クラウドリアルティの評判と運用実績を公開、スマホで始める不動産投資
執筆者:川原裕也 更新:
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投資型クラウドファンディングの1社であるCrowd Realty(クラウドリアルティ)は、不動産に特化した投資案件を募集しています。
募集案件の仕組みを見る限り、ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)に近いスタイルとなっていますが、運用実績に応じてリターンが変わるという点においては、投資型クラウドファンディングの仕組みに近い投資商品となっています。
クラウドリアルティは大きく、
- 国内不動産案件
- 海外不動産案件
の2つを組成しており、いずれもユニークな案件が多いのが特徴です。
また、金融大手のSBIグループのベンチャーキャピタルから出資を受けており、会社としても安心できる業者です。
私自身、クラウドリアルティへの投資を実行していますので、その運用実績も含めて詳しく感想を述べたいと思います。
目次
スマホだけで簡単に投資を実現
ソーシャルレンディングや投資型クラウドファンディングは、多くの投資家から小口の資金を集めて運用する金融商品です。
例えば、私たちが個人で現物不動産を購入する場合、多額の資金が必要となります。また、不動産投資に関する知識も身につけなければなりません。
しかし、ソーシャルレンディングや投資型クラウドファンディングでは、貸付先・投資先の案件をプロが選定し、管理や手続きも含めてすべて代行してくれるため、特別な知識がなくても間接的に様々な不動産投資プロジェクトに参加できます。
また、多くの個人投資家から資金を集める「ファンド」の形態をとっているため、数万円~数十万円という少額から不動産投資が行えます。
私たち投資家は、スマホで案件の内容を確認し、興味のある投資案件に小口出資を行い、あとは出資額に応じたリターンを待つだけです。
ソーシャルレンディング初心者が心得ておくべき7つの攻略法という記事に書きましたが、数万円という小さな金額で分散投資を行えるため、J-REITや現物不動産と比べても低リスクでの運用が実現可能です。
安心できるソーシャルレンディング業者
クラウドリアルティのことを、ソーシャルレンディング業者と呼ぶべきなのか、投資型クラウドファンディング業者と呼ぶべきなのかはわかりませんが…
ソーシャルレンディング業者の中には、「怪しい業者」が少なくなく、投資したお金が適切な形で運用されていないケースがあると新聞などでも報じられています。
しかし、前述の通りクラウドリアルティに関してはその心配はありません。なぜなら、クラウドリアルティは金融大手のSBIグループのベンチャーキャピタルから出資を受けているからです。
また、以前に実施した京町家再生プロジェクトが評判となり、ニュース番組のWBS(ワールドビジネスサテライト)などでも特集されています。
ベンチャーキャピタルから出資を受けているということは、将来の上場または大手企業への売却を想定した経営を行っており、また企業としてのコンプライアンスが徹底されていることを意味します。
クラウドリアルティはこれまでに、
- グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合
- FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合
から資金調達を行っており、将来の上場も視野に入っていると考えられます。
最近では、同じく不動産に特化したソーシャルレンディング・投資型クラウドファンディングを展開しているロードスターキャピタルがIPOを決めています。
投資型クラウドファンディングは、「フィンテック」分野の1つとして、今後の大きな成長が期待されている業種です。
想定利回り10%の投資案件も
クラウドリアルティがその他のソーシャルレンディング業者と違う点がいくつかあります。
それは、
- 運用期間が長めのプロジェクトが多い
- 物件売却までを含めて投資家にリターンを返す
という2つのポイントです。
運用期間が長い
クラウドリアルティは、1つの投資案件についての説明を徹底的に透明化しているのが特徴です。
具体的に
- どのような物件に投資し
- どうやって運用し
- いつごろ物件を売却して投資家にリターンを返すのか
という、事業計画に相当するものが示されています。
これに対して多くのソーシャルレンディングでは、貸付先の説明と資金使途だけが簡潔に説明されているだけです。
クラウドリアルティが投資案件の透明性を徹底している理由は、1つの案件の投資を実行してから資金回収を行うまでの期間が長いからです。
◆クラウドリアルティの場合
1.投資家から資金を集める
2.集めた資金で不動産投資を行う
3.リノベーションや運用方法の改善などによって価値を向上する
4.物件を売却して資金回収する
5.売却した資金を投資家にリターンとして返す
つまり、プロジェクトの成功・失敗によって投資家が受取るリターンが変化したり、投資資金の回収までの期間が変わってくる。
◆一般的なソーシャルレンディングの場合
1.投資家から資金を集める
2.最初から運用期間と金利が決まっている
3.事業者などに融資を行う
4.借り手は返済期日まで決まった利息を支払い、返済期日に元本を返済する
つまり、プロジェクトの結果に関係なく借り手は決められた期日に元本を返済し、その間は決められた利息を支払う。
IRRを表記することで実際の利回りがわかる
上記は、クラウドリアルティの国内案件第1号となる「京町家再生プロジェクト」です。
クラウドリアルティの京町家再生プロジェクトは、これまでのソーシャルレンディングにはなかったユニークな案件として評判となり、7,200万円の募集金額を満額達成しました。
募集要項で確認すべきポイントは、
- 想定運用期間 36ヶ月
- 想定利回り(IRR)10.0%
の部分です。
通常のソーシャルレンディングでは、返済期日が決められていますが、クラウドリアルティの案件では「想定運用期間」と表示されています。
これは、投資した京町家の物件の売却資金も含めて投資家にリターンを返すため、計画よりも早く売れるか遅く売れるかによって運用期間が前後することを意味しています。
また、想定利回りについても、一般的な利回りではなくIRR(内部収益率)で表示されています。これも他のソーシャルレンディング業者にはない、クラウドリアルティならではの表記の仕方です。
IRRとは、投資の時間軸を考慮した上でのトータルの利回りです。
例えば、京町家再生プロジェクトの「IRR 10%」とは、定期預金を年率10%で複利運用した結果と同じことを意味します。
しかし、定期預金とクラウドリアルティの不動産投資ではキャッシュフロー(投資家へのリターン)の出方が異なります。
▶定期預金(金利10%で36ヶ月)
預金 → 半年に1回利息が支払われる → 36ヶ月後に元本を回収
最初から最後まで一定のキャッシュフローが生まれるのが特徴。
▶京町家再生プロジェクト(IRR 10%)
投資 → 運用期間中の利払いは少ない → 36ヶ月後に売却益を含めた元本を回収
運用期間中のキャッシュフローが少なく、投資う物件を売却したタイミングで大きなキャッシュフローが手に入る。
上記の2つでは、トータルリターンが同じでも、運用期間や利払いのタイミングが異なります。
運用期間が前後したり、利払いのタイミングや1回あたりのキャッシュフローに増減が生じる場合(つまり、キャッシュフローの出方が一定ではなくデコボコの場合)は時間軸を考慮しない「利回り」という尺度では収益性を測ることができません。
そこで、IRRという時間軸を考慮した上でのトータル利回りを使うことで、キャッシュフローの出方がデコボコの投資案件を、定期預金やその他の投資商品と同じ尺度で比較することができるようになります。
このように、クラウドリアルティではプロジェクトの成功・失敗が投資家が手にするリターンを大きく左右します。
上手く行けば10%以上の利回りが得られる一方で、物件売却がうまくいかない場合は利回りが低下する恐れもあります。
これが、クラウドリアルティが一般的なソーシャルレンディングと違う大きなポイントです。
リスクがあるとは言え、複利運用で利回り10%が狙えるというのは大きいですね。
あわせて読みたい:
IRR(内部収益率)をわかりやすく解説、利回りとの違いやエクセルでの計算方法
これまでの実施プロジェクト
下記は、クラウドリアルティで過去に募集された投資案件です。
案件名 | カテゴリ | 利回り (IRR) |
運用期間 |
---|---|---|---|
エストニア不動産担保ローン1号 | 海外不動産 | 9.0% | 13ヶ月 |
京町家再生プロジェクト | 国内不動産 | 10.0% | 36ヶ月 |
エストニア不動産担保ローン2号 | 海外不動産 | 8.0% | 12ヶ月 |
京都馬町町家 | 国内不動産 | 8.0% | 36ヶ月 |
渋谷区上原シェア保育園 | 国内不動産 | 6.5% | 36ヶ月 |
※利回り・運用期間は想定でありプロジェクトの結果によって変動します。
いずれも、1案件ごとの説明がしっかりしており、ユニークなものばかりなので少し投資してみても良いかなと思わせる魅力があります。
私も、「京町家再生プロジェクト」に投資を行っていますので、結果がわかり次第、運用結果を報告します。
また、クラウドリアルティの案件の想定利回りは、「業者の手数料控除後」となっています。また、クラウドリアルティがどれくらいの手数料を取っているのかも開示しています。
例えば、「渋谷区上原シェア保育園」の案件では、表記利回りが年率6.5%、クラウドリアルティの手数料が年率0.2%となっています。
つまり、実質的には年率6.7%程度の運用が行える投資案件を組成し、クラウドリアルティが0.2%の手数料を取った上で、投資家の最終リターンが年率6.5%程度になるということです。
1口あたりの最低出資額は10万円程度
クラウドリアルティの1口あたり出資額は5万円に設定されていることが多いです。
ただし、それとは別に「最低出資口数」が決められています。最低出資口数が2口の場合は最低10万円、3口なら最低15万円が必要となります。
クラウドリアルティよりも先にIPOを決めたロードスターキャピタルが運営する「オーナーズブック」は1万円から投資ができるため、比較するとクラウドリアルティは敷居がやや高めのように感じられます。
あわせて読みたい:
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最後まで読んでいただきありがとうございました
こちらの記事にコメントが投稿されました
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