ベータ値とは?リスクの低いポートフォリを作る上で欠かせない指標

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β値

ベータ値(β値)とは、市場平均に対する個別銘柄の感応度を示す指標で、日本語では「市場感応度」といいます。

ここでいう「市場平均」とは、日経平均やTOPIXなどの株価指数のことです。株価指数に対して、値動きが大きいか小さいかという度合いを数値化したものが「ベータ値」です。

(プラス・マイナスに限らず)ベータ値が大きいほど値動き(ボラティリティ)が大きくリスクが高い銘柄と言えます。

理論株価の算出方法「DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)」でも用いられる数値なので、ベータ値がどういうものか知っておいて損はないと思います。

今回は、ベータ値についてやさしく解説するとともに、投資初心者の方でもすぐに自身の投資に取り入れられる方法も合わせて解説します。

ベータ値を1分で理解する

リスクマネジメント

ベータ値がどのようなものかを理解するには、事例を交えて説明するのが一番だと思いますので、下記にいくつかの例を紹介します。

※ここでは市場平均を日経平均株価として説明します。

ベータ値が1の銘柄
日経平均が3%上昇すればその銘柄も3%上昇し、日経平均が2%下落すれば同じく2%下落する。つまり、日経平均株価に値動きが連動する個別銘柄のことです。

ベータ値が1.5の銘柄
日経平均が1%上昇すると、その銘柄は1.5%上昇し、日経平均が1%下落するとその銘柄は1.5%下がる。つまり日経平均株価よりも値動きが大きいので、リスクが大きい銘柄と言えます。

ベータ値が0.5の銘柄
日経平均が1%上昇した時に、0.5%しか上昇しません。逆に、日経平均が1%下がっても0.5%しか下がらないため、防御力が高い銘柄と言えます。市場平均に対して儲けも損失も小さいため、リスクが小さい銘柄と判断できます。

ベータ値が-1の銘柄
日経平均と逆の動きをする銘柄のベータ値には「マイナス」が付いています。日経平均が1%上がった時に、その銘柄は1%下がります。逆に、日経平均が1%下がった時に1%上昇します。

ベータ値が-1.5の銘柄
日経平均と逆の動きするするかつ、値動きが大きい銘柄です。値動きが大きいという点でリスクは大きいのですが、ベータ値がプラスの銘柄と組み合わせることでリスクの低減を図れます。

ここで重要な視点は、ベータ値はあくまでも過去の値動きの実績によって算出されるものだということです。

例えば、ベータ値が1.5の銘柄は、日経平均株価が1%上昇すると1.5%上昇しますが、それは過去の値動きが「そうであった」というだけです。

将来ずっとその値動きが継続するのかどうかは、誰にもわかりません。

とはいえ、後述のとおり「ベータ値は銘柄ごとにほぼ一定」であると言われています。

計算方法

計算する女性

ベータ値の計算方法として、野村證券ではシンプルにこのように表現しています。

β = 個別証券のリターン ÷ 市場全体のリターン

しかしながら、個別銘柄の株価・市場平均ともに毎日変動するものなので、ベータ値には一定の算出期間が必要であると言われています。

なぜなら、その銘柄が決算発表などで一時的に大きく変動した時のベータ値を利用するのは正確性に欠けるからです。

算出期間の平均は厳密には定められていませんが、ベータ値を発表している日本経済新聞社の場合は、ベータ値の算出期間を3年平均にしています。

算出に平均値を用いているため、個別銘柄のベータ値は概ね一定であると言われています。

各個別株式のβは過去のデータから計算され、よほどのことがない限り一定である

ベータ値を意識した組み合わせでポートフォリオを作る

ポートフォリオ

上記のように、ベータ値をリスク指標としてポートフォリオの作成に活用できます。

例えば、ベータ値の高いハイリスクな銘柄ばかりを保有すると、日経平均株価が上がったときは大きく儲けられますが、下がった時に大きな損失を被ってしまいます。

ハイリスクなポートフォリオにならないように、ベータ値の低い銘柄を組み合わせることでリスクを落とすことができます。

また、日経平均の値動きに逆行する銘柄(日経平均上昇時に下落し、日経平均が下がると上がる)を組み合わせることで、空売りをしなくても株価の下落に対する耐性を作ることができます。

ウォーレン・バフェット氏の投資手法にもヒントが?

レバレッジ

投資の世界では知らない人はいないほど有名なウォーレン・バフェット氏は、長期投資で資産を築いたことで知られています。

また、ウォーレン・バフェット氏は借金を嫌う発言を何度もしていますが、ある研究によるとウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社は、レバレッジを効かせた投資をしていたようです。

研究者たちの推定では、バークシャーは平均して資本に60%のレバレッジを効かせ、会社のリターンを大幅に高めていたという。さらに良いことに、バークシャーは低利で資金を借りられた。同社の債務は1989年から2009年までトリプルAに格付けされていたからだ。

――ベータ値の低いポートフォリオとレバレッジ――がバフェット氏の優れたリターンをほぼすべて説明している、と論文の執筆者たちは理解している。

つまり、値動きの大きいハイリスクな銘柄に投資をするよりも、ベータ値の小さい低リスクな銘柄にレバレッジを効かせて投資をした方が高パフォーマンスになるというのです。

この議論の信憑性はさだかではありませんが、「ベータ値の低い銘柄+レバレッジ」の組み合わせは、投資方法の一つとして考えてみるのも良いと思います。

ウォーレン・バフェットに関する情報は、特集「OKバフェット」を御覧ください。

ベータ値が見れるサイト

ファンドマネージャー

ベータ値は自分で計算して算出するのは困難です。

日本経済新聞社など、ベータ値を公開しているサイトから数値を拾ってくるのが一般的です。

ベータ値が閲覧できるサイトには以下のようなものがあります。

kabu-data.info
現時点のβ値だけでなく過去のベータ値も見れるサイトです。

MSNマネー
個別銘柄の概要ページで閲覧できます。

Googleファイナンス
英語ですが証券コードを入力すれば日本株のベータ値が見れます。海外株式のベータ値もチェックできます。

日本経済新聞(有料会員のみ)
ベータ値の高い銘柄ランキングは無料で見れますが、個別銘柄のベータ値は日経の有料会員のみに提供されているデータです。

他にもベータ値が閲覧できるサイトがあれば教えてください。

次の記事:生き残ることが一番の投資法、損切りの目安を学んで勝てる投資家になる

知っておきたい投資の情報

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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