iDeCoの口座管理手数料が安いのは?銀行や証券会社の手数料を比較

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口座管理手数料でiDeCoに差

最近、銀行や証券会社に行くと「個人型確定拠出年金(iDeCo)がおすすめです」と大きく宣伝をしています。

たしかに、iDeCoは国が後押しする制度であるため、将来の年金に安心を加えたり、大きな節税効果が見込めます。

NISAとiDeCoは、これまで資産運用をしてこなかった人にとっても、将来の資産形成のための強い味方になります。

しかし、個人型確定拠出年金「iDeCo」にただ加入すれば良いというわけではありません。

iDeCoは金融機関選びを間違えると、とてつもなく損をしてしまう可能性があり、将来受け取る年金に大きな差が生じてしまいます。

途中で金融機関を変更することもできますが、iDeCoは最大で40年の運用期間となるため、できることなら最初から良い金融機関を選びたいものです。

iDeCoで必要な手数料

計算機

iDeCoはどのような投資信託を選ぶか?が重視されがちですが、実は金融機関ごとに手数料が異なっています

毎月500円の口座管理手数料をとる金融機関もあれば、最初から口座管理手数料を0円にしているところもあります。

両社を比較すると年間6,000円の差が生じ、仮にこれを40年間とすると、口座管理手数料だけで24万円もの差がついてしまう計算となります。

まずは、iDeCoで必要な手数料をまとめてみます。

ポイントとしては「すべての金融機関で共通」の手数料と、「金融機関によって異なる」手数料の2つがあることです。

◆加入時・移管時にかかる手数料
iDeCoへの新規加入時または企業型確定拠出年金から移管した時に一度だけ発生する初期費用です。
国民年金基金連合会手数料:2,829円(税込)(すべての金融機関で共通)

◆掛金拠出時に発生する費用
口座管理手数料:金融機関によって異なります
国民年金基金連合会手数料:月額105円(年間1,260円)(すべての金融機関で共通)
事務委託先金融機関手数料:月額66円(年間792円)(すべての金融機関で共通)

※国民年金基金連合会手数料は掛金拠出時のみ発生、その他の費用は掛金を拠出しなくても発生

◆給付時にかかる手数料
将来、iDeCoを年金として給付を受ける時に発生する費用です。
事務委託先金融機関手数料:440円 / 1回あたり(すべての金融機関で共通)

◆還付時にかかる手数料(特例)
掛金を限度額以上に拠出してしまった場合や、加入資格がない月に拠出してしまった場合などの繰戻し手数料です。
国民年金基金連合会手数料:1,048円 / 1回あたり(すべての金融機関で共通)
事務委託先金融機関手数料:440円 / 1回あたり(すべての金融機関で共通)

◆将来もし他社に移管した場合(特例)
移管手数料:金融機関によって異なる(通常4,400円)

※税込です

※iDeCoの掛金は年単位でも支払いができます。
1年分をまとめて支払うことや、ボーナス時に増額して掛金を積立する、またはボーナス一括で1年分を支払うといったことが可能です。

国民年金基金連合会の手数料(月額105円・税込)は原則として掛金拠出時に支払います。つまり、掛金一括払いにすると国民年金基金連合会の手数料を11ヶ月分節約できます。

◆移換時手数料
金融機関を変更する時や、企業型確定拠出年金に移行する時に、元の金融機関に支払うペナルティのようなものです。
金融機関によって異なりますが、たいていは4,400円(税込)

どの金融機関でiDeCoに加入しても共通の手数料は比較のしようがないので、「金融機関ごとに異なる手数料」である「口座管理手数料(運営管理手数料)」を比較することが大切です。

iDeCoの口座管理手数料を比較

比較

基本的に「掛金拠出時に発生する手数料(口座管理手数料)」以外は、すべての金融機関で共通であることや、(金融機関移管時のペナルティなど)特殊な一時費用です。

金融機関によって差があり、毎月継続して発生するのは実は「口座管理手数料」のみなのです。

口座管理手数料は毎月発生するものなので、数百円の差が1年間で大きな差となり、数十年間の運用においては運用結果に大きな影響を及ぼす金額となります。

下記の表は、主要な金融機関の口座管理手数料の比較です。(10%税込です)

金融機関名 口座管理手数料 無料条件
楽天証券 0円(完全無料)
SBI証券 0円(完全無料)
マネックス証券 0円(完全無料)
大和証券 0円(完全無料)
スルガ銀行 341円
第一生命 321円 iDeCo資産残高150万円以上で無料
野村證券 288円 月額1万円以上の掛金またはiDeCo資産残高100万円以上で無料
SMBC日興証券 260円
みずほ銀行 260円 一定条件を満たすと無料
三菱UFJ銀行 260円
三井住友銀行 260円
ゆうちょ銀行 259円
りそな銀行 322円 当初2年間は無料。りそな銀行を掛金引き落とし口座にすると267円に
横浜銀行 291円
MYDC 297円
池田泉州銀行 316円
住友生命 319円
西日本シティ銀行 326円
信用金庫 303円
福岡銀行 309円

※記事更新時点(2019年11月15日)の情報です
※三菱UFJ銀行(ライトコース)、第一生命保険(Vプランα)、三井住友銀行(標準プラン)、ゆうちょ銀行(ゆうちょAプラン)、西本シティ銀行(恋するiDeCoプラン)で比較

無料条件の有無が大きな差に

貯金箱

証券会社や銀行のiDeCoの口座管理手数料を比較してみると、大きく差があることがわかります。

iDeCoで特に強いのは、楽天証券SBI証券などのネット証券です。

業界大手では大和証券も強いのですが、大和証券は投資信託の商品ラインナップがSBI証券と比較して見劣りします。

銀行ではメガバンクのみずほ銀行が特に力を入れています。

証券会社にはおよびませんが、口座管理手数料や商品ラインナップなどが比較的優れています。

しかし、みずほ銀行のiDeCoは一定の条件を満たさなければ口座管理手数料が0円になりません。

このように比較してみると、やはりネット証券のiDeCoを選ぶメリットが非常に大きいと感じます。

ネット証券に対して不安を感じる方もいるかもしれませんが、iDeCoの金融機関はいつでも変更できるので、もし楽天証券やSBI証券が将来、倒産するかもしれないという状況に陥ったとすれば、金融機関を変更すれば問題ありません。

ちなみに、iDeCoの資産はすべて信託銀行で分別管理されているので、万が一金融機関が破綻しても積立した年金資産に影響が及ぶ心配はありません。

また、信託先である信託銀行が破綻しても、顧客資産は分別管理されているため守られます。

Q 金融機関が破綻したらどうなりますか?

A iDeCoの加入窓口となった金融機関が破たんしても、iDeCoの運用資産は信託財産として信託銀行で管理されているので、金融機関の破たんが運用資産に影響することはありません。
また、商品を提供している金融機関が破たんした場合、たとえば、預金の場合は預金保険機構、保険商品の場合は生命保険契約者保護機構、損害保険契約者保護機構などによって資金の一部が保護されています。また、投信会社が破たんしても運用資産は信託銀行が管理していますので、運用資産に影響が及ぶことはありません。肝心の信託銀行が破たんした場合も、信託財産は分別管理が義務付けられているため、資産は保護されています。

iDeCoは数十年の長期運用となるため、大手証券会社やメガバンクなど、大手で運用したほうが安心できると思う方もいると思いますが、実際は上記のとおり、どの金融機関で運用しても安心です。

事実、私はSBI証券のiDeCoで運用を行っています。

管理人も愛用 SBI証券のiDeCo

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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