mattoco(マットコ)は証券会社と何が違う?選ぶべき投資信託もやさしく解説
執筆者:川原裕也
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mattoco(マットコ)は、資産運用会社の三菱UFJ国際投信が展開する、投資信託の直接販売サービスです。
通常、投資信託は銀行や証券会社を通じて購入します。
資産運用会社が作った商品を、証券会社や銀行が「代理販売」します。
しかし、mattocoは証券会社ではありません。もちろん銀行でもありません。
最近では、資産運用会社が自ら、自社商品を「直接販売」することも増えています。
銀行や証券会社に口座開設をしなくても、資産運用会社(商品を作った会社)から直接、投資信託を購入できるのが、mattocoのメリットです。
目次
直接販売で投資信託を買うメリット
mattocoのような直販サイトで投資信託を購入すると、メリットはあるのか。
証券会社や銀行を通じて購入するケースと、資産運用会社の直接販売で購入するケース、それぞれの違いをまとめます。
厳選された商品から選べる
銀行や証券会社では、数多くの投資信託を販売しています。
ネット証券にもなると、その数は2,000種類を超え、初心者にとっては「どれを選べば良いかわからくなってしまう」ことも多いです。
選べる投資信託の種類が多いことは、有利なようであって、私たちの判断を惑わせる要因にもなります。
一方、mattocoでは三菱UFJ国際投信が作った自社商品のみを販売します。
加えて、三菱UFJ国際投信の商品の中でも徹底して厳選した一部の商品だけを販売するため、迷うことがなく、商品を選びやすいです。
また、mattocoだけでしか買えない「オリジナル投資信託」も用意しています。
情報が多すぎると迷ってしまう、シンプルに選びたい。このような人にとって、直接販売サービスを利用することは大きな利点です。
mattocoで選ぶべき商品については、後ほど詳しく取り上げます。
資産をシンプルに管理できる
繰り返しますが、mattocoは証券会社ではありません。
よって、銀行や証券会社に口座開設する必要はありません。
もちろん、mattocoを利用するにあたり、mattocoの口座開設は必要です。
しかし、mattocoの口座では
- 投資信託の購入・売却
- 保有中の投資信託の管理
という2つのサービスだけが提供されるので、資産をシンプルに管理できます。
銀行や証券会社に口座を作ると、投資信託以外のサービスが利用できるようになってしまったり、営業マンからの営業を受けたり、またダイレクトメールが届いたりします。
こうした、自分にとって不必要な営業を極力少なくしたいという方にとっては、mattocoのような、サービスが限定された仕組みの方が扱いやすいと思います。
「老後2,000万円問題」などを受けて、老後に備えた資産運用を始めたい。
しかし、複雑な商品や投資サービスには興味はなく、できる限りシンプルに、2,000万円という目標だけを追求したい。
このような人には、直販口座がおすすめです。
実際、銀行や証券会社に口座を作ると、様々な商品を勧められたり、ダイレクトメールが届いたりします。
幅広い商品や複雑な商品を求める人にとっては、選択肢は多いほうが良いですが、そうではなく、シンプルに管理をしたい方には、サービスが限定されている口座の方が安心です。
手数料は同じ
投資信託には大きく分けて3つの手数料があります。
- 購入時手数料
- 信託報酬(運営管理手数料)
- 信託財産留保額
直販口座を利用することで、これらの手数料が安くなるという意見もあります。
しかし、mattocoに限っては、直販口座だからといって手数料が安くなるわけではありません。
銀行や証券会社で購入しても、mattocoで購入しても、手数料は同じです。
「購入時手数料」とは、投資信託の購入時に一度だけ支払う手数料です。
mattocoでは、どの商品を選んでも購入時手数料は0円です。しかしこれは、証券会社や銀行で購入した場合でも同じです。
「信託報酬(運営管理手数料)」とは、投資信託の保有期間中、継続的に発生する手数料です。
日割り計算で差し引かれますが、通常は年率で表記します。信託報酬は、基準価額(投資信託の株価)に含まれますので、私たちが直接手数料として払うことはありません。
手数料を差し引いた状態の価格が、基準価額(投資信託の株価)に反映されています。
私たちから徴収した信託報酬(運営管理手数料)は、
- 委託会社
- 資産運用会社。今回の場合は三菱UFJ国際投信。
- 販売会社
- 銀行や証券会社など、販売を担当する会社。今回の場合はmattoco(三菱UFJ国際投信)。
- 受託会社
- 資産を管理する信託銀行。
の3社に分配されます。
直販口座では、販売会社(銀行・証券会社)を通さない分、手数料が安くなると思われがちです。
しかし現時点ではmattoco(三菱UFJ国際投信)の取り分が多くなるというだけで、私たちがコスト面での恩恵を受けるには至っていません。
よって、考え方としては「直販口座を利用することで、(中抜きがなくなる分)私たちの資産を運用してくれる会社により多くの手数料を渡すことができる」という感じです。
将来的に、「mattoco経由で購入すると、銀行や証券会社で同じ投資信託を買うよりも手数料が安くなる可能性」もありますが、その可能性は低いと個人的には考えています。
直販口座だからといってコスト面で優遇されるわけではありませんが、運用を担当してくれる人に、より多くの取り分を渡せるという「気持ち」は、直販口座を選ぶ理由の1つになると思います。
「信託財産留保額」は、解約時に一度だけ発生する手数料です。
信託財産留保額が0円の投資信託もあれば、解約時にわずかな手数料がかかる商品も存在します。こちらも、直販・販売会社(銀行・証券会社)どちらで買ってもコスト面は同じです。
三菱UFJフィナンシャル・グループという安心感
詳しくは後述しますが、mattocoで買える「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」という投資信託は、いま最も個人投資家から支持されている商品です。
しかし、eMAXIS Slimは圧倒的低コストであるために、販売会社がかなり限定されています。
言い換えると、主にネット販売が中心で、メガバンクや大手証券会社では購入できません。(三菱UFJ銀行のインターネットバンキングでは購入できますが、取り扱いのない商品もいくつかあります)
ネット証券やネット銀行ならeMAXIS Slimを購入できます。しかし、ネット証券・ネット銀行で資産を管理するのは不安だと感じる方も多いと思います。
厳密には、ネット証券やネット銀行で投資信託を購入してもまったく問題ありません。
なぜなら、私たちの資産は「信託銀行」が預かるため、銀行や証券会社が倒産しても、保有資産が失われてしまうことはないからです。
しかしそれでもまだ、ネット証券やネット銀行には抵抗がある人が多いように思います。
mattocoもネット販売にはなりますが、金融大手の三菱UFJフィナンシャル・グループであるため、安心して投資信託を購入できます。
mattocoを運営するのは、資産運用会社の「三菱UFJ国際投信」です。
三菱UFJ国際投信は、三菱UFJ信託銀行の100%子会社です。
そして、三菱UFJ信託銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループの100%子会社です。
わかりやすく言うと、資本関係は「三菱UFJフィナンシャル・グループ → 三菱UFJ信託銀行 → 三菱UFJ国際投信」となっており、三菱UFJ国際投信は三菱UFJフィナンシャル・グループの孫会社にあたります。
三菱UFJフィナンシャル・グループの資産運用会社が手掛ける直販サービスからの投信購入ということであれば、ネット証券・ネット銀行が苦手な人でも安心して購入できるのではないかと思います。
mattocoで選ぶべき商品は?
mattoco(マットコ)では大きく3種類の投資信託を取り扱います。
- eMAXIS Slimシリーズ
- 圧倒的な低コストを実現。個人投資家に支持されるインデックスファンド。
- eMAXIS 最適化バランスシリーズ
- 複数の資産に分散投資ができるバランス型ファンド。
- これぞ日本株
- mattocoオリジナルの商品。アクティブファンド。
上記の中で、私が「これ一択」だと思えるのは「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズ」の商品です。
maccotoでの販売ランキングを見ても、eMAXIS Slimシリーズの商品が上位を独占しています。
eMAXIS Slimが個人投資家に支持される理由は、
- シンプルなインデックスファンド
- 業界最安水準の低コスト
だからです。
シンプルな低コストインデックスファンドは、長期の資産形成に向いています。
eMAXIS Slimシリーズの中でも特におすすめなのは、
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
いずれも株式を投資対象とする投資信託です。
上記の商品には、投資対象が「国内」か「米国」か「先進国」か「全世界」かの違いがあります。
複数の商品を組み合わせても良いですし、「全世界」に分散投資できる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を1本選んでも良いでしょう。
もし私が上記から1本選ぶとすれば「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を選びます。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、リスクの高い新興国の株式を除外し、安定した先進国の株式だけで、世界分散投資を実現できる商品です。
期待リターンは年率7%前後
一般的に株式は、長期的にみると年率7%前後の期待リターンを生み出すと言われています。
低コストなインデックスファンドで長期運用すれば、期待リターンと同等の結果が得られます。
もちろん、株価は日々変動しますので、将来のリターンがどれくらいになるかは誰にもわかりません。
運良く株価が高いタイミングで投資信託を解約できれば、得られるリターンも大きくなりますし、逆もしかりです。
しかし、株式には長期保有するほど「配当金による利益が下支えになる」という特性があります。
「株式はハイリスク・ハイリターンだから損するのが怖い」という意見をよく耳にしますが、これは短期的な運用で結果を出そうとするからです。
例えば、配当利回りが年2.5%なら29年で、配当だけで元本が2倍になります。(複利計算)
つまり、株価がどれだけ下がろうと、リーマン・ショック級の不景気がこようと、約30年保有し続ければ、損することはなくなるということです。
長期的には「将来得られるリターンがいくらになるかは不確実だが、長く持つほど損失を被る可能性はなくなる」というのが株式の正しい理解です。
eMAXIS Slimでは、投資先から得た配当金は自動的に再投資に回せるため、上記のような「複利運用」ができます。
運用中に分配金を得ることはできませんが、将来の資産形成を長期的な視点で考える人にとっては、最適です。
2,000万円の資産を作るまでの道のり
金融庁が2019年に公表した「一般的な家庭で老後資金が2,000万円不足する」というデータは、「老後2,000万円問題」として大きな話題となりました。
私たちは自力で、不足分の2,000万円を補う必要があるということです。
「老後2,000万円問題」がきっかけで、将来に備えて本格的に資産形成を考える人も増えています。
では、mattocoで購入可能な「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を積立購入した場合、毎月いくら積み立てれば老後2,000万円を貯められるのか、考えてみます。
まず、株式の期待リターンは長期的に年率7%前後になるとお伝えしました。
また、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の連動指標である「MSCI コクサイ・インデックス」は、過去30年間で年率8.0%のリターンを実現しました。(2019年12月時点、配当込み、円ベース)
これは、30年前にMSCI コクサイ・インデックスという指数に連動する投資信託を購入していれば、年率8.0%程度の複利運用が実現できたということです。
ただ、年率リターンは将来どうなるか誰にもわかりませんので、4%~8%と幅を持たせて試算します。
運用期間は20年~30年を目安とします。
現在35歳以下の人は、定年退職を迎えるまで30年の余裕があります。(定年を65歳とした場合)
35歳以上の人でも、運用資産の取り崩しタイミングをずらすことで、30年の運用期間を確保できると思います。
また、後述する「つみたてNISA」などの制度を利用することで、投資で得た利益を非課税にすることが可能です。
つみたてNISAにおける非課税期間は20年なので、「運用期間を20年にした場合」もあわせて考えます。
シミュレーションには、当サイトが提供する「tsumitate.app 積立シミュレーター」を使います。(結果は下記で示します)
積立シミュレーター
毎月の積立額万円
利回り(年率)%
積立期間年
ヶ月間
計算結果(グラフ)
計算結果(表)
シミュレーションの結果は以下の通りです。
▼将来、2,000万円を貯めるために毎月いくら積み立てれば良い?
期待リターン/運用年数 | 20年 | 25年 | 30年 |
---|---|---|---|
年率5% | 4.9万円 | 3.4万円 | 2.5万円 |
年率6% | 4.4万円 | 2.9万円 | 2.0万円 |
年率7% | 3.9万円 | 2.5万円 | 1.7万円 |
年率8% | 3.4万円 | 2.2万円 | 1.4万円 |
※将来の結果を保証するものではありません
※税引前、複利運用で計算しています
上記の結果を見ると、運用期間が20年、期待リターンが年率5%とやや保守的な条件で運用しても、毎月5万円以下の積立で、2,000万円の資産を築くことできます。
過去30年がそうだったように、今後も年率8%での運用ができるとすれば、毎月1.4万円の積立でも、30年間の運用で2,000万円に到達します。
もし、期待リターンが想定よりも低くなりそうなら、運用期間を伸ばす(取り崩しを遅らせる)ことによって、2,000万円に到達する可能性を高められます。
ここで述べている「年率◯%のリターン」とは複利運用における平均の年率リターンのことで、運用パフォーマンスを測る上で、一般的に用いる計算方法です。
1年単位で見れば、株価暴落などによって大きくマイナスになることもありますし、当初10年間は損益がマイナスの状態で推移する可能性もあります。
こうした状況は心理的にはつらいです。
しかし逆に、1年間で想定を大きく上回るリターンを得られる年もあります。
良い年もあれば悪い年もありますが、平均すれば長期的には年率7%前後のリターンに落ち着くのだ。ということを頭に入れ、一喜一憂しないことが大切です。
また、保守的なシミュレーションの元で積み立てをはじめ、結果的に高利回りで運用できた。ということになれば、2,000万円を大きく上回る資産を築ける可能性もあります。
仮に毎月4.9万円を30年間積み立て、年率8%で運用できた場合、30年後の資産は7,300万円になる計算です。
資産運用(特に株式)においては「将来どれだけのリターンが得られるかが、将来になってみないとわからない」というのがリスクです。
30年間積み立てれば、配当による下支えによって元本割れのリスクはほぼなくなりますが、運が悪ければリターン(利益)はほとんど得られない可能性もあります。
その一方で、運が良ければ、当初2,000万円になることを期待していた資産が1億円を上回って着地する。という可能性もありえます。
なお、毎月4.9万円を30年間積み立てれば、積み立て元本だけでも1,764万円の資産を築くことができますので、運用の結果に関係なく、老後の2,000万円不足に備えることができます。
mattocoでは、毎月5,000円から積立投資を始められます。
また、mattocoが提供する「mattocoチョイス」では「子どもの中学受験の費用」「成長した娘に振袖を贈る」「好きなブランドのバッグを買う」など、将来の備え以外に対しても、自分自身で目標を設定し、資産運用のモチベーションを高めることができます。
つみたてNISAにも対応
mattocoでは「つみたてNISA口座」に対応しています。
通常の口座では、投資によって得た利益に対して、約20%の税金がかかります。
つまり、上記のシミュレーション通りに利益を得たとしても、税金によって実際に手元に残るお金が約2割減ってしまうということです。
しかし、つみたてNISA口座を利用すると、投資によって得た利益を最大20年間、非課税にすることができ、上記のシミュレーション通りの運用結果が得られます。
つみたてNISAは、年間40万円(月換算で3.3万円)の積立を、20年間続けられる制度です。
積立NISA口座で購入した投資信託は、購入から20年以内であれば、いつ売却(解約)しても利益は非課税です。
もしこれから資産運用を始めるなら、つみたてNISA口座の活用を強くおすすめします。
もちろん、つみたてNISAで投資できる金額(年間40万円)を超えて積み立てをしたい場合は、通常口座との併用も可能です。
mattocoではどちらの口座も利用することができます。
一部の証券会社では、投資信託を保有するだけで毎月継続的にポイントがもらえます。
受け取ったポイントは、実質的な運用コストの低減につながります。
同じ投資信託の商品を買うなら、ポイント還元が受けられる証券会社での購入がお得です。
最後まで読んでいただきありがとうございました
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