【究極の裏ワザ】eMAXIS Slimの信託報酬を限界ギリギリまで引き下げる方法
執筆者:川原裕也 更新:
投信ブロガーの評価で人気No.1の地位を築いた低コストインデックスファンド「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」シリーズ。
投資信託の信託報酬(コスト)を抑えた「インデックス運用」をしている方にとって、eMAXIS Slimは現時点では最強のインデックスファンドです。
当サイトでも何度か取り上げていますが、eMAXIS Slimは「業界最安水準のコストを追求し続ける」と言及しており、他社が信託報酬の引き下げに動くと、eMAXIS Slimもそれに追従して勝手に値下げをしてくれます。
0.1%でも低コストで運用したい投資家にとって、これほど良いファンドはありません。
しかし、eMAXIS Slimには「信託報酬(コスト)をさらに引き下げる裏ワザ」が存在します。
この手法は、その他の投資信託でも実践できる内容ですので、知っておいて損はありません。
楽天証券と楽天カードを連携する
投資信託の信託報酬を通常よりもさらに引き下げる方法は2つあります。
- 楽天証券で投資信託を買う
- 楽天カードで投信積立する
上記2つの方法を両方とも実践すると、信託報酬は以下のようになります。
- eMAXIS Slim先進国株式インデックスの信託報酬(通常)
- 年率0.109%以内
- 楽天カードと楽天カードの連携後
- 年率0.011%(実質90%OFF)
※税抜き
※20年保有した場合を想定(20年以下の保有ならさらにコストダウン)
通常でもかなり低い信託報酬を提供する「eMAXIS Slim先進国株式」ですが、楽天証券と楽天カードの連携を行うことで、実質的な信託報酬は90%OFFとなり、そのコストは「ほぼゼロ」という水準まで引き下げることができます。
楽天証券で購入すると実質0.048%割引
楽天証券では、投資信託の保有残高10万円ごとに毎月4ポイントを付与するサービスを実施しています。
これを年率換算すると「投信保有残高の年率0.048%のポイント」が還元される計算です。
保有残高には含み益もカウントされますので、投資信託が値上がりすると、それだけ付与されるポイントも上がります。
もちろん、投資信託の価格が下がってしまった時は、その分だけもらえるポイントも下がってしまいますが、、、
投資信託の保有残高に応じて楽天ポイントをもらうには、
- 楽天銀行ハッピープログラムの登録(無料)
- マネーブリッジの登録(楽天銀行との連携、無料)
が必要です。(マネーブリッジについてはこちらで解説)
上記はすべて無料で、設定も簡単です。
また、マネーブリッジに登録すると投資の待機資金を楽天銀行で特別優遇金利で運用できるというメリットもあります。
このサービスを活用することで、楽天証券で投資信託を保有している人は、他の証券会社で購入するよりも実質的に年率0.048%のコスト削減が可能です。
SBI証券も「投信マイレージサービス」という同様のサービスを展開しています。
投資信託の保有残高に応じて、最大で年率0.2%の「Tポイント」を付与しています。
しかし、インデックスファンドについては、その多くが年率0.05%以下の還元率となっています。
全体的に、楽天証券よりもポイント還元率は高めなのですが、eMAXIS Slim先進国株式のような限界ギリギリの低コストファンドについては、還元率は0.03%または「ポイント還元なし」という措置が取られています。
一方、楽天証券の場合はファンドの種類に限らず一律で年率0.048%の還元を行っているため、低コストインデックスファンドに関しては、楽天証券で購入したほうがお得です。
※ただし、法人口座もポイント還元の対象になっているという点では、SBI証券が優れています。楽天証券は、法人口座の場合、投信保有のポイント還元はありません。
楽天カードで積立すると実質0.05%の割引
上記に加えて、さらに楽天カードで投信積立をすると、20年間の保有で実質0.05%のコスト削減が見込めます。
楽天証券では、投信積立の支払い方法に楽天カードが選べます。(毎月5万円まで)
毎月の投資信託の積立購入を楽天カードで決済することで、積立金額の1%を楽天ポイントで還元します。
前述の「保有残高に応じて0.048%の還元」は、投資信託を保有している期間中、継続してもらえるポイントです。
一方、楽天カードを使った投資信託の購入は、還元率は1%と大きいですが、購入時に1回のみ付与されます。
「購入時点で1回のみ、1%のポイントがもらえる」というサービス内容を、保有期間中に継続して発生する信託報酬(コスト)の割引として計算すると以下のようになります。
投信を3年で売却するなら、実質0.33%の信託報酬の引き下げになります。(とてもお得です)
仮に、投資信託を20年間保有する「長期投資」を前提に考えた場合、「1% ÷ 20年 = 年間0.05%のコスト削減」となります。
これに、先ほどの年率0.048%のポイント付与を含めると、20年の保有で信託報酬は実質0.098%引き下げられます。
つまり、通常なら信託報酬が年率0.109%のeMAXIS Slimを、実質年率0.011%という安さで運用することが可能です。
利用条件は特にありません。
楽天カードを持っている人であれば、楽天証券で投資信託の積立購入を申し込む時に「楽天カードクレジットカード決済」を選択するだけで完了します。
- 楽天カード(無料)を持っている
- 楽天証券の投信積立購入で「楽天カードクレジット決済」を設定
- カードを使った毎月の積立金額は5万円が上限
※楽天カードを使った投信購入の積立日は毎日1日のみとなります
※家族カードでは利用できません
※iDeCo・楽ラップは対象外です
なお、楽天カードを使った投信積立は「つみたてNISA口座も対象」です。
これから資産運用を始める人はまず、つみたてNISA口座での投信購入をおすすめします。
つみたてNISA口座では、毎月3.3万円(年間40万円)の積立が可能です。「楽天カードクレジットカード決済」を利用することで、投資額全額にポイントを付けることができます。
ちなみに、今回は人気のeMAXIS Slim先進国株式を例にあげましたが、楽天証券で取り扱っているすべての投資信託で、この手法を実践することが可能です。
eMAXIS Slimの直販開始の噂に対抗か?
楽天証券と楽天カードの連携は、非常にお得度が高いので、私も活用しています。
最近は、資産運用会社同士では信託報酬の引き下げ競争が、そして証券会社同士ではポイント付与の競争が激化しています。
そのような中で、楽天証券がこれほどまでお得なサービスを展開するには、理由があります。
それは、以前から噂されている「eMAXIS Slimの直販開始」が控えているからです。
新聞報道などによると、eMAXIS Slimシリーズを販売する三菱UFJ国際投信は、2019年中にも投資信託の直接販売をスタートするとのこと。
これまで、コスト削減でしのぎを削ってきた資産運用会社がついに、証券会社を介さずに投資信託を直接販売するという手段に出たのです。
投資信託の信託報酬には、運用会社の手数料の他に、販売会社(銀行や証券会社)への手数料も含まれています。
もし、資産運用会社が直販で投資信託を販売できれば、販売会社への手数料を削減できるため、さらに信託報酬を引き下げることができます。
信託報酬のさらなる引き下げは、私たち投資家にとっては嬉しい話ですが、証券会社にとって手数料が得られなくなってしまうのは問題です。(直販の方が安いなら、コストを気にする投資家は直販で買いますからね)
もちろん、現時点では、eMAXIS Slimが直販をスタートするのかどうかもわかりませんし、直販でeMAXIS Slimを取り扱うかどうかもわかりません。
また、直接販売を行ったところで、eMAXIS Slimの信託報酬がどれくらい引き下げられるのかも不明です。
ただ、こうした問題があるからこそ、証券会社は顧客にとってよりお得なサービスを提供し、資産運用会社の直販に対抗しているのではないかと、私は考えます。
もっとも、これは私の予想ですが、eMAXIS Slimが直販を開始しても、「楽天証券と楽天カードの連携」によるメリットを上回るのは難しいのではないかと思います。

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