日本国債のPTS取引がついにスタート、SBI証券で国債の売買が可能に

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日本国債は国が発行する債券(国の借金)です。

銀行や証券会社の窓口で販売されている日本国債を購入することで、償還期間(元本の返済期限)まで、毎年一定料率の利息を得ることができます。

償還期間が10年間に設定された「10年もの国債」の金利は、通称「リスクフリーレート」と呼ばれ、リスクのない資産、無リスク資産と言われています。

厳密には、債券にはリスクがあるのですが、日本国債がデフォルトすることは日本が破綻することを意味するので、金融の世界ではノーリスクな資産という扱いになっています。

日本国債は購入後、中途売却することもできます。しかし、その手続きは窓口で行う必要があり、株式と同様に簡単に売買することはできませんでした。

しかし今回、SBI証券を運営するSBIホールディングスが、日本国債のPTS取引システムを稼働させるための許可を金融庁より取得し、日本でもいよいよ日本国債のリアルタイム売買が実現します。

PTS(私設取引システム)とは?

PTS取引は、「私設取引システム」の略称で、特定の事業者が独自に提供している取引システムです。

本来、株式の売買などは東京証券取引所などで行われますが、必ずしも株の売買を東証で行わなくてはならないという決まりはなく、PTS市場で取引をしても良いことになっています。

そして、PTSで購入した株式を東証で売却したり、東証で買った株をPTSで売却することも可能です。

例えばSBI証券は、SOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文という機能を提供しており、同じ銘柄の株式(例えばトヨタ株)を買いたい場合、東証の株価とPTS市場の株価を比較し、より有利な市場での買付・売買をおこなうことができます。

つまり、東証だけで取引をしている人よりも、SBI証券を使っている投資家はより有利な価格で取引できるチャンスがあるということです。

稼働時間が長い

PTSの取引時間

PTS市場は、東証と比較して稼働時間が長いことでも知られています。

夜間でもリアルタイムの取引が行われていることから、PTS = 夜間取引と解釈している人も少なくありません。

日本国債のPTS 2つのメリット

日本国債のPTS取引がスタートすることで、投資家にとっては2つのメリットがあると考えています。

1つめは、個人投資家によってこれまで売買の自由度が低かった国債を自由に売買することができることです。

債券は資産運用の中でもとりわけ安全度の高い資産です。

著名投資家のウォーレン・バフェットが尊敬しているベンジャミン・グレアムという投資家は、市況に応じて「株式と債券」の比率を調整することを推奨しています。

つまり、市況が悪い時は資産全体の債券比率を高め、株式の比率を減らす。逆に市況が良い時は債券の比率を減らして株式の比率を増やす。

このようにして、資産を安全に守りつつも、最適なパフォーマンスで資産を運用していくことができます。

しかし、現時点で個人投資家には国債のリアルタイム取引をする機会が提供されていないため、上記のような自由度の高い売買はできません。

日本国債のPTS取引が始まると、この問題が解決できます。

2つめのメリットは、機関投資家にとってのメリットです。

実は、債券は償還期間まで保有していれば実質的には元本保証の金融商品です。

また、あらかじめ金利が決められているので、債券の理論価格は計算で導き出せるという特徴があります。

理論価格が決まっている金融商品で複数の市場が生まれると、2つの取引市場の差額を訂正するための裁定取引が生まれます。

既存の債券市場とPTS取引市場が提供されることで、機関投資家にとっては裁定取引のチャンスが生まれることとなります。