MMFとMRFは何が違うの?投資初心者でもわかるメリット・デメリット
執筆者:川原裕也
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定期預金と似た安全資産にMMFやMRFでの運用があります。
どちらも元本保証に極めて近い、安全性が高い商品であり、利回りも似通っています。
定期預金とMMF・MRFの違いとしてわかりやすいのは、「定期預金は銀行が提供する商品」であり「MRF・MMFは証券会社が提供する商品」だということです。
つまり、基本的にMMFもMRFも証券会社から買付を行うことになります。
定期預金とMMF・MRFの違いは別の記事で解説します。今回はMMFとMRFの違いについてわかりやすくまとめたいと思います。
MMFとMRFの違い
MMFとMRFの大きな違いは、「自動的に買付が行われるものか」、「自分が申し込んで買付をするものか」です。
- MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
- MMF(マネー・マネジメント・ファンド)
MRFは「マネー・リザーブ」、すなわちお金を蓄えておくための商品です。証券口座を開設して入金をすると自動的に買付が行われます。
証券口座も銀行と同じくお金を入れておくと利息に相当する分配金がもらえます。これは、MRFの運用による分配金です。
つまり、MRFは証券会社版の「普通預金」と言えます。(もっとも最近は低金利に伴いMRFの運用を停止している証券会社も目立ちますが)
一方で、MMFは「マネー・マネジメント」、つまり完全な「資産運用」の一種です。あなた自身が、「MMFを買いたい」と意思表示し注文を出して買付をします。
MRFとの大きな違いは、「MRFよりも若干利回りが高い」、「30日以内に解約すると信託財産留保額として1万口あたり10円(0.1%)のペナルティが発生する場合がある」ということです。
つまり、MMFは証券会社版の「(変動金利の)定期預金」と言えますね。
また、MMFには様々な種類があります。その代表的なものが外貨建てMMFで、「米ドル建てMMF」や「ユーロ建てMMF」など通貨を選択することも可能です。
一方で、MRFには「外貨建てMRF」というものは存在しません。
1億円の投資術の管理人としても、外貨建てMMFはおすすめ商品の一つです。私は、米国株の待機資金として米ドルのまま米ドルMMFを買い付けています。
米ドルMMFには30日以内解約のペナルティがないケースも多いので、MRFと同じような感覚で利用しています。
▼米ドルMMFの詳細記事はこちら
あわせて読みたい:
外貨建てMMF(米ドル建てMMF)の手数料や利回り 4社比較
どちらも安全性の高い商品
MRFもMMFも公社債投信の一種です。
つまり、国債や地方自治体の債券など、安全性の高い資産で運用を行います。
■MRF・MMFに組み込まれる資産の例
- 国債(国が発行する債券)
- 地方債(地方自治体が発行する債券)
- 金融債(金融機関が発行する債券)
- 電力債(電力会社が発行する債券)
- コールローン(金融機関同士の1日程度の短期の貸付金)
- 割引手形
これらの公社債で運用して生まれた利益を「分配金」として私たち投資家に還元します。
定期預金と違って、運用結果によって利回りが変化するのもポイントです。利回りは概ね安定しているのですが、運用会社や市況によって変化します。
大抵の場合、MRFは銀行預金よりも高い利回りを提供しますが、市況が悪く安定した利回りが提供できない場合は、一時的に運用を停止することもあります。
いずれにせよ、MRFもMMFも「安定運用」を目的とした商品なので、「元本割れは絶対に避けなければならない」という意思で運用されています。
元本保証ではない
普通預金や定期預金は元本1,000万円+利息分まで「ペイオフ(預金保護)」によって守られているので、完全な元本保証です。
しかし、MRF・MMFは安全な資産とは言え、実際に運用を行いますので、100%元本保証ではありません。
これまでの歴史上、MRFは元本割れをしたことがないのですが、MMFは世界で一度だけ元本割れを起こしたことがあります。
米国のエネルギー商社エンロンが2001年11月に破綻した際に、一部の運用会社がその影響を受けて、MMFを元本割れさせてしまいました。
2001年のエンロン事件においても、野村證券が提供する「野村MMF」は元本割れを起こさず、これは伝説として語り継がれています。
なお、元本割れが起こったのは「外貨建てMMF」であり、円建てMMFについては、野村證券以外の金融機関でも、過去に一度も元本割れを起こしていません。
しかし、自動的に買付がおこなわれるMRFはこれまで、世界で一度も元本割れが起こったことはないので、普通に証券会社に現金を預ける分には安全と言って問題ないと思います。
ちなみに、証券会社が破綻したらどうなるのか?と思う方もいると思いますが、銀行と違って証券会社は顧客資産を「分別管理」しています。
もし証券会社が破綻しても、預けているお金は無傷の状態で保管されているので、元本保証と言って問題ありません。
加えて、証券会社が破綻した場合でも、その証券会社が「投資者保護基金」に加盟していれば、最大1,000万円までが基金によって補償されます。
一般的に知られる証券会社はすべて「投資者保護基金」に加入しています。
外貨建てMMFで安全性と利回りを追求
MRFとMMFの違いをまとめると、以下のようになります。
- MRF
- 自動的に買付が行われ、証券口座の待機資金が運用に回される。MMFよりも利回りが低いが、安全度が高くペナルティもない。普通預金のようなもの。
- MMF
- 自分の判断で買付を行う。MRFよりも利回りが少し高く、安全性も高い。しかし、30日以内に解約すると0.1%程度のペナルティが発生することも。
また、外貨建てMMFという商品もある。銀行で言う定期預金(変動金利・満期なし)のようなもの。
MRFやMMFを、銀行の普通預金、定期預金の金利と合わせて資産運用の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
もし、為替リスクを取れるのであれば、安全性と利回りの高さをあわせ持つ、米国国債への投資もおすすめです。
年間の利回りが2%を超える「米ドル建てMMF・米国国債」投資の比較記事はこちらです。あわせてご覧ください。
あわせて読みたい:
米国債・債券ETF・外貨建てMMF・外貨定期預金のメリット・デメリットを比較
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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