不動産投資をしないのがバフェット流!その理由について考えてみる

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不動産投資

バフェットは不動産投資をしないの?
私は以前、このように思ったことがありました。

多くの投資家は様々な投資商品に手を出します。例えば、ジム・ロジャーズは株式投資だけでなくコモディティ(商品)への投資を行いますし、ジョージ・ソロスも先物や通貨取引を好んで行います。

日本でも、村上ファンド系の方々は株式だけでなく不動産売買も行いますし、デイトレーダーで株とFXをやるという方も多いです。

しかし私は、ウォーレン・バフェットが不動産投資をやるという話を聞いたことがなかったので不思議に思っていました。

では、実際のところはどうなのか。調べてみるとバフェットの様々な考え方を知るきっかけとなりました。

ウォーレン・バフェットが不動産投資をしない理由

ウォーレン・バフェットが不動産投資をしない理由はいくつかあります。

株式投資に特化するのが一番だから

得意

バフェットは常々、「自分にとってよくわからないビジネスはやるべきではない」と言っています。そして、彼は株式においてはプロフェッショナルですが、不動産においてはプロではありません。

彼はこのように言っています。

株式市場でこんなに容易くやれるのに、なんで不動産に手を出す必要がある?

バフェットとソロス 勝利の投資学より

株式投資で成功しているのに、なぜ不動産をやる必要があるのか?というのが、バフェットが不動産投資をしない理由です。まさにそのとおりですね。

投資の世界にはアセットアロケーション(資産配分)という言葉があります。複数の資産に分散して投資をすることで、リスク分散を図りましょうという考え方です。

アセットアロケーションは非常に重要な考え方だと思いますが、バフェットの基本的な戦略が「集中投資」であることは有名です。

アメリカの大金持ちは50社のポートフォリオ投資で財をなしたわけではない。彼らの莫大な個人資産は一つの優良ビジネスを突き詰めることによって築かれてきた

このように考えると、株式投資が得意なのであれば不動産によそ見せず、株に特化するのが良いのかなと思えてきます。

借金を極端に嫌う

借金

バフェットは借金を嫌うことで知られています。

一般的に、不動産投資は資金を調達し、借入金を使って投資をすることが多いです。理由としては、不動産資産が高額であることや、長期間にわたり安定収益をもたらすことがわかっているので、土地や不動産が担保として使えること、そして不動産から生まれた安定収益を返済の原資にできるからです。

しかし、バフェットの基本姿勢は、

  • 純資産の4分の1までしか借金しない
  • 手持ちの25%以上のお金を借りて使ったことはない

と一貫しています。
バフェットも資金を借入して投資をすることがありますが、借入金に依存した投資は行わないというのが彼の方針です。

不動産投資を勧めるバフェット

一方で、バフェットは過去に不動産投資を肯定する発言を何度も行っています。

自分では(株式投資が一番得意なので)不動産投資はやらないが、決して不動産投資を否定しているわけではないのです。

投資家からの質問に対しての答え

質問

質問者「高インフレ時代にはどんなタイプのビジネスを保有するのが良いでしょうか?」

バフェットの回答「1度購入すればその後の設備投資をする必要のないビジネスですね。不動産投資が良い例です。(中略)どんなビジネスでも多大な設備投資を必要とするものは全般的に衰退しやすいのです。また、ブランド力のある企業もインフレ期に保有するには素晴らしい。(バークシャーが保有しているお菓子メーカーの)シーズキャンディーズもインフレ期に力強いブランドを獲得しました。」

インフレ対策の一つとして、一度購入すればその後の設備投資を必要としない資産をあげています。そしてその事例として不動産を「良い例」として紹介しています。

市況によっては不動産投資はあり

不動産はいまが購入すべき時だ
数十万件の戸建て住宅を購入する方法があるなら、大量購入をするだろう。

もし自分が今後5年、10年住みたい場所がわかっていたとすれば、30年の住宅ローンを借りて家を購入するだろう。
これは、とても素晴らしい投資だ。

参照:ウォーレン・バフェット、“アメリカ不動産は購入すべき時にある。”

これは、バフェットが2012年に語った内容です。
リーマンショックで米国不動産市場が大きなダメージを受け、さらに2013年のデトロイト市破綻など、ちょうどこのころアメリカの不動産市場は最悪の状態にありました。

この頃バフェットは「不動産はもっとも魅力のある資産」と語っています。不動産投資も市況によってはベストな投資対象になりうると考えていることがわかります。

バフェット自身も不動産を購入したことがある

不動産投資

あまり知られていないのですが、実はウォーレン・バフェット自身も、過去に何度か不動産に関わったことがあります。

ふたりの幼い子供を抱え、さらにもうひとりくわわろうとしていた。バフェットは初めて一軒家を購入した。さっそく家を”バフェットの愚行”と名づけた。

バフェットは家を買うことをとりわけ嫌った。家に金を使うのは、休耕するのとおなじで、当然の稼ぎを失うことになると考えていた。スージー(※バフェットの妻)はお金のことでバフェットに皮肉をいった。「私たちがもしお金持ちだったら、あの家へ行って持ち主にいくらで売ってくれるかきいて、どんなにふっかけられても払えばすむのよ。でも私たちは、お金持ちじゃないものね」 しかし、こうしたたえまない駆け引きをくりかえして、スージーはほとんどの場合、最後にはバフェットからお金を引き出すことができた。そのうちにバフェットは、その家を買う交渉役を派遣し、持ち主と交渉し、15万ドル(約1200万円)まで値切った。バフェットに電話をかけてきたロイトールズは「悪い知らせだ。きみはあれを買ったよ」といった。

スノーボール ウォーレン・バフェット伝より

この内容からも、バフェットは「賃貸派」であることがわかります。しかし、バフェットの妻の意見で、自宅として使うために不動産を買いました。バフェットは不動産の購入をためらっていましたが、最終的な結論付けとして以下のように述べています。

自宅購入から52年後の「バフェットの手紙」より。

私がこれまで手がけた投資ベスト3のうち、3番目の案件はマイホームの購入です。家を買わずに賃貸ですませ、マイホーム資金を株式に投資していれば、はるかに多くの利益をあげられたはずですけどね。ちなみにベスト1位と2位はともに結婚指輪の購入(※)です。私は一戸建てを買いましたが、家族と私は52年間の楽しい日々を得ましたし、これからもこの家で素晴らしい時を過ごすでしょう。

愚行と思われた不動産購入は、最終的にベスト3の投資になったというエピソード。お金を稼ぐという視点ではなく、その現物不動産が何を生み出したか?に着目していることがわかります。

農場を購入して驚異的なリターンを得る

農場

バフェットは1986年に約160万㎡(東京ドーム35個分)の農場を28万ドルで購入しています。自身に農業の知識はなかったので、息子に農場の経営を任せ、10パーセントの利回りを目標とした運用を行いました。

その結果、28年後には農場の価格は5倍以上となり、毎年生み出す収益も3倍以上となりました。

ニューヨークの不動産で利回り35%を実現

協同投資

バフェットは1993年にニューヨークの不動産(商業施設)に投資しています。農場や自宅の購入とは違い、こちらは完全な不動産投資です。

その物件に投資した理由は、好立地であり空室を埋めれば現在の利回り10%をさらに改善できると考えたからです。また、テナントの賃料が改善できそうだったことや、ローンを借り換えることでさらに低金利での調達ができそうだったことです。

結果、その不動産の利回りは35%に改善、この時バフェットは不動産の専門家と協同して運用を行っています。

農場経営とニューヨークの不動産投資エピソードは、バフェットが2014年の株主報告書で語った内容です。この報告書でバフェットが言いたかったことは2つ。

  • 自分がその道のプロでない場合は他の人に任せる
  • 不動産の値上がりではなく、その資産が生み出す収益に着目している

これを株式投資に置き換えると、株価の値上がりを狙うのではなく、企業の業績が良くなることで増配を繰り返し、配当利回りが高まるということになります。

事実、バフェットが1988年に投資したコカ・コーラ株は成長を続け、現在バフェットがコカ・コーラ株から得ている利回りは、当時の取得価額で算出すると、利回り20%以上になっています。

自分の得意な領域にフォーカスする

バフェットは自分が不動産のプロでないことがわかっているので、積極的に不動産投資は行いません。ただし、チャンスがあれば不動産も有効な投資資産であると考えていることがわかります。

続いては、「ウォーレン・バフェットのアメックス株への投資から学べる3つの視点」です。

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執筆者の詳細プロフィール
右も左もわからない状態で株式投資をはじめ、10年以上が経ちました。その間に、引きこもりになったり、会社を設立したり、いろいろなことがありました。「いい人」がたくさんいる世界の実現が目標です。「人の価値とはその人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」 - アインシュタイン 姉妹サイト「今日の経営」でも記事を書いています。

より良い情報をお届けするため、川原裕也 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

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