iDeCoで申し込み先の金融機関が倒産した場合はどうなるの?信託先を比較
執筆者:川原裕也
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個人型確定拠出年金のiDeCoで、もし申込先の金融機関が倒産したら、運用資産はどうなるのか?
iDeCoでは、長い人で運用期間が40年間という長期に及びます。また、積立金額は将来、年金資産として受け取りますので、老後の生活費として重要な役割を果たすものです。
もし、iDeCoを契約した金融機関が運用期間中に破綻してしまった場合、大切な資産が失われてしまうのではないかという心配もあると思います。
しかし、iDeCoの顧客資産は金融機関が直接預かるわけではなく、大手信託銀行によって管理されているので安心です。
万が一、個人型確定拠出年金の運用期間中に申込先が倒産しても、私たちの年金資産は守られます。
ネット証券のiDeCoに対する不安
当サイトでも毎回、iDeCoは金融機関選びが最も重要だと伝えています。
iDeCoでは金融機関によって
- 口座管理手数料
- 選べる投資信託のラインナップ
に大きな違いがあります。
そしてこの差が、将来の運用結果(受け取れる年金)に大きな違いをもたらすことになるのです。
iDeCoの金融機関を比較したことがある方ならわかると思いますが、大手銀行・証券会社よりもネット証券が圧倒的に低コストです。
金融機関名 | 口座管理手数料 |
---|---|
楽天証券 | 0円(完全無料) |
SBI証券 | 0円(完全無料) |
マネックス証券 | 0円(完全無料) |
野村証券 | 262円 |
ゆうちょ銀行 | 237円 |
三菱UFJ銀行 | 237円 |
大手ネット証券はiDeCoの口座管理手数料を0円にしています。運用期間が20年でも40年でも、口座管理手数料は最初からずっと無料です。
逆に、iDeCoを扱う金融機関の中には、口座管理手数料を月額500円も取るところもあります。もしそのような金融機関で契約した場合、年間で6,000円、40年間なら手数料だけで24万円の無駄なコストが生じてしまいます。
もっとも、最近は大手でも口座管理手数料を引き下げたり、無料化する金融機関も出てきています。
しかし、投資信託のラインナップまで詳細にチェックすると、やはりネット証券がスペック的には圧倒的に有利であることには代わりません。
ただ、ネット証券のiDeCoがスペック的にどれだけ良くても、ネット証券でiDeCoを申込んで大丈夫なのか、将来倒産しないのか不安に思う方もいると思います。
iDeCoの資産管理の仕組み
まず、結論から言うとiDeCoでお金を預けている金融機関(例えばネット証券)が破綻しても、私たちの資産は安全に守られます。
つまり、iDeCoに関してはネット証券を選んでも何ら問題はありません。むしろ、余計なコストを支払わないためにも、少しでも口座管理手数料の低いネット証券を選択することをおすすめします。
iDeCo(確定拠出年金)で預けた私たちのお金はどのように管理されるのか、まとめていきます。
加入窓口(金融機関)
どの金融機関でiDeCoに申し込むか?というのは、「加入窓口となる金融機関のこと」を示しています。
つまり、大手銀行にするか、大手証券会社にするか、それともスペックの高いネット証券にするか…などなど。
しかし、加入窓口となる金融機関はあくまでも申し込み手続きや一般的な管理をするだけの役割ですので、顧客資産を預かる立場にはありません。
よって、もし窓口金融機関となるネット証券が破綻してしまっても、他の金融機関に登録情報を移管する手続きが必要になるだけで、資産が失われてしまう心配はありません。
信託銀行による分別管理
私たちが積立した掛金は、「信託銀行」が管理します。
信託銀行は資産を預かることを専門的に行う金融機関です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の資産の他にも、企業年金や国民年金、そして投資信託といった兆単位の資産を管理しています。
当然ですが、信託銀行はいずれも名前の通った大手ばかりであり、高い信用力を有しています。
また、信託銀行は「信託法」という法律によって、「自社の資産」と「顧客の預かり資産」を分別管理することが義務付けられています。
つまり、もし信託銀行が赤字に陥ったとしても、信託銀行自身の経営(業績)と顧客資産は分別して保管されているため、顧客の預かり資産に手を付けられないルールとなっているのです。
ここまでの内容をまとめると、
- 加入窓口(金融機関):顧客資産は預からない
- 信託銀行:顧客資産は安全に分別管理されている
となります。
国内大手の信託銀行が破綻する可能性は極めて少ないものの、万が一信託銀行が倒産しても、私たちの資産は安全に守られるということです。
iDeCoの金融機関と各社の信託先については、後述します。
資産運用会社
iDeCoの掛金は、主に投資信託を通じて運用します。一部、元本確保型商品として定期預金や保険商品などもラインナップされています。
投資信託は、「資産運用会社」という投資のプロにお金を預け、運用を代行してもらう仕組みです。
しかし、これも先ほどと同じで、資産運用会社は顧客資産を預からず、信託銀行が資産を管理することになっています。
つまり、資産運用会社が倒産しても顧客資産にダメージはありません。(もちろん、運用結果がマイナスになる可能性という意味では元本保証ではありませんが)
もっとも、資産運用会社と言えば「三井住友DSアセットマネジメント」や「三菱UFJ国際投信」といった大手金融機関のグループ企業であることが多いので、倒産リスクは極めて低いです。
また、元本確保型商品の代表として知られる定期預金(預金商品)は、ペイオフ(預金保険制度)が適用されます。
ペイオフによって、もし商品を提供している銀行が破綻しても、最大1,000万円+利息分が補償の対象となります。
運用によって得られる損益では、投資信託よりも元本保証の定期預金の方が安全度は高いです。
しかし、倒産した場合のリスクにおいては、「信託銀行で分別管理されている投資信託」の方が「1,000万円までしか補償されない定期預金」よりも安全と言えます。
また、元本確保型の保険商品は、保険会社が倒産した場合、基本的に9割までの資産が守られます。
- 生命保険:保険金・返戻金の90%まで
- 損害保険:責任準備金等の90%まで
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個人型確定拠出年金(iDeCo)はどこがお得なのか比較してみた
金融機関が破綻した場合の各社の回答
ネット証券がもし破綻した場合、iDeCoの資産はどうなるのか。
手数料無料で評判の楽天証券、マネックス証券、SBI証券の3社の公式回答をまとめてみました。
楽天証券が破綻したらどうなりますか?
楽天証券(運営管理機関)が破たんしても、年金資産が削減されることはありません。確定拠出年金の運用資産は信託財産として信託銀行で管理されています。しかし、新しい運営管理機関へ変更のため、所定の変更手続きが必要です。楽天証券の回答
申込みをした金融機関(マネックス証券)が破綻したらどうなりますか。
申込みをした金融機関(マネックス証券)が破綻しても、年金資産が削減されることはありません。
マネックス証券は、確定拠出年金制度上、運営管理機関になりますが、加入者が拠出した年金資産は受付窓口である運営管理機関ではなく、信託銀行で分別管理されます。
分別管理されているので信託銀行が破綻した場合も、年金資産は守られます。マネックス証券の回答
金融機関等の破綻時はどうなるのですか?
確定拠出年金制度には、(1)運営管理機関、(2)運用商品提供会社等があり、加入者等の皆様への影響は以下の通りです。(1) 運営管理機関が破綻した場合 年金資産が削減されることはありませんが、加入者等の皆様が所定の変更手続を取って、新しい運営管理機関に変更することになります。
(2) 運用商品提供会社が破綻した場合 基本的に運用商品の預け替えが必要となります。SBI証券の回答
3社ともに、これまで説明してきた通りの内容を回答してくれています。
もし、楽天証券、SBI証券、マネックス証券が破綻しても、これらの金融機関(加入窓口)はiDeCoの資産を預かっていない。
また、投資信託の運用をしてくれる資産運用会社も、iDeCoの資産を預かっていない。
私たちの資産を預かっているのは「信託銀行」だが、信用力が高いため倒産の可能性は極めて低い。
また、信託銀行は顧客資産を分別管理することが法律で義務付けられており、もし信託銀行が破綻してもiDeCoの資産は安全に守られる。
よって、iDeCoではどの金融機関を選んでも倒産リスクを心配する必要はなく、口座管理手数料の低さや投資信託のラインナップで決めるのが最も良い選択です。
iDeCo初心者に人気の楽天証券
ネット証券のiDeCoの中でも、楽天証券は初心者の方におすすめの金融機関です。
楽天証券のiDeCoは口座管理手数料が0円なので、加入時から年金受給の年齢まで、低コストで資産運用できます。
また、投資信託の商品ラインナップにも優れており、
- 低コストなインデックスファンド
- バランス型・ターゲットイヤーファンド
- 個人投資家に人気のアクティブファンド
- 元本確保型商品(定期預金)
を幅広く選択することが可能です。
個人的には「低コストなインデックスファンド」を組み合わせて運用するのがおすすめですが、楽天証券のiDeCoでは個人投資家に人気のセゾン投信、
- セゾン資産形成の達人ファンド
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
が選べる点も大きなメリットです。
楽天証券のiDeCoが初心者に人気の理由は、同社のカスタマーサポートが2年連続で最高位評価「三つ星」を獲得しているからです。
「資産運用の経験がない方」や、「iDeCoのことがよくわからない方」でも、楽天証券であれば三つ星のカスタマーサポートがやさしく回答してくれます。
iDeCoに関するアンケート調査によると、「加入手続きが難しい」ことがiDeCoの加入を見送るハードルになっているとのことです。
将来の年金を自分で作ることや、大きな節税メリットが見込めるなど、iDeCo(個人型確定拠出年金)は国の後押しがあるお得な制度です。
加入手続きが難しいと感じる方でも、カスタマーサポートに相談しつつ、iDeCoでの資産運用をはじめる価値は十分にあると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
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