株に連動して動きます。

株価指数先物でサーキットブレーカーが発動したということは、動き続ける個別株もそれ相応に叩き売られるということです。

サーキットブレーカーの発動条件

東京証券取引所

日本のサーキットブレーカー発動条件は以下の通りです。

サーキットブレーカー発動条件

▼株価指数先物取引

  • 一定の変動幅を超えると発動
  • 東証は2段階・大証は3段階の制限値幅を設定
  • 10分間の取引停止
  • 大証:14時45分から日中立会終了時まで、23時からイブニング・セッション終了時までは発動しない
  • 東証:11時15分から前引けまで、14時45分から大引けまでは発動しない

日経225先物やTOPIX先物などは大証で取引されているため、最大で1日3回のサーキットブレーカーが発動する可能性があります

▼債券先物取引

  • 1日で価格が2円以上変動したら発動
  • 15分間の取引停止
  • 14時35分以降は発動しない
  • 発動するのは1日一度だけ

詳細:制限値幅、サーキット・ブレーカー制度(日本取引所グループ)

繰り返しますが、サーキットブレーカーは「頭を冷やして冷静になる」ために設けられた制度です。

しかし、過去の経験から言って「暴落でサーキットブレーカーが発動した場合、解除されても下げ続ける事が多い」と感じます。

次の記事:私の株式投資の失敗談、敗戦から共通点を学ぶのが最強の投資法

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執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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