家計のやりくりで大切なことは「身の丈に合う生活」と「借金をなくすこと」
執筆者:川原裕也
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貯金部では「収入の2割を貯金し、残った8割で生活する」という、安田財閥の安田善次郎の蓄財術を推奨しています。
出費がかさんで生活が苦しい月でも、残った8割の範囲で生活をすると決め、場合によっては1ヶ月間の極貧生活にも耐えなければなりません。
そうした失敗を経験しながら、稼ぎの8割のお金で余裕ある生活を営める、適切な資金管理を学んでいくのです。
今回は「家計のやりくり」をテーマに、少しでもゆとりある生活を実現するための具体的な方法を解説します。
家計のやりくりで大切なのは、
- 身の丈に合う生活
- 借金をなくすこと
の2つです。
家計簿アプリで細かく収入・支出を管理しなくても、大切なポイントさえきちんと押さえておけば、ゆとりある生活は実現可能です。
生活の質を落とす
稼ぎの8割のお金でで生活するのが難しい理由は、現在の生活水準が身の丈に合っていないからです。
余裕をもった生活をするためには「生活の質を落とす」ことを考えるのが一番です。
ラチェット効果の記事でも書いたとおり、人は今の生活水準が下がることに抵抗を感じます。
生活水準を維持するために、貯金すら取り崩してしまうのが人間の本能です。しかし、一度でも勇気をもって生活水準を落とせば、その環境にすぐ適応できるのも人間です。
まずは勇気をもって、生活水準を落とすことを考えます。
稼ぎの8割のお金でギリギリの生活をするよりも、余裕をもって8割のお金が少しあまるくらいの生活ができた方が、心理的にはとても楽になります。
どれだけ良い家に住み、良い食事をし、良い服を着ていても、つねにギリギリの生活で余裕がないのはよくありません。
ギリギリの生活をする中で、もし急な出費などの不測の事態が起こると、これまで貯めてきた貯金を取り崩さなくてはならなくなってしまいます。
コンビニをやめる
生活水準を落とす上で、私が最もおすすめするのは「コンビニをやめること」です。
コンビニは多くの人が日常的に利用しています。
しかし、商品のほとんどが定価販売であり、また最近はコンビニのプライベートブランド商品も高価格になってきています。
私が幼かったころはコンビニはまだ普及しておらず、食材や加工品はもっぱら地元のスーパーで購入していました。
コンビニが普及しはじめたときの最初の印象は「定価で商品を売るなんてありえない」とすら思っていました。なぜなら、地元のスーパーでは商品を定価より安く売るのが当たり前だったからです。
しかしそれでも、24時間オープンしていたり、食品から日用品まで何でも揃うコンビニは便利なので、つい利用してしまいます。
私は「コンビニが商品を定価販売できるのは、利便性を提供しているからだ」と常々考えています。
多くの人が「便利である」ことを重視する結果、コンビニで商品を定価購入しているのです。言い換えるなら、人々はコンビニの利便性にお金を払っているということです。
しかし、少し足を伸ばしてスーパーに出向けば、ドリンク1本、お菓子1つをとっても驚くほど安く購入できます。
コンビニの利用を完全にやめて、イオンなどのスーパーを利用するだけで、家計のやりくりには絶大な効果があるのです。
とても効果があるので、個人的に最もおすすめできる方法なのですが、多くの人が「利便性」に負けて実践できなかったり、そもそもコンビニの商品が高いことすら知らない人もいるのです。
もちろん最近は、電子マネー支払いや一部商品の購入でポイント還元が行われるため、コンビニの商品も実質的に定価より安く購入できます。
しかしポイント還元はスーパーの値引きに比べると微々たるものです。コンビニのポイント還元で「安い」などと考えてしまうのは問題です。
フードデリバリーやタクシー配車アプリには要注意?
ここ数年で、コンビニと同じく利便性を提供することで革新を起こしている2つの業界があります。
それが「Uber Eats(ウーバーイーツ)」を始めとするフードデリバリーサービスと、「DiDi(ディディ)」や「MOV(モブ)」のようなタクシーの配車アプリです。
両者に共通しているのは、クーポンをばらまくことによって安い・お得だという印象を植え付けている点。
しかし以前からフードデリバリーやタクシー利用は決して安いサービスではなく、これは現在も変わっていません。(そして未来も変わることはないでしょう)
お金を貯めようと考えている人にとって、この手のサービスは利用しないに越したことはないのです。
フードデリバリーやタクシー配車アプリのような新しいサービスは、利便性とクーポン配布、そして巧みなマーケティング戦略によって、私たちの財布のひもを緩めようとしています。
これから景気がよくなり、多くの人がタクシー配車アプリを利用するようになれば、自然と自分もタクシーを利用しようという気になるかもしれません。
しかしこうした高い利便性(そして高いコスト)を提供するサービスから身を遠ざけ、生活水準を維持することが貯金の秘訣でもあるのです。
酒・タバコ・ギャンブルをやらない
いわゆる嗜好品やギャンブルからは距離を置きます。
私は酒・タバコ・ギャンブルを一切やりません。(昔はすべてやっていましたが、自分にとってマイナス要素しかないと思い、やめました)
依存性のある酒・タバコ・ギャンブル(公営競技や宝くじなど)が法律で禁止されない理由を考えたことがあるでしょうか。
これらにはいずれも「高い税率」がかけられており、政府にとっての大きな収入源になっているのです。
政府を批判する人はとても多い、それなのに彼らを儲けさせる要素となる「酒・タバコ・ギャンブル」には手を出している。なぜか?
その理由は簡単で、酒・タバコ・ギャンブルにはいずれも依存性があったり、みんながやっている(当たり前になっている)からです。
タバコとギャンブルについては一般的とは言えませんが、酒を一切飲まないという人はほとんどいないでしょう。
そして、酒を飲む理由の多くが「会社の飲み会があるなど、みんなが当たり前のようにお酒を飲むから自分も飲んでいる」というものではないでしょうか。
人は周りの環境に適応する力を持っています。
「類は友を呼ぶ」と言う言葉があるように、似た者同士が集まりますし、周りの人々に影響を受けて自分も変化します。
例えば、職場の喫煙率が高ければ、これまでタバコを吸っていなかった自分も吸い始める確率が高まります。
また、周りの人が皆ギャンブルをやっており、日常的にギャンブルの話ばかりしているようなグループに属していると、自分自身もギャンブルをやり始めるようになる可能性が高いのです。
お酒に関しては、職場の飲み会や友人との付き合いで皆が当たり前に飲んでいる。また、「20歳になったらお酒を飲むのが当たり前」と思わせるようなCMがテレビでたくさん流れている結果、自分も深く考えることなく、自然とお酒を飲むようになるのです。
私自身が昔、そういう環境に身を置いており、まさに周りの影響を受けて酒・タバコ・ギャンブルをしていた人間でした。
しかし、酒・タバコ・ギャンブルはいずれも「なくても生きていける、いわば不必要なもの」です。
不必要なものであるにも関わらず、なぜか多くの人が(高い税率がかかっており、依存性があるにも関わらず)人生をかけて酒・タバコ・ギャンブルにお金を払い続けるのです。
思い切ってこれらの嗜好品・ギャンブルをきっぱり止めるだけで、生活にかかる費用は大きく減らせます。
周りの環境などもあり、止めにくいという方もいるでしょう。
しかし、止めるかどうかを決めるのは自分自身です。これは意志の問題です。
もしどうしても止められないなら職場を変えてでも、異なる環境に身をおいた方が良いと私は考えます。
周りの評価を気にしない
稼ぎの8割のお金で生活するのが難しい場合、生活水準を落とすしかないのだという現実を受け入れることが大切です。
生活水準を落とすということは、極端に言えば
- 服をすべてユニクロにする
- タクシー利用を一切やめて、電車・バスを利用する
- コンビニ利用を一切やめて、スーパーを利用する
といった生活をするということです。
こうした生活には「利便性も面白みもない」かもしれません。また、周りから「ユニクロばかり着ている」と低い評価を受けるかもしれません。
しかし、周りの評価を気にせず「断固として収入の2割を貯金し、残った8割で余裕のある生活をするのだ」という強い意思が、あなたをお金持ちの道へと導きます。
自分の意思で自分の人生を変えるか、周りの評価を気にしてずっと今の状態から抜け出せない人生をおくるか、決めるのは自分自身です。
借金をなくす
お金の貯まる生活、ゆとりある生活を実現するためには、借金をなくしておくことが極めて重要です。
借金の中でも特に気にかけたいのは、無担保で借りているローンです。
担保を提供していない無担保ローンは借入利率が高いため、私たちが思う以上に高額な利息を支払うことになります。
借入利率が年5%を超えるようなローンを組んでいる場合は、貯金よりも先に借金の完済を優先し、その後は二度と借金をしないようにしましょう。
なぜこのようなことを言うのかというと、借金は癖になるからです。(私自身の経験に基づく話です)
言い換えると「借金にも依存性がある」ということです。
一度でも「いざという時は借りられる」ということを知ってしまうと、一度完済してもまた借りてしまう。
借金の怖さは利息にあると一般的には言われますが、実際に借金を経験した私からすると、この「借金がもつ依存性」の方が恐ろしいのです。
酒もタバコもギャンブルも、そして借金も、一度も経験したことがない人にとってはどうでも良いものです。
しかし一度その味を知ってしまうと止められなくなる。
依存症レベルにはならなくても、継続して利用し続けてしまう。こうしたところに「依存性をもつ商品・サービスの怖さ」があるのです。
貧乏生活、ケチケチ生活なんてしたくない?
収入の8割での生活を実現するために、生活の質を下げたり、自分の楽しみを制限するは嫌だ。
貧乏生活・ケチケチ生活なんてしたくない。
こう思う人もいるかもしれません。
一度引き上げてしまった生活水準、一度知ってしまった楽しみを捨てるのはつらいことだと思います。
しかし、「お金を貯める生活」をし、人生を変えるなら出直すしかないのです。
楽をして稼ぐ、楽をしてお金持ちになることを求める人は、結果的に「夢を売る人から夢を買い、搾取されていくのがオチ」です。
これまで十分楽しんできた、その結果「お金が貯まらない生活」をしてしまっていた。もし今そこから脱出し「お金の貯まる生活」をしたいと強く思うなら、腹をくくって今日から始めてみるべきです。
もちろん無理に生活を切り詰める必要はありません。最初はできる範囲からスタートし、継続し続けることで習慣化していくことが何よりも大切です。
次回予告:
銀行口座にお金を預けておくと、利息がもらえます。
日本では長年、低金利が続いているため、今は銀行にお金を預けてもほとんど利息が期待できません。
しかし、一部の銀行は普通預金金利に力を入れており、多くの人が利用するメガバンクやゆうちょ銀行とは比べ物にならないほどの高金利を提供しています。
毎月、稼ぎの2割をコツコツ貯金していくだけで、小さな利息は雪だるま式に増加し、私たちの生活は日に日に楽になっていきます。
「低金利で利息が期待できないから銀行にお金を預けても意味がない」という意見は本当か。次回の貯金部ではこうした定説を覆します。
「今、私は貯金を頑張っています」という人をみんなで応援しあう「貯金部 掲示板」を開設しました。
貯金に関する話題をみんなで語り、それぞれが貯金できる人になり、目標金額を貯められるようになることを目指す掲示板です。
↓この記事が役に立ちましたら、ひとことコメントをいただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
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P さんがコメントしました - 2023年12月18日
決算書の「百万円」や「千円」の単位を素早く読む方法 -
No Name さんがコメントしました - 2023年10月8日
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DCF法くん さんがコメントしました - 2023年8月21日
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No Name さんがコメントしました - 2023年8月19日
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にゃん太郎は長生き さんがコメントしました - 2023年6月19日
証券マンがおすすめするファンドラップの評判を信じて買って良いのか
1件のコメント
いろいろ考えさせられました。