「大富豪のお金の教え」を読んで得た大切な学び
執筆者:川原裕也
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ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような世界的な大富豪は、昔から大富豪らしいお金の教育を受けています。
その教育というのは決して英才教育ということではなく、お金との正しい接し方であり、彼らのお金に対する考え方の根幹となっています。
大富豪は読書家でとにかく本を読む
ビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、サムスンの創業家出身の会長であるイ・ゴンヒといった大富豪は、とにかく読書家です。
自分に興味がある本だけを読むのではなく、あらゆるジャンルの本を読むことで、様々な業界について精通しているのが、大富豪の特徴です。
著名投資家のウォーレン・バフェットも、「知識はたくさん本を読むほど複利で増えていく」と語っています。バフェット自身も、1日の3分の1の時間は新聞や雑誌、投資関連の決算資料など、そして書籍を読むことに費やしています。とにかく、読み続けるのです。
ウォーレン・バフェットは1ページをしっかりと精読するスタイルです。
ビル・ゲイツの「シンクウィーク(思考習慣)」は有名な話です。
彼は年2回に誰も知らない山荘に一人で引きこもり、1週間の休暇を取ります。宿泊する場所は家族にも知らされず、電話なども含めて外部からの接触をたち、ただひたすら本を読みながら考えるだけの1週間を過ごすのです。
このシンクウィークを通じてビル・ゲイツは大量の情報をインプットし、その情報を元に頭を整理し、そしてマイクロソフトの大きな意思決定をしていたと言われています。
ビル・ゲイツは平日は1日1時間以上の読書をし、休日はさらにその時間を増やします。毎週1冊以上のニュース週刊紙を、興味のない分野も含めて隅まで読むことを実践しています。その理由は、自身の知識の幅を広げるためです。
サムスンのイ・ゴンヒは毎月20冊程度の本を読みます。読むべき本と読まなくて良い本を区別するので、目次だけを読んで終わった本も多数あります。また、毎月国内の雑誌を15冊、海外の雑誌を30冊購読しています。
その他にも、ウォール街の伝説的ファンドマネージャーであるジョン・テンプルトンは「自分自身を生きた図書館にせよ」といい、香港最大の企業グループである長江実業の創設者であるリ・カセイは寝る前に毎日30分の読書をしています。リ・カセイが読むのは主に歴史、経済、哲学書で、小説は読みません。
読書は習慣付けることが難しいのですが、一度習慣付くと読むのが楽しくなってくるので、読書に充てる時間は自然と増えていくと思います。
なぜ大富豪は読書をするのか?
それは、読書を通じて膨大な情報を獲得することが未来を知る手がかりになることを知っているからです。
ビジネスで成功する場合も、投資家として成功する場合も、来るべき未来をいち早く予測することが大きな優位性に繋がることは間違いありません。そしてそのためには、世の中のあらゆる情報を知ることが最も有効な手がかりとなります。
例えば、「米国の雇用統計が発表されると外国為替に大きな影響を与える」ということは投資家なら誰でも知っていることですが、もしこれを知らなければ、為替の急変を予測できずにリスクに身を晒すことになります。
もちろん、雇用統計の結果によって為替がどちらに動くのかは予想が難しいですが、少なくとも「雇用統計が発表されると外国為替が急変する可能性が高い」という情報を知っているということは、未来を見通せているということにほかなりません。
無駄なことにお金を使わない
大富豪が「節約志向」であることはよく耳にする話です。無駄なことにお金を使わないことは、大富豪への第一歩と言っても間違いはないと思います。
しかしこれは逆に言い換えると「必要なものにはお金をかけろ」という意味でもあります。この表現はあまり語られるものではありませんが、むしろこちらの方がお金持ちに共通する特徴のように思います。大富豪は決してドケチではありません。
節約よりもお金を管理できる力が大切
節約とは単に財布の紐を堅くする行為ですが、大富豪が心得ているのは「無駄なものには一切のお金を使わず、必要なものには人の数倍のお金をかける」ということ。これは、節約とはニュアンスの違う考え方だと思います。
かのビル・ゲイツも「お金持ち」について父親からこのように教えられています。
金持ちとは、安易にイメージされるような、虚栄に溺れ、浪費に走る者ではなく、自らの生活と消費をきちんと管理できる人物だ。
出典:パン・ヒョンチョル「大富豪のお金の教え」
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーも全く同じようなことを言っています。
私は貯蓄によって億万長者になった。百万長者の特徴をご存じだろうか? 収入が常に支出より多いことだ。百万長者たちは早くから貯蓄をする。金を稼ぎ始めるとほぼ同時にだ
出典:パン・ヒョンチョル「大富豪のお金の教え」
お金持ちになるためには常に「収入-支出=資産」という条件が成立していることが大切であり、どれだけお金を稼いでも前述の方程式が成り立っていなければ破綻します。重要なポイントは保有するお金が多額となり舵取りが難しくなっても、「収入-支出=資産」を維持できるかどうかです。
アメリカの人々の生活を変えてきた「ウォルマート」の創業者、サム・ウォルトンは昔から徹底した節約志向を叩きこまれてきました。
しかし、ウォルマートは徹底した低コスト経営で商品売価を下げ、顧客に利益を還元する一方で、当時としては革新的だった衛星システムをいち早く導入し、先進的なシステムへの投資を惜しまず行っていました。
同じように、ロックフェラー2世も節約・倹約を重んじていました。
しかし、彼らは多額のお金を持っていながら私たち一般人と同じような質素な暮らしをしていたわけではないと思います。
少なくとも私たちよりも派手な生活をし、ケタ違いの投資にお金を使っていたのだと思いますが常に「収入-支出=資産」が貫かれており、無駄なお金を必要なものに注ぎこむことで、効率的なお金の使い方を実現していたのだと私は考えます。
当サイトでも「貯金部」にて貯蓄に関する記事を配信していますが、貯金部の第1回の記事で取り上げた「安田善次郎」は勤勉・倹約のお手本のような考え方をしていました。
さらに言えば、二宮金次郎(二宮尊徳)や本多静六といった日本の偉大な人物は皆、勤勉・倹約を守って財を成したのです。
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お金持ちになっても転落する人生は嫌だ
私は、お金には「強大なパワーがある」と思っています。
お金は「善」でも「悪」でもなく、ただ強大なパワーを持っていて、幸福を得るためのツールにもなるし、人生を不幸に陥れるツールにもなりえます。つまり、お金は「使い方次第」ということです。
私を含めて多くの人がお金持ちになりたいと思っています。しかしそれは、お金持ちの先に「幸福な人生」が待っているのだという(お金持ちではない)貧乏人の希望的観測に過ぎません。
目的にフォーカスするのであれば、最終目標地点は「幸福な人生」であり、「お金持ちになる」というのはその通過点に過ぎません。それを常に頭に入れておかなければ、お金を手にしたばかりに不幸になってしまう可能性すらあります。
宝くじで億単位の当選金を得たにも関わらず、それがきっかけで人生を台無しにしてしまう人が日本にも存在します。しかしその事実は、日本とはケタ違いの高額当選を提供するアメリカでも同様に起こります。
アメリカのジャック・ウィテカーという人物は、元々自分で事業を行っており、すでに恵まれた生活を実現している成功者でした。しかし、宝くじで約100億円の大金を受け取った結果、転落人生を歩むことになりました。
ジャックウィテカーは、アメリカの高額宝くじの当選者として知られている人物。
彼は宝くじを当てた時、すでに百万長者だった。1,000人以上を雇用し、1700万ドル以上の売上を誇る建築業者を運営していた。しかし、彼は離婚、孫娘の薬物乱用、彼に暴行やセクハラを受けたと主張する人々が起こした400件あまりの訴訟に苦しみ、2007年4月、メディアに登場したウィテカーは、「あのとき宝くじを破り捨てればよかった」と語った。
設立した財団も資金は底をつき、ストレスのために酒浸りとなり、風俗店へ足しげく通うようになった。
また、建築業も事業に心を配る時間よりも、金をくれとつきまとってくる人々や訴訟に苦しめられる時間が長く、上手く行かなくなった。
出典:パン・ヒョンチョル「大富豪のお金の教え」
すでに百万長者だった富裕層ですら、100億円規模の大金を一度に得ると人生を大きく踏み外してしまいます。
転落する人生なんて歩みたくないですよね。そのためには、お金よりも先に「幸福な人生」について深く考える必要がありそうです。
もっと評価されても良い本
パン・ヒョンチョル著の「大富豪のお金の教え」。
実はこの本、Amazon.co.jpでもほとんどレビューされていない本なのですが、個人的にはとても参考になった良書です。
個人的にも、もっと評価されても良いのになぁと思っている数少ない本の一つなので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
お金持ちが実践している習慣や、ビル・ゲイツやイ・ゴンヒのような大富豪の独特の頭の中が見てみたいという方におすすめしたい一冊です。
お金持ちに学ぶ
最後まで読んでいただきありがとうございました
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