貯金できない人は意志が弱い、安田財閥「安田善次郎」が教える究極の蓄財術を学ぶ

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安田善次郎

本日から新たに「貯金」をテーマとして記事を書いてみます。カテゴリ名は「貯金部(ちょきんぶ)」としました。

大規模な金融緩和が行われている2019年現在、「有り金は全て使うべき」「お金は使えば使うほど入ってくる」といった意見も出てきています。

しかし、今も昔も「お金を貯めることの大切さ」は不変であると私は考えています。

私が尊敬する投資家のウォーレン・バフェットは、お金についてこのように述べています。

お金は人間にとっての酸素のようなもので、あれば考えることすらないのに、なければそれ以外のことは考えられなくなる

長い人生では、病気や怪我などでお金を稼ぐことができなくなったり、急な出費が重なることもあります。貯金はこうした事態に備えるための行為でもあります。

安田財閥を築いた「安田善次郎」は、みずほ銀行の前進となる安田銀行の創始者です。

また、現在の明治安田生命や東京建物、損保ジャパンなど、日本を代表する企業を設立した人物でもあります。

安田善次郎が自身の考えを語った書籍「富の活動(著者:安田善次郎 編者:菊池暁汀)」は、明治44年(1911年)に発刊され、当時のベストセラーとなりました。

富の活動には、安田善次郎が自ら実践してきた「蓄財術」が書かれており、その方法は現代においても十分通用するものです。

積土成山と勤倹がすべて

積み木

安田善次郎の書著「富の活動」で述べられている重要なキーワードは、

  • 積土成山
  • 勤倹

の2つです。

「積土成山」は「ちりも積もれば山となる」という意味であり、「勤倹」は「勤勉と倹約、つまり一生懸命学び、働き、節約を心がけよ」という意味です。

この2つの言葉(あるいは意味)は多くの人が知っていると思います。しかしそれを実践できている人はほとんどいません

逆に言うと、この2つを実践できれば、他の多くの人よりも豊かな生活を送ることができるということです。貯金は決して難しいものではありません。

では、具体的にどのような方法で貯金をすればよいのか。安田善次郎は「利益の2割を差し引いて貯金する」ことを推奨しています。

利益の2割を貯金せよ

給与明細と預金通帳

安田善次郎の蓄財術の根幹となるのは「利益の2割を差し引いて貯金する」というやり方です。

この言葉には2つの重要なポイントがあります。

1つめは「稼ぎの2割」ではなく「利益の2割」だという点。

書籍には「毎月末に収支計算をしてその純利益の中から二割を差し引いて非常準備としておく。」と書かれていますが、これは事業者向けの話ですので、サラリーマンだと解釈が少し異なります。

事業者
毎月の純利益から2割を差し引いて貯金する。
サラリーマン
給与明細の総支給から税金や社会保険などを差し引いた「手取り収入」の2割を貯金する。

月末に残ったお金を貯金するのではなく、サラリーマンの場合は「手取り月給」として支払われたお金をまず2割差し引いて貯金し、残った8割のお金を生活費などに使います。

大切なことなのでもう一度言いますが、残ったお金を貯金するのではなく、給料を受け取ったらまず最初に貯金を優先し、その上で残ったお金を使います

安田善次郎は「2割の貯金」については「どんなことがあっても絶対に手を付けない」と言っています。

純利益(手取り収入)の2割の貯金は絶対であり、また貯めたお金にも絶対に手を付けない。このように考えているのです。

というのも、人生ではいろいろなイベントが起こります。

急なトラブルが起こったり、どうしても欲しいものが出てきたり、2割の貯金を差し引いた8割では生活が苦しくなることもあるかもしれません。

しかし、安田善次郎は断固として「毎月2割の貯金と、積み立てたお金を使わないこと」を守ってきました。

お金が足りなくなるようなことがあったら、極貧生活をしてでも上記の「鉄のルール」を守ったのです。

そしてもちろん、お金がないからと言って他人を頼る行為(つまり借金)をしてはなりません。

安田善次郎は「貯蓄ができない人」は、

  • 意志の弱い人
  • 他人を頼る人

であり、「貯蓄する余裕がない」はただの言い訳とまで言い切っています。

少し古臭い考えかもしれませんが、こうした断固とした決意が、安田善次郎という稀代の大富豪を生み出したのです。

どうしても貯金ができない人は、安田善次郎に習い「どんなことがあっても、意地でも手取りの2割は貯金してやる」と心に刻むべきです。

やってできないことはありません。

「お金持ちになりたい」という意思の強さが、貯蓄を実現しお金持ちになる人と、そうでない人を分けるのです。

貯金ができないということは、言い換えれば「誘惑に負けた人」「自分の意志が弱い人(自分軸を持たない人)」であり、そのような人の手元にお金が残ることは決してありません。

補足です。
給料の2割を貯金すると、どう頑張っても生活できない、または極貧生活を強いられてしまうという方もいるかもしれません。

このような場合は、お金の使いみちを見直して費用を切り詰め、残った8割のお金で生活ができるような体制を自分自身で作る必要があります。

お金を使いすぎてしまうポイントは大抵、住宅、自動車、保険です。

これらの費用は削るのが難しいかもしれませんが、もし残った8割のお金で生活できないなら、車を売ったり、より家賃の低い家に引っ越すなどの決断も時には必要です。

安田善次郎も「若い人はたくさん稼ぐことが幸福だと思っているが、余分に儲けるよりも支出を少なくすることの方が重要だ」と言っています。

まずは小さく始めるべし

最初の一歩

利益の2割を貯金することは、これまで貯金してこなかった人にとっては高いハードルだと思います。

安田善次郎も、最初から無理をすることはないと言っています。

なぜなら、無理をしてやろうとしても続かないことを知っているからです。無理な目標を立てると「継続性」に問題が出てきます。

安田善次郎が19歳で江戸に移住した当時「無理をすれば収入の5割を貯蓄することもできたが、それだと続かないので2割にした」そうです。

決して無理をせず、出来る範囲から始めて徐々に大きくしていく、これが安田善次郎流の考え方です。

書籍「富の活動」では仕事に対する考え方も語っています。

安田善次郎は「無理をしない慎重なやり方」を実践してきたため、大きな失敗をしたことがないと語っています。一方、多くの人が「無理に急いで失敗し、結局遠回りをしてしまう」と言っています。

まずは1割でも0.5割でも構わないので、自分のできる範囲で貯金をはじめ、習慣化することが大切です。

貯金することが習慣になると、それが苦ではなくなります。

貯金の習慣を身につけた後に、毎月の貯金額を2割に引き上げていけばよいのです。

貯金の大切さは世界共通だ

バビロンの大富豪

安田善次郎が書籍「富の活動」を出版したのは1911年です。(2019年時点で108年前)

生まれは1838年で、書籍によると19歳の時から「2割貯金」を始めたそうなので、1857年ごろにはこの方法を独自に実践していたことになります。(2019年時点で162年前)

一方、私が過去に読んだ「バビロンの大富豪」という書籍にも「収入の1割を貯金すべし」という同じような内容が書かれていました。

バビロンの大富豪はアメリカで1926年に書かれた本で、名著として知られています。(2019年時点で93年前)

また、200年以上前にはベンジャミン・フランクリンが貯金の大切さについて語っていましたし、現代でも変わることなく、ウォーレン・バフェットなどが貯金の大切さを説いています。(残念ながら現代の日本の著名人で、貯金の大切さを語る人はほとんどいませんが…)

国が違っても、時代が違っても、収入の一部を貯金することは不変であるということです。

繰り返しますが、多くの人が「積土成山(ちりも積もれば山となる)」と「勤倹(勤勉と倹約)」を知っていながら、それを実践できていません。

本気でお金持ちになりたいと望むなら、まずはこの意識を自分で変え「断固として利益の一部を貯金する」ことを決めるべきでしょう。

今日から毎月2割の貯金をはじめよう

富の活動:安田善次郎

安田善次郎の著書「富の活動」は当時の言葉遣いで書かれているため、少し読みにくいです。

現代語訳版が「大富豪になる方法」というタイトルで出版されているのですが、こちらは出版社が「幸福の科学出版」となっており、(宗教団体系列の出版社なので)少し気になる方もいるかもしれません。

私自身はまず最初に現代語訳「大富豪になる方法」を読み、その後に原書である「富の活動」を読みました。

やはり原文を読む方が心に残りますが、最初に現代語訳を読んでからの方が、原書の意味も理解しやすいと思います。

富の活動(原書)
富の活動
大富豪になる方法(富の活動の現代語訳版)
大富豪になる方法

また、実際に安田善次郎流の貯金法を実践する上で「お札の貯金箱はないのか?」と探してみたところ、Amazonで下記のようなアイテムを見つけたので紹介しておきます。

毎月の手取り月収が20万円なら、まず4万円を貯金箱に入れ、残りの16万円で生活する。お札用貯金箱を使うことで、安田善次郎の蓄財術を実践しやすくなると思います。

もちろん、銀行口座で資金を自己管理できる人であれば、貯金箱は使わなくても問題ありません。

ARARAGI 鍵付ボックス
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次回予告:
私たち消費者を惑わす「ラチェット効果」について学びます。

今回の記事では「みな貯金の大切さを知っているのに、それを実践できる人がいかに少ないか」を強調しました。

すべての人間には「心理的な欠陥」があります。

自分ではやろうと思っていても、知らないうちにそれができなくなるような状況に陥っているのです。

ラチェット効果を知ることで、こうした「心理的なワナ」を避けることができ、より確実な貯金を実現できます。

次の記事:ラチェット効果に陥るな!ビジネスには良いが貯金には大敵となる習慣の力

「今、私は貯金を頑張っています」という人をみんなで応援しあう「貯金部 掲示板」を開設しました。

貯金に関する話題をみんなで語り、それぞれが貯金できる人になり、目標金額を貯められるようになることを目指す掲示板です。

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執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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